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チームを理解するカギは“コミュニケーションと観察”──ジャーマネとしての成功体験から得た学びと覚悟

前職は求人広告のセールスとして働いていた羽山 美聡。2017年に入社したfreeeで、セールスチームの責任者を経験し、その後新卒採用の責任者となります。ここでは羽山のキャリアとともに、チーム責任者としてのメンバーとの関わり方や悩みとの向き合い方を紹介します。

人や組織が変わっていく過程に関わりたい

2014年に人材サービスを手掛ける会社に新卒で入社し、求人広告の営業担当として3年間働いた羽山。営業の仕事を選んだ理由を語ります。

羽山 「就職活動時代、人や組織の変容に関わっていけるような仕事に就きたいと考えました。内定をもらえたのは、人材総合サービス会社とERPコンサルティング会社の2社。人材を起点に組織に変容を起こすのか、構造や仕組みを変えることで組織を良くしていくのか、どちらに関わりたいのかを検討した結果、前者を選択しました」

3年にわたって採用支援を経験した後、2017年にセールスとしてfreeeに入社します。羽山の人生で初めてのリーダー職は、freeeでのジャーマネ(※)でした。

※マネージャーのこと。freeeでは単にメンバーの上に立つ者のことではなく、“タレント”であるfreeeのメンバーを叱咤激励し、成長・活躍をサポートする役割だと考え、ジャーマネと呼んでいる

羽山 「前職でメンバー1名の育成を担当したことはありましたが、チームリーダーとして、チーム成果や複数人の育成を担当するのは初めての挑戦でした。

私は『メンバーには、夢中で仕事をしてほしい』と考えていました。せっかく仕事をするなら楽しい方がいい。一人ひとりの人生にとって、仕事が何かしらいい経験であってほしいという想いがあります。

ジャーマネとして、freeeのミッションの実現や事業成長と個々人の人生における仕事の位置づけがなるべく噛み合っていくようにチームを運営することは、大変だけどおもしろくもありました」

より良い評価やフィードバックを目指して

freeeでは四半期ごとにフィードバックの機会が設けられています。中でも羽山の頭を悩ませたのは、freee独自の評価制度でした。

羽山 「freeeの評価制度は抽象度が高いので、最初は何を評価の対象として、何を良しとするのか、評価制度の解釈に苦労しましたね。

そんなときに助けになったのが、freeeならではの『キャリブレーション』という成長議論の場です。そこでメンバーの強みや伸び代、今後のチャレンジなどをジャーマネ同士が話し合うことで、評価に対する自分の理解を深めることができました」

また、freeeがフィードバックを大切にする組織だからこその悩みもありました。

羽山 「3カ月に1度、メンバーに対してのフィードバックを共有しています。相手にとって良いフィードバックをするためには、メンバーをしっかり見ていなければなりません。

3カ月の中で、以前と何が変化して、次に向けて何が伸び代になり得るのかしっかり観察してまとめていく必要があります。3カ月という短い期間だからこそ、変化への気づきと言語化が大事だと感じています」

羽山は、より良い評価やフィードバックのために、チームメンバーとのしっかりした関係性を構築することも意識しています。

羽山 「相手にフィードバックを受け入れる土台がなければ、何を伝えても機能しません。その土台を築く一歩として、積極的にコミュニケーションを取るように心がけています。

メンバー全員バックグラウンドも違えば、今置かれている状況もまったく違います。細かい状況や心情、特性、将来像、不安などは最初に聞いて確認するようにしています。まだまだ完全にできているとは言いがたい状況ですが、自分の思い込みや先入観は除いて、解像度高く理解できるように努めています」

また直接本人へアプローチする以外にも、行っていることがあります。

羽山 「業務でメンバーと接している他チームのメンバーと1on1を行い、私にはない視点での意見やフィードバックをもらうこともあります。また、メンバーが運営しているミーティングに定期的に参加するようにしています。何をどのように実行しているのかを実際に目にすることで、1on1だけではわからない情報を自ら取りに行くようにしています」

覚悟を持つことで実現できたブレイクスルー

いろいろなアプローチでチームと向き合ってきた羽山。自身のブレイクスルーを感じたのは、ジャーマネになってから1年後の2019年でした。

羽山 「当時はかたくなにメンバーのモチベーションさえ良ければ、すべてはうまくいくと信じていました。結果として、自分のやりたいことばかりを優先してしまい、ジャーマネに就任してから3クォーターほど経っても、まったく成果が出ませんでした。

振り返ると、業績マネジメントや育成の粒度が荒く、メンバーの自力を伸ばすことができていませんでした。そこで一旦、自分のことは横に置いて、業績マネジメントだけに集中することにしました。“覚悟”を持って取り組むことで、初めて達成することができました。メンバーも手応えを感じてくれていて、このときはやりきって良かったと思いました」

羽山の“覚悟”は生半可なものではありませんでした。

羽山 「何に向き合うべきかわかっていながらも、ずっと逃げていたんだと思います。そのクォーターで目標が達成できなければ、一旦ジャーマネを辞めようと自分の中で決めていました」

具体的なアプローチとして行ったのは、コミュニケーション方針を変えたことでした。

羽山 「以前は意思決定をメンバーに委ねていました。と言うと聞こえはいいのですが、要するに入り込むことで嫌われたらどうしよう、という不安な気持ちが先行していたんだと思います。結果、メンバーの意見をくみ取ってまとめることが仕事になっていて、そこに自分の意思はあまりなかったように思います。

改めて向き合ってみると、達成に向けて自分がやるべきことがどんどん決まっていきました。また、メンバーに伝えるべきことも発信できるようになりました」

羽山はこの経験から「自分の意見を持ち、ぶつけ合うこと」の大切さを学んだと言います。

羽山 「メンバーの意見を引き出し、その意思を尊重することこそが大切で良いことだと信じてきました。ただこの経験を通して、それだけでは足りないと気づきました。ジャーマネ自身が客観性を持って介入することで、新しい解を一緒に見出す必要があると思うようになりました。

今はお互いの解をぶつけ合うこと、つまり『私はこう思う』としっかり伝えて、より良い解を一緒に作り上げることが、成長や成果につながると思っています」

このブレイクスルーは、羽山にとって人生で一番の成功体験となりました。

ジブンゴーストと向き合い、立ち向かっていく

羽山はジャーマネとして働く上で、悩んだときの解決法を語ります。

羽山 「freeeには『ジブンゴースト』という概念があります。この概念は、ざっくり言うと『自身の障害となる信念や習慣、考え方のくせ、固定観念』のようなものです。チームのメンバーとの1on1で悩みを聞いて、ジブンゴーストに立ち向かっていくべくフィードバックを行うこともジャーマネの仕事です。

またジャーマネ向けのジブンゴーストへの向き合いを支援するプログラムとして『ゴーストバスタージャーニー』というものがあり、私の悩みをほかのジャーマネに話すことでフィードバックをもらっています。

逆に、ほかのジャーマネの相談役として接する機会もあり、それぞれのジャーマネが持つ悩みを聞くことが、私自身の悩みを解決するヒントにもなっています」

羽山のこれからの目標は「人と組織を強くする」ことだと言います。

羽山 「私のグロースビジョンは『人と組織を強くする』ことを通じて、社会に前向きなインパクトを届けること。社員それぞれが自然体で働きながらも、社会により大きな価値を届けていける組織づくりに貢献していきたいです。

もちろん今のジャーマネの立場はやりがいはありますが、ミッション達成に向けて人と組織を強くすることに関われるのであれば、ポジションに限らず関与していきたいと思っています。今は、たまたまグロースビジョンが新卒採用とジャーマネという役割で満たされていますね」

最後に羽山が、これからジャーマネになる人にエールを送ります。

羽山 「freeeのサービスは多様なユーザーさんが利用されています。だからこそ組織も多様であってほしいと思っています。その一つの要素として、さまざまな個性を持ったジャーマネがもっと増えていくことを望んでいます。いろいろなタイプのジャーマネが集まれば、さらにおもしろい組織になっていくと信じているので、どんどん挑戦してほしいです。

私自身もまだまだ精進していく必要があるのですが、当時、私がジャーマネに助けてもらったように、もし私にできることがあれば力になりたいと思っています」
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