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就労支援事業部の安田裕利(やすだ・ゆうり)です。
キズキビジネスカレッジ(KBC)の立ち上げから携わり、現在はKBC新宿御苑校 のスタッフをしています。キズキでは2年4か月ほど働いています。
KBCは専門スキルの習得と多様な進路への就職を支援するビジネススクールです。「就労移行支援」という障害福祉サービスの枠組みを利用してサービスを提供しています。
私は10年ほど福祉業界におり、キズキに入社する前は児童福祉や高齢者介護の現場スタッフをしていました。
今回は、KBCの業務内容や福祉業界に長く関わってきた私が感じる「キズキとしての支援」、そして、今後のキズキが求める人物像についてお話しします。
KBCの事業内容やキズキの支援のあり方、働き方に興味をお持ちの方は、ぜひお読みいただけると嬉しいです。
自分自身が助けられた支援制度への思いから、福祉の道を選択
福祉の道を選んだきっかけは、私の生まれ育った環境にあります。韓国人の両親と私は、周囲の人から生活面のサポートや行政からの支援を受けながら生活していました。幼少期から国の制度に助けられてきた経験があったので、「社会にはどのような支援・サポートがあるのだろう?どのような人々が必要としているのだろう?」と福祉全般や社会制度に興味を持つようになりました。
大学では人の心と身体について学ぶ健康スポーツ学科に所属し、その中でも社会福祉やソーシャルワークについて学びました。
卒業後は、高齢者介護の仕事に就職。次に、発達障がい児への療育支援、重症心身障がい児への支援をしていました。
多岐にわたる支援のあり方を知りたいという思い があり、さまざまな方への支援を経験してきました。
やりたい仕事が選べない子ども達への葛藤を経験。KBCの立ち上げに携わることに
キズキに入社する前は、発達障害がある子ども達の支援に携わっていました。発達障害がある子どもの中には、感情や行動のコントロールが得意でなく、対人関係に苦手意識を抱いている子もいます。私はソーシャルスキル習得のサポートを担う立場として、自身の特性への理解をしてコントロールすることや、他者とのコミュニケーションの練習を子ども達に行なっていました。
未就学児から高校生まで幅広い年代の子ども達を担当する中で、高校生が「進学か就職か」といった人生のうちの一つの岐路に立つ場面も見てきました。
特に「障害者雇用枠としての就職」を選んだ子達は、一般雇用枠に比べるとどうしても職業選択の幅が狭まり、偏った求人が多かったりすることもあり、進路に悩んでいました。
そのうちの一人で、デザインに興味があり、「絵を描くなどの自分の得意分野を活かして生活をしたい」と話す子がいました。
当時の私はソーシャルスキル面のサポートを担当としていたため、就職支援についての知識はなく、どのようにアドバイスをすればいいのか分からずじまいに……。自分自身の力不足を痛感しました。
自分が担当とする支援の範囲外とはいえ、「その子の望む将来に合わせて、もっとサポート出来たのではないか」と今でも思い出しては、悔しく思います。
その子に限らず、「発達障害があるけれども、自分の得意分野を活かして希望とする職種に就きたい」と思う子ども達は少なくありません。そうした子ども達のために、どうにか選択の幅を広げられないか、私自身、非常に悩んでいました。
そんな時、代表の安田さんのキズキビジネスカレッジに関する記事を読み、キズキに興味を持ちます。
「発達障害やうつ病によって、”やりたい仕事を諦めなければいけない社会”を変える」
そんなKBCの価値観に共感し、立ち上げ時から関わることを決意しました。
生活支援からキャリア支援まで包括的なサポートを行うKBC
KBCスタッフの業務は、①生活支援、②キャリア支援 、の大きく二つに分れています。
生活支援では、主に利用者への支援全般と外部機関・行政との連携を行います。
- KBCの利用を検討している方への面談対応、入所サポート
- 利用者さんの生活面の相談対応(心身面、経済面等)
- 支援プログラムの実施
- 外部の支援機関や行政との連携
- 医療機関との連携・主治医との支援方針の調整(必要に応じた通院同行)
- 就労移行に関わる支援機関との情報共有
キャリア支援ではキャリア相談や企業との連携を行います。
- 個々の利用者のキャリアプランにそった支援計画の作成
- 利用者とのキャリア面談や定期面談の実施
- 卒業生の定着支援や企業サポート
- 利用者の実習先、就職先の開拓・営業
現在は大まかに二つの役割に分れていますが、今後は役割別ではなく、すべての業務に精通する人材育成も目指しています。
キズキに向いている人は、自身の価値観も支援方法も柔軟に考えられる方
キズキの最大の魅力は、「柔軟かつ誠実に、相手のための最善の支援を考え続ける姿勢」だと考えます。
福祉業界に長く携わるなかで、「支援とはこうあるべき」という考え方になりやすい人が多く、自分自身もそうなっているのではと不安を感じていました。相手にとって良いかどうかではなく、「自分が理想とする福祉のかたち」を判断基準にしてしまうため、自己満足の支援で終わってしまいます。
しかし、キズキでは福祉業界出身のスタッフだけでなく、異業種から転職された方も多いため、業界の固定観念に縛られることなく、「個々のニーズに合わせた柔軟な支援」をまっすぐに考え、行動に移すことができるのだと思います。
KBCスタッフの全員が、真摯に利用者の理解に努め、「利用者が望む就労支援とは何か」を試行錯誤し続けているため、スタッフ同士も信頼しあって働くことができています。
キズキの支援のあり方は、私自身にとっても大きな学びになっています。
かつての私は、外部機関との連携が必要だと思いつつも、自分の担当範囲内の業務に追われてしまい、その日を乗り越えることで精一杯。自分の担当範囲外の支援ができず、相手の願いを知っているのにサポートできず、悔しい思いをしました。
しかし今では、KBCのみでの問題解決が難しい場合は、積極的に外部機関と連携を行うことで、本質的かつ継続可能な支援の構築を考えることができています。支援範囲が制限されることも無くなり、外部の支援の知見や制度への知識が増え、利用者にとって必要なサポートを多角的に考えられるようになりました。キズキの事業部の領域をまたいで、知見の共有やサポートを促す社風もまた、魅力の一つです。
福祉業界を経験した方の中には、前職とキズキの支援のあり方の違いに戸惑う方もいるかもしれません。そんな違いも新たな発見と捉え、ご自身の経験を活かしながらアップデートできる方は、キズキの職場環境を楽しめると思います。
今後のキズキに必要なのは、多様なキャリアと事業を牽引するビジネススキル
キズキは「社会のニーズを把握し、新たな社会資源を作り出す意欲と好奇心が非常に強い会社」です。
キズキが今後成長し、より多くの方にキズキのサービスを届けるためには、先述した「支援のあり方への誠実さと柔軟さ」に加えて、企業や行政にも通用するビジネススキルも欠かせません。
直近のKBCにおいては、実習先・就労先となる企業との連携の強化や、開拓に注力しています。キズキと協働してくださる企業が増えることは、利用者の方々の活躍の場を増やすことに繋がります。そのうえで必要な営業力や提案力をお持ちの方には、ぜひ仲間になっていただきたいです。
また、新たな事業所の設立も控えているため、事業を引っ張るマネージャー候補も探しています。利用者への理解をベースに、KBCの運営や支援方針を一緒に考えていただける方、そして、利用者だけでなく一緒に働くスタッフの良さや成長を促してくださる方を求めています。
先述した通り、キズキは福祉や教育未経験の転職者も多く、多様なキャリアの方々がいますので、これまでの経験やスキルを新たなかたちで活かすことができると思います。
KBC設立後から2年4ヶ月ほど経ち、卒業生は25名以上に及びます。現在は、新宿御苑校・新宿校合わせて約60名の利用者の方々が在籍しています。
利用者一人ひとりにそれぞれの物語があり、目指す未来があります。それらを丁寧に汲み取り、個々の支援を生み出し、伴走するスタッフが増えてほしいです。