今回は、カスタマーサクセス(CS)として、自社プロダクトのPrott,Baltoを通じてユーザーと接する片山彩夏に、なぜカスタマーサクセスという仕事を選び、グッドパッチで働くのか。日々どんな想いでユーザーと向き合っているのか。そして、彼女がカスタマーサクセスとして目指す姿を聞いてみました。
「喜んでもらいたいから120%でやる」スタンス
小さい頃から、フリーランスとして仕事をする父の背中を見て育ちました。父の仕事におけるスタンスは、相手の期待+αの結果を出すというもので、私が今、社会人として働く上でも強く影響を受けた姿勢です。
学生時代の課題や、アルバイトに取り組む時も、根底にはいつも「100%より120%を目指せば、相手が喜んでくれる。相手に喜んでもらえることが、次に繋がる。」という父からの教えがありました。
そのこともあって、今まで経験してきたアルバイトを振り返ると、意図してる訳ではないのですがコーヒーショップや洋服の販売など、喜ばせたい相手との距離が近い接客業が多いんです。
+αを発揮できる環境を探していた
大学卒業後、不動産系企業での営業として1年、医療システム系のサポートセンターで3年働きました。
父から受け継いだ120%マインドセットを持っていた私は、社会人として働く中で、どの企業も『お客様の喜びのために』という言葉を掲げていることに違和感を感じていました。
本来「喜んでもらいたい」という気持ちは、自然と生まれるもので、強制されて持つものではないのに、なぜわざわざ掲げる必要があるのだろうと。でも、働く中で忙しさのあまり「喜んでもらいたい」「相手を思いやる」ということを見失っている人をたくさん見て、納得できるようになりました。
ようやくサポートセンターの仕事に慣れてきた頃に、「+αの結果を出したい、もっと頑張りたい」と考えるようになりました。しかし当時は、派遣社員として働いていたこともあり、案件の振り分けと管理、連絡しか、任せてもらえる業務はありませんでした。そのほかに出来ることは、新人教育。でも、当時の私はまだ25歳で、「人の教育にフォーカスするにはまだ早い、もっと自分の能力を伸ばして、自分の可能性を試してみたい」と思ったんです。
そんな中サポートセンターで、SEやお客様と接していると、そもそもの問題に目がいくようになりました。そもそもツールが使いにくい、使いにくさをフィードバックできる環境が整っていない。そもそもを考えていくと、環境づくりを含めたユーザーファーストが大事なのではないかと、言葉にできないモヤモヤした気持ちが芽生えました。
そんなタイミングで偶然「カスタマーサクセス」という職種で、当時名前すら知らなかったグッドパッチから連絡があり、気軽な気持ちで話を聞きに行きました。
今まで働いてきた会社とは何もかもが違いましたし、イケイケなスタートアップの雰囲気には少し戸惑いました(笑)。当然、求められるレベルも上がりますし、グッドパッチやユーザーに自分がどれだけ貢献できるかは正直自信がありませんでした。
でもグッドパッチがやっていること、これから目指していること。そしてカスタマーサクセスという仕事について話を聞いて、直感的に今まで自分が抱えていたモヤモヤの答えに出会えたと感じたので、思い切って入社を決めました。
入社して1年以上経った今振り返ると、自分の中にあった「人に喜んでもらうには何ができるか」という考え方は、とてもデザイン的な考え方だったことに気づきました。今まで「デザイン思考」という言葉すら知らなかったけど、私が考えてきたことってデザイン思考じゃん!と腑に落ちる感覚がありましたね。
たまたま話を聞きに行った会社が、自分と同じ価値観の会社で、同じ考え方を大切にする仲間に出会えたことは、とてもラッキーだったと思います。
カスタマーサクセスと名乗る理由
会社によってCSの定義は様々ですが、グッドパッチのCSは『カスタマーサクセス』です。
『カスタマーサポート』との違いで言うと、お問い合わせの前後の文脈を捉えてアクションを設定しているかどうか、だと思います。「ユーザーはなぜこのお問い合わせをしたのか」「今後同じ問い合わせが来ないようにするためにどうすればいいのか」までを考えるということですね。
そして、プロダクトを開発しているプロダクトマネージャーやエンジニア、デザイナーに、お問い合わせの内容=問題を、可視化した上で分かりやすく伝えるのも、カスタマーサクセスの役割だと考えています。
カスタマーサクセスの仕事の中で、特に多いお問い合わせや要望に対してカスタマーサクセスがやることは、大きく分けて3つです。例えば、新しい機能を開発することになった時にカスタマーサクセスがどのような仕事をするかをお話ししますね。
ワーディング
エンジニアやデザイナーが仮で当てた、サービス内に使う文言をチェックします。
本当にそのワードでユーザーに伝わるか、ユーザーにとって見やすいか、デザインとのバランスを見ながらワードを選定します。
フィードバック
「一番最初のユーザー」として、開発の途中で開発チームに対してフィードバックを行います。
自分がユーザーの視点になって操作した時に違和感のあるところはないか、想定される使い方に対応できるかを確認しています。
リリース
「新機能ができました」というお知らせをユーザーに届けることもカスタマーサクセスの仕事です。
そのお知らせをどんな人に届けたいのか考え、その人にとって伝わりやすいコンテンツを作成し、最も適した方法で届けます。
この他にも、ユーザーにとって、グッドパッチが開発している「Prott」や「Balto」がより良いプロダクトになるように、さまざまな施策に取り組んでいます。
グッドパッチに入社して色々な職種や国籍のメンバーと交流を重ねるうちに、自分の考えていることをしっかり言語化できるようになりました。ユーザーに寄り添い「なぜ」と「これから」「どうやって」を考えて実行していくのが、グッドパッチらしいカスタマーサクセスなのだと思います。
ユーザー中心設計を当たり前のものにしたい
カスタマーサクセスとして仕事をしている中で嬉しかったことのひとつに、「CSチームをフロア真ん中の席にしてほしい」という声が部署内で上がったというエピソードがあります。それほどユーザーの声を中心にプロダクトを開発している会社なんです。
ユーザーに寄り添うマインドセットが、ここまで揃っているチームはなかなか無いと思いますし、職種に関わらず周りのメンバーから学ぶことがたくさんある環境です。
学びが多い環境だからこそ、知識を持ち、ユーザーの気持ちを汲み取ることができ、メンバーとユーザーを繋げるように分かりやすく伝えられるカスタマーサクセスになりたいと思っています。今までインプットが多かった分、アウトプットも積極的にしたいなと思い、先日は初めてイベント登壇に挑戦しました!+αを発揮できる機会に恵まれ、とても充実しています。
まずはカスタマーサクセスとしてナレッジ共有を社内外に発信することから始めて、ゆくゆくは『ユーザー中心設計』の考え方が、どんな企業でも職種でも当たり前になるといいなと思っています。