PR TIMESにはテレビ業界出身者など、様々なバックグラウンドを持つメンバーで構成される「動画チーム」があります。動画チームの今期のミッションは「制作したものを、自由度高く活用してもらう」こと。今回は、TVの制作現場から転身した動画チームマネージャーの新岡(にいおか)と牧(まき)の2人がなぜPR TIMESに入社したのか、対談形式でお届けします。
新岡 真治(にいおか まさはる / 動画チームマネージャー) テレビ制作会社から、2019年にPR TIMESに映像ディレクターとして入社、1年後の2020年にはPR TIMES パートナー事業部 動画チームの責任者に。 牧嵩洋(まき たかひろ / 動画ディレクターリード) 新卒でテレビ業界へ入社、その後2020年にPR TIMESに入社。LIVE配信事業は未経験ながら、現場力を評価され入社後3か月でLIVE配信責任者として抜擢。 TV制作現場からの転身、そのきっかけは… —お二人のこれまでの経歴と、PR TIMESへの入社理由を教えてください 新岡 :私は前職で、テレビ番組の制作会社のディレクターをしていました。『秘密のケンミンSHOW』や『出没!アド街ック天国』『チューボーですよ!』など、情報性の高いバラエティ番組を担当していました。当時は、番組を作成するにあたって1から10まで自分たちで作りあげるというスタイルだったので、 情報収集能力や企画構成力が身に付きましたね 。
その後、2019年12月にPR TIMESに映像ディレクターとして入社しました。入社後も前職同様、情報収集から企画構成まで一貫して行い、PR TIMESで配信されるニュース性のある情報を 1分程度の動画にまとめて届ける PR TIMES TV というサービスを運営しています 。また、 PR TIMES LIVE というライブ配信サービスも自社で運営しており、コロナ禍以降の需要の高まりの中で、ライブ配信未経験の中、機材や知識を補いながらスピード感を持って体制構築していきました。2020年12月より、現在の役割である動画チームの責任者をしています。
—社会環境の変化も大きい中で、マネージャーに着任するまでの1年間はどうでしたか? 新岡 :当時は、サービスの規模が今ほど大きくはなく、2名のディレクターがいてしっかり現場を回してくれていたので、私は学ばせてもらう立場でのスタートでした。今以上に形になっていなかった時期ですが、一緒に作り上げていくという意味では、大変でもあり楽しくもあったかなと思います。
—ありがとうございます。牧さんはどうですか? 牧 :私は「テレビが大好き」という理由だけで、新卒でテレビ業界に入りました。10年間ほどスポーツニュースのディレクターをやらせていただいて、『news zero』『Going!Sports&News』『news every.』などの番組を担当していました。毎日ニュースを取材・撮影・編集し、そして生放送に至る、の繰り返しでした。
その中でも一番の思い出は、リオオリンピックの現場取材を1カ月やらせてもらったことです。その仕事をする中で、スポーツニュースが誰かの夢や勇気になるんだなということを強く感じ、 スポーツだけではなく他の分野にも幅を広げたいと思うようになりました 。
その後、ミッションにも共感できたPR TIMESへ2020年に入社しています。入社してすぐにLIVE配信の責任者を任せていただいたのですが、 完全に未経験からのスタートでしたね。
—未経験スタートだったんですね。新岡さんが当時、牧さんをすぐにライブ配信の責任者にアサインしたのはなぜですか? 新岡 :牧さんの “現場力” を見て即断しました。牧さんが、入社間もないときに同行してもらったライブ配信の現場で、まだほとんど何も伝えていないのに現場を仕切り出したことがあって。即座に判断し、スタッフに的確な指示を出せるコミュニケーション力の高さはもちろん、現場のトラブルにも冷静に対応できる実力を感じました。
技術面や知識は後からでも補えます が、ライブ配信を安全に遂行する上でそういった 資質は非常に大切にしています 。実際に入社3カ月程度で、自分ですべてまわせる状態まで持っていってくれました。
「制作動画をどう活用すればメディアが使いやすいか」の解像度で動く —PR TIMESの動画チームの役割と業務内容を教えてください。 新岡 :動画チームでは、PR TIMES TVとPR TIMES LIVEの2つのサービスを提供しています。PR TIMES TVは一言でいえば「動画プレスリリース」のサービスで、プレスリリースで発表するような新規性のある情報を、1分程度のニュース動画にまとめて、各SNSやYouTube、コーポレートサイト、PR TIMES TVのサイトで配信できます。
PR TIMES LIVEは、コロナ禍でオンラインイベントが増えている中、発表会の様子を撮影し、リアルタイムでネット中継するという配信代行サービスで、こちらも1分程度の動画にまとめ、同様にSNSやYouTubeで配信しています。両サービスともに共通して、 企業の広報担当が自社のニュースを広く発表するときに、動画だからこそ生活者に情報が届くという価値提供をしていきたい、と思っています。
配信した動画は、提携しているパートナーメディア25媒体のうち親和性のある10媒体以上で掲載につながることと、広告をTwitterやFacebookにも流して5万回再生を保障していくような形をとっています。また、動画撮影の現場にスチールカメラマンも同行し、スチール素材も一緒に提供するため、編集動画と写真を活用してプレスリリースをより充実させることもできます。各メディアからの素材依頼や問い合わせにも活用できるので、 動画配信時に留まらず、広報活動そのものにも役立てていただけます 。
牧 :動画を活用してPR活動をしていきたいというニーズが非常に増えている中で「でも、具体的にどうすれば?」と、最適な方法が分からないケースも多いです。動画チームとしても、この点は課題だと感じていて、そういった企業や広報担当の方に寄り添い、伴走していけるようなスタンスをとっていきたいと考えています。
新岡 :動画制作・配信を提供するサービスで、制作・納品後の二次利用や活用方法などまで、丁寧に寄り添って提案していくようなものって私はあまり見たことがありません。私や牧さんは、テレビ業界の出身でもあるので、 制作した動画をどう活用すればメディアの方に使ってもらいやすくなるか とか、そういったところまで理解した上で動画を制作しています。
そこまでの解像度で、コミュニケーションを取れるディレクターが揃っているので 、一度使っていただくと、動画を活用した効果的なPR手法に課題を感じている広報の方々にサービスの価値を理解していただける自信がありますし、今後利用したいと言っていただける方をどんどん増やしたいきたいと思っています。
—例えばどのようなナレッジでしょう? 新岡 :例えば、1分程度の動画を作るのであれば最小限の撮影でも作れてしまうのですが、複数のシーンを撮っておくと、テレビディレクターは使いやすくて喜ばれるだろうという感覚が、これまでの経験則から読めたりします。
PRパートナー事業部内に、テレビメディアとリレーションを持つプランナーがいるので、コンタクトレポートなどを見せてもらい「今どういう情報をテレビメディアが欲しているのか?」「この素材に対してどう思うか?」という、リアルタイムの情報を把握することができます。だからこそ、 自分たちの経験則だけに頼らず、メディアに刺さる素材作りを追求しやすい環境 だとも言えます。
牧 :あとは、なるべく癖のない素材を作るように気をつけています。実際に、料理系の撮影であれば、料理を持った時の撮影のカットを意識して多めに撮っていたり。本来は1商品でいいところを,、念のため全部押さえておいたり。 テレビやメディアが使いやすい情報を、興味を持ってもらいやすいような形で作っています 。看板からズームアウトした外観とか、会場を広く見渡せるような俯瞰撮影とか。
また、テレビ番組ディレクターも限られた時間の中でしか撮影ができないので、調理シーンや完成品など時間のかかる撮影、物理的に遠い場所での撮影が入ると対応しきれない場合があります。地方の工場で何かを作っているシーンだったり。そういった部分を我々が素材として提供し、カバーすることで番組を作る際にも役立てていただける。だからこそ、 より企業の魅力が伝わるように、丁寧にヒアリングしながら素材作りをする責任感も感じています 。
クライアントだけでなく、そのさきにいるメディア、生活者まで見据える —メディアとクライアント両方が喜んでくれることをやろうとしているのは、すごくPR TIMESらしいなと思うのですが、動画チームの事業上、なぜその点を大事にしているのか教えてもらえますか? 牧 :PR TIMESには 「パブリックファースト」 という考え方があって、我々もその考えに根付いて考えています。クライアントだけじゃなく、その先にいるメディア、そしてその先にいる生活者の方々までを見据えて、一緒に伴走することがクライアントの利益に資するという前提があります。
それに、新商品や新サービスの情報を届けるときに、画像や動画と言う素材があるとシンプルに伝わりやすいですよね。最近では、必ずみんなの手元にスマートフォンがあり、動画を見ない日がほとんどないくらい。そういう時代が今後も加速していく中で、より正確に、そして魅力的に新サービスや新商品の情報を伝えるためにも、メディアの方が使いやすい素材、そしてクライアントが素材提供しやすい状態、 さらに生活者がより良い情報を得て日常が彩られる 。そんな状態を実現したいと思っています。
執筆=倉本亜里沙、構成=田代くるみ(Qurumu)