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「ミラティブに新卒入社したエンジニアはいずれ全員がどこかでCTOになれるように」24卒エンジニア採用を控えて――CEO×CTO特別対談

ミラティブはこれまでインターン生の登用のみで新卒採用をおこなってきたが、”新卒一括採用としては初”の24卒採用を始動した。即戦力となる中途採用のメンバーを中心に組織を拡大し、スマホ1台でゲーム配信ができるプラットフォーム「Mirrativ」のサービスを成長させてきたミラティブが目指す次なるステップとは。新たに策定されたビジョンに込められた想いや新卒採用強化の背景について、CEO赤川とCTO横手が語ります。


CEO 赤川 隼一@jakaguwa
株式会社ディー・エヌ・エーに入社。広告営業やマーケティングに従事した後、「Yahoo!モバゲー」を立ち上げ。その後執行役員として海外事業の統括やゲーム開発に携わる。2018年2月、株式会社エモモ(現ミラティブ)を創業。
CTO 横手 良太@n0mimono
早稲田大学大学院修了後、機械学習の分野で博士号取得。助手として研究活動、論文執筆を行う。2014年に株式会社DONUTSに入社し、スマートフォンゲーム開発に従事。2017年より技術部部長。2018年7月にミラティブに参画、アバター機能「エモモ」の開発をリード。2021年4月にCTOに就任。

目次

  1. ビジョン策定と「ナラティブ」にこめられた想い
  2. ミラティブ初の新卒一斉採用、その狙いや期待
  3. ミラティブに入社したメンバーがこれから見られる世界

ビジョン策定と「ナラティブ」にこめられた想い

――ミッションに加え、2022年8月より新たにビジョンを策定した背景を教えてください。

赤川:ミラティブは創業以来、「わかりあう願いをつなごう」というミッションを掲げ、そのミッションに共感したメンバーと共に歩んできました。

どんなにテクノロジーが進化しても、あらゆるコミュニケーションには変わらず人の願いがこめられていると私は考えています。そして、その願いがいまだ叶っていないからこそ、世界では痛ましい事件や戦争が絶えない、とも。

そういった背景を踏まえ、ミラティブは一方的に会社側の考えをユーザーさんに押し付けるのではなく、プロダクトMirrativを利用するユーザーさんが、ゲームの配信を通じて大切にするものや時間、わかりあいたい願いをつなぐことに注力してきました。一人ひとりの願いをつないでいくことが、ひいては世の中の幸せを最大化することにつながると考えるからです。

そういった想いは変わらず根幹にある一方、組織としてミラティブが成熟していく中で、ミッションとプロダクトの関連性をメンバー全員に浸透させることが難しくなってきました。今後より組織を拡大していくにあたって必要性を感じ、ミッションとプロダクトの間にあるものを言語化するビジョンを策定することにしました。そして新たに策定したビジョンが、「好きでつながり、自分の物語(ナラティブ)が生まれる居場所」です。

――ビジョンに書かれた「ナラティブ」は、社名やプロダクトにもつながるキーワードですね。

赤川:はい。もともと社名とプロダクト名であるミラティブ(Mirrativ)は、「ミラーリング(ディスプレーにリアルタイムで情報を共有すること)」と「ナラティブ(物語)」を組み合わせた造語です。スマホ画面をミラーリングし、ナラティブを語ってもらえるサービスを作りたいという想いから、この言葉は生まれました。

ナラティブは同じ「物語」と訳す言葉でもストーリーやプロットと異なり、「誰かが、自分自身で語る」ことに焦点をあてている言葉です。これは、エンターテインメント体験から得られる物語性に近いものだと考えています。

あらゆるエンターテインメント体験は、誰と一緒に感動したか、あるいは自分がどういう状況でその作品に触れたかによって、その人にとっての物語性が変わります。そして、Mirrativで配信者さんと視聴者さんが一緒にゲームを楽しむ体験も、そういった「自分たちの物語」を生み出すきっかけの一つです。

Mirrativから生まれた思い出の一つひとつが積み重なってユーザーさんの居場所となり、たとえ現実世界で嫌なことがあってもここが心の拠り所となれる。そんなサービスを生み出そうという想いを、「好きでつながり、自分の物語(ナラティブ)が生まれる居場所」というビジョンにこめました。

横手:このビジョンは新しい価値観を言語化したわけではありません。あくまで事業とミッションの距離を言葉で埋めたものです。「わかりあう願いをつなごう」というミッションと、実際に開発しているライブゲームなどのコンテンツが直接的に結びつきづらいという課題感は、現場メンバーのフィードバックを通じても感じていました。

在籍期間の長いメンバーはミッションと事業の結びつきについての理解度が高いですが、直近ジョインしたメンバーについては、プロダクトと組織が大きくなってきたこともあり、すぐに結びつきを理解することが難しい状況になってきました。そういった中で、今回策定したビジョンが組織のメンバーの理解をフラットにしていく機能を果たし、これからより大きな組織へと成長していくための足がかりになれば、と考えています。

ミラティブ初の新卒一斉採用、その狙いや期待

――エンジニアチームにフォーカスしたこれまでの変化についても教えてください。

横手:創業時のミラティブのエンジニアチームは、即戦力のメンバーが少数精鋭で活躍する環境でした。そして黎明期にジョインしたメンバーはプロダクトへのコミットが極めて強い一方、社外発信やブランディングについては私も含めて弱い部分もあったと思います。

その課題を解消するため、直近数年はテックブログやエンジニア向けイベント開催などの社外発信の場を設け、エンジニア自身が積極的に自らの情報をアウトプットする文化を作ろうと心がけてきました。

ミラティブのエンジニアは社外に対して積極的に発信し、イベントに参加し、OSSコミュニティに強く貢献するものであります。

引用:Mirrativ Tech Community & Activity Policy

赤川:横手さんは人材が育つ、多様な人材を受け入れられるエンジニアチームを作るために、さまざまな取り組みを続けてきてくれました。社外発信という点でも、おそらく日本で五本の指に入るくらいにnoteを執筆しているCTOだと思います。

良きエンジニアは、技術的に優れていることはもちろん、課題解決に強い思いを持つ人が多いように感じます。横手さんはまさにそのタイプで、社外発信が弱点だと認識したら、すぐさまその課題に向き合い、エンジニアがブログを綴る文化を浸透させていきました。

――そういった取り組みの結果、新卒採用の準備が整っていったということですね。

横手:そうですね。現在のミラティブのエンジニアチームは多様なメンバーが活躍できる土壌を耕せたと思います。これまでもインターン生から繰り上がる形で23年卒にて新卒入社するエンジニアもいます。ただ、本格的に新卒採用を実施するのは24卒が初めてです。

――新卒採用(24年卒)で期待していることを教えてください。

赤川:私が新卒採用で迎えるメンバーに期待していることは2点あります。
まず、Mirrativは若いユーザーさんが多く、過去にない新しい価値を創っているプロダクトですから、同世代の感性を活かして開発していただくほうがより良いものにしていけるだろうと考えています。新卒で入社する皆さんには、若いからこそあるアイデアや価値観を発揮していただきたいです。

もうひとつは学んでいく力です。IT業界全体を見渡したとき、学生のスキルのレベルが格段に上がったと感じたことも、新卒採用に踏み切った一要因です。情報を自ら取り、スキルアップができるようになった現代において、もはやエンジニアの年齢はそれほど重要な条件ではないと思っています。

横手:成長曲線という観点から見れば、むしろ若手のほうが期待できるというのが正直なところです。新しいものへのアンテナや技術的な感性が長けている人も多いので、これからより良いプロダクトを作っていく上で、新卒入社する方々の存在は大きな原動力となるでしょう。

また、フレッシュなメンバーが入ってくれることで、現在在籍するメンバーにも良い効果が期待できます。新卒採用のメンバーがいると、職場の先輩は彼らを育てようという意識が強く芽生えるからです。お互いに切磋琢磨しながらスキルを伸ばせる環境を作る上で、育てる対象がいることは重要だと思います。

――新卒採用にあたり、社内ではどのような受け入れ体制を作る予定ですか。

横手:すぐに現場で実践というよりは、数ヶ月の研修を設け、技術面だけでなくリーダーシップのような一般的な素養と、ミラティブらしいコミュニティマネジメントなどの知識も習得してもらう予定です。

しっかりと研修を行うスタイルは、昨今のITベンチャーのトレンドでもあります。エンジニアリングのナレッジが蓄積された環境であれば、経験が少ないメンバーが活躍できる素養をはじめにしっかり作ることが、長期的に見てより良い成果を生み出しやすいからです。

人材育成の大きな方針としては、ミラティブに新卒入社したエンジニアはいずれ全員がどこかでCTOになれるように育てたいと考えています。

▼新卒の育成方針についてのCTO横手のnote
https://note.com/n0mimono/n/n869b0c98e730

ミラティブに入社したメンバーがこれから見られる世界

――今後新卒採用でミラティブに入社すると、どのような経験ができるでしょうか。

横手:新卒で入社すると「何もわからないところからのスタートだ」という不安があるかもしれませんが、実際のところ、ベンチャーは新卒だろうとそうでなかろうと、今後何が起こるかなんて誰もわかっていません。周辺の状況やそれに伴う事業方針が目まぐるしく変わるからです。
おそらく24年卒でミラティブへ入社する皆さんは、入社して1年後には既に一変した世界を見ることになるでしょう。そこに食らいついていくための筋力を鍛えることは、今後のキャリアパスをより良くする基礎力になるはずです。

そして私たちが開発するライブ配信サービスは技術的にも高いレベルが求められる領域ですから、エンジニアとしてスキルアップしたい方にとっては非常に良い環境です。

※具体的な開発事例については、テックブログをご覧ください
https://tech.mirrativ.stream/

加えてミラティブという会社そのものが今伸びているということも、入社することのメリットとして挙げられます。伸びているベンチャーに入社することは、自身のキャリアパスにおいて他には変えられない経験を得ることにつながりますから。

赤川:私も横手さんも、偶然新卒入社した会社が成長のさなかにあったことが共通しています。会社が急成長すると、次から次へとやることが増えるため、一人あたりの裁量は大きくならざるを得ませんし、自然と自身も成長しますね。

――ミラティブが求める人物像やマインドセットを教えてください。

赤川:人が成長するためには、自分自身がその仕事に没頭できることが大切だと思います。ミラティブで没頭できる人物像をもう少し噛み砕いてみると、ゲームやゲーム実況・ライブ配信というエンターテインメントが好き、あるいはインターネットや趣味から生まれた人とのつながりで何かしらの貴重な経験をした原体験がある方ならば、きっと没頭することができるでしょう。

まとめてしまえば「ミッションやビジョン、プロダクトに共感してくれる方」という言葉にはなるのですが、何かしら強烈な想いを抱いてくださることが重要だと思っています。きっかけは「優秀なメンバーと働きたい」、「ミッションの実現に向けて走りたい」など人によって異なると思いますが、いずれにせよミラティブに何かしらの要因で強く惹かれる方と共に働きたいと考えています。

横手:私は、エンジニアリングやプログラミングが好きな人に来てほしいですね。エンジニアリングが好きでたまらないからエンジニアになりたい方を求めています。

あと“食わず嫌い”をしないことも個人的には大切だと思います。私はもともとエンターテインメントやゲームにそれほど興味がありませんでしたが、前職で偶然ゲーム開発の部署に配属されたことがきっかけで、この業界に入りました。そこで「興味がないから」と壁を作らず、流れに身を任せて飛び込んでみたら、意外とおもしろかった。そういう柔軟さをもって、ミラティブでの仕事を楽しんでもらえたら嬉しいです。

――最後に、新卒入社を検討している皆さんに向けてメッセージをお願いします。

横手:「ミラティブ以外の選択肢がない」の一言に尽きます。
赤川:エモーショナルに訴える感じですね(笑)。私からはもう少し語らせていただきます。

ミラティブは今まさに組織拡大するフェーズにあります。50名から200名、さらにその先へとメンバーが増えていく中、企業と共に自身も成長していく経験は、ご自身のキャリアの中でかけがえのないものになるでしょう。
そして、開発するプロダクトの最大の魅力は、ユーザーさんの反応を直接見られることです。ユーザーさんの声をリアルタイムで聞きながら改善を重ねる開発環境は、エンジニアとしても良い刺激を受けられると思います。その中でも現在特に注力しているライブゲーミングは、5~10年後スタンダードになる可能性を秘めた成長領域です。こうした取り組みに対して「おもしろい」と感じられる方は、共に新しい市場を生み出していきましょう。

ライブゲームの説明動画

ライブゲーム好調のミラティブ34億円調達、KDDIやバンダイナムコら出資 (引用: BRIDGE)

最後に、今回新たに策定したビジョンにも含まれる「ナラティブを生み出す」というテーマは、2020年代以降の世界を想像したとき、極めて重要なものだと考えています。物質的価値を満たす商品やサービスはすでに世界中で飽和しつつある中、感情に訴えかけるものを創れる人の価値はますます高まっていくでしょう。ミラティブはこうした時代において、プロダクトを通じてユーザーさんの物語を紡ぎ、感情的な価値を提供し続けられる会社です。
そして、そんなプロダクト開発に携わるミラティブのメンバー一人ひとりにもまた、かけがえのない自分自身の物語が生まれていくはずです。キャリアの選択肢としてはもちろん、あなた自身の人生の物語を紡いでいく場所としてもミラティブは最高の場所になりうると、自信をもってお伝えしたいです。

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