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こんにちは、採用広報の西木です。
freeeでは各部署ごと、ときにはその垣根を超えて、ナレッジを共有する勉強会が開催されています。
セールスチームの守破離プロジェクトなどボトムアップで自主的に開催されているものが多く、これらはfreeeのマジ価値指針のひとつ『あえて、共有する』に基づいています。
今回はその中でも、2019年からカスタマーサクセスチームが行なっている『チムカル』について特集します。
まずは2019年の10月に勉強会を始めたメンバー、五百崎と土屋に話を聞いてみました。
【土屋(左)と五百崎(右)】
ーどんな流れで勉強会をスタートしましたか?
五百崎「当時、社内で体制の変更があり、チームが発足してから3ヵ月のタイミングでした。
数字上の目標は達成できていましたが、新チームなので、各メンバーの自発的な取り組みや、チームとしての一体感はまだ感じられていませんでした。そこでチームの雰囲気作りもあわせて、勉強会をスタートさせました。
念頭に置いたのは『日本一のカスタマーサクセスのチームを作る』ということでした」
ー数字を達成できていたということは、ユーザーに『マジ価値』が届いていたのではないでしょうか?
(* freeeでは、ユーザーにとって本質的な価値があるものをマジ価値と呼んでいます)
土屋「いや、結果的に達成したものの、チームとしてやり遂げた感はなかったんです。というのも、立ち上げまもないチームでは、各々がてんやわんやで、自分の数字達成するのに精一杯でした。
焦点が当たっていたのも、チームじゃなく、完全に個人でした。その原因は、サクセスチームとして同じ目標が持てていなかったことだと考えました」
五百崎「現に、チーム全員と1on1したところ、一体感を感じられていないとの意見を得ました。また、目標達成の喜びも共有できていないと思いました。その時点では、うまくいったことを共有するのも、各自のやり方でアドリブ的にやっていたんです。
しかしそのまま各々で動いていては、出来ることが限られてしまい、全体の底上げができません。チームを日本一にするためには、全体での取り組みをしないといけないという思いがありました」
ーどのようにプロジェクトをはじめましたか?
五百崎「まずは社内SNSのサクセスグループで、旗振り役となるメンバーを募りました。トータルで5人集まり、『チムカルゴレンジャー』と名付けました」
土屋「そして具体的に何をするか決めました。その結果として、
1:カスタマーサクセスチームのグランドルールの作成と定着
2:チーム内の交流
3:チーム外・社外とのサクセス交流
が、目標になりました」
ーグランドルールとはどんなもので、どのように決まったのでしょう?
五百崎「カスタマーサクセスチームに必要なマインドセット・スタンスを表した標語で、これからのチームの行動指針になるものです。また迷ったときにも、ここに戻ってこれるように、わかりやすく短い合言葉にしました。チーム全体のオフサイトで、みっちり話し合って決めました。具体的には以下の3つです」
『my own freee ~ミッションのジブンゴト化~』
freeeのミッションである「スモールビジネスを世界の主役に。」をジブンゴトとして捉えていこう、というもの。
そのために、より解像度高くミッションを理解し続け、ミッションにつながる自分のミッションを持ち続けることが大切。心のなかに自分自身のfreeeを持って、自分の言葉でミッションを語れるチームに。
『迷ったら、Rockに』
選択を迷ったとき、ミッションを実現に近づけ社会を変革できる選択肢(=Rockな選択肢)を選んでいこう、というルール。
無意識に簡単な選択肢を選んでしまったり、逆に複雑に考えすぎることで遠回りをしてしまったりすることは誰にでもある。そんなときは自分自身に「この選択はRockか?」と問いかける。AでもBでもない、最高にロックンロールな道が見えてくるかも。
『顧客に対して公平(フェア)であれ』
顧客の声の大きさに左右されず、自分の中の一貫した基準を持ち、平等(equally)ではなく公平(equity)な対応をすることができるプロフェッショナルなチームを目指す。
【メンバーでの座談会。五百崎(下)、土屋(右上)のほか、このあと登場する綿引(左上)】
ー具体的な取り組みにはどんなものがありましたか?
五百崎「まず『ゆるえも会』というものを開催しました。これは毎週1回、ゆるくフラットな雰囲気で、エモいことを話す会のようなもの。
チームメンバーのグランドルールを体現する行動を褒めたり、自分がグランドルールを意識できたタイミングを共有したりしました」
土屋「運用してきて5ヶ月が経過した2020年2月には、各グランドルールについて、最も実践できていた人を投票で選出&表彰する『グランドルール大賞』も開催しました」
五百崎「他にはチーム内の交流として、 みんなで楽しくごはんを食べるフュージョンランチを開催したり、リレーブログを始めてお互いの理解に努めました」
土屋「チーム外での交流としては、税理士さんや会計士さんを担当しているアドバイザー事業部と協力して『サクセスオールハンズ』を開催し、互いのサクセスのやり方や価値観を交換しました。
社外交流では勉強会に出席したり、アドベントカレンダーを作成して方法論などを公開しました」
ー大きく変化があったと感じることは?
五百崎「誰かの問題提起に対して解決方法を考えることで、チームの問題を自分の問題として取り組む姿勢が生まれ、信頼が醸成されていったと思います。信頼関係がないうちは思っていても出来なかったことが、信頼関係が生まれたことで心理的ハードルが下がり、実践できるようになってきました」
土屋「心理的安全性が高まると、導入支援中の工夫(資料等)を共有するようになりました。
実際、共有してもらった資料をつかって導入支援が上手くいったので、結果的に『マジ価値』にも繋がっている取り組みだと思います。さらに成果を共有することで、チームとしての結束も強くなりました」
ー失敗なども共有しましたか?
五百崎「もちろん失敗も共有しました。フィードバックをし合うことで、さらにチームの雰囲気はよくなり、成果に繋がったと思います」
土屋「逆にお互いを褒め合う会も開催しました。そこで自己肯定感を養ったことも、チーム内で積極的に何かを共有することに肯定的に働いたと思います。
新しい取り組みにみんなで取り組めたことも、ムーブメント感があってよかったです」
ー2020年の4月からは、旗振り役のチムカルゴレンジャーのメンバーを総入れ替えしたと聞きました。そこにはどんな意図がありましたか?
五百崎「ちょうど当時メンバーが急増し、グランドルールを決めたときにいなかった人が3割を占めるようになっていました。そういう新メンバーにこそ、こういった活動に主体的に参加してほしいという思いがありました。
またコロナでフルリモートになったタイミングで、もう一段ギアを入れるぞという意味合いもありました」
ここからはチムカルゴレンジャーの二期メンバーに選ばれた綿引の話を聞いてみました。
まずは2020年1月にfreeeに入社した理由を語ってくれました。
綿引「『スモールビジネスを、世界の主役に。』というfreeeのミッションに惹かれたことですね。面接の段階でお客さんのことを本気で考えていることが伝わって来ました。
また私は今までバックオフィス中心に働いていて、自分の経理知識がfreeeでも活かせるのではないかと思いました」
ーなぜバックオフィスから対お客さんとなるフロントへ行ったのでしょうか?
綿引「バックオフィス業界では、クラウドの浸透により業務効率化の必要性が叫ばれていたんです。そこで私は、その問題を解決する側に行きたかった。
個人的なことで言えば、対お客さんの仕事はしたことなかったので、自分の中で挑戦してみたい気持ちもありました。もともと経理をしたかったというより、配属されてずっとそのままだったんです。だからクライアントワークに憧れていました」
ー入社し、カスタマーサクセスを始めてみて、いかがでしたか?
綿引「入社してから数ヶ月は悩みましたね。相手が何を考えているか、何に困っているかを読み取るのが難しかったです。カスタマーサクセスは、freeeを導入したあとのお客さんの課題を理解しないといけないので、プロダクト含め、キャッチアップしないといけないことも多かったです。
また自分自身が喋ってfreeeの説明をすることに集中してしまい、相手の話を引き出すことが出来ませんでした。課題を聞きだすときにもふわっとした質問を投げてしまい、本質にたどり着けないこともありました」
ーどのようにキャッチアップしましたか?
綿引「まず、同行してもらったマネージャーからのフィードバックに徹底的に向き合いました。当初は落ち込むこともありましたが、しっかりと受け止めることで、次に活かすことができたと思います」
【初案件の顔合わせ終了後に、同行したjunyaと行ったフィードバック会】
ーそのあと、チムカルゴレンジャーにはどのように入ったのでしょう?
綿引「立候補しました。というのも、freeeのカルチャーや職場の雰囲気が好きだったので、自分も作る側にいきたいと思ったんです。
それまでは受け身で、皆さんが作ったものに乗っかっていましたが、チムカルに入ってからは『自分が作っていく、自分が変えていく』という意識が生まれてきました。
業務の面でも、自分で作成した資料を共有するなど、わかりやすく発信が増えました」
ー自分自身の成果は上がりましたか?
綿引「上がりました。freeeの他のプロダクトにも興味を持ってくださるユーザーに対して、積極的に提案し、営業にトスアップする機会が増え、チームTOPの成果を出せました。
ほかの面でも、入ったときと比べて全てが積極的になった気がします。数字に追われるのではなく、追えるようになりました」
ーリモートワークになったことでの影響はありましたか?
綿引「社内の交流の機会が減ってしまうのではないかと心配になりました。言ってもまだ入社して日が浅いので、さらなる信頼関係を築けるか不安になったこともあります。
しかしすぐに思考を切り替え、リモート下でどうすればチームとしてうまくいくか、チムカルのプロジェクトが回るか考え始めました。そしてオンラインでも旗振り役となり、積極的に勉強会のミーティングを開催しています」
ー実際の業務にも、変化はありましたか?
綿引「導入支援が訪問からリモートに変化しました。これはハードルが下がったように思います。困ったら『サクッと30分ミーティングしましょう』と提案できるなど、逆にコミュニケーションが密になりました。
最終的には、社内イベントのリモートワークアワードで『Web商談Hack★賞』という賞をいただきました」
ーチムカル二期を通して、社内全体で変わったことなどありますか?
綿引「今思えば、一期目の目標が『スタート&定着』だったのに対して、二期目は『発信・拡大』というフェーズだったと感じます。初代の取り組みによって育まれたチームカルチャーを、他チームにも発信することに注力していました。それまで社内SNSの非公開グループで投稿されていたものも、公開グループに投稿して発信することで、取り組みについて知ってもらうことが出来ました」
五百崎「チームの雰囲気がさらにポジティブになった気がします。また、綿引が中心になって進めていたリレーブログ投稿が活性化されたことで、リモート下でも誰がどんなことを考えているかが分かり、さらなる安心感・一体感につながっていきました」
ー最後に3人の理想のチーム像を教えてください。
土屋「freee全体でマジ価値指針という行動規範がありますが、カスタマーサクセスチームが原動力となり、freee全社を行動規範的に盛り上げていきたいですね」
綿引「私はfreeeの風通しの良さが好きです。オープンでフラットなフィードバックが、結果的にユーザーのマジ価値に繋がっていると思います」
五百崎「カスタマーサクセスというのは、お客さんに直接価値を届ける役割なので、全員がミッションに対する強い思いを持っています。それに対して自ら行動できているチームは強いと思います。つまり、ミッションのジブンゴト化をチーム全員が出来ているのが、日本一のカスタマーサクセスチームの必要条件だと思っています。
だからこそ、今後さらに社会を変えていく為にも、全員が主体的に行動し、ミッションを体現できるチームを作っていきたいです」