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「スタートアップ&新規事業における最初のセールスのお仕事」をテーマに、AI inside 株式会社(以下、AI inside)とfreee finance lab株式会社(以下、freee finance lab)のセールス部門の責任者が対談しました。スタートアップにおけるセールスの極意が詰まった対談のサマリーを前編と後編に分けてお届けします。
前編記事はAI inside 株式会社の公式noteより投稿されていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
グロースを加速させるカギはパートナーセールスへのシフト
野澤:次のテーマはPMFからグロースのフェーズです。
花井:セールスを採用して増やすと、ある程度売り上げが見えてくるフェーズがあると思います。そういったところではどのようなことをしてきましたか。
谷:直販から再販による代理店販売、つまりパートナーセールスへのシフトがキーワードで、重要なポイントだと思います。
花井:直販がある程度大きくなったあとに代理店販売に注力したのですか。それとも、もともと直販を大きくするつもりはなく、早々に代理店販売だったのですか。
谷:方針としては後者です。会社の意向として、当初からパートナーセールスを前提とした事業を目指していました。どれだけ少ない人数でどれだけ大きな成果を出せるか、生産性に拘って常に考えてきた結果、現在では毎月の新規顧客獲得数のうち、ほとんどの契約がパートナー様経由です。私が執行役員に就任した今年度からは、もともと私がマネジメントしていた直販営業チームのメンバーの多くを代理店支援のユニットに異動させ、ビジネスサイド全体としてもパートナー販売へ更に注力できる組織へ変更しています。
花井:グロースフェーズでは代理店に協力してもらうタイミングがあるということですね。移行できそうだなと思ったタイミングはありましたか。
谷:2017年ごろから、業務自動化ツールRPAを導入される企業が増えてきました。結果として、アナログ業務のデジタイゼーションの必要性が高まりました。その頃から、今の主要な取引先との最初のお話が始まりました。
花井:引き合いのタイミングでそういう流れがあったということですね。
谷:そうです。RPA活用の際、アナログデータはデジタルデータ化する必要があるので、RPAソリューションの強化を目指す企業が、OCR製品を合わせて販売するようになりました。そこで高精度なAI-OCRとして当社製品が選ばれることが増えました。
シンプルさを追求して販売拡大を実現
花井:私が何年か前に事業開発を担当していたときに、freee会計も早々に代理店販売に取り組みました。こちらから売ってくれませんかと声を掛けましたが、全く売れませんでした。スケーラブルに売るためには代理店はすごく重要だと思っていても、できないものはできません。AI inside がうまくいった理由はどこにありますか。
谷:代理店に売っていただけるようになった理由の一つは、当社の製品は「簡単」であるということです。
花井:売るのが簡単なのですか。
谷:ソリューション自体の取り扱いが簡単です。AI inside が大切にしている価値観「Rules of Innovation」の内のひとつに「Stay Simple」があるのですが、プロダクトの思想としても、とにかくシンプルに、ユーザーが簡単に使えるようにすることを突き詰めてきました。細かなコンサルをしなくてもプロダクトだけで売れることを目指しています。その簡単さが、パートナー様経由の販売比率拡大につながっているのだと思っています。
野間:会計ソフトは代理店販売が難しいというのはあると思います。知識の専門性を求められますから、そこは違いがあるかもしれません。
花井:freee会計ではキャズムをどうにか超えなければという時期を味わってからグロースフェーズになっていると思いますが、振り返っていかがですか。
野間:結果を言うと、キャズムで止まりました。
花井:キャズムは止まるからキャズムです(笑)。
野間:後悔から話すと、売ることに注力し過ぎないほうがよいです。適切な他責思考と私は言っていますが、キャズムに落ちたときにセールスが自責で売らなければとやっていると、お客様ごとにいろいろな契約の仕方をしてしまって、後に大変なことになります。結局、SaaSは継続していただいて価値を感じていただいたもの勝ちです。
野澤:大変だった時期をどうやって乗り越えてきましたか。
野間:その当時は、後工程、つまりカスタマーサクセスの重要さをあまり理解できていませんでした。更新していただくことがSaaSのポイントなので、そのためにはこういう売り方は禁止というルールを作って、ある程度の統制をかけました。ここにはエンタープライズとSMBの違いはあると思います。freeeはSMBのお客様が多いので、個別にいろいろなことをし過ぎるとわけが分からなくなってしまいます。
花井:スタートアップでは、無いものを売ったり大事なお客様のフィードバックを踏まえて改修する一方で、いつまでにやりますとか本当にやるか分からない機能開発にコミットする際は、範囲が徐々に曖昧になりがちです。これがプロダクトとセールスとの間で起きがちだと思います。
谷:おっしゃるとおりです。だから、セールスのようなフロントに立つ人は、お客様の課題の解像度をものすごく高くした状態にして、本当に解決しなければいけない根っこは何かを常に抑えつつ、しかも最小限の要件にできる限りまとめながら、開発側には根っこのところが欲しいということを、常に両者の間を取りながら伝えていました。
花井:それができる人はかなり限られていると思います(笑)。
セクショナリズムに拘らずボールを拾えるマインド
野澤:最後のトークテーマはセールスのキャリアについてです。スタートアップ・新規事業において得られる経験や向いている人、求められる人材についてそれぞれ伺います。
谷:得られるものは、シンプルに経験だと思います。特にAI業界ではさまざまな企業・ツールが出てきています。それらツールのベースにある技術を理解しつつお客様の要件を整理し、さらにそれらを紐づけて解決策を立案する、希少性の高いキャリアにチャレンジできる環境だと思います。向いている人や求められる人材は、とにかく曖昧性の高い環境に対して抵抗がない人と、自らボールを拾える人です。組織の役割を決めていても、そこにハマらないボールがどんどん出てくるのが新規事業だと思います。それを自ら拾って形を整えることができる人、そういう気概がある人が活躍していくと思います。
花井:曖昧な状況を分かりやすい状況に自分で持っていくことが大事ですね。
谷:はい。私自身は前職でバリバリのキャリアや実績があった人間ではないですし、新卒で入った会社では仕事ができるほうではありませんでした。しかし、最先端で最難関の課題を繰り返しこなし続けてきた結果、入社から5年弱で執行役員になりました。チャンスは誰にでもあると思います。
野間:良い話です。freeeの場合というよりスタートアップの一般論として考えると、得られるものは成長の早さと影響度だと思っています。影響度については、事業に対する自分の影響度が大きいだけでなく、うまくいけば世の中に対しての影響度も大きいと思います。新しい技術や今まであるものを変えていくことにチャレンジしているような企業であれば特に、それらを得られると思います。
野澤:逆に、自分たちで決めていける楽しさもあるのでしょうか。
野間:はい。自分が考えたことがいろいろなところに出ていくのは面白いです。もともと私は銀行出身で大企業にいました。どちらかというと、決まったことをきちんとやっていく世界です。freeeに入社したときは社員が300人はいましたが、まだ決まっていないことがたくさんあり、正直に言うとカルチャーショックで最初はなかなかうまくいきませんでした。大企業ではいろいろなものが落ちていることはあまりないので、いかに拾ってきちんとしていくかに落ち着くと思います。
谷:セールスだからという線引きは、十数人のときは本当にないです。フロントで契約もしますし、そのあとのサポートもやりますといった状態で、それこそ何でもやってきました。どこへ行ってもやれるなという自信はついたかもしれません。
野間:THE MODELはもちろん私も参考にしていますし、いろいろなSaaS企業が目指していると思います。一方で、freee finance labという金融の新規事業部に来て、THE MODEL病になっていたことを感じました。セールスの役割はこれで、サクセスはこれで、というような線引きをして、そのとおりに動きたくなっている自分がいました。花井に「トレードオフを意識しろ」と言われてから、確かに新規事業でそんなことを言っても仕方がないと思い、THE MODELをあえて壊しにいきました。
花井:小さい組織や立ち上げの時期は、本当にセクショナリズムなんて言っていられません。個別最適を積み上げて自分の業務をやりやすくすると、誰かがやりにくくなるということが起きてしまうので、この人たちに無理を寄せて自分たちが楽になろうということはしません。それをやってもだれかが大変なだけだから、全体最適でみんなでやろう、となるのだと思います。
野澤:本日は貴重なお話をありがとうございました。