ウォンテッドリーのバックエンドエンジニアとして活躍する江草 亮太(えぐさ りょうた)は、インターンをきっかけに2020年4月に新卒入社した。インターンで感じたウォンテッドリーの魅力は、入社から約4年を経た現在も変わっていないという。
高専時代、様々なハッカソンや大会に計8回出場したほどの“プロダクト開発好き”である江草が感じた、ウォンテッドリーの開発組織の魅力とは何なのか。業務に対する想いや今後の展望も含めインタビューを実施した。
「何でもできるエンジニアが集まっている」面白さに没頭したインターン
ーー まず、ウォンテッドリーへの入社を決めた理由を教えてください
高専4年生のときに参加したウォンテッドリーのインターンで、成果を出せたと感じたことが入社を決めた大きな理由です。Wantedly People のバックエンドチームに配属されたのですが、大量にコードを書かせてもらえて、それに対してのフィードバックが早く分かりやすく返ってくる。仕事と環境の面白さにどんどん没頭していきました。また、インターンにも関わらず、直接ユーザーに影響する重要な開発を任せてもらえたことは嬉しかったです。「インターンでもこんな仕事をさせてもらえるんだ」と驚きましたね。
全体像も見えないほど大きなサービスに携わるのは、実際に働いてみないとできない経験です。インターンの期間中は常に新鮮さを感じていて、ずっと楽しかったですね。自分のやった仕事が実際の本番環境にデプロイされ、その効果を確認できるという成功体験を積めたことは、自分にとって本当に良い経験でした。そんなインターン経験を通して、この会社はプロダクト作りが好きな自分の性格に合っていると感じたのが入社の決め手です。
ーー 自分に合っていると感じたことが入社の決め手となったということですが、インターンを通してウォンテッドリーに対しどのような印象を持ちましたか
OSSやライブラリなどの技術的な基盤にチャレンジしつつ、エンジニア一人ひとりが裁量を持ってプロダクト開発に取り組んでいる組織だと感じました。裁量があるからこそ一人ひとりの責任感も強く、プロダクト開発のための技術的な投資を自らする人が多いと思います。だからこそだと思うのですが、ひとりの守備範囲が広く、なんでもできるひとが集まっているなという印象を受けました。入社後の現在も変わることはなく、ギャップを感じることもありません。
ウォンテッドリーにはパズルを考えるような難しさと面白さがある
ーー 現在はどのような業務を担当されているのでしょうか
入社後はインターン時と同じ Wantedly People の Backend Chapter に配属され、その後プロフィール機能のリニューアル業務に携わりました。現在ではソフトウェアの内部品質を向上させる Quality Controll Squad で、新機能開発に関するバックエンドの設計に従事しています。また、自分から志願して始めたGraphQLを使ったAPIの設計に関する基盤作りも担当しています。社内で広く使われる GraphQL APIの設計を行なうなどなかなかハードルが高いですが、社内で誰でも使用できる状態にすることを目指しています。そのほかに、カジュアル面談や技術課題、一次面接などの採用業務にも関わっています。
ーー Quality Control Squad での業務やAPI設計など広く担当されていますが、どのような点にやりがいを感じていますか
自ら志願した業務ですし、プロダクトに関するドメイン知識が必要になるAPI設計は好きなのでやりがいを感じています。私が行っているのはAPIの基盤作りで、他の人がAPI設計をできるようにするための業務です。単に自分が設計するのではなく、他のエンジニアも自分と同じように設計できるような仕組み作りをしていくというのは、挑戦しがいのある面白い仕事だと思っています。将来の変更まで含めた複雑な要件を想定しながら考えていくパズルのような面白さがある点も魅力の1つですね。
ーー 逆に業務の難しさを感じることはありますか
API設計のスキルが属人化していることですね。API 設計に必要なトレードオフの見極めは本質的に複雑で、どうしてもエンジニアの能力や経験によって判断されがちです。しかしそうした属人化は組織やプロダクトの成長を妨げるリスクになりうるので、出来れば社内に体系的な知見が存在するほうが望ましいです。現在はこの難しさに立ち向かうために社内の有識者で集まって、各々の知識や経験を具体的で実行可能な設計の方針にまとめている最中です。
裁量の大きさがエンジニアの仕事の理解に繋がっている
ーー ウォンテッドリーのカルチャーはどのような点が魅力だと思いますか
一人ひとりが”なぜこの仕事をやるのか”を理解して取り組んでいる点です。目標や業務内容は様々ですが、ウォンテッドリーではリーダーだけでなく全エンジニアが各々の目的をきちんと理解したうえで仕事に向き合っています。これはウォンテッドリーのエンジニアの中に、一人ひとりがオーナーシップを持ってプロダクト開発を進めるという文化が根付いているからだと思います。
責任感を持って開発に取り組む文化の中では、単に技術的な面を見て開発するだけではうまくいきません。意義をきちんと理解した上で仕事に取り組む必要があるからこそ、”なぜこの仕事をやるのか”を常に意識しているのだと思います。
ーー 働いている中で改善が必要と感じる場合もあると思いますが、ここは課題だなと思う点はありますか
現在の Wantedly は全てのマイクロサービスが Kubernetes 上で運用されており、インフラレイヤーは全体で統一されています。しかし、バックエンドのアプリケーションに関する設計はプロダクトごとに統一されていないことがあります。必ずしも悪いことではありませんが、全体で統一された設計方針が確立されていないため Wantedly 全体として最適にならない可能性があります。この問題に取り組み続けるために、Arch Guild という少人数のグループが作られました。活動が始まったばかりで手探りの状態ですが、これまでのアーキテクチャの決定を振り返りながら未来のアーキテクチャを考えているところです。
また、現在ウォンテッドリーはメインの事業である Wantedly Visit を軸に事業展開をしていますが、会社を更に大きく成長させていくためには、新しい観点からのアプローチが必要になります。一方 Wantedly には新機能の追加を妨げる技術的負債も残されています。具体的な例を一つ挙げると、古くから存在していて現在の要件にそぐわなくなってしまったRDBのテーブルがあります。「募集」や「応募」といった Wantedly にとって重要なテーブルでこの問題に直面しやすいですが、これらは複雑な責務を持っている上に過去のデータが蓄積されているため、一朝一夕で解決できるものではありません。そういった根の深い問題にも取り組んでいきたいですね。
ーー ウォンテッドリーの開発組織だからできる経験や挑戦はありますか
プロダクトの方向性の検討段階からエンジニアも携わることができる点はウォンテッドリーだから経験できるものだと考えています。プロダクトの方針に合わせた技術投資ができる環境なので、開発組織全体で共通の目標に向かって効率的に作業でき、全体最適に向けた動きをすることができます。
チャレンジしやすいから成長できる。組織をリードする存在を目指して
ーー 今後のキャリア形成という観点で見て、ウォンテッドリーの環境をどのようにみていますか
ウォンテッドリー全体の特徴である裁量が大きいという点は、キャリアを歩む上でも魅力だと感じています。根拠に基づいていれば個々の意見が Squad 内で通りやすい環境ですし、技術基盤の設計などにも広く取り組めるので、エンジニア一人ひとりが様々なことにチャレンジできています。
ウォンテッドリーでは基本的に Squad 内での意思決定でクイックに開発を進めることができるので、開発組織全体がチャレンジしやすい環境だと言えます。スキルや経験値を高めやすいこの環境は、キャリアを歩む上でも大きな利点ではないでしょうか。
ーー 最後に、江草さんの今後の展望をお聞かせください
中期的目標として考えているのは、バックエンド領域での課題解決や方向性を決定する場面で組織をリードできるような存在になっていきたいということです。プロダクト自体のことを考えていくことも好きなので、特にプラットフォーム全体を設計するような場面で設計をリードしていくアーキテクチャ的役割をやってみたいと考えています。