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“マジ価値”を追求し続けたい──元トヨタマンのPMMが、freeeを選んだワケ

freeeでPMMとして部署を縦断した活躍を見せている社員、伊関 洋介。彼はかつてトヨタ自動車の社員としてアフリカで働いていました。そんな彼は、なぜベンチャー企業であるfreeeへと入社を決めたのでしょう。その背景にはfreee社員の共通項である「マジ価値の追求」という想いがあります。

freee に最も可能性を感じた

(南アフリカ時代)

2011年、新卒でトヨタ自動車に入社した伊関。所属した部署では新興国での駐在業務があり、入社4年後に南アフリカに向かいました。

伊関 「入社当時の業務内容はグローバルの需給調整でした。その後、アフリカ担当になります。当時は10年に一度くらいの大きなモデルチェンジの時期だったので、現地のセールスマンについていって、どのように売っていけばいいのかを考えながら商談に同席していました。

またマーケット調査のため、南アフリカからさらに、ガーナ・コートジボワール・コンゴなど、アフリカ13カ国へ出張しました。現地での生活は楽しかったけれど、もちろん日本とは全然違う世界なので、無事に生きて帰るのもひとつの目標でした」

一年間の駐在の途中、元トヨタマンのfreee社員から受けたスカウトをきっかけに転職を考え始めます。

伊関 「裾野が広い製造業はもちろん大事ですが、これからの時代を支えるユニコーン企業が日本から生まれていないことに対する危機感がありました。だから転職するとしたら ITで社会を元気にする会社にしようと決めていて、ベンチャーのビジネスモデルを調べる中で、freee に最も可能性を感じたんです。

車を持っていない会社はいくらでもありますが、会計やバックオフィスがない会社は存在しません。旧態依然とした会計業界を変えられることに大きなインパクトを感じたんです。そして、freeeが『マジ価値』を本気で追っているのも魅力でした。

また、個人的に会計ドメイン自体を勉強したかったんです。知っておいて損することはないし、すべてが勉強になるなと思いました」

こうしてfreeeを受けることを決めた伊関は、面接に臨むに当たってかなり入念に対策をしたと言います。

伊関 「まず YouTubeでCEO・佐々木の登壇・対談をすべて見ました。それからとくにアメリカのスタートアップやSaaS企業で聞かれることなどをネットで調べて、それに対する答えを自分なりに用意したんです。

そして迎えた面接当日。想定していた質問はあまり来ませんでしたが、やり取りの中で『ユーザーに対する価値をちゃんと届けたい』という想いが伝わってきました」

インサイドセールスで成長した日々

(入社当初の伊関)

2017年、freeeに入社した伊関。当時、freeeは会計事務所マーケット開拓に本格的に取り組み始めたタイミングで、彼も初めてインサイドセールスに挑戦しました。

伊関 「インサイドセールス自体が日本だと今でも珍しく、セールスフォース・ドットコムなどの外資しか取り入れていない手法でした。freeeではユーザー事業部から始まって、アドバイザー(会計事務所向け)事業部でも導入されており、アポイント・提案からクロージングまでオンラインで完結していました」

その中で、乗り越えないと行けない壁がふたつあったと言います。

伊関 「ひとつは、僕自体がセールス未経験だったこと。アフリカ時代も企画・調整が主な業務で、自分で何かを売ることはありませんでした。これは大きなハードルでしたね。しかもインサイドセールスなので、いろんなWeb上のツールを使いながらやらないといけなかった。すべてが未経験だったので、当時の新卒メンバーにゼロから教えてもらいました」

ふたつ目の壁は、大企業とアウトプットの仕方が違うことでした。

伊関 「大企業だと意思決定に必要な情報を集めて資料にすることも、バリューになっていました。しかしベンチャーは、目に見える成果を出さないといけない。インサイドセールスとしてのバリューは『freeeの価値がお客さんに届いた瞬間』で、その本質からは目を反らせないですね。

もっとわかりやすく言えば、セールスだと売れたら価値が届いたということ、サクセスだとちゃんと利用してもらったら価値が届いたということ。freeeのプロダクトの良さをお客さんに届け切ることが、実際の成果なんです」

それから全国津々浦々の会計事務所さんに提案し、入社1年後には700商談をこなし、110件ほどユーザーを獲得した伊関。それが自分の原体験になっていると言います。

伊関 「当時はミスターOKRと言われていました(笑)。何がなんでも達成するって執着があったんです。しかし、がむしゃらに頑張っても売れるものじゃないので、納得感のある理由を考えて提案し続けました。お客さんの潜在ニーズをくみ取り、適したソリューションを提案することにはかなり頭をひねりましたね。

数をこなしてセールスのテクニックがついても、深いところまでの悩みは質を高めないとわからないものもあります。インサイドセールスながら愛知まで出張して、ちゃんと向かい合って提案したりもしましたね」

freee初のPMMが誕生

(プロジェクト管理freee リリース時)

その後、チームリーダーとなった伊関は、自分の数字を持ちつつ、セールスの型化や組織オペレーション改善に取り組みました。その動きが、freee初の本格的なPMMへとつながっていきます。

伊関 「PMMとは『プロダクトマーケティング・マネージャー(Product Marketing Manager)』のことです。よく似ている言葉の PM(プロダクト・マネージャー)はプロダクト側からの目線を持ち『何をつくるか』において責任が生じますが、PMMは事業部(セールス、サクセス、マーケ)からの視点を持ち『何が売れるか・それをどう売るか』を考えるのが役割。主なゴールは『戦略的商品の利用率向上』と『プロダクトローンチ』です。

freeeでPMMが必要とされた背景には、PMが事業部に新しい機能を浸透させることにおいて、freeeの規模が大きくなりすぎていたのがひとつの理由としてあります。だからプロダクトを理解していて、かつセールス・サクセスなど事業部の実務に明るい人材が求められていたんだと思います」

PMMとして最初の業務は、『申告freee』の利用率を増やすというプロジェクトでした。

伊関 「実は『申告freee』は僕が入社した2017年にリリースしたんです。しかし当時の申告freeeはバグやエラーもあり、リリースと同時に信頼が落ちてしまいました。税務は、1円も間違えたらダメ。信用の低下からセールスメンバーが売りたがらない状況でした。

でもXero(ニュージーランドの会計ベンチャー)は、税のシステムまで含めて会計事務所に浸透させていて、かなり事業が伸びていて。そういう前例があるので、申告freeeは戦略的に重要なプロダクトでした。だから粛々と、機能改善を続けていたんです。

そしてPMMになったときには、いよいよ申告freeeの実力も上がってきていて、もう一度会計事務所にちゃんと価値を届けることができると思ったんです」

そのために初めにやったのは、申告freeeの良さをわかってもらうための社内イベントでした。

伊関 「インターナル・アクティベーションというのですが、やっぱり内部で着火して盛り上がらないと、売る、使ってもらうモチベーションにつながらないと考えました。だからまずは競合と比較するデモを行い、申告freeeの実力を認識してもらったんです。

そこから社外向けのマーケティングにつなげました。税務ソフトは触ってみないとなかなかわからないというフィードバックは昔からあったので、実地研修を企画したんです。そこからカスタマーサクセスにも協力してもらい、申告freeeを購入していたのに使ってなかった事務所の利用率を2倍まで持っていくことができました」

こういった施策を会計 /人事労務freeeでも行っている伊関。2020年4月にリリースしたプロジェクト管理freeeでは、リリースにあたりターゲティング、ポジショニング、メッセージングに加え、事業部での販売オペレーション構築やローンチ〜初期マーケティング企画をすべてをやったと言います。

伊関 「具体的には競合調査を行い、自社製品の強みを洗い出し、メッセージを考えました。そしてLPに落とし込み、β版販売期間のセールス活動のフォローアップ、リリース後のマーケティング活動などを行いましたね。またリリースまでの道のりでは、PMの宮田やエンジニアと連携し、開発の状況を逐一共有してもらい、LPに載せる範囲を決めていました」

PMMとして業務に勤しむ中で、楽しさを発見してきた伊関。freeeの大きな裁量があったからこそここまで楽しめているのだと語ります。

伊関 「PMMの目標設定やアクション設計はとてもユニークです。freeeではアクションを縛ることはありません。目標達成に効果がありそうなことであれば、なんでも取り組むことができます。開発と連携しプロダクト内でのグロース施策を行うことで認知を高めたり、サクセスメンバーを巻き込んで直接お客様に働きかけたりしても良いんです」

4年目で感じる、「裁量と価値の追求」という魅力

freeeに入社し、2020年現在4年目を迎えた伊関。インサイドセールスからPMMまで部署移動をしても変わらずが大切にしているものは、やはり『マジ価値』だと言います。

伊関 「お客さんに本質的な価値が届いてこそ意味があると思うんです。だからこそPMMとして目標の設計は丁寧にやりたい。セミナーを何件やるとか資料をいくつつくるではなく、その結果、お客さんがどれだけプロダクトを使ってくれる、ひいてはこれだけ生産性、付加価値向上につながったということを確認できることが大事ですね。厳しい見方をすれば『頑張った』とかではなく、徹底して成果にこだわりたいです」

PMMとして垣根を超えた働き方をする伊関ですが、それが良い結果をもたらしている要因はfreeeのカルチャーにあると言います。

伊関 「とにかくフラットで、『マジ価値』を前にみんな平等なのが良いですね。誰が言っているかより、何を言っているかや、何をやりたいかを大事にしています。アイデアをシェアすれば部署の垣根なく議論が巻き起こり、マジ価値につながるものであれば実現につながる、ボトムアップの組織なのも魅力です。

また、失敗からさらなる挑戦を応援してくれている風土も魅力ですね。失敗した体験から優先順位を学び、次のプロジェクトに生かせている体感があります」

そして、伊関がこれからのfreeeに抱く期待とは──

伊関 「freeeは会計・人事労務・金融・API・その周辺業務など、どんどんドメインも多岐にわたってきています。今後、プラットフォームとして拡大していけば、AI×ビッグデータの掛け合わせの中で、ますますユーザーにマジ価値を届けられると思いますね。

freeeのポテンシャルを考えれば、僕もPMMとしてまだできることがあります。まずは社内外からメンバーを追加し、PMM組織をさらに強化して、より複雑で難しい課題に取り組んでいくこと。今の変化を最大限楽しみつつ、最適化する過程で成長していきたいです」

マジ価値を追求するPMMは、今後もfreeeの価値を最大化し続けることでしょう。

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