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期待値のすり合わせからはじまるチームビルディング。そしてテラスハウス 。

こんにちは。プロダクトマネジメント室の田中あきです。

今回はChatworkで行っているチームビルディングの取り組みについて紹介します。

チームの関係性をつくる

Chatworkではプロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナーなど異なる職種のメンバーでひとつのチームになってプロジェクトをおこなうことが多々あります。プロジェクトをスタートする際に、チームの目的や進め方を共有することはもちろん、メンバー同士がお互いのことを理解し、関係性を作ることで不安のない状態で活動をスタートできる状態になることが重要と考えています。

Chatworkではチームの関係性を作っていくにあたり「期待値のすり合わせ」というプログラムをおこなっています。今回はこのプログラムについて紹介したいと思います。

人は得てして勝手な自分の期待を押しつけがち

「期待値のすり合わせ」とは具体的に何かといいますと、メンバーそれぞれに以下の質問への回答を事前に用意してもらい、集まって発表したり、意見をもらったりします。

  1. 自分は何が得意なのか
  2. 自分はどうやって貢献するつもりか
  3. 自分が大切に思う価値観は何か
  4. チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか
  5. メンバーに期待していること

一体なぜこんなことをおこなうかというと、以下の理由からです。

  • 人は得てして勝手な自分の期待を押しつけがち
  • 必要以上に自分を責めて勝手な期待を背負いすぎる
  • 期待のミスマッチがストレスや不満になる

ちょっとイメージがしにくいので、「テラスハウス」を例に考えましょう。(最新エピソードの重大なネタバレは含みませんのでご安心ください)

テラハ住人の関係性はよく崩壊する。それはなぜか。

テラスハウスは見ず知らずの男女6人が、共同生活する様子をただただ記録したものです。用意したのは素敵なお家と、素敵な車だけです。台本は一切ございません。

テラスハウス TOKYO 2019-2020

簡単に言うとテラスハウス(以下「テラハ」)はひとつ屋根の下に住む若者たちが恋愛関係になったりならなかったり、夢を追いかけたりそれを応援しあったりする様子を楽しむ番組です。

ですが、3シーズンくらい観てもそういったキラキラしたシーンよりモメてるシーンの方が多いなと感じます。インスタのフォローを外しあったり、口喧嘩したり、最終的に帽子を被っているだけでキレられたり散々です。でもそれは考えてみれば当然なんです。

なぜなら彼らの期待値が全然合っていないからです。

よく風呂場や台所などの水回りや冷蔵庫が汚い、食器を洗わない、とかが問題になるんですが、そもそも誰がいつ掃除するかを決めていないのです。「なんとなく誰かがやってくれる」ことを期待しているだけなので結局は誰も掃除せず、ストレスや不満がたまる。

さらには、好意を持ってアプローチしてやっといい感じになったと思った相手に最後の最後で「最初からテラスハウスで恋愛する気はなかった」とか言われてフラれます。これはきつい。「だったら最初からそう言ってくれよ」と思わずにいられません。(ビビはそうは言いませんでしたが)

プロジェクトに例えれば、やっと仕様とデザインを固めた後でエンジニアが「最初からこのチームで開発する気はなかった。」と言い出すようなもので、恐怖しかありません。じゃあなんであんなに親身に工数の相談に乗ってくれたの!ひどい!(これはフィクションです)

「売名行為」は悪なのか

最近よくあるテラハ内の悪口に「売名行為」というものがあります。本来は素の自分で過ごすべきところ、視聴者にどう見られるかを意識して行動しすぎていることを指摘する言葉です。例えば自分のファンが離れるのを懸念して、恋愛するように見せて結局しない、などです。

でもわたしはテラハに恋愛目的だけでなく、自分のキャリアのために(もっと具体的には、フォロワー数を増やしに)来る若者がいてもいい、という考えです。将来に向かって努力する姿を観るのは励まされます。

ただし、関係性ができた相手に対して期待値のズレを生まない配慮は必要だと思います。告白されたから仕方なく言うなんてもってのほかです。ではどうすればよかったのか。

ここでテラハ視聴者の方は「TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY」に登場した半さんを思い出してください。

半さんは入居した当初から自分には彼女がいることを公言します。その上で自分ができること、例えば建築の技術でメンバーの制作を手伝ったり、ケンカしたメンバーがいれば、年上であることを活かして話し合いの場をファシリテートしたりして、メンバーに貢献し続けます。(最新シリーズにも半さんがいれば・・)

半さんは「ミスター・パーフェクト」と呼ばれ、最後には惜しまれながらテラスハウスを去っていくのです。半さんほど誰からも好かれた人物はいないのではないでしょうか。

意地悪な見方をすれば半さんのテラハ出演も自身のキャリアのためと言えそうですが、誰も彼に対して売名行為だとは批判しません。なぜでしょうか。わたしは彼の成功要因は最初から自分の目的は恋愛ではないことを暗に明言したことだと思っています。それによって他の住人だけでなく、視聴者をも含んだ周囲からの期待値をコントロールしたのです。

売名行為と批判されるのは、実は周囲の期待を裏切ったときだけです。

半さん以外の多くの人々は、出会って最初に自分に対して何を期待してもよくて、何を期待してはいけないかを言語化したりはしません。それを意図的に言語化し伝えることで期待のズレを防ぎ、安心してお互いの関係性をつくるためのプログラムが「期待値のすり合わせ」なのです。

あなたの入居をお待ちしています

何の話か忘れた方もいるでしょうが、これはチームビルディングの話です。早々に期待値を合わせることで関係の崩壊を防ぎ、チームで助け合える関係ができるんだということを、少しでもイメージしていただけましたら幸いです。

ところでChatworkのプロダクトマネジメント室は新しいメンバーを募集しています。誰かが卒業(退職)したのではなくて、事業拡大のためです。

プロダクトマネジメント室のメンバーもそれぞれに強みと弱みがあり、強みを活かしてメンバーをサポートしたり、誰かの弱い部分は他のメンバーが補うことでチームとして活動しています。ちなみに、ここまで書いておいて言いにくいのですが、わたしはチームビルディングについては弱い方で北口さんが一番得意です。

これからプロダクトマネージャーの仕事についてや、他のメンバーについても紹介していくのでどうぞ楽しみにしていてくださいね。


挿絵:北口
文章:田中あき

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