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プロダクトマネジメントが成功する6つの要素

Wantedlyではエンジニアやデザイナーがプロダクトマネジメントしていくことができます。プロダクトマネジメントとはどんなことをすることなのか、なぜ開発チームでプロダクトをみていくべきなのか、プロダクトマネジメントをする上でどんな文化を作っているのか紹介します。

(techbook 1に記載していた内容になります。購入はこちらから)

プロダクトマネジメントとは

プロダクトマネジメントとは、プロダクトに関して、サービス面・ビジネス面ともに成長させていくことです。

ユーザに対しての深い考察があり、プロダクトの選択肢を「マーケットの求めているもの」「技術的に取り組めるもの」両面から列挙し、それぞれの選択肢をとった時の効果が分かり、チームを引っ張ってユーザの体験を最大化させるプロダクトを作り上げ、プロダクトの良さをユーザに届けるメッセージが明確にし、実際に届ける実行をすることができ、事業の利益につながる仕組みを生み出していきます。

サービスの大きさ、ビジネスの性質、チームの大きさによって、プロダクトマネジメントを行う上での必要な役割は代わります。「サービス面、ビジネス面ともに成長させる」ことが目的なので、究極的にはそのためにできることは“なんでもやること”がプロダクトマネジメントです。ただすべてをやるわけでなく、今必要なことにフォーカスして、今の問題を解決していきます。

プロダクトマネジメントを行う上での必要な6つの要素

今回は、Wantedlyのプロダクトマネジメントの現場で大切にしている6つの要素を紹介していきます。

ユーザグロース、クライアントグロース、0→1施策、プロダクトの完成度、プレスリリース、マーケティングと重要なものを並べています。

もちろんリーガル、カスタマーサポートなど他の項目もあったり、それぞれの項目で似ていることもありますが、この6つの要素は、持っているスキルとして異なっており、また要素を身につけることで任せられることが増える、(プロダクトの質もあがり、プロジェクトの成功確度も上がる)ということでこの6つに絞って話をします。

ユーザグロース

ユーザグロースでは、サービスの成長のエンジンとなるポイントを見つけ、伸ばしていきます。

何かの数字が変化したら、その変化の内訳が分かることが重要です。

ユーザのリテンションは、ユーザはどこからやってきているか、ソーシャルに拡散しているから伸びているのか、SEO経由で入ってきているのか、アプリのストアから入ってきているのか。ただ経路分析するだけでなく、その割合、引き金になるポイントを見ていく必要があります。さまざまなパラメータの中で、どのパラメータを上げると達成したい数字が達成できるのか判断していきます。

丁寧に施策を評価していくこと、細かい単位でリリースを行いPDCAを回すこと、他社のグロースハックにアンテナを張り情報収集することが重要です。

クライアントグロース


クライアントグロースでは、継続的に売上をあげる仕組みを作ることが求められます。

Wantedlyは月額課金型のビジネスモデルです。

企業から毎月一定の額のお金をもらいます。新規の有料会社を増やす(新規)、有料会社に継続的に使ってもらう(継続率)、有料会社にたくさんの商品を買ってもらう(単価)という三つを改善します。

Wantedlyのビジネスは、この三つの要素の掛け算で売上が決まります。

新規の獲得では、サイト内にいる人でお金を使って募集を出したい人を見つけたり、少しモチベーションが上がって説明を読んでいる人に無料お試しを使ってもらったり、無料お試しをうまく活用して実際に有料化して本格的に使っていこうということを考えさせたります。

ビジネスモデルとサービスとの関連性の理解、ビジネスチームとのコミュニケーション、さまざまな要望の取捨選択が重要です。

0→1施策

0→1施策では、新しいサービスや新しい体験を追加する機能開発を行います。

ユーザグロースとクライアントグロースと、0→1施策で明確に分けたのは、実際に開発の流れが異なるからです。

新しい機能の開発は最初は使う人はいないので、根拠となる数字は明確にはありません。またたくさんの機能を作るのでなく、この機能だけがあれば使うということをシンプルに実装し、初めて使うユーザは自ら巻き込むつもりで開発していく必要があります。

最初思った通りにいかないときや、最初の仮説に自信がなくなったときにも、シンプルな機能で進めることが求められます。

新しいサービスの魅力を語れる、シンプルな最初のリリースを行うこと、チームをひとつにまとめることが重要です。

プロダクトの完成度

プロダクトの完成度では、ただ機能を開発するだけなく、ユーザが迷わず使える・気持ち良く使えるようにします。

UXは広い意味での体験なので、ここでは使わず、最後の詰めの開発ができるということに焦点を当ててとりあげています。

たとえば、検索することはできるけど検索の結果が悪いとか、速度が遅いとか、アプリであればスムーズに動作していない。インターラクションを追加することで、ユーザの体験をあげるなどです。ちょっとした違いをしっかり埋めていくことです。

主にデザイナーがその役割を果たしますが、やる必要ないことをやらないことにする、スケジュールとして完成度をあげることを優先するなどチームに細部の完成度をあげることの重要性を伝えることを行っていきます。

デザイナーとのコミュニケーション、完成度をあげることへのチームへの浸透、完成像が見えることが重要です。

プレスリリース

プレスリリースでは、サービスや新機能を出していくことを、パブリックに露出します。

記者の人に対して、なにが新しいか、どういう面白いことを取り組んでいるか、どんな問題を解決しようとしているか伝えています。

プレスリリースで押したい機能の完成度は高める必要がありますし、逆に必要ないものはスコープから外します。ユーザが最初に使い出す・興味を持ってもらえるか知るきっかけは何かコンパクトにまとめることがプレスリリースで重要です。

マーケティング

マーケティングでは、サービスを広める上での開発以外での施策を行っています。

Webのマーケティング(キーワード広告やSNSの広告)やサービス内での企画や実際にイベントを開いたりということです。

正確にCPAを測れる仕組みを用意して広告を打ち、広告を通してグロースする方法を考えたり、サービスの雰囲気を作っていくために、サービス内での企画や実際に初期で使ってもらうひとを巻き込んだり、コミュニティを作っていくことが大切であれば、イベントを開くといったことをします。

なぜプロダクトマネジメントを行う文化を作るか

開発チームでプロダクトマネジメントを行う文化を作ることで、

・優秀なエンジニアやデザイナーが集まり、スケールしやすいチームを作れる

・プロダクトの開発のスピードを速め、プロダクトのクオリティを上げることができる

ができます。

優秀な人が求めるのは、オーナシップがあり、成長できる環境で働いていくことです。自分が関わることで会社が成長し、自分も成長していけるそんな勢いのある会社です。

プロダクトマネジメントしていく上での要素はいくつもありますが、プロジェクトを通して、ひとつひとつ学んでいきます。得意な領域ができれば、ひとつのプロジェクトを任せれますし、複数の領域ができるようになれば、より大きなプロジェクトを行っていけます。プロダクトマネジメントができるひとが増えることで、スケールしやすいチームができます。

最初は、小さいチームであることがほとんどです。プロダクトを作るなら、一番時間がかかるのは、開発です。自らもエンジニアリングやデザインが分かることで、よりチームがまとまり、速度と完成度を上げることができます。時には自らもコードを書くこともできるし、チームの気持ちや仕事の内容もコードレベルで理解できます。

見た目とコードの質は比例しておらず、継続した改善やプロダクトのクオリティや開発速度は、コードの質にも比例します。

プロダクトマネジメントの文化を育てるために行っていること

プロダクトマネジメントの文化を育てるためにさまざまなことを組織で行っています。

・開発チームがKPIを持つ

・成果を発表する

・定期的なリーダとの1on1

・他チームとのコミュニケーションの量を増やす

です。

開発チームがKPIを持つ

KPIは、リーダもしくは経営チームが達成したい目標とリンクしています。

もちろん施策によってはすぐに最終的な数字に直結しないこともありますが、中期的に進んでいる方向は正しい、数字も付いているという結果が求められます。

ただ機能を出すのでなく、使われるようにするところまでがゴールだということを常にチームで共有しており、具体的には、週次でのチームのKPIの共有、施策ごとの細かい数字のフィードバック、施策の後の検証を行っています。

成果を発表する

Wantedlyでは、毎週金曜日にDemoDayという時間を設けていて、4人くらいが社内全体に自分の取り組みを発表します。

プレスリリースを書くことにも繋がりますが、自分が解決したい問題はなにか、どのような仮説を立てて実施したか、実際に検証したか明らかになります。

また、チームの成果や取り組みを見ることで、自分のチームももっと頑張ろうと他のチームのモチベーションも上がります。

定期的なリーダとの1on1

CTOや、プロジェクトのリーダや、プロダクトのリーダなど月に1-4回、それぞれの人と話をします。

プロダクトのフィードバックは、企画の量と質・進むべき方向性など、それぞれの担当しているプロジェクトの性質に合わせて、2週間に1度フィードバックをします。

自分の持っているアイデアや、より高い視点で考えている問題の共有など行っています。

他チームとのコミュニケーションの量を増す

ビジネスチームやマーケティングチームやカスタマーサポートチームなどさまざまな関係者と仕事をすることも増えます。

それぞれのチームがどんなことをしているのか、自分のチームはどうしているのか、気軽に話せる関係は大切です。

Wantedlyではシャッフルランチというものを行っており、社員とインターン生全員をシャッフルして、4人くらいで隔週でランチをしています。

まとめ

Wantedlyでは、"シゴトでココロオドルひとを増やす"というミッションのもと、社会的インパクトを最大化させることをゴールに仕事をしています。

みなさんの、シゴトでココロオドル瞬間はなんでしょうか?

僕は、「チームで熱中して取り組むこと」かなと思っています。ふと誰に言われているわけでもなく、その問題に取り組みたくなり、気が付いたらずっとそのことばかり考えている。そんなことを続けていたら、取り組む前に想像していたものよりもいいものができあがっている。リリースした後も、使いたくなるサービスだとフィードバックが返ってくるし、打ち上げも楽しい。そんなシゴトがしていきたいなと思っています。

それぞれのメンバーが得意なことを伸ばし、また新しい領域にも挑戦しながら、なんらかのプロダクトマネジメントしていく上での資質を持っている。そんなチームがいいなと思っています。

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