1
/
5

美大日本画専攻から『お客さまのために描く』イラストレーターに

JBAの事業や、働く人々の魅力を知ってもらおうと始まったこのインタビュー企画。今回お話を伺うのは、2012年入社のイラストレーター八幡さんです。

八幡さんは、デザイナーとして入社し、コンサルタントと編集の業務を経て現在はイラストレーターとしてご活躍されています。JBAでさまざまなお仕事をされた経緯とお客さまの期待に応えるイラストレーターとしての在り方についてお聞きしました。


-JBAに入社を決めた経緯を教えてください

 私は武蔵野美術大学で日本画を学んでいました。大学在学中から、ただ絵を描けるだけでは食べていけないという意識を強く持っていました。社会に求められる絵が何なのかを知らなければ絵を売ることはできないと思っていたので、まずはビジネスの世界に入ろうと。広告業界で探していたのですが、JBAは、たくさん見ていた会社の中でも、冊子だけでなくWebや動画といった様々な媒体を扱っている会社で、常に新しいことに挑戦したい私にはぴったりだと思いました。また、お客さまの課題を解決するための仕事をしているという点に、本当に誰かの役に立つ仕事ができるんだと期待に胸が膨らみました。

-入社当初はデザイナーとしての採用だったんですよね?

 はい。でも実際にはデザイナー業務はほとんどやっていません(笑)。新入社員研修でお客さまの話を直接聞いてみたいと思い、コンサルタント業務から始めることにしたんです。JBAの仕事は、お客さまの悩みからクリエイティブを生み出すこと。最初の悩みはどんなものがあるのか、生の声を聴きたいと思ったんです。ただ、コンサルタント業務を重ねていくうちに、自分はお客さまと課題を見つけるために話すよりも、誌面をつくる話し合いの方が好きだと気付きました。そのころからちょうど編集の仕事を任されることも増えてきたので、コンサルタントとは別に編集者としてお客さまのもとに向かうようになりました。この編集業務も3年ほどすると自分の中でやり切った感が出てきました。何か新しいことがしたいと思って、それまで少しずつやっていたイラストの仕事に専念させてほしいと会社にお願いしました。それからはずっと社内のイラストレーターチームのリーダーをしています。10人いるイラストレーターと編集の窓口として、仕事の割り振りやチェックなど全イラスト案件を把握しまとめています。自分自身もイラストを描きながら、新人イラストレーターの育成もしています。


-2019年、絵本を作ったとお聞きしました

大手通信会社の合併後の周年事業として、約1年ほどかけ40ページ弱の絵本を作りました。合併した4社のそれぞれの働きや会社の考えかたを社員に知ってほしいというご相談のもと受注した依頼でした。

受注を決めたコンサルの話はこちら:J22_高尾さん記事

この案件で大変だったのは、お客さまに対する理解と緻密な提案です。店舗や裏側の物流、本社で働く人々、通信事業としての災害時のサポート、社長インタビューなどあらゆる項目を取り上げました。絵本は、当然ながらイラストで伝える情報量が多いため、お客さまに対する深い理解が必要になります。取材にも伺いましたが、すべての作業を見せていただけるわけではなく、写真をいただけないものもあったため、想像で描かなければないところもありました。絵本では、読者の目に留まりやすく、理解のサポートになるイラストを描かなければなりません。どうすればわかりやすい絵になるかチームで何度も話し合い、細かい調査と緻密な提案を重ねました。

通信事業の進化の速さをタイムトラベルのような絵で表したり、物流の流れをキャラクターの旅にしてみたりと随所に細かい工夫を散りばめました。中でも好評だったのは社長インタビューのページ。合併した通信事業4社の働きをハンバーガー屋さんに例えたイラストで表現したんです。文章だけだとわかりにくい会社の仕組みを、目を引くデザインにすることで、わかりやすく図化するとともに、文章も読んでもらえるよう工夫しました。

普段から社内で様々なタッチのイラストを描いています


-他社の業務と並行して絵本を作るというのは大変だったのでは?

すごく大変でしたね。最後の一ヶ月は他社の業務に手が付けられず、この絵本のイラストに専念したほどでした。それでもこの絵本を手にする読者を想像し、最後まで頑張ることができました。全社員が読んで各部署の仕事や面白さを知る機会になるし、もしかしたら子供や家族にも見せるかもしれない。この絵本の影響力の凄さを考えると、絶対いいものをつくるんだと気合が入りました。

-お客さまからの反応はどうでしたか?

完成した絵本を読んだお客さまから、たくさんの感動の声が届きました。社長からも、「社員より会社のことを理解してるよ!」とお褒めの言葉をいただきました。発注当初の予定では社員の方々にお配りするだけだったのですが、研修で配布したり店舗に置きたいといったご相談もありました。このプロジェクト以来、他にも多数のご依頼をいただいています。

 プロジェクト終了後、共に頑張ったお客さまの制作チームに、感謝の気持ちを込めたミニ絵本をお渡ししました。制作過程を振り返りながら、チームの一人ひとりが登場するパロディのようなもの。このミニ絵本を読みながら涙を流されているお姿に、私も胸が熱くなりました。JBAからの提案をたくさん受け入れてくださった素敵な方々で、一緒にお仕事ができてよかったと深く思っています。

コンサルの仕事を退いてから、お客さまと深いかかわりを持つことはもうできないと思っていました。この絵本プロジェクトを通して、イラストレーターでも一社と深い関わりを持ち貢献することができるんだと気付き、とても嬉しかったです。


-イラストレーターとしてのお客さまとの関わり方を新たに見つけられたんですね。
 企業の課題解決に貢献するイラストレーターとして大切なことは何でしょうか?

私は、お客さまが求める絵を理解し、表現の提案ができることが大切だと思っています。これまでの仕事を通じて、改めて、ただ絵をかけるだけではだめだと実感しています。私は特出した技術があるわけではありませんが、お客さまが求めるものを受け止め、わかりやすい表現を提案する力があります。これができる人って意外と少ないんです。表現の提案というと難しく聞こえるかもしれませんが、お客さまが伝えたいメッセージが誰にでもわかりやすいものかという視点を持っていればいいんです。ここには、過去に編集をしていた経験が生きているとも思います。

お客さまのご要望を聞くと、偏ってたりわかりにくいことが多いんです。会社内だから通じるような事を当たり前だと思っていたりする。そうしたところに一般的な視点をもって「これわかりにくいですよね?」といえるだけで、読者のためになり、そしてお客さまのためになります。私にわからなかったら他の誰にもわからない!という気持ちで、誰にでもわかりやすい表現を提案するようにしています。こうした提案が、企業に求められるイラストレーターへの一歩だと思います。


-どうしてそこまでお客さまのために頑張れるのでしょうか?

入社してからすぐ先輩に言われた「お客さまのためになると思ったことならなんでもやっていいよ。何かあったら俺が責任取るから。」という言葉が深く胸に刺さっています。私がお客さまのためになると思ったことは何でもしていいんだと感動し、この言葉を思い返すといつもどこまでも頑張ることができます。

イラストレーターの私がお客さまとの打ち合わせに参加できる環境があることもありがたいですね。一般的には、イラストレーターがお客さまとの最初の方向性決めに関わるチャンスは少ないんです。言われたことだけやるんじゃなくて、もっとこうしたらいいんじゃないかっていう提案ができる環境があることで、全力で挑むことができます。

今後もお客さまとの関係を大切に、イラストレーターとしてできることを頑張っていきたいです。

日本ビジネスアート株式会社からお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
日本ビジネスアート株式会社では一緒に働く仲間を募集しています
11 いいね!
11 いいね!

同じタグの記事

今週のランキング

園田 勇也さんにいいねを伝えよう
園田 勇也さんや会社があなたに興味を持つかも