こんにちは。ウォンテッドリーでデータサイエンティストをしている合田です。
この度ウォンテッドリーのデータサイエンスチームで推薦システムの国際会議である RecSys に聴講参加してきたので、その参加報告を行いたいと思います。データサイエンスチームの RecSys への参加は通算3回目となり、チームの恒例イベントになってきました。過去の参加報告は 2021年参加レポート、2020年参加レポートをご覧ください。
RecSys2022 は2022年9月18日から23日にかけてアメリカのシアトルの会場とオンライン配信のハイブリット形式で開催されており、5名のデータサイエンティストが業務としてオンライン参加しました。
本記事は概要報告に留め、明日から各メンバーが気になった発表内容をまとめた記事を順次公開します。
↓ 公開された記事のリンクを並べます
- Wantedly RecSys 2022 参加レポート② - 心理学に基づいた推薦システム by 樋口
- Wantedly RecSys 2022 参加レポート③ - 連合学習における公平性とプライバシー by 林
Wantedly RecSys 2022 参加レポート ④ - 大規模推薦システムへの取り組み by 角川
Wantedly RecSys 2022 参加レポート ⑤ - RecSys in HR by 合田
RecSys2022 の概要
RecSys とは ACM が主催する推薦システムについての国際学会であり、この分野ではトップカンファレンスになります。RecSys には推薦システムの研究に取り組んでいる様々な研究グループや、Eコマースやメディア、HR など様々な領域で活躍する企業が参加しており、最新の学術的な成果や産業界における応用など幅広い内容の発表や議論が行われる場となっています。
RecSys は今年で16度目の開催となります。前述の通りハイブリット方式で開催されていることによって多くの人が参加していました。今年の参加者数は過去最高の1,267人となり、現地参加者数は736人と去年から2倍近く増加しています。
国別で見てみると、最も多く参加しているのはアメリカで675人でした。日本は4番目に参加者が多い国であり、世界の中でも日本は推薦システムの研究開発や実応用に熱心な国だと言えます。
今年の論文投稿数は242本であり、採択率は16.1%でした。投稿論文のカテゴリ別に見てみると、去年に引き続き "Algorithms" が非常に人気のあるトピックになっています。しかし "Real-world applications" や "Societal / Economic Impact" や "User Experience Research" など実社会や実サービスにおける推薦システムに関する論文も多数投稿されていました。
企業の講演である Industory Talks では、実サービスで推薦システムを開発・導入・運用して直面する課題やそこから得られた知見についての発表が行われます。こちらは去年から投稿数が50%も増加しており、産業界における推薦システムの実応用や運用が現在進行形で盛り上がっていることが分かります。
(以上の画像は RecSys 2022 の Opening Remarks より引用)
なぜ参加したのか
去年や一昨年に引き続きウォンテッドリーに所属するデータサイエンティストは RecSys に業務として参加しましたが、もちろん参加するためにはコストを支払っています。例えば、参加費用であったりメインのプロジェクトを一時的にストップすることになります。特に今年はシアトル開催なので現地との時差が大きく、メンバーの負担も大きかったです。しかしこれらのコストに見合う価値があると判断して今年も参加することに決めました。
その価値とは、ウォンテッドリーにおける推薦システムの重要性にあります。ウォンテッドリーでは現在、「推薦システム」を最も重要な領域の一つとして技術戦略上での位置づけをしております。推薦システムの成長がプロダクトの成長に直結するため、この領域の最新技術傾向をキャッチアップする重要性が高いです。
ウォンテッドリーの推薦システムは長い年月の積み重ねで大きく進歩してきました。そのため、会議で発表されているような課題にぶつかったり、提案された解決方法を実際の開発に利用するケースが徐々に増えています。最新の情報をキャッチアップすることで、現在直面している、もしくはこれから直面するであろう大きな課題をどのように構造化してどのように立ち向かっていくかを考えるきっかけを得る必要があります。
また推薦システムに関わるメンバーのモチベーションの向上や今後のキャリアといった点でも、参加して得られた経験や知識は活きてくるだろうと考えています。
おわりに
昨年まではオンラインで行われていたポスター発表が今年から現地開催になったりと、次第にオフラインでのコミュニケーションにシフトしつつあることを感じました。来年の RecSys 2023 はシンガポールでの開催が予定されています。日本から比較的アクセスしやすいので、来年は是非とも現地で参加して様々な人と交流する機会が得られることを願っています。
RecSys が一段落したので、平常業務に戻って私たちのビジョンである「シゴトでココロオドルひとをふやす」ためにデータを活用したプロダクトや推薦システムの開発を引き続き進めていきます。引き続き推薦システムの最新技術動向のキャッチアップやアウトプットをしつつ、目の前の課題を一つずつ解決していくことでユーザのみなさまにたくさんの価値を届けられるよう進めていきます。
最後になりますが、ウォンテッドリーではインパクトが大きくチャレンジングな課題がたくさんありますが、まだまだ仲間が足りません。私たちと一緒に「シゴトでココロオドルひとをふやす」ためにデータを駆使してサービスを成長させていただけるデータサイエンティストを探しています。少しでも興味を持っていただけたら是非「話を聞きに行きたい」ボタンを押してください。Twitter の DM でも構いません。まずは私たちとカジュアルにお話しましょう!