※この記事はログラス CSマネージャー・PMMマネージャーの浅見が投稿したnote記事です。
こんにちは!浅見です。「良い景気を作ろう。」をミッションに掲げるログラスで、PMMとカスタマーサクセス責任者をしています。
先日のnoteでも書かせていただいたのですが、ログラスでは2023年5月からプロダクトマーケティングマネージャー(以下、PMM)の立ち上げを始めており、今もめちゃくちゃ積極的に採用活動を行っています。
現在PMMロールを担っているのは浅見1名のみなのですが、すでにやりたいこと、やるべきことがたくさんあります・・・!
Product Marketing Alliance(PMA)の最新調査ではPMMはミドルステージ、レイターステージの企業に所属している比率が高いという結果が出ており、グローバルの視点ではログラスの場合は比較的早いステージでのPMM設置と言えます。
参照:State of Product Marketing Report 2022 (Product Marketing Alliance)より抜粋
しかしながら、最近参加させていただいたSmartHRさん主催のPMM Night(PMMやPMMを目指す方々のコミュニティイベント)では参加者の30-40%は現任PMMの方々で構成されており、会社や事業規模に関わらず国内でも必要性が強くなり、浸透し始めているのを感じました。
また、登壇者の皆さまはじめ参加者と交流させていただく中でPMMの役割の多様性というものを感じ、各社の状況によって大きく変わっていくことも印象的でした。
そのため、シリーズAのステージにいるログラスでなぜPMMを立ち上げたのか?という背景とともに、今どんなことをやっていて、今後どんな形で事業に貢献していくか?という点をまとめていくことで、定性的な面からもPMMの必要なタイミングや役割の解像度をあげていければと思っています。
PMMの立ち上げを検討している企業やPMMのキャリアに関心のある方の参考になれば嬉しいです!
PMMを立ち上げた背景
PMMの立ち上げを考えたのは、下記2点の課題を2022年末くらいから感じ始めたことがきっかけでした。
1.組織拡大による"意図しない"個別最適の発生
ログラスは1年を通して数倍のペースで拡大しており、現在70名ほどの組織となりました。そんな中で、大きく顕在化はしていないものの、"意図しない" 個別最適の力学が働きはじめてきました。これはSmartHR佐々木さんのnoteで使われていた言葉であり、ログラスでも以下のような事象が、50名を超えた頃から起きはじめていました。
SaaS組織では、「THE MODEL」を始めとするマーケティング〜カスタマーサクセスの分業体制を敷き、各機能の細分化/多様化が進んでいます。
しかし、高度に専門化された組織である故に、以下のような要因で組織の分断を招くリスクを抱えています。
・ユーザーに価値を届ける業務プロセスが複雑多岐に渡る
・事業の拡大に多くの人員が必要であり、その過程で属人化に陥る
・自部門のKPIを追求し過ぎ、部門間の協業が抑制されたり、KPIに直結しない仕事が置き去りにされる
・開発とビジネス部門の距離が広がり、情報格差や情報過多が起きる
SaaS組織では、排他的意識がなくとも、"意図しない" 個別最適の力学が働き、セクショナリズムが起こりうる。
なぜSaaS組織に分断が起きるのか?「PLG Loop」で打破するセクショナリズムの壁より引用
特に開発部門とビジネス部門の間で落ちやすいボールや、コンテキストのキャッチアップが難しい場面は起きやすいと考えており、その意味でもPMM(≒開発部門とビジネス部門の間に入っていき、事業グロースを推進する役割)の必要性は高くなっていました。
2.プロダクト提供価値の多様化
経営管理クラウド・Loglassはリリースからまもなく3年を迎えようとしており、Loglass自体も多様な機能をもったプロダクトに成長しています。
ここまで、本当に多くのお客様に使われるようになってきました。
Loglassは"管理会計"というドメインで活用されるプロダクトなのですが、自社の経営に活用することを目的とした社内やステークホルダー向けにまとめる会計のことを指しているため、インダストリー(業界)や企業特性ごとでその管理・運用方法は徐々に異なっています。
財務会計や労務管理の領域は法令で定められおり、一定どのお客様にも共通したユースケースが存在しやすいと言われますが、対する管理会計はそういった背景もあり、お客様が価値を感じていただけるポイントも多様になっていきます。(もう少し踏み込んで言うと、幅広いユースケースに対応ができるような汎用的な機能開発を心がけています)
(参考)Loglassの提供価値資料
極端に言えば、ユースケースの多様性故に1つのモジュールでありながらも複数モジュールが生まれているような状態が生まれてきたのがこの1年の大きな変化でした。
結果的に、セールスやCSをはじめ三者三様な要望や意見があがっていくようになっていくのですが、プロダクトの可能性を感じる意味ではとてもポジティブな一方で、その中での開発優先順位判断や、プロダクト価値をお客様に届けていくためのメッセージングの難易度が上がっているのを感じました。
上記を踏まえ、プロダクトのビジネス的な価値定義や、その届け方(販売、サクセスの両面で)について責任をもつ役割が必要という意識が社内にも生まれ、PMMを立ち上げることになりました。
PMMの立ち上げにあたっては、社内の各チームはもちろん、社外の多くのPMMの諸先輩方にもヒアリングをさせていただき進められたので感謝しかないです・・・!
ログラスにおけるPMMの役割
立ち上げフェーズである現時点では、以下のような責務・役割を担ってPMMロールを推進しています。実態としてはめちゃくちゃ幅が広いので、
現在絶賛PMM採用活動中ですが、候補者様がアサインされる役割は選考時・入社時にディスカッションしながら設定させていただきます。
責務
PMMの責務をひと言で表すと以下の通りです。
半年〜1年後のARRを最大化させるためのプロダクトマーケティング戦略を設計し、プロダクト価値をマーケットに届けるデリバリー責任を担う
ログラスのPMMは経営戦略室が設定した事業計画・戦略をもとに、主に短中期の成果を最大化させることをミッションとしてもっています。
(参考)ログラス社の事業ステップと組織体制
創る(0→1)
主にPlanningをメインとしており、既存事業の戦略・戦術アップデート、新規事業の立ち上げを推進していきます。
①プライシング・販売戦略の設計
- 顧客分析(顧客視点での価値定義)
- 市場調査
- デリバリーコストの試算
- 上記を加味したプライシング方針の決定
- 決定したプライシングの実行・関係者周知
②新規モジュールの事業・販売戦略設計
- 新規モジュールのユースケース仮説設定
- 3C/4P等のマーケット仮説設定
- 仮説をもとにした販売検証
伸ばす(1→10)
こちらはDeliveryの領域です。既存事業の受注率やチャーンレートを改善していくために、販売やサクセスの現場、プロダクト開発に貢献していきます。
③ビジネスサイドに横串で関わり、販売フェーズに貢献する
- Go To Market戦略に紐づくターゲットセグメントの設定、アップデート
- 上記戦略に基づくマーケティング活動の支援
- 導入事例等のコンテンツ、機能に関わるプレスリリース、クリエイティブの作成支援
- セールス活動における導入事例・提供価値ファクトのコンテンツ作成
④マーケットのニーズを捉え、価値あるインサイトとしてVoC(Voice of Customer)をPdMに連携し、必要機能に関する事業上の優先度をつける
- Go To Market戦略を起点としたプロダクトロードマップへの提案(PdMと連携)
- ビジネスサイドを代表した以下のアクションの実行
- セールス・CSから集まっていくVoCの優先順位付け、およびプロダクトチームへの説明
- FIXした開発ロードマップや足元の開発優先順に関するビジネスサイドへの説明
補足
- 定性的な指標が多いですが、PMMとして追いかける事業KPIとしては受注率の向上やNew/Expansion ARRを設定しています
- 評価項目は期初に都度各人のメインミッションを上記①〜④を中心に、評価者と被評価者で摺り合わせて設定しています
PMMの取り組み具体例
上記の責務・役割に基づいて実際に私がPMMとして取り組んだことの例を挙げていきます!
以下は、PMMの立ち上げをしていく中で推進した直近3ヶ月くらいの取り組みになります。
創る(0→1):新規モジュールの探索
T2D3を上回る速度で成長しているログラス社において、2本目、3本目の柱となる事業の探索を進めていますが、PMMでもその一部を担っています。
実際にすでにいくつかの価値仮説が立ち始めているので、
- それらのマーケットポテンシャルはどの程度か?
- お客様にとって本当に価値と感じていただけるのか?
- もっと価値を感じていただくためにはどのようなソリューションが必要か?
ということを検証しています。
詳しい内容はまだ外には書けないのですが、今は"わくわく探検隊”と称して新市場開拓の前線をいくトップセールスの髙橋さんとその探索を進めており、実際にたくさんのお客様に会いにいきながら前に進めています!
髙橋さんの推進力は本当にすごくて、私ひとりでやろうとしてた時の10倍速くらいで検証ができています。まじで感謝。
わくわく探検隊の髙橋さんと新規モジュールの仮説立て合宿
伸ばす(1→10):セールス向けのコンテンツ設計
お客様に適切に価値訴求する手法として導入事例というのは非常に強力なコンテンツですが、一方で導入事例は「xxxの機能を使ってyyyができるようになった」という点だけ覚えてもあまり意味がなく、導入前→導入の理由(Why Now?も含む)→導入後の効果(定量・定性)というストーリーで訴求できるようにする必要があります。
一方でそれらは各セールス/CS担当の頭にあったり、詳細まで書かれたコンテンツとして残っていないことも多いので、PMMとして導入事例の社内データベースをつくるところを始めました。
(参考)Notionにまとめた導入事例データベース
※すべてのユースケースに価値を"跳ね返す"という意味でソーナンスというプロジェクト名です
特に意識したのは以下2点です。
想定顧客・ユースケースごとに訴求すべき事例をまとめる
事例自体を蓄積していっても、商談の場でその顧客課題にあった事例を引き出せないとあまり意味がありません。また、顧客数が増えていくと、顧客名をみただけではどんな事例なのか?を掴むことが難しくなってきます。そのため、事例を会社起点でまとめるのではなく、顧客セグメントやユースケースでまとめることで、セールスが探しやすい引き出しをつくることができます。
項目ごとに区切ってストーリーで話せるようにする
事例の内容は、先述の通りストーリーで訴求できるようにするべきですが、一方でどの情報が特に求められているかはお客様との会話の中で掴めるものであり、最初〜最後まで一方的に話すだけではただの紙芝居です。
よって、事例の項目は細分化させながら網羅的に記入していき、どのパートを聞かれてもコンパクトに回答できるようなつくりにしました。
・想定顧客(もしくはユースケース)
・事例顧客名
・導入前手法
・導入前のペイン
・導入目的と狙い
・Why Now?(なぜこのタイミングの導入だったか)
・導入後アウトカム(定量/定性の両面から)
・商談時に見せられる1枚スライドのURL
(参考)事例データベースの構成項目
今後のPMMが目指す姿
ログラスのPMMはまだ始まったばかりですが、幅広いフェーズ・セクションに関わっていくため、その中で大きな価値を出す難しさはある一方で、事業全体を俯瞰してみていく経験をご提供できるポジションです。
そのため、今後の目指す姿としてはそういった経験を経ながら将来的な事業責任者(PLや組織マネジメントに責任をもつ方)を輩出するセクションになれればと思っています。
クラウドサインPMMの小林さんも先日PMM組織の変遷についてnoteを発信されていらっしゃいましたが、事業フェーズに応じて求められる役割というのは変化していきますので、何をする、という点については随時アップデートしていきます。(立ち上げたこの1ヶ月でもどんどん変わっているので・・・笑)
採用狂気やってます!
いつもの宣伝コーナーです。
代表の布川は、常日頃から「ログラスマフィアをどんどん輩出したい!」という言葉を繰り返し社員にメッセージとして伝えています。
これは、ペイパルマフィアになぞらえて、社会にインパクトを与える人材をログラスから生み出していきたいという想いが言葉になっています。
現在もビジネス・開発・コーポレートなど多くのポジションで募集をしており、まだまだ組成フェーズのチームもあるので、ジェネラリストの活躍ポイントがたくさんあります!
PMMについても超絶募集中です!!!
ミッションや仕事内容はこのnoteの通りで、今現在は以下の要件で募集させていただいています。
今のタイミングは、新規事業の立ち上げとグロースの両面に注力しているシリーズAのフェーズだからこその面白さが詰まっていると思います!!!
Must ※下記いずれかのご経験
・プロダクトの企画、グロースを目的とした事業企画、商品企画、営業企画等の実務経験(事業会社、コンサルティングファーム問わず)
・事業グロース、事業立ち上げの経験
・事業責任者の経験
・プロダクトマーケティングまたはプロダクトマネジメントの経験
Want ※Mustが満たせていれば、以下はいずれも必須ではありません
・IT企業(特にSaaS)におけるマーケティング・営業・カスタマーサクセス職、またはPdMプロダクト企画職での勤務経験
・経営企画・経営管理業務(主に予算策定/予実管理、事業戦略策定)の経験、もしくはドメイン理解
求める人物像(マインド)
・スピード感を大切に、走りながら考えていくことができる
・常に目的を明確にし、その達成に関係者を巻き込んで導いていく力
・大きな課題にぶつかっても、冷静に現状を見つめ、成果創出に向けて愚直に行動ができる
・過去の経験/成果に囚われず、事業の成長に合わせて自分に必要な知識/スキル/マインドを継続的にアップデートできる
・常に謙虚さを忘れず、お客様やチームメイトに最大限の敬意を払った言動ができる
ミッションへの共感はもちろん、何か大きなことを成し遂げたい!そのためのキャリアを歩んでいきたい!と考えている方の募集を熱狂的にお待ちしております!(待つだけでなく、僕らからお声がけもします!)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!