- テクニカルディレクター
- フロントエンドエンジニア
- オープンポジション
- 他43件の職種
- 開発
-
ビジネス
- テクニカルディレクター
- Webディレクター/プロマネ
- Webディレクター
- リモート/プロジェクトリーダー
- コンテンツディレクター
- ディレクター
- 企画・制作ディレクター
- Webディレクター
- 企画・運用Webディレクター
- webディレクター
- Webディレクター(業務委託)
- ディレクター・プランナー
- ディレクター/マーケティング
- Webディレクション
- 経理・会計
- 経理・財務
- 総務
- アカウントプランナー
- Webマーケティング
- Webマーケター/未経験OK
- 採用広報
- SNS運用アシスタント
- SNS運用ディレクター
- SNS運用インターン
- SNS運用
- Webマーケター/ディレクター
- デジタル広告の企画・運用
- デジタルマーケティングの提案
- 社会人インターン|副業ライター
- webメディアライター・編集
- その他
これからキャリアを築いていくうえで、目指すべきは広くなんでもできるジェネラリストか、専門性を極めた「スペシャリスト」か。転職活動では「なんでもできます」を売りにするか、「○○ならば絶対自信があります」とアピールすべきか?
実際はそう単純な話ではなく、ジェネラルスキルという横軸も専門性という縦軸も両方を兼ね備えた「T型人材」こそが理想という話は分かる。でも、体が2つあるわけではないし、どちらをどのタイミングでどう身につけたら・・・? 特に若い世代から聞かれる悩みです。
そこで今回は、デジタルエージェンシーTAMで「ジェネラリスト」と「スペシャリスト」として活躍するベテランエンジニアの2人に出演してもらい、若い世代の代弁者として採用に携わる社員と一緒に話を聞きました。
株式会社TAMTO フロントエンドエンジニア 松井朋子
2005年TAM入社。しばらくは大阪で商品撮影の仕事とマークアップを担当。2009年に東京エンジニアチームを作るために転勤。以降、チームメンバーを増やしながら大小さまざまな案件に携わる。小学生の娘が1人。子育てと仕事を両立すべく、よりフレキシブルな働き方を模索中
株式会社TAMTO フロントエンドエンジニア 知念昌史
2011年に美容業界からWeb未経験でTAMへ転職。現在は大手企業のWebサイトやWebアプリ開発を担当。新人エンジニア育成やテクニカルディレクションも兼務。PWA Night / Vue.js地方コミュニティの運営メンバー
TAM HR(採用広報・キャリアサポート) 茶園舞穂
1994年愛知県生まれ。新卒でWeb広告代理店に入社し、広告運用ディレクターとSNSコンサルタントを経験。社会人3年目に自己分析をし直した際、コーチングやHRという領域に出会い、転職を決意。2022年9月にTAMに入社。キャリア相談のスペシャリストを目指して、日々勉強中
若いうちは決められない
―今日は「ジェネラリストか、スペシャリストか?」というテーマでお話ししようと思います。若い世代の茶園さんは、どういう場面でこの悩みを意識しますか。
茶園:例えば、「転職」なんていうシーンではよく出てきますよね。業種も職種も変えずに他の会社で働きたい人がいた場合、その人はスペシャリストを目指すために転職する、ということになりそうです。でも、なにかに長けているということは「他は分からない人」と思われる可能性もあるわけで。だったら、業種や職種を変える転職などをして、いろんな経験を持つジェネラリストを目指したほうがいいのかな、みたいな話はまわりでも聞きますね。
―松井さんと知念さんは、茶園さんのようないわゆる「第二新卒」と呼ばれる年齢のとき、どちらの方向性で行こうか考えたことはありますか?
松井:私は今日、「ジェネラリスト枠」で呼んでいただいたのかなと。TAMでの勤務が長いので結果的に「なんでも屋さん」になったのですが、そういう悩み方は実はあまりしたことがなくって。
今どちらかを選ぶとしたら、やっぱりジェネラリストを選ぶかな。でも、若いときに「どちらかを選べ」と言われたらきっと難しい。どちらがいいという話でも、どちらが多く稼げるということでもないし。
知念:僕は「スペシャリスト枠」で呼ばれたのかなと思うんですが、転職活動中や入社時は専門的な知識が少なくて、スペシャリストがいいかジェネラリストがいいかと迷うことすらできなかった、というニュアンスに近いです。
この業界は新しい技術がどんどん出てきます。「自分はこれ一本でやっていく」と絞った人も、2年後にはそのやり方は消えているかもしれない。知識が浅い時点では一本に絞るのも難しい。
でも、この悩みって時代的なものもあるかもしれません。僕が学生のころって就職氷河期の影響がまだ尾を引いていて、「会社に入れたらラッキー」だったんです。だから、入社したら生き残るために会社に求められるものを身につけるしかなかった。
だけど最近は、どこも人手不足で求職者が仕事を選べる時代になった。だからこそ悩んでしまう側面もあるのかなと。
ジェネラリストになるには「視点の幅広さ」が必要
―ジェネラリストとして、松井さんの現在のお仕事とこれまでの経歴を教えてください。
松井:最初からジェネラリストだったわけではなくて、TAMには元々フォトグラファーとして入社しました。だけどエンジニアになりたかったので、3年くらいで社内転職したんです。ここまではスペシャリストっぽいですよね。
ただ、子どもが産まれて、育休から復帰後、自分のポジションを考えたときに、「チームの足りない部分を埋められる人になれたらいいな」と思って。テクニカルディレクターとして案件に入ることが増える中で、「チームにおける自分の役割はなにか」「どんな立ち位置が求められるか」をより考えるようになっていきました。
ジェネラリストは「幅広く」と言われますが、その「幅」ってスキルの幅だけじゃなくって、「視点の幅広さ」もなのかなと思います。「こういう案件ならこの技術がいいでしょう」と言える巨視的な視点がジェネラリストとしての役割。
エンジニア、デザイナー、それぞれがスぺシャリストだと思うんですが、全員が「自分のスペシャル」を主張したら相殺されてしまうわけで。案件がクライアントの要望に沿って進んでいるか、俯瞰する視点が必要ですよね。
勤務年数が長くなると、必然的にジェネラリスト的な役割を求められるようになるのかなとも思います。意識してスペシャリストの道を歩まない限り、そちらに寄っていくと言いますか。
知念: 僕は、案件全体を俯瞰して見るとか、クライアントの要望を考えるみたいな視点は、エンジニアでもデザイナーでも、すべての職業の人に必要な汎用スキル、いわゆる「ジェネラルスキル」だと思っています。それを技術とデザインでどう実現するかという部分は専門スキルなのかなと。
そういう意味で、エンジニアとしての僕の立ち位置はジェネラリスト寄りのスペシャリストだと思っています。
前職は美容師で、学生時代も「パソコン使える人ってすごいな」と思っていたくらいWebからは遠いところにいました(笑)。体調を崩したのをきっかけに、家でもできる仕事を探したときに「エンジニア」を初めて意識しました。そして、職業訓練校に3カ月通った後、TAMに採用してもらいました。
入社したときは「毎日が勉強」だと思って、ひたすらググりながらコードを書くみたいな。その時点ではスペシャリストでもジェネラリストでもなくって、とにかく担当した仕事をこなすために必要なスキルを身につけるのに必死でした。
そこから長く仕事をして掘り下げていくと、コーダーやプログラマーの仕事にもいろんな領域があることが分かってきて。特定の領域でさらにスペシャリストを目指すこともできるんでしょうが、そうすると他にできることが限られてしまう。
だから、新しく出てきた技術があったらそれを習得する、それはスペシャリスト寄りの仕事。そうして習得した知識をジェネラリストとしてまわりに教えて、それがひと段落するころには、スペシャリストに戻ってまた新しい技術を習得しに行く。
ここ数年はそんなふうに、時期によってスペシャリストとジェネラリストを行ったり来たりしています。迷っているだけなのか、これが正解なのかは、自分でも分かりません(笑)。
「広くも深くもいける」第3の選択肢も?
茶園:ジェネラリストとしていろんな仕事ができそうなデジタルエージェンシーに転職するか、スペシャリストとして特定の技術を求める事業会社に転職するか、そう悩んでいる人がいたら、どうアドバイスすると思いますか?
知念:いろいろ経験できる場所のほうが、基礎力は鍛えられます。一つのスキルしか身につかないとなると、応用が利かなくなりそうで。まずは幅広くいろんな仕事をしてみて、専門性を磨きたくなったらなにかに特化したところに行ってもいいのかなと。
逆に採用する側としても、「この技術をやりたいです」っていう人には、「他にも必要な技術があるから身につけてね」と思うし、逆に「なんでも広く浅くできるようになりたいです」という人には、「専門知識も学ぼうね」と思うかもしれませんし。
そういう意味では、TAMはいろんな業種のクライアントがいて、さまざまな要望に応えるためにあらゆる技術をあつかうので総合的にも鍛えられますね。
茶園:長い目で見て、総合的に自分個人の力を高めたければ、TAMのようなデジタルエージェンシーがいいんですかね?
松井:TAMはいろんな仕事ができるエージェンシーである一方、一人ひとりが自分のやりたい技術を極めて、情報発信して、それを仕事にしていくような文化もあって。
例えば、メタバースが好きな人がそういう案件を作ってきたり、みんなそれぞれ「推し」を前面に出しています。そういう「広く、深く」な職場もあるのかなと。
茶園:スペシャリストから始めても、松井さんのように広い視点が求められるジェネラリストに寄っていくこともある。はたまた知念さんのように、スペシャリストとジェネラルスキルを行ったり来たりするキャリアもある。「両方必要なんだな」とあらためて思いました。
[取材] 岡徳之 [構成] ウルセム幸子 [撮影] 渡邉由姫乃