こんにちは!Wantedly CFOの吉田です。
下記の前回の記事では、Wantedlyのコーポレートチームの役割や全体像をお伝えしました。続いて、この記事では、コーポレートチームの経営管理において大事にしていることをお伝えしたいと思います!
経営管理におけるコンセプト
Wantedlyの経営管理のシステムやフローの構築・運用において重視していること、いわばコンセプトは大きく2つです。
1. 変化に強くスケーラブルであること
2. メンバーの社会的インパクト創出に資すること
これらはいずれもWantedlyのバリューと結びついています。
1. 変化に強くスケーラブルであること
Wantedlyのバリューのひとつに「Move Fast」があります。実際、事業も組織もハイペースで拡大していますし、各チーム・各メンバーの動きは速く、取り組みの中身もどんどん変わっていきます。
経営管理の体制やキャパシティもこの拡大や変化にしっかり追従し、会社全体の「Move Fast」を支えていかないといけません。経営管理の組織・システム自体も「Move Fast」であり続けることがとても大事です。
たとえば、規模が大きくなるのに正比例で経営管理のマンパワーを増やさないといけなかったり、一度構築したシステムやフローが実情にマッチしていないのに変えられないようでは、成長の足枷になってしまいます。
そういったことにならないよう、システムやフローの構築・運用においては、なるべくツールとツールを繋いで自動化やデータ連携をはかったり、ひとつひとつの処理を簡素化することに注力しています。また、必要以上に作り込んだフローにしないことや、もちろん社内の流れを止めないための基本要素としてレスや処理の速さもとても重要です。
プログラミングの原則として有名な下記の3つは、経営管理の構築・運用にも当てはまるなと個人的に思っていて、いつも頭の片隅に置いています。
- KISS(Keep It Simple Stupid):簡潔に単純にせよ
- DRY(Don't Repeat Yourself):繰り返し・重複を避けろ
- YAGNI(You Ain't Gonna Need It):機能は必要になってから追加せよ
とはいえ、私も関数が超入り組んだシートを作ってしまい、(更新は簡単にできるようにしているのですが)他の人が読み解けないまま稼働させたりしていたりします。ボトルネック化しないよう、ドキュメントを残すなり、別のやり方に置き換えるなり、模索していきます…!
また、ツールや管理手法もどんどん進化していくので、日々キャッチアップしていないと取り残されていきます。規模が拡大しても、常に外部にアンテナを張って、新しいことにもフットワーク軽くチャレンジしていけるチームでありたいなと思っています。
2. メンバーの社会的インパクト創出に資すること
Wantedlyには「Focus on Users」というバリューがあります。その通り「ユーザ・顧客にフォーカスしよう」という意味合いですが、経営管理にとっての直接の顧客は社内のメンバー達です。
「社会的インパクトの最大化」を追求しているWantedlyのメンバー達。この面々が成果を出すことにいかに資するかが、経営管理サイドでフォーカスすべき点だと考えています。
そのうえで、まず「定常的なオペレーションをスピーディーに / 期日内に、かつミスなく回していく」ことはもちろん外せません。ハイペースで拡大していく事業群と伴走する際にはこれだけでも楽ではないですし、必要以上の完璧を目指すとキリがないので現実的なバランスの中でやるわけですが、これはあくまでスタート地点。
そして、経営管理サイドとしては「無用に会社のブレーキにならない」ことも忘れてはいけないと考えています。
管理側は事業側に対していろんな場面で壁になり得ることがあります。どんな会社でもそうだと思いますし、管理側がしっかりと守らないといけないことは確かに多々あります。
ただ、管理側の一存で、事業側の取り組みに思い切りブレーキをかけてしまうこともやろうと思えばできてしまいます。そうとは気づかずにブレーキになってしまっていることもあるかもしれません。
なので、下記のようなことを常に自分たちに問いかけておくことはとても大事だと思っています(こう書きつつ、過去できていなかったなという反省も多々あるのですが)。
- 自分たちがやりにくいから / 管理側の一般的なやり方と違うから、というだけで判断していないか
- 会社として / 事業側として、実現したいことをちゃんと汲み取れているか
- 管理側で決めたことや導入したことが波及して、別のところでボトルネックを生んでいないか
これら「定常的なオペレーションを回す」ことを確実にし、「無用にブレーキにならない」ことを基本のスタンスとして持つことを大前提として、さらに組織にとってプラスを生むような動きに目を向けていけるかが、これから経営管理においてより重要になります。
もちろん守りとのバランスの中で難しいことや今すぐできないといったこともありますが、常に「Focus on Users」を念頭において、社内のニーズに応えながら生産性を改善したり、少し先回りして有用な情報や仕組みを提供したり、といったことに徐々にでも力を注いでいきたいと思っています。
今後に向けて
ここまでつらつらと書いてきましたが、実はこういった内容をチーム内で明文化したり、常に掲げたりできているかというと、そうではありません。入社に至る選考の過程でこういった考え方の大枠は伝えていますし、チームとしてはそこまで規模が大きくないので普段のやり取りの中でカバーできるかな、という意識が私の中にもありました。
ただ、徐々に人数が増えてきて、「伝えたつもりが伝わっていない」ケースも出てくるかもしれないなと感じています。また、軸がクリアになっていないと、各メンバーも自律的に動きにくくなってしまいます。なので、今後新たに入ってくるメンバーも含めて、チーム内の認識を揃え、コンセプトに沿った各自の動きがよりパワーを増していけるよう、取り組んでいきたいと考えています。
また、上記の「無用に会社のブレーキにならない」うえで社内でのコミュニケーションの取り方も工夫のしがいがあるなと感じているのですが、それはまた別の機会にお伝えできればと思います。
今回取り上げた経営管理のコンセプトのような話はなかなか外に出てこないと感じているので、他社の方とも意見交換させていただけると嬉しいです!
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