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文系学部からエンジニアを目指し、freeeへ新卒入社した寺沢 創。エンジニアとしての道を志したきっかけは、学生時代に長期インターンシップでマーケティングを学んだ経験にありました。ここでは現在入社3年目となる寺沢が、社内で頭角を現すようになるまでとfreeeの巨匠制度、今後の展望について語ります。
プログラミング経験ゼロから、freeeへ
(▲学生時代の寺沢)
学生時代、長期インターンシップでマーケティングを経験した寺沢。文系学部出身でしたが、そこでの気付きが彼をエンジニアの道へ誘うことになりました。
寺沢「ゴルフ場の運用型広告や、ポータルサイトに広告を出して順位を上げることが業務でした。しかし、どんな切り口で広告を出しても、ゴルフ場そのものが良い会社には勝てなかったんですよ。そのときに商材の持つ力を痛感したんですよね。
それからインターンを辞めたタイミングで、独学でプログラミングを始めました」
就職活動の時期が近づいてきた寺沢。しかし、エンジニアとしての実績はなく、経験も浅いままの自分に焦りを感じます。
寺沢「当時は『エンジニアとしてやってくぞ』という意気込みだけが武器でした。だからどうにか雇ってもらって、時間のすべてをプログラミングに使えるようになりたいと思いました。効率的にもそれがベストだなと。
それゆえ毎日、焦燥感がありましたね。専攻がコンピュータサイエンスでもなかったんで、何かしら自分で運用した経験でもないと、エンジニアとして就職できないと思ったんです」
その焦りが寺沢を動かします。
寺沢「覚悟を決めてWebサービスをひとつ立ち上げました。外国人向けの日本語教育サービスだったんですけど、誰も使ってくれなくて。ものすごく黒歴史です(笑)」
そんな中、始まった就職活動。freeeはインターン先の会社がユーザーだったので、もともと知っていました。
寺沢「BtoBの企業に絞って探したんです。BtoBなら本当に良い商材をつくると、ある程度売りが計算できると思いました。
さらに自分は何が好きなのかと考えたときに『無駄を効率化すること』という結論が出ました。だから業務効率化のためのサービスを提供している会社を探す中で、freeeを目にしたんです」
freeeにエントリーした寺沢。面接では今の自分のすべてを伝えたと言います。
寺沢「技術を本格的に学びたいという気持ちを、情熱を持って伝えました。freeeにはたぶんガッツ枠で採用されたんですよ。間違ってもスキル枠ではないです(笑)。内定をもらえてめちゃくちゃ嬉しかったことを覚えています」
三度のチーム異動と成長
(▲業務中の様子)
18卒として新卒入社した寺沢。初めての配属先は会計freeeのグロースチームでした。
寺沢「主に、会計freeeのサインナップの最適化からのユーザー拡大や、使い方がわからなくて離脱してしまうユーザーを減らす施策を打っていました。
データを基に原因を考察し仮説を立て、誘導するように設計するなど、エンジニアとしての論理的な考え方はここで身についたと思います。
また、技術力をつけたいと伝えたら、コードを書く仕事をくれたのもありがたかったです」
その後人事労務freeeチームに異動した寺沢。ここで念願の開発チームに入り、多くの機能をつくりました。
寺沢「技術的にも難易度は上がり、たくさんのことを学びました。最初はメンターの書くコードをレビューしながら、書き方を吸収。さらに自分の書いたものを見せフィードバックをもらうなど、あらゆることを実務を通して経験しました。
次第に自分は何ができて何ができないのかがわかり、スキルを整理できたことはとくに大きかったです。独学時代はひとりだったので、優秀なメンターと一緒に開発できる環境は最高でした」
知識を吸収し技術も向上すると、寺沢は再びチームを異動し、現在所属するインフラ保守運用・開発チームへやってきます。異動を決意した理由は、さらなる知的好奇心でした。
寺沢「新しい機能を提供することを考えると、ユーザーからのリクエストを受けるサーバーに新しいコードを配布して、それが適切に動く状態になって初めて動作するんです。
でも機能開発をしているだけだと、その辺のしくみって意識することが少ないんですよ。逆に僕は、そういった運用周りの知識をつけたかった。
それまではユーザーさんが使える機能を増やすことに集中していたけど、今は『つくった機能をちゃんと使える状態にする』ことをやっています」
『マジ価値』への意識が、巨匠へ立候補するきっかけに
(▲freee9階、フリースペース(asobiba)にて)
インフラチームの業務内容は多岐にわたっていました。
寺沢「たとえば会計freeeと人事労務freeeのインフラは別々にあるんですけど、システムとしてはつながっているので、不具合が発生したときに影響が広く出ることもあって。
そういったシステムの全体像を抑えた上で、各サービスを安定的に提供するのがインフラチームの仕事です。
また、何が原因でパフォーマンスが落ちてるかわからないときの初動対応もインフラチームが行っています。その辺の知識はかなりつきましたし、アプリケーションを運用する技術は、実際に運用してみないと学べないと実感しました」
三度のチーム異動によって成長した寺沢には、仕事をする上で大事にしている考え方がありました。
寺沢「freeeには『マジ価値(=ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えること)』という言葉があるんです。
グロースチームにいたころ、UXデザイナーと議論をする中で、『ユーザーの価値的に、そのロジックどうなん?』と言われ、ハッとしたことがありました。確かにユーザーの価値に基づいた意見じゃなかったんです。
それ以来『マジ価値かどうか』は意識していますね。そういう考え方をただの理念じゃなく、日常にまで落とし込んで、意識しながらサービスをつくるところがfreeeの好きなところでもあります」
そのマジ価値への意識が、寺沢を『巨匠』に立候補させました。
freeeの巨匠制度とは
(1)その技術力で「freeeに絶大なインパクトを与えうるエンジニア」を、チーム内投票で選出する。
(2)投票で選ばれた「巨匠」は1カ月間、通常業務から離れ、自由を与えられる。
(3)期間内でサービスや会社に「非連続な成長」をもたらす施策を考え、実行することをミッションとする。
(4)期間終了後、その結果を全社へフィードバックする(ここで『巨匠期間』は終わり、再び通常業務に戻る)
というものです。
人事労務freeeで開発をしていたとき、プロダクトとしての課題を発見していた寺沢。しかし工数をかけないと直せないとわかっていました。そんな中、巨匠の募集があったので、思い切って立候補してみたのです。
六代目巨匠、誕生!
(▲巨匠の最終日、成果発表中)
プレゼンを勝ち抜き、巨匠に選ばれた寺沢。新卒としては、初の快挙でした。
寺沢「選ばれたときは嬉しさより『やらないとやべえな』って感じでしたね。僕は企画の課題感と頑張る姿勢で選ばれたと思っているので、期待に応えないといけないプレッシャーがありました」
そして2019年12月中旬から巨匠期間に入りました。
寺沢「具体的には、サービス同士の連携方法を変えることがテーマでした。今までひとつのサービスに対する影響が別のサービスに波及しやすかったので、それを解消したいと思いました。
正直1カ月ってすごく短くて、技術の検証で終わってしまう。ただ僕はどうしても実装まで落とし込みたかったんです」
1カ月の巨匠期間が終わり、発表し、フィードバックをもらいました。
寺沢「結果としては評価環境上でPoCした基盤をサービス群と協働させ、機能・性能テストなどを行うまでにとどまりました。質的には実力不足から来る『浅さ』『粗さ』や、時間的制約からなる『手の行き届かなかった部分』は出てしまったと認識しています。
一方で、自分の中で『考えた結果、これが一番良い』というものを出せました。成果物は基盤チームに引き継いでもらって、本番環境への検証導入を進めてもらうことになると思います」
個人的な成長に目を向けても、巨匠に挑戦して良かったと感じています。
寺沢「自分が重要だと思ってるプロジェクトに、公的に時間を使うことができたのが良かったです。
また『課題提起』『解法の実装』『レポーティング』といった、一般的なプロジェクトで要求されるであろうプロセスを、小さな個人プロジェクトで一周できるので、インパクトを出すためにはどういうムーブが要求されるかを考える勉強になりました」
巨匠期間を経てさらに成長した寺沢。今後の目標が大きくふたつあると言います。
寺沢「freeeのサービス群がより良い形で連携できる基盤を整えることと、自分の尖りを磨くことですね。
3年後のプランは思い浮かばないんですが、このままエンジニアをやると思います。そしてfreeeのシステムを、自分の中でのあるべきだと思う姿に持っていきたい。それを突き詰めるのが、今は楽しいですね」
プログラミング経験ゼロからエンジニアになり、freeeで頭角を現した寺沢。今後もさらなる活躍を遂げるでしょう。