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リクルートメントマーケティング連載第6回〜変わる採用担当や人事のキャリア〜

こんにちは、Wantedly Visitチームです!前回では、いかに「採用まで」ではなくて「採用後」が大事かという話をしてきました。 概ね「リクルートメントマーケ」についての全貌については連載2回〜5回で解説できたと思いますが、採用活動というものの概念が大きく変わっていくことがわかったかと思います。

今日はそんな変わる採用活動について、採用担当や人事のキャリアがどう変わっていくのかについて解説します。 結論からいうと、キャリアは大きく3つに分かれます。

  1. リクルーター
  2. リクルートメントマーケター
  3. エンプロイーサクセス

それでは、早速それぞれについてみていきましょう。

1. リクルーター

リクルーターも進化を続けており、これまで「採用担当」といえば「採用エージェントの管理」がメイン業務だったりしましたが、今では「ダイレクトリクルーティング」の流れで社内の採用担当が直接候補者にリーチアウトする方法論が主流になりました。イメージでいうと、営業に一番近いポジションです。

今回のエントリでは、従来の「リクルーター」については割愛し、リクルートメントマーケターとエンプロイーサクセスについてみていきます。

2. リクルートメントマーケター

まず前提として、「リクルートメントマーケター」という職業は、採用先進国アメリカにおいては当たり前のものになっています。これは今年の1月にAppleの採用ページに掲載されていた募集ですが、「リクルートメント・マーケティング・マネージャー」を募集しています。

今回の連載をみていただけたらわかるかもしれませんが、これまでの「採用」プロセスの前に、全く新しい領域が広がっています。それはまさに、過去20年で大きく進化したデジタルマーケが採用とくっついたイメージです。

キャリアパスとしては、大きく2つ考えられます。

  1. 採用担当がマーケティングを身につける
  2. マーケターが採用担当に転身する

パス1: 採用担当がマーケ力を身につける

採用担当は、これまではどちらかというと攻めの仕事でした。多くの人に会うという意味では営業的な要素が強い役割です。一方で、一部の時間をマーケティングに費やすようになると、データ志向が大事になります。

データ志向

これはリードジェネレーション、リードナーチャリング問わず、全てのステップにおいて大事になる要素です。「何を」計測するかを決め、それをしっかり計測できる仕組みを整える。そして最終的に「計測」した数値を改善していく能力です。

例えば、下記はファンネルごとの主要な指数になります。こういった数値を継続的に計測する環境設定や、計測して改善をしていく体制作りが非常に大事になります。


とはいえ最近のデジタルネイティブ世代は、日々自信が様々なソーシャルメディア上でコンテンツを作成し発信していたり、真剣な人はPVやリアクション、Like数など気になってみていると思うので、その延長で考えると何も肩肘をはって始める必要はないかもしれません。

尚、「個人で行う発信」と「リクルートメントマーケター」としての発信の違いが「会社としてのメッセージの一貫性」です。まだ「会社として何を大事にしているのか = WHY」がカッチリと決まっていない企業は、むやみに発信をするのではなく、まずは経営陣も巻き込んでトンマナやメッセージ内容について固めていきましょう。

パス2:マーケターが採用担当に転身

一般的にデジタルマーケターは、数字が好きで、人と向き合うよりも表計算ソフトと向き合っている方が好きな人が多いのではないでしょうか。そういう意味で、営業要素の強い「the採用担当」の業務も兼任で行うのは、性質上難しいかもしれません。ですので、コーポレートブランディングやPRなど、マーコムの一貫として採用チームと協業し、採用ブランディング、採用広報にも裾野を広げるイメージが良いでしょう。もしくは、採用チームが大きい会社では採用チーム付けで1名いてもいいかもしれません。

一方で、マーケターの定義は広く、オフラインマーケ(イベント)を専門でやっているような人からすると、イベント参加者が顧客から候補者に変わるだけという意味で、そのまま転身できてしまいます。<第3回>でも解説しましたが、リードナーチャリングの段階の後半では、特にイベントなどオフラインでの接点形成が非常に大事になります。そこで温度を上げる場を作っていくという大事な役割になります。

リクルートメントマーケターの必要性

ここまで、リクルートメントマーケターのキャリアパスについてみてきましたが、果たしてどれぐらいの企業規模からリクルートメントマーケターなる職種が必要なのでしょうか。

リクルートメントマーケターという職種は間違いなく今後増えていくとは思いますが、アーリーステージのスタートアップでは、専任のリクルートメントマーケターを置くよりは開発チームを強化し、まずはプロダクトを立ち上げるのが第一優先です。
会社のプロダクトが軌道に乗ってモデルができたら、初期は採用担当が片手間で実施し(採用担当がマーケティングを会得)、採用強化フェーズになった段階で専任のメンバーを採用チームに持つ(マーケターがリクルートメントマーケターに転身)のが良いでしょう。

また、上記の図のように、フェーズによってお金をかけずに気軽に始めるものから、時間をかけるもの、そして最後にお金をかけるものと施策も変えていくのが建設的です。

3. エンプロイーサクセス

エンプロイーサクセスは入社後の話になります。これについては<第5回>で詳しく展開しましたが、つまりは「社員を成功させる」のがゴールの役割です。そのための方程式は下記の通りです。

この領域は別段新しくはなく、古くから存在していました。上記の方程式でいうと「スキル開発」や「衛生要因を改善」がメインでしたが、今後は最後の「動機づけ要因」が大事になります。

「動機づけ要因」を強化していくには、下記が重要になります。

  • エンパワーメント
  • データ志向

エンパワーメント

エンパワーメント、すなわち、会社の「ビジョン、ミッション、バリュー」を見える化・制度化し、現場やマネージャーを導く環境・制度作りです。

マネージャーが各メンバーを「エンパワーメント」できるかが大きな鍵になると<第3回>で話しましたが、そもそもマネージャーが使える武器を整備するのがESの仕事と言えます。マネジメント向けの研修を設定したり、マネージャーが部下をエンパワーメントしやすいツールを作成します。例えばWantedly社では下記のようなシートを使って、面談中にキャリアについて話せるツールを提供しています。


データ志向

また、<第3回>でこちらも展開した通りですが、これまで以上に「リアルタイム」に会社の雰囲気を数値化することが可能になっています。これまでは四半期もしくは半年、悪い場合は1年に一度の計測しかできませんでしたが、15Fiveのようなモニタリングツールを導入することで社内の雰囲気を数値化し、改善、PDCAをまわすことが可能になります。

ESの存在は、社員が50名、100名といった規模を超えたタイミングで非常に重要になります。専任でなくてもいいので、社内の数値にKPIとして責任を持つ担当を設置すると、リファラルが活性化し、最終的にリクルートメントマーケとの連携が加速します。
それでは次回は最後に、2020年に向けての3大トレンドをみていきましょう。

<次回に続く>

リクルートメントマーケティング連載第7回〜2020年に向けての3大トレンド〜 | リクルートメント・マーケティング入門
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