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「クライアントとメディアの良き伴走者になる」を戦略に掲げ、PR活動の設計から実行まで伴走する「PRパートナー事業部」。今回は渡邊(わたなべ)と樋口(ひぐち)が、PRパートナー事業部の役割や私たちの提供価値について語り合いました。
従来の手段にこだわらず、新たな一手を提案していく
——お客さまの事業内容や環境の変化に伴い、サポートする内容も変わっていくのでしょうか?
渡邊:そうですね。基本のプランに、プラスαの提案をするのがチームのルールです。(前編に登場した)カネボウ化粧品さんの事例でも、定期的にヒアリングをして、その際に出てきた課題を解消しています。カネボウ化粧品が展開するブランドの横断的なサポートもしつつ、昨年は「ALLIE」や「プリマヴィスタ」など、個別のブランドからの追加発注も増えています。最近では当社が提供する「PR TIMES TV」の動画制作・配信サービスや「PR TIMES LIVE」のライブ配信サービスまでをパッケージ化したイベントプランをローンチしたのですが、それがとても好評でした。そうした施策を通してデジタルメディアとのコミュニケーションを実感してもらい、より理解を深めていただいています。
樋口:僕が担当しているスコッチウイスキー「タリスカー」などのブランドを運営するLVMHグループのMHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社も前任から引き継ぎ、5~6年程当社とお付き合いいただいています。コロナ前までは、商材がお酒ということもあり、どれだけ接触体験ができるのかを1つのKPIとして掲げていました。イベントをはじめ、メディアセミナーも大々的にやっていたのですが、コロナ禍になって次の手をどうするか、再検討する必要があったんです。
でも「やっぱりお酒は飲んでもらわないと分からない」ということに着地し、商品を郵送してオンラインでセミナーを行いました。他にも年末年始とバレンタイン、父の日などのウィスキーが売れるタイミングで、消費者に向けてウイスキーを選択肢に入れてもらえるような施策を取ってきています。今年はバレンタインのタイミングで「ホテルニューオータニ」とパティシエにウイスキーを使ったスイーツ開発を依頼し、約1年かけてレシピ開発と企画を進行して、2〜3月に販売しました。このように当社のお客様同士をつないだ新しい企画も実施しています。両社ともに情報発信につながり、MHD モエ ヘネシー ディアジオさんは売上にもつながったと伺っているので、意義ある企画だったと感じています。
——お客様の売上にもつながったというのはすごいことですね。「提案次第ではなんでもできる」「手段は一つにこだわる必要はない」という印象を受けましたが、まったく新しい施策を提案するときは、まず何から着手しているのでしょうか。
渡邊:(前編で紹介した)キャスティングの話で言えば、まずチームの中から情報収集しましたね。会社やslackで「こういう案件なのですが、見積もりの出し方や、イベントの施工ならどの程度まで請け負えますか?」など、とにかく分からないことは聞いてみて、過去の類似案件の事例などがないか調べました。
その上でトライしてみたのですが、やはり経験のない分野だったので、まだまだ勉強不足の点もありましたが、お客様にも育てていただきながら成長できました。
——樋口さんはいかがでしょう?
樋口:僕らの事業部はいい意味で、雑談が好きなんです。そういう時にヒントをもらうことが多いですね。プランナー同士で話していてもイメージがつかないときは、「第三者的な立場からどう思います?」と前提情報を全く知らない社内のメンバーに聞いてみたりする。社内のメンバーを生活者やメディアと想定して質問をすることで、新たな視点を持てることもあります。自分から声をかけることもありますが、困っているときほどメンバーが声をかけてくれるのでありがたいです。僕らの事業部はテンパっていると余計雑談が増えますから、デスクで集中していて全然喋らない人がいると、「案件順調なんだな」と見守っています(笑)
渡邊:それってすごいですね。私はむしろ、順調で「今日、冴えてるな!」みたいに余裕がないと雑談できないかもしれないです。
樋口:それが普通ですよ。デスクの前で黙々作業しているのが、本来あるべき姿ですもんね(笑)
PR TIMESだからこそ提供できる「PRパートナー事業」
——数あるPR会社がある中で、PR TIMESのユニークポイントはどこだと思いますか?
樋口:PR TIMESの情報基盤があった上でのプランニングやサービス提案ができることだと思います。前述した取り組みのように、お客様とお客様をつなぐことができたり、過去10年以上のプレスリリースのデータをもとにしたPR提案ができたりする環境は整っているかと。僕は以前(親会社の)ベクトルにもいたので分かるのですが、メディアのバイネームとつながっているのが他社と違って強いところじゃないでしょうか。メディア会員もいますしね。PRという枠組みの中でジャンルを絞らない故に、月毎に同時多発的に案件が入り乱れたりするもの。そうなると、案件ごとに一からメディアにコンタクトしていくため、専門のメディアには弱いケースもあります。あとは担当が辞めてしまうと、また一からコンタクトし直す必要もある。
その分僕らは、(前編で)渡邊さんがおっしゃったように、お受けする案件も、先に自社の得手不得手をお伝えするようにしていますし、そこが明確なのも強みの一つかなと。もちろん将来的には、全てのメディアとつながることを目指してはいます。逆に、PR TIMESを運営しているからこそ、メディア側から「こういう案件ないですか?」という問い合わせが来ることもあります。そこは絶対的な強みですよね。
——専門性高く、深いリレーションを作るため、メディアとのリレーションのクオリティ維持にやってることはありますか?
渡邊:PR TIMESレターというものをメディアに向けてお送りしています。取り組み始めたのはコロナ禍の少し前くらいで、最初はゆるっとスタートしましたが、今ではそれありきのサービスと言えるまでに成長しました。PR TIMESレターによって2カ月に1度は相互でメディアとコミュニケーションが取れていて、定期的にリアクションが返ってくるというのはかなりいい関係性を構築できていると感じます。
これまではお客さまのリリース配信のタイミングでのご連絡に留まっていました。半年に1回しかリリースを出さなかったら、そのタイミングでしかメディアとコミュニケーションを取らないことになってしまいます。しかし、それではお客さまありきのご連絡になってしまって良い状態ではないということになり、、月に2回PR TIMESレターを通じて私たちから記事の切り口や、並び記事の素材提供のほか、PRで伴走しているお客様をはじめとしたお客様のリリースから配信している情報を資料化してお届けするなどしているんです。それを基に毎月の企画を聞いてみたりとか、メディアとのコミュニケーションツールの1つにしています。現在はコスメの内容が中心になっていますが、サステナブルなフードやお酒に特化したものも不定期で作成していることもあるので、今後はコスメ以外の商材などに関しても精度を上げて、コミュニケーションの量や吸い上げる情報量を担保していけるといいですよね。
——では最後に今の課題と、一緒に働きたい人像を教えてください。
樋口:できてないことはいっぱいありますよね。
渡邊:そうですね、PR TIMESに蓄積されているデータをしっかり活用仕切れていない問題もあるかな。今は必要になったときにデータを活用している印象です。全員が同じレベルで情報を活用できるようになった方がいいですよね。
樋口:PRの上流から伴走できているお客様はまだまだ少ない。ニーズはあるので、きめ細やかに、しっかり伴走していくところをもっとやっていきたいですね。会社の中の事業部なので、単体で売り上げが上がっていけばいいということでなく、他組織やサービスとうまく連携して、PRパーソンを増やし、メディアに対してももっといい提案ができるようにしたいです。
そういうところを一緒に垂直立ち上げしてくれる人とご一緒したいですね。社内のPRパーソンを増やすプロジェクトは急務かと思います。僕らもこの一年、「なぜこのリリースをやっているのか?」とか、「その案件をこなすだけではなく、意味を考えながらやるように」と、外部のアドバイザーの方からもずっとご指摘いただいていて。PRとはなんなのか、深い理解とPRのプロであるという自覚を持って取り組んでいける人材を育成することも今の課題ですね。
執筆=倉本亜里沙、構成=田代くるみ(Qurumu)