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JBAの事業や、働く人々の魅力を知ってもらおうと始まったこのインタビュー企画。今回お話を伺うのは、2007年入社のwebディレクター、高見さんです。高見さんはJBA入社後、社員として在籍しながらオーストラリアにワーキングホリデーに行かれたという異色の経歴の持主。(高見さんのキャリアについての記事はこちら)この記事では、webチームのリーダーとして活躍される高見さんのお仕事の内容や価値観について、より深くお聞かせいただきました。
―高見さんにとって最も印象深いお仕事について教えてください。
前回のインタビューでも少し触れたのですが、ある大手不動産会社A社さまの社内業務をサポートさせていただいた案件が思い入れ深いですね。最初は、A社さまのIT課にwebの使い方やPCの設定の仕方など膨大な量の質問が来るので、その業務負担を減らしたいというご要望でした。この案件は、お客さまと直接電話しながら進めていて、質問に自動で応えてくれるチャットボットのようなものを作ったらどうかという話になりました。しかし、お客さまも僕自身もチャットボットは初めての取り組みだったんです。最初は正直、本当にできるのかなという感じでしたね。試作品に厳しい意見をいただいたこともあり、お客さまの業務をヒアリングで丁寧に把握しながら、使いやすいものを形にしていきました。
案件進行の過程で特に印象に残っているのが、システムを作り上げて質問と応答のシナリオを全て入力までやり遂げた段で、お客さまの方からもう一度全て変えてほしいというお願いがあったことです。シナリオというのは、Excelシートのようなものに階層状にひとつひとつ手打ちで入力していくもので、すごく手間がかかる作業です。それをまた一からやり直すというのはとても大変なことでした。そこで、プログラミング(Python)を使い、シナリオの入力を全て一括で入れられるようなシステムをJBAのwebチーム独自で開発しました。これもかなり苦労して作ったのですが、その後お客さまの要望にもっと柔軟に対応できるようになってよかったですね。こうして無事チャットボットを完成させることができました。
―実際に運用されてみてどうでしたか?
様々な工夫を凝らして完成させたチャットボットは、それまで来ていた問い合わせの約30%を消化できるようになりました。実際に目に見えて効果が出たので嬉しかったです。また、この成功によってさらなる提案もさせていただいて。A社さまが外部に委託されていたコールセンターでやり取りされたこれまでの質疑応答の内容をデータベース化し、Q&A検索できるようなシステムを作ったり、社員名簿の自動更新に関わったりもさせていただきました。すると、そんなに効果が出たならば全社で採用したいと、もっと大規模なチャットボット作成も依頼していただいたんです。A社さまの業務内容をしっかり把握し、様々な工夫を重ねて努力した結果、こんな風に次々に展開していけて。A社さまの一員になったみたいに深く話し合いながら進めていけたので、より嬉しかったですね。
ーもっと他の案件についても聞かせていただきたいです!
2020年に入ってからの比較的最近の案件なのですが、社員3万名規模のあるグローバルメーカーB社さまとのお仕事が面白かったですね。JBAの様々な業務のなかで、社内コミュニケーションを活発化させるための社内マガジンのような媒体「社内報」の制作は大きな割合を占めていますが、私たちwebチームも「web社内報」というツールを作っています。会社の経営方針や、新商品発売といった最近の社内ニュースなどを伝えていくウェブサイトです。B社さまのご相談は、中期経営計画を社員に浸透させるには内容が難しい、理解してもらいやすくするための何かいい企画はないだろうかというものでした。
文章で説明された中計を、ちゃんと見てもらえるようにするためには…と考えていたところ、お客さまの外部向けサイト内にあった企画が目に留まりました。それをヒントにモンスターが出す中計クイズを解きすすめていく、PRGゲームのような企画を提案させていただいて。誰でもとっつきやく、初めて見る人でも中計の理解が深まるような仕組みを作ろうと、制作がスタートしました。
―この案件も、高見さんがお客さまと直接やりとりしながら進められたのですか?
この時は、間にJBAのディレクターが入っていました。お客さまに直接会えない分、こちらの作るものをできるだけ具体的にイメージしていただこうと、アイデアは極力デザインに起こしてから送ってビジュアル的に伝えられるようにしていましたね。もちろんwebチームとディレクター間でも、提案にずれができないよう何度もミーティングをして進めて。
B社さまの社員の方々がこの企画に興味を持てるように、webチーム内で様々なアイデアを出し合ったのも印象深いです。特に同世代が多かったので、こういうモンスターにしたらいいんじゃないか、こんな見せ方にしたらいいんじゃないか、っていろんな意見を言い合って。非常に楽しみながら制作できたと思います。デザインは全てドット絵にしてイラストレーターさんに起こしてもらったりもしました。この企画の狙いとして、1度やった後も何回もやりたくなるゲームを目指していたので、次のモンスター見たくなるようにシルエットを登場させたり、クイズの正解数に応じて点数を入れたり、細かいところまでこだわってみんなで話し合いました。
僕の思いとしては、B社さまのweb社内報は比較的固めの企画が多いなかで、この企画で社員同市のコミュニケーション設計もできればいいなというもありました。なので、「最後にモンスターどこまでいけた?」とか「君は何点だった?」とか会話してくれたらな、と納品後のことを想像しながら作っていましたね。中計を理解してもらうのはもちろん、さらにプラスの効果というか。自分たちの作るゲームで遊んでくださる社員の方々の気持ちを考えながら進めていけたと思います。
―これまでのインタビューで、高見さん自身も楽しんでお仕事されているような感じがしているのですが、そのあたりどうお考えですか?
自分がやりたいことと、お客さまの問題がうまく重なるところを探してずっとやってきているかなと思います。自分が楽しみつつ、お客さまの問題を解決する、その手段としてクリエイティブを使っているという感じですね。この業界は、新しいものをどんどん作りだしていかないといけないですよね。そのためには、やはり努力が必要で。普通にしていたら、どうしても同じような考えばかりになってしまいますが、楽しめているからこそ新しいアイデアが湧いてくるというか。実際仕事以外でなにか別のことをしている時間に、「あ、これ使えそう」なんてひらめいてわくわくすることがよくあって、そういうのが楽しいんですよね。そのわくわくをもとに何か提案して、お客さまが驚いてくれたらいいなっていうのをいつも考えながら作ってます。あと、JBA社内でもそうですし、お客さま方もまだまだwebに関しては分からないことが多いと思うので、こちらから考えてどんどん出していこうとしています。
―仕事の時間とプライベートの時間をしっかり分けつつも実は繋がってくる、という感じでしょうか。
そうですね、仕事と休みのオンオフは意識しています。仕事で同じようなことばかりしていると、頭がそれでいっぱいになって新しい発想のスぺースがなくなると思っていて。意図的に全く別の刺激的なものに触れて、仕事のルーティーンから外れるようにしています。新しい経験、新しい場所、新しい価値観に触れてわくわくすることで、その新しいものたちが頭をフルに使いだすんです。そこで頭の中が一気に塗り替えられる瞬間があって、一番アイデアが生まれやすい。だからその瞬間を大切にしています。頭の換気みたいなイメージというか。頭の中の仕事の部分と新しく入ってきた空気が混ざり合って、前向きになるしアイデアが結びつきます。そういう意味で、仕事とプライベートはしっかり分けつつも結局繋がってきますし、仕事のためにオンオフをはっきりさせているといっても過言ではないです。例えば 最近で言うと、変わったスポーツに挑戦してみたり、世界のある地域の民族楽器を演奏してみたり…やりたいときにやりたいものをやるようにしています。一緒のことをずっとしているのが嫌で、何か新しい発見があるような生活をしていますね。
ー今後の目標についても教えていただきたいです。
先ほどのA社さまのお話がまさにそうですけど、こちらのちょっとした思い付きから作ったもので、すごく喜んでいただける。そんな風に、今ある問題と技術を結びつけ解決案を出すというのもクリエティブの大切な部分だと思います。さらに自分の作りたいものが形にできて成果も出て、お客さまの役に立てるってすごく嬉しいですよね。ここまでトータルで想像できるクリエイティブディレクターになってきたいです。これからもお客さまとやりとりするなかで問題を見つけ出して、その解決の為に様々な業界の案件で培った経験を集結させ、自らの知恵と勘を研ぎ澄まして提案に活かしていきたいと思います。