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プロフィール
長友里実 / コンサルタント
2017年に新卒でJBAへ入社。これまで鉄道、小売業界のクライアントを中心に50社以上の支援を手掛けてきた。現在は、企業の理念浸透や、組織変革の為のインターナルコミュニケーション支援、採用戦略の策定などの案件を手掛けている。
自分の全力をぶつけられる場所を探していた
私は幼少期を宮崎県の延岡市という人口10万人余りの小さな市で過ごしました。小学校の全校生徒が16人しかいないようなのどかな場所です。娯楽がほとんどない中で、学生時代の私を惹きつけてやまなかったのがダンスでした。ダンスを始めたのは幼稚園の頃。テレビに映るマイケル・ジャクソンのダンスに強烈な憧れを感じたことを今でも覚えています。そのときから、将来の夢は世界中の人を感動させるプロダンサーに。その後大学生まで夢を追い続けました。20年近く本気で打ち込みましたが、プロダンサーへの壁は高かった。自分にはダンスで食べていけるほどの実力がないとわかったとき、本当に悔しくてどうしようもありませんでした。「この悔しい思いを仕事にぶつけたい。」そう考えて、全力で取り組める、やりがいある仕事を探して就活を始めました。
JBAを知ったきっかけは、東京で行われた企業説明会でした。応募の決め手となったのは、JBAの社員が心から楽しそうに仕事の話をしていたこと。JBAの社員は目を輝かせながら、自分の行っている仕事やお客様に関して語り、説明会が終わると楽しそうに仕事に戻っていきました。こんなにも社員が生き生きと働いている会社があるのかと驚き、「絶対にここで働きたい!」と考えるように。一度は書類選考で落ちてしまいましたが、あきらめてたまるかと、徹底的な自己分析、企業分析を行ってESを書き直し、2次募集に再度応募。そうしてなんとか内定を勝ち取り、私はJBAで働くことになりました。
チャンスをもらったのに結果が出ず焦る日々
入社後はインフラ業界のクライアントを多く受け持つようになりました。中でも研修を終えてすぐに担当することになった大手鉄道会社のA社とは、長年共にお仕事をさせていただいています。
そんなA社から、入社5年目のタイミングで重要な案件をご依頼いただいたことがありました。当時A社にとっての課題は、事業の先行きが不透明になってしまっていたことでした。人口が減少していく中、必然的に鉄道を利用する顧客は減っていき、売上は減少していきます。そこでA社では、鉄道事業以外の新しい事業を展開していく戦略を立てていました。この戦略が上手くいくかどうかが、この先A社が成長していけるかどうかを決定づけるかもしれない。それほどにA社にとって重要な戦略でした。最初にお客様から与えられたミッションは、その新しい戦略の方針を従業員に伝え、現場で働く社員まで全社員が戦略の内容や目的を理解して、新戦略を推進できるようにすることでした。
「会社を左右する経営戦略の浸透案件。これは大きな成果を出すチャンスだ。」チームリーダーとしてこの案件に関わることになった私は、そう強く意気込んでいました。しかし、その思いとは裏腹に、案件はなかなかうまくはいきませんでした。土日も使って必死に企画を考えましたが、お客様からはあまりいい反応をいただけませんでした。チームメンバーにもどんな指示を出せばいいのか、どうやってモチベーションをあげていいのかも分からず、チームを動かすこともできない。やることすべてが完全に空回りしていました。重要な案件で結果を出せていないことに、次第に焦りが募っていきました。
「お客様のために」をとことん追求したいと思った
そんな時に、社長がある日の朝礼の中で放った一言が、私の考えをガラッと変えることになりました。それは、「お客様企業のことを自分の会社だと思え。」という言葉。この言葉を聞いてはっとしました。それまで私は、どうやって提案を通し、結果を出そうかという自分中心の視点でしか考えられていなかった事に気が付いたのです。自分がA社の社員だとすれば、もっとA社をよくするためにあらゆる手段を考え、行動するはず。自分が今うまくいっていない原因はきっとこの部分にあると感じました。その時から、私はお客様の立場に立つことで、「お客様のため」を追求することに決めたのです。
お客様の立場に立つためには、当然お客様の事はすべて知っておかなくてはならない。そう考えた私は、お客様企業のホームページや採用サイトを隅々まで見て、あらゆるメディアの特集を読みつくしました。それだけではなく、国会図書館の中に貯蔵されている過去数十年分の資料全てに目を通し、担当者の方にも何度も質問をぶつけ、A社への理解を深めていきました。そうしてインプットを進めていくと、これまで自分がいかにお客様企業のことを理解せずに企画やコンテンツを作っていたのか、いかに的外れなものを提出していたのかを認識させられました。
情報を得て、お客様の立場に立ってみると、A社の戦略の背景や意図が理解できるようになりました。そうして理解を深めていくうちに、担当者様からご相談いただく内容に応える以外にも、A社の価値を高めるためにできることがいくらでもあることに気が付きました。「相談内容はこれだけど、もう少し詳しい情報があった方がいいかもな」「社内向けだけではなく社外向けの企画も提案できるかもしれない。」A社のことを深く知り、A社の社員の立場に立つことによって、それまで見えていなかった、本質的にA社のためになる支援が見えてきたのです。
本気でお客様のためを思うことで出せる価値が広がっていく
次の商談から、私は自分の提案を通し、結果を出そうというスタンスをやめ、A社をよくするためになんでもしようという姿勢で臨むようになりました。お客様のご要望に対して大量の情報を調べ、それを惜しみなく提供するだけでなく、お客様が求めている内容以外にも、追加でできることがあれば何でも提案を行いました。そうして、商談の中で、A社の価値をあらゆる人に知ってほしい、A社の価値を高めたいという私の思いのすべてをぶつけていきました。こうして支援を続けていると、商談の様子にも変化が現れ始めました。A社の担当者の方が私の話を熱心に聞いて下さるようになり、提案に対しても以前より多くの意見を下さるようになったのです。お客様に対して親身に向き合っていったことで、ただの外部のコンサルタントではなく、A社を共によくしていくパートナーとして認識していただけたように感じました。
そうして1年以上、情報提供や追加提案などのご支援を続けていると、ある時お客様が、「実は新戦略の社外発信が上手くいかなくて悩んでいるんです。私達のことを知り尽くしてくださっているJBAさんに、支援をお願いできませんか?」という依頼をしてくださいました。重要な戦略を推進していくパートナーとして選んでいただけるほどに、お客様との信頼関係を築けたのだと、感慨深いものを感じました。お客様のことを自分の会社だと思い、本気でお客様のことを思った提案をしていくことで、届けられる価値は広がっていくということを、この時確かに実感しました。
目の前のお客様に親身に向き合うことを通じて、社会に大きな価値を出していきたい
A社の案件を経て感じたのは、お客様のためになることは何かを考え、親身な姿勢で支援を行うことにより、お客様から本当に信頼していただくことができるということ。そして結果として、コンサルタントとして提供できる価値が広がっていくということです。まずは目の前のお客様に対して自分のできる限りのことを尽くす。この姿勢だけは、この先何があっても崩してはいけないなと考えています。
現在もA社との取引は続いており、それ以外にも複数の鉄道会社の支援をさせていただいています。現在構想しているのは、A社を含めた複数の鉄道会社への支援を通じて、日本全体にイノベーションを起こすこと。線路網は日本中の至る所に張り巡らされており、多くの鉄道各社は自社の鉄道を利用してもらうために、駅周辺の整備や沿線地域の街づくりにも力を入れています。そのため、日本中の鉄道会社の企業の支援を通じて、日本全体をよくしていくことができるのではないかと考えています。日本中の駅やその周囲の地域をブランディングし、世界中に発信することで、日本を来てみたいと思うような国にする、そんな展望を描いています。そのためにもまずは支援させていただいている1社1社にできる限りの価値を提供し、お客様の目標を共に達成するパートナーとして選んでいただかなくてはなりません。これからも目の前のお客様に親身に向き合うことを通じ、その先にある社会へと大きな価値を出していきます。