11月25日(月)、渋谷ヒカリエにて「WANTEDLY VISIT AWARDS 2019」が開催されました。2015年の初回以来、5回目の開催を迎えるこのビッグイベントに、今年も400社以上の企業経営者、人事担当者様が集まりました。
「One Wantedly」の構想をはじめ、2020年にプラットフォームが遂げる進化が語られたKeynoteの内容、および各社のWantedly運用のノウハウがぎゅっと詰まった表彰式の模様をレポートします。
◆第1部: Visit Keynote「進化を続けるプラットフォームとOne Wantedly構想」 Wantedly, Inc. CEO 仲暁子 2019年春、ウォンテッドリーは「リクルートメント・マーケティング」という採用にまつわる新しい概念を打ち出しました。これは、母集団形成やフィルタリング、内定承諾といった狭義の「採用」から離れ、採用ブランディングのための情報発信、入社後のエンプロイーサクセスといった前工程・後工程までを含めたフレームワークです。これからもウォンテッドリーは、時代の変化に合わせた採用のあり方について、継続的に、そして精力的に発信し続けてまいります。
リクルートメント・マーケティングの拠点にもなるWantedly Visitは、今年で登録会社数が33,000社を超えましたが、同じく弊社の運営するつながり管理アプリWantedly Peopleもユーザー4,000,000人超えを達成。2020年のウォンテッドリーは、これら2つのプラットフォームを融合させ、 「One Wantedly」 としてさらに大きなベネフィットを皆さまにお届けするべく邁進していきます。
その第一弾として、2019年よりWantedly People Scoutのβ版提供を開始しました。役職者が多数登録するというユーザー特性を持つWantedly Peopleとの融合を通じて、これまで以上に豊かな採用体験をお届けしていきたいと考えています。
執行役員 開発チーム担当 森脇健斗 2019年にWantedly Visitが辿った進化をハイライトでお伝えします。まず、昨年のAwardsで発表したミートアップ機能は、この1年の間に23,000件以上の応募が集まるなど、大きな成長を遂げました。ミートアップは高いリーチ力が魅力であり、通常のメンバー募集ページと比較して1.44倍のリーチ量を誇ります。リリース後1年にも満たないミートアップですが、転職意欲が顕在化していないユーザーにより広くアプローチするためのタッチポイントとして機能していると言えます。
また、2019年には募集作成フローの大胆なリニューアルにより、モバイルアプリでの表示に合わせたリアルタイムプレビューが可能になりました。他にも、画像トリミングやコンテンツガイドラインに基づくリアルタイムヒントのようなアップデートにより、これまでの2倍スムーズに募集ページを作成いただけるようになっています。
プロダクトの進化に合わせ、募集ページの月間公開数は10,000件を超えることとなりました。そこで今後の注力領域として、開発チームは推薦アルゴリズムの強化を通じたマッチング精度の向上に乗り出しています。それだけでなく、職種セットのフルアップデートも行うことで、探している候補者との出会いの精度をより高めることができるようになりました。
さらには、本日(11月25日)より、スカウト機能のUIリニューアルを段階的にリリースいたします。今回のリニューアルを通じて、候補者についての評価ポイントをメモ書きする機能、歓迎・除外キーワードの追加、複数人での運用の最適化など、Wantedly Visitを通じたより良いスカウト体験を実現します。
2020年もWantedly Visitは、「より低い運用コスト、より高いマッチング精度、より良い出会い」を通じて採用担当者様の生産性の底上げをサポートするべく進化を続けていきます。
外部パートナーと提携し、「認証プロフィール追加ボタン」をリリース Wantedlyにプロフィールを保持するユーザーは200万を超え、その多くが学歴・職歴・スキル、さらには「仕事に対する想い」をプロフィール上に載せています。2020年、Wantedly Profileは外部パートナーと提携したHub戦略を通じて、他のサービスにはない独自の価値を提供してまいります。
その核をなす機能が、 「認証プロフィール追加ボタン」 です。第三者機関が発行するスキル/資格/学歴などの認証を、ボタン一つでWantedly Profile上のスキルタグとして追加することができるこの機能は、ローンチパートナーとして「 デジハリ・オンラインスクール 」、「 グロービス学び放題 」といった外部教育サービスと提携し、本日リリースされました。2020年には提携企業100社超えを目指し、パートナー開拓を進めてまいります。
Keytalk: 「世の中の体温をあげる」(株式会社スマイルズ 遠山氏) 続くKeytalkでは、「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイ専門店「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」など既成概念や業界の枠にとらわれないビジネスを多面的に展開する株式会社スマイルズの代表取締役社長、遠山正道氏にご講演いただきました。
私たちにとって身近な話題となった「働き方」という言葉を「仕事と人生が重なっていること」と定義する遠山氏は、個人を主体としてプロジェクト化が進み、小さな経済の時代になるという展望を元に、これからの時代を生きるビジネスパーソンを以下の3つに分類します。
A)プロジェクトを自ら仕掛けるか B)プロジェクトにお声がかかるか C)仕掛けもせずお声もかからないか
このうち(A)のタイプに回ることで価値を上げていくためには、所属する組織の中で「誰かの都合、誰かの理由に振り回されずに、意思表示をすること」が重要になると言います。いわゆる"サラリーマン"は初月から黒字の「ある種の美味しいビジネスモデル」だと述べる遠山氏は、その対極にある領域として「課題を自ら探しにいかなくてはならず、金銭的報酬も決して多くなく、頻繁に感謝されることもなかなかない」アートの存在を挙げ、ビジネスとアートを掛け合わせることで生まれる新しい働き方について解説しました。
合理的な説明は合理的な説明によって打ち返されてしまうので、個人の抱える「夢・情熱」は会議室の中ではでてこないし、なかなか通用しにくい。でも、本当は夢や情熱にはすごい突破力があるから、会社はこれを大いに利用したほうがいいと思います。 [...] どんなに大きなプロジェクトも、個人の小さな思いや気づきから生まれます。大変な仕事をやりきるためには戻れる原点があることが大切で、アートではそれをコンテクストと呼んでいますが、個人の「好き」や「思い」があるから組織を突破できる。 三菱商事時代、「会社や社会に首を絞められるのではなくて、自分の首は自分でキュッと絞めあげよう」という思いのもと、ネクタイブランドのgiraffeを「サラリーマン一揆」というコンセプトと共に構想したという遠山氏。様々な組織の壁に阻まれながらも、最終的にアイディアの実現に結びついたのは、遠山氏の抱えるコンテクストの強度があってのことだったでしょう。
そんな個人の発想を組織が潰さないためにはどうするべきか。大きな産業を支えるために組織化と分業化が進んだ昭和の時代から遠く離れた今、これからはプロジェクトの時代、小さなチームが集合離散を繰り返す中で、有機的に個々人のユニークネスが混じり合う時代がやってきます。そんな未来において、組織は社員一人一人の抱える「夢」や「情熱」という資産に向き合う勇気を持つべきだと会場に投げかけることで、遠山氏は講演を結びました。
◆第2部:WANTEDLY VISIT AWARDS 2019 授賞式 2019年の表彰式では、Rookie/Area/Awareness/Selection/Interestの5部門からなる部門賞が各1社づつ、そして採用に関わる総合力に重点をおいた総合賞として、ブロンズ賞、シルバー賞、ゴールド賞を各1社づつに進呈いたしました。いずれの賞も、過去1年間の応募数、応援数、スカウト返信率、FEED閲覧数などのWantedly Visitの各利用実績値をもとに選定しております。
以下では、「全員採用」「スクラム採用」への取り組みや、カルチャーフィットを重視したWantedly活用法についての気づきが多く得られた授賞式の様子について、各章の受賞者コメントとともにお送りいたします。
<部門賞> 🏆 Rookie賞:OYO TECHNOLOGY & HOSPITALITY JAPAN株式会社 この賞は、利用開始から1年未満という短い期間の中でWantedlyをご活用をいただき、優れた実績を残した企業様に贈られる賞です。
受賞コメント:HRチーム 西田杏奈様
素晴らしい賞をありがとうございます。かくいう私もWantedlyを通じてOYOLIFEとの出会いがあった1人です。私たちは若手ばかりの組織で、みんなが人事未経験の中で去年から採用を行ってきました。 当初は苦労することも多く困難を極めておりましたが、Wantedlyの使いやすさに助けられた部分もありました。おかげで非常に優秀なメンバーとの出会いもあり、採用したみんなが活躍してくれていることが本当に嬉しいです。 この賞をいただけたのは全社員がSNSで募集の記事を投稿してくれたりシェアしてくれたおかげだと思います。この場を借りて社員のみんなにお礼を改めて言いたいと思います。本当にありがとうございました。今後もWantedlyの活用を通じて、人を紡ぐような採用を行っていこうと思います。 🏆 Area賞:株式会社L&Gグローバルビジネス様 この賞は、東京以外の地域で採用活動を行い、Wantedlyをご活用いただきながら地域の採用に貢献していると考える企業様に贈る賞です。残念ながら当日の会場へのご参加はなりませんでしたが、非首都圏におけるWantedly活用のリアルな声は動画にてご覧いただけます。
🏆 Awareness賞:and factory株式会社様 この賞は、企業の認知形成にあたってWantedlyのフィードを積極的に活用し、自社の採用広報に成功している企業様に贈る賞です。
受賞コメント:梅谷雄紀様
弊社は5年前の創業時から「全員採用・全員広報」を掲げています。僕はHRを管轄していますが、基本的には仕組みをつくって、回せる体制だけをつくっています。Wantedlyはエンジニアであってもフィードを書いたりスカウトに協力してくれたり、全員採用・全員広報をしやすいものだと思っています。 創業5年目にして「100名の壁」を超えるタイミングに入った今は、自社のカルチャーを大事にしたいと思っています。Wantedlyは、文化を継承するという観点でも使い勝手が良く、「思想があうツール」だと思っています。この賞はHRの部門がとったわけでなく全社的にみんなの活動があって取れたものだと思っているので会社に帰って喜び合いたいなと思っております。 🏆 Selection賞:キャディ株式会社様 この賞は、募集・ミートアップに対するエントリー数が多く、Wantedlyユーザーからの高い人気を集めた企業様に贈る賞です。
受賞コメント:Employee Success Group Leader 安藤宏樹様
半年ほど注力していたミートアップの成果についてお話したいと思います。ミートアップの開始当初は、約10-15名の応募を集めるのがやっとでしたが、そこからかなり改善を繰り返して、いまでは50-100名程度にエントリーいただけるようになりました。 多いときは担当2人で1ヶ月に10回くらい開催していました。すごく疲れましたが、一つ一つの会がすごくいいものになり、来ていただいた方にも喜んでもらえる場がつくれたので、やってきてよかったと思っています。今ではミートアップは採用実績にもつながっているため、会社としても重要な立ち位置となってきています。 ミートアップの開催において、力を入れていたことは2つあります。1つは、純粋にもっとキャディの方を知ってもらいたいという新規の方へのリーチ。もう1つは、選考過程におけるアトラクトです。色んな人と喋ってもらって、理解を深めた上で入社してもらうことが大事だと思っています。内定を出していた方がイベント中に内定承諾するとういこともかなりありました。 弊社では、9割以上がなにかしらの形でWantedlyを経由して入社して採用にいたっています。今後もマッチングを大事にしながら採用をしていきたいと思っています。 🏆 Interest賞:freee株式会社様 この賞は、Wantedlyのスカウトメッセージを活用し、質の高いダイレクトリクルーティングを行なっている企業様に贈る賞です。
受賞コメント:吉村美音様
弊社では文字通りの全員採用を行なっており、それこそ営業からエンジニア、プロダクトマネージャーにいたる全職種が候補者に直接スカウトを送っています。そのプロジェクトマネジメントをしているのが私たち採用チームです。私自身、freeeに入社するタイミングでセールスから採用に異動になりましたが、採用は「いかにチームを盛り上げていくか」という仕事だと思っており、楽しさを感じています。 ミッションに共感してくれる人たちを集めて、その人達と一緒に大好きな会社で働くことができる仕事はなかなかないと思っています。私たちは、今日も帰ってみんなでスカウトを打ちますので、みなさまも採用は大変なこともあるかと思いますがみんなでがんばって採用活動をやっていきましょう。ありがとうございました。 <総合賞> 続く「総合賞」は採用力、広報力、スカウト力などを総合的に判断し、Wantedlyをバランスよく活用し共感採用を推進している企業様に贈る賞になります。
🏆 BRONZE賞:ディップ株式会社 受賞コメント:次世代事業統括部 dip Startups 小林宥太様
ディップ株式会社は、新卒中途インターンをあわせて100名以上の本当にユニークな方たちにWantedlyを通して入社いただくことができています。僕自身もウォンテッドリーを通してディップを知って内定者インターンとして入社しました。 ちょうどその頃から長期インターンをディップでも積極的に採用していくことになりまして、そこで手を挙げてこれまで3年弱くらいほぼ1人で運用してきました。インターンや若手社員という立場であっても頑張って運用を続ければ、所属する会社の採用にこれだけ貢献できるんだよということを証明できたことが嬉しいなと思っています。 いつも素敵な写真をとってくれる同期のカメラマンの小沢、相談にのってくれる上司の進藤、そして忙しい中、面接対応をしてくれるメンバーのみさなんに「ありがとう」を伝えたいです。今日は本当にありがとうございました。 🏆 SILVER賞:チームラボグループ 受賞コメント:Management Team Recruiter 山田剛様
僕が入社した時に最初に任された業務がウォンテッドリーの運用でした。その直後に2年前のWANTEDLY VISIT AWARDSでfreeeの栗林さんが受賞されているのを見てかっこいいなと思って以来、「いつか自分も絶対に獲ろう」と思っていた賞を2年間連続でいただけたことが嬉しいです。 採用担当者として感じているのは、「カルチャーマッチ」が本当に重要になってきているということです。僕個人が考えた仮説として、ビジネスにおける成果報酬型のモデル、つまり「自分のやったことに対してなにか報酬をもらえる」という100年間ぐらいの間続いてきた考え方に対する違和感が募ってきているという現状がカルチャーマッチ重視の背景があるかと思っています。 例えば、車を持つとか、家を持つとか、「人は持てるものが増えると幸せになる」というかつての常識に限界がせまってきている。車を所有する人が減ってきているように、転職をする人も単純に給料がどれくらい上がるかで就職先を選ぶひとは少なくなってきています。代わりに求めているのがカルチャーマッチ、つまり「誰とどういう環境で何ができるか」、そして「そこにいるとどういう自分でいられるのか」が重要になってきていると思っています。 自社のメンバーと話をしていると、「自分が一番素でいられる場所が会社だ」という人がいたりします。そういう風に自社とマッチする人を採用することが、人の幸せを考える上で一番やらなきゃいけないことなのではと思っています。チームラボという会社は、人事が採用に責任をもってカルチャーを作っている会社です。そして、そのカルチャーマッチが起こりやすい媒体がWantedlyだと思っているので、これからもいいプラットフォームを作っていって欲しいと思っています。 🏆 GOLD賞:株式会社マネーフォワード 受賞コメント:人事本部 人材採用部 部長 小川昌之様
今回は素晴らしい賞をいただきまして大変うれしく思っております。他の受賞企業の方もおっしゃっていたように、弊社でも採用は経営陣から現場の社員にいたるまで全社総出で行なっています。これがWantedlyを象徴しているかなと思っています。 当社はWantedlyの利用を開始して6年目となるのですが、確認してみたところ運用を始めた頃は代表の辻が自ら候補者対してメッセージを送っていることを発見できました。それだけ長い間、当社の中核を担っているサービスはWantedly以外ないかと思っておりますので感謝しかありませんし、こうして評価いただけたことは恩返しができたという感覚でうれしく思っております。 当社の採用チームのミッションは「ファンをつくる採用」というものを掲げております。ファンには2つ意味がありまして、支持者(fan)と楽しむ(fun)という意味です。まさにこの2つを体現できるのがWantedlyであると思っているので、引き続き当社の採用に活かしていければと強く思っております。 ◆スペシャルコンテンツ:WANTEDLYを利用した採用成功への道 メインイベントの終了後に懇親会会場で行われたスペシャルコンテンツでは、4社がWantedly運用にまつわるノウハウを披露するLT大会を開催。
株式会社オンデーズ/小野内 晏奈 様 「Wantedlyスカウトを活用して採用に導く方法」 株式会社FABRIC TOKYO/高橋 政裕 様 「フォロワーなし、予算なし、リソースなし そんな状況で採用ができた2つの理由」 株式会社ビットキー/早坂 美里 様 「ハートに火をつけるWantedly活用方法」 株式会社LIFE PEPPER / 吉田 典広 様 「もし人事未経験のマーケターがWantedly運用担当になったら」 各社が採用にまつわるリアルな課題と、その具体的な解決法を紹介しました。そして会場の投票によりWANTEDLY VISIT AWARDS特別賞に輝いたのは、候補者のハートに火をつけるためのコンテンツ活用術を具体的に共有いただいた株式会社ビットキーの早坂様!
「どのプレゼンもためになる話ばかりの中、受賞できたことにびっくりしています。これは『このまま突っ走れ』という励ましの票でもあると思うので、これからもますます頑張っていきたいです」と受賞の喜びを語りました。
様々な業界で人事業務を担当される皆様のリアルな声が集まることにより、今年も大盛り上がりを見せたWANTEDLY VISIT AWARDS。来年はどのような知見がお披露目される場になるでしょうか。
今年も残りわずかとなりましたが、これからも皆様の採用業務の伴走者となれるようアップデートを続けていくWantedly Visitを、引き続きどうぞよろしくお願いします!