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DMMグループ教育企業で異例の抜擢。29歳新代表が仕掛ける“第2創業期“の大改革

株式会社インフラトップは、「学びと仕事を通じて、人生を最高の物語へ。」をビジョンに掲げ、人生を変えるために新たなスキルを身につけたい人々に向けて、教育サービスとキャリア支援事業を展開しています。

主力サービスの「DMM WEBCAMP」は、これまでに10,000名以上のデジタル人材を輩出。この実績を基に、2024年に個人向け生成AIスクール「DMM生成AI CAMP」と法人向けDX研修「DMM WEBCAMP DX研修」を立て続けにリリースし、事業領域を拡大しています。

2024年4月、これらの事業を率いる新代表に就任したのが磯本昇汰です。
創業社長の退任を経て、「第2創業期」を迎えている今、就任の背景、彼の事業に対する熱意やビジョン、そして今後社会にどのような価値を提供していくのか、その核心に迫ります。


プロフィール|磯本昇汰
1995年生まれ、2017年新卒としてネオキャリアに入社し、人事・人材開発領域を経験。対社内のみではなく事業として提供価値を広げたいと思い、2019年にインフラトップに入社。関西エリアでは業界初となる転職保証制度を導入したプログラミングスクールとして、DMM WEBCAMP大阪校の立ち上げに成功。2020年に人材紹介事業のマネージャーとして人材紹介事業全体を統括。その後、プロダクト統括本部・本部長を経て、2022年に執行役員に就任。2024年、創業代表の退任に伴い新たに代表に就任

予期せぬ代表就任

— 2024年3月に代表に就任されましたが、就任の経緯についてお聞かせください。

代表就任の話は突然で、就任2週間前にオファーを受けました。創業社長の辞任が決まっており、その後任として自分が指名されました。

当時の状況を率直に伝えると、市場の変化の影響もあってプロダクトの成長が鈍化傾向にあったタイミングでした。このまま何も手を打たなければ、数年後には事業撤退の可能性すらあったんです。ただ、インフラトップの事業は社会人に対するリスキリング・キャリア支援を通じて、人材の流動性を高めるだけでなく、成長産業への人材シフトを支援できるプロダクトだと考えていたため、このまま何もせず撤退の未来を迎えたくないと考えました。


— 2週間前の突然の指名だったのですね。代表就任を決意された理由は何だったのでしょうか?
最も大きな理由は、「レバレッジを自分に一番かけられる選択」だと考えたからです。
実は、もともとは起業準備を進めており、前代表にも相談しながら諸々調整をしていたんです。

そんな中、代表のオファーを受けて今一度自分のキャリアについて考えた時に、この規模の会社を一から作り上げて、さらに拡大を図ろうとすると、今からスタートしても5年から10年はかかる。それがこの瞬間から経験できる、自分自身が直接的な意思決定を行い、会社の成長に貢献できることを考えるとポジティブだと考えて、就任を決意しました。

現在は、会社を存続させ続けるだけではなく、本当に必要とされる会社にしないといけないという使命感を感じています。困難は多いですが、会社を再建し、成長させる。その過程で得られる経験は、会社の未来にとってもかけがえのないものになるはずだと確信しています。

教育によって、自分の人生が大きく変わったから。

— 前職でも社内教育に携わられ、転職したインフラトップでも一貫して教育事業に関わっていますが、何か教育に関心を持つきっかけがあったのでしょうか。
はい、教育に興味関心が強いことには、大学時代の長期インターンでの明確な原体験があります。

自分でもネタにしているのですが、僕は中学3年生の頃、「受けられる学区内すべての公立高校に受からない」と言われるほどの成績だったんです(笑) 野球一筋の学生生活を送っていて、進学も全て野球での進学だったので、いわゆる受験勉強とは無縁の人生を歩んでいました。

ただ、大学入学直前に、怪我により突然野球を諦めないといけなくなってしまって。その時に何をすべきか考えて、まずは金銭的に自立したいなと思い、成果報酬系のアルバイトに明け暮れていたんです。しかし、その生活を続けていくうちに、いくらお金を稼いでも幸福度が日に日に薄れていくのを感じるようになりました。目的なくお金だけ稼いでも幸せにはなれないのかも、と猛烈に将来に対しての不安を感じたんです。

ちょうどそのタイミングで、縁あって携帯キャリアの販売代理店で働くことになりました。当時は関西ではまだ珍しかった長期でのインターンシップなのですが、その時に出会ったメンバーが圧倒的にレベルが高くて。

同い年ながら圧倒的な成績を残している人が集まっていて、衝撃的で、野球をやっていた時のような「負けたくない」というメラメラした気持ち、やる気がみなぎる感覚がありました。

それがきっかけで、営業の基本・心理学など猛烈に勉強し始めました。これまで勉強を避けていた僕が、生まれて初めて自らの意思で学ぶので、もうスポンジのように吸収して、インプットしてアウトプットをして成果を上げる歩みが、楽しくて仕方ありませんでした。

その経験を通じて、ずっと体育会系人間だった僕が、めちゃくちゃ人生変わったなって感覚があって。この重要性と可能性を認識したからこそ、これを他の人にも提供したいという気持ちが芽生えたのが、教育に関わりたいと思ったきっかけです。


— 自分の人生が変わった、という原体験があったんですね。その想いから新卒の会社に?
はい。新卒では人材業界に入り、最初は「人を変える仕事」をしたいと思っていましたが、実際にはその多くが「人を変える」のではなく「その人が持つ素養を活かし、適切な場所に配置する」ことが多いなと感じ、配置ではなく、その素養を養うような場所を作らないといけないと思いました。

教育事業には、個人の成長を促す力があると信じています。僕自身が学ぶことで変わったように、他の人にも同じような機会を提供したいと考えています。

社会人教育やスクール事業に関わる前には、教育に対して「もっとこうすれば良いのに」といった課題意識を持っていました。それが、実際に教育事業に携わる中でどのように解決できるかを見つけていくことが面白く事業を推進していく意味があると感じます。


— 教育に対して、具体的にどんな課題意識を持っていたんでしょうか?
まず、日本の教育というと、答えがすでに準備されている問題だけを教える傾向があることに課題を感じています。歴史を辿ると、戦争・産業革命などがきっかけでもあると思うのですが、いわゆる日本の教育のスタンダードは「決まったことをいかに正確かつ迅速に実行できるか」が目的となっており、結果的に教育ビジネスも資格取得や予備校、塾が主流になっています。

しかし、現代においてビジネスで求められる力は、答えのない問題に対して自ら判断し、正解に導く能力です。教育アプローチの中には、このような能力を育むものが不足していると感じていて、目先の偏差値や資格が評価されることが多い。でも、人の価値って、資格や経歴だけでは測れないと思うんです。

経歴や資格は、幼少期からの継続的な努力の証です。後発組が先行する人たちに追いつくには、何倍もの努力が必要です。難関大学卒業者の積み重ねてきた努力に追いつくには、数倍の努力が必要で、時には追いつけないこともあります。これは投資に似ています。早く始めれば複利効果で成長も早くなりますが、遅くても同じゴールを目指すことはできます。ただしそのプロセスは自ずと異なります。この違いを可視化し、適切に評価できる仕組みが必要だと考えています。

だからこそ我々は、単に技術を詰め込み方式で与えることではなく、人生を変えるきっかけになるものを教育という手段を用いて届けたいと考えています。そのために、その人の成長過程や努力をしっかり評価できる教育の仕組みを作りたい。今の時代に必要な本質的に価値のある教育を提供していきたいと考えています。

経営者として大切にしていること

— 経営者として大切にされている考え方はありますか?
僕は経営の中で常に「意思決定は早く、そして強く」そして「努力の方向を間違えない」ということを心がけています。この考え方は、代表になる前から一貫して守ってきたもので、今後も変わることはないと思います。


— 磯本さんのコアになる考えなのですね。まずは「意思決定は早く、そして強く」という点から教えてください。
経営において、多くのことはやり直しがきくものだと考えています。慎重に進める必要がある内容はもちろん存在はしますが、多くの決定事項については、間違いだと分かればすぐに止めればいいと思っています。時間をかけて検証するよりも、まず動かしてみることで多くのデータが集まりますし、もし成果が出るのであれば、その分だけ早く結果が得られます。

「80%メリットがあり、20%しかデメリットがないような誰でもどっちを選択すれば良いかわかるような状況下で決めることは、そもそも意思決定とは呼ばない。」という考えを大切にしています。意思決定の本質は、51%のメリット、49%のデメリットがある状況で、誰もが明確に答えを出せない。そんな状況下で決めて進めることです。このような状況下で、努力次第で2%を逆転させることもできますし、失敗しても2%の差しかないので、戻ることも可能です。


— なるほど。「努力の方向を間違えない」という点はいかがでしょうか。
こう思うようになったきっかけもスポーツでした。

強豪校で野球をしていたこともあり、どの選手も練習の量は多いです。
しかし、同じ量の練習をしていても個々の選手間でも実力には差が生まれます。

ダルビッシュ有選手が2010年頃に「努力は嘘をつかない」という言葉に対して「間違った努力は平気で嘘をつく」と訂正していて、これは僕の中では強く影響を受けている言葉なのですが、正しい方向で努力をしないと、その努力は無駄になってしまうのです。

この言葉を心に刻み、数多く練習をする中でも1つ1つのメニューの目的を考え取り組むことで、最終的には背番号1を背負って試合に出場できる成績を残すことができた成功体験というのも、自分の中で「努力の方向」を意識する背景となっています。

学びと仕事を通して、人生を最高の物語へ。

— これからインフラトップが目指す未来像について、お聞かせください。
改めてインフラトップという会社が果たすべき役割は、人生をより良い方向に変えていく人を1人でも増やすことです。これは、僕たちの事業の根幹を成すビジョンです。

今僕達は「教育×職業紹介」というアプローチを取っていますが、これは人生において仕事に費やす時間は非常に長く、そこから得る収入が人生を直接左右するからです。人生を変える重要な意思決定に関わり、それを実現するための学びを提供していきたいんです。

理想の姿は、学びと成果が互いに高め合う循環です。学びを活かして仕事で成果を出し、その経験がさらなる学びへの欲求を生み出す。この循環が自然に回り始めることで、日本人が自ら学ぶ文化が醸成され、仕事を通じて自己実現を感じられるようになる。そんな社会を目指しています。


— その目標に向けて、具体的にどのような取り組みを進めていらっしゃいますか?
教育と職業紹介に限定せず、人々の成長を支援する多様なアプローチを模索しているので、直近では法人向け研修サービスをリリースし、現職でのスキルアップも支援しています。

現在、IT人材の不足は深刻な社会的課題となっています。この分野にチャレンジすることで、個人の成長機会を提供すると同時に、社会のニーズにも応えられると考えています。

インフラトップでは、単なる転職成功者数だけでなく、より長期的な視点でのキャリア変化を追跡しようとしているので、卒業生のその後のキャリア遷移を追跡し、どのようなキャリアを歩んでいるのかを把握しようとも考えています。


— 短期的な支援ではなく、中長期にも良い影響があるような、より本質的な支援ですね。
はい。そういう意味で、もう一つ、良くしていきたいと思っているのはコーチングの本質的な変化ですね。

自走力のある人が方向性を正すであったり、きっかけの提供は可能だと思いますが、実際に人生を変えたい人をこれまでもたくさん支援させてもらった経験から、目標設定だけでなく、その目標に向かうための具体的な学習内容や環境まで提供する必要があると考えています。

明確な目標や原動力がある人にとってはコーチングやメンタリングは効果的かもしれませんが、多くの人は自分がどうなっていきたいかというゴール設計ができていないので、そういった方々や「今の現状からとにかく変わりたい人」に対して具体的な行動指針と環境の提供が必要だと考えています。

インフラトップが目指すのは、単なるゴール設定にとどまらず、そこに至るまでの道筋も含めて提供することです。その想いで会社のことを知ってもらえると嬉しいし、このサービスを広げていきたいと思っています。


— 最後に、そんなインフラトップで今働くことの面白さや難しさがあれば、教えてください。
まず、創業から10年経って代表が自分になり、新規事業も多数立ち上がっている環境で、さらに、インフラトップとしての価値観を新たに作り上げていくような「第2創業期」にあるというのが大きな特徴です。

すでに出来上がった価値観や役割の中に入るのではなく、これからどういうメンバー体制、組織体制を作っていくのか、という前段の立ち上げの議論から参加していただきたい。しかも、今の経営陣とともに、スケールアップの話も同時並行で進めていく必要があり、やることがたくさんあってワクワクする環境だと思います。既存の価値観に合う合わないを心配する必要はありません。なぜなら、僕たちはその価値観を一緒に作っていくからです。

2点目として、そんなフェーズだからこそ、手触り感を持って事業に関わることができるというのもあります。こうすれば事業は沈むし、逆にこうすれば伸びる、といったことを、かなり大きな規模の予算を持ちながら、直接アウトプットに繋げられる、これは本当に貴重な経験だと思います。

僕が思うに、手触り感のあることをやりたいと思ったら、そのためには小さな会社に入るか自ら起業をするしかない、と考えがちです。ただ、インフラトップであれば、ある程度の規模でありながら、まだまだ手触り感を持って仕事ができる。これは本当に稀有な環境ではないかと思っています。

自分たちの価値観を見直し、新たに作り上げていく。そんなプロセスに一緒に参加してほしい。これが、インフラトップが提供できる唯一無二の機会だと僕は考えています。そんな環境で、一緒に新しいことにチャレンジできる仲間とこれから会社をつくっていきたいです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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