プログラムをつかって映像をつくりたいという思いでカヤックを志望した町田さん。しかし活躍できるようになるまで、色々な苦労があったそうです。エンジニア未経験から大ヒットコンテンツを手掛けるようになるまで、6年間のキャリアを振り返ってもらいました。
町田陽祐
1992年生まれ、2017年カヤック入社
面白プロデュース事業部/サーバーサイドエンジニア兼フロントエンドエンジニア
趣味は映画鑑賞です。一番好きな映画は、同率で、モテキとゴットファーザーです。
クレヨンしんちゃんも好きです。暗黒タマタマ大追跡と謎メキ!花の天カス学園が好きです。
何度もカヤックに挑戦。紆余曲折を経てつかんだ内定
― 学生時代はどんなことをしていましたか?
大阪芸術大学の映像学科でフィルム撮影の映像を学んでいました。でも本当はPremiere ProとかFinal Cut Proを使ってデジタルの映像をつくりたかったんです。そこで学園祭の実行委員に入って、広報活動の一環として映像をつくっていました。PhotoshopやIllustrator、動画編集ソフトの使い方は独学で身につけました。学科でデジタルに関することが学べないというフラストレーションをすべて学園祭にぶつけていました。
― カヤックを知ったきっかけはなんですか?
先輩から大学OBの夏目さんの話を聞いたのがきっかけです。夏目さんは面白い取り組みをしている名物学生だったそうで、その方が就職した会社としてカヤックを紹介されました。
面白法人と聞いた両親は「大丈夫なの?」と言っていましたが、自分はフィーリングが合いそうだと思いました。面白いものをつくりたいという思いも自分と同じだし、お堅い企業ではなさそうなところも自分にピッタリだと感じました。
― カヤックで実現したかったことはなんですか?
プログラムを使って映像をつくりたいと思っていました。例えば流れている音楽をリアルタイムでパラメーター化して、それを映像に変換するといったことができたらと思っていました。モーショングラフィックやVJ(ビデオジョッキー)が好きだったんです。
― どのような経緯で入社しましたか?
最初はカヤックの「一社だけの合同説明会」に参加しました。そこで「最終面接ブース」に応募したんですが、残念ながら不合格でした。
その後、大学を卒業してアルバイトで生計を立てていた時に、カヤックが「エイプリル採用」を始めたんです。それにも応募したのですが、また不合格でした。でもそのイベントで柴田さんに会えたので、「もう一度面接したい」と伝えたら面接できることになったんです。
ただ、よく考えるとその時の自分はまだ実力不足だと感じたんです。入社しても活躍できるイメージがありませんでした。そこで一旦選考を保留してもらって、他の会社でスキルアップを目指したんです。
まずはプログラミングが学べる専門学校に通いながら、映像広告をつくるアルバイトをはじめました。実力がついてきたなと思う頃にBAPA(バパ)という学校の第3期生になることができました。そこで他のメンバーと一緒につくった「HANAMACHI POKKURI」という作品がGOLDを受賞したんです。これで自信がついたので、もう一度カヤックを受けました。無事に合格することができてよかったです。
研修にさえついていけない。苦境を打破したのは学生時代に身に着けたスキル
― 入社後はすぐに活躍できましたか?
全然ダメでした(笑)。新人エンジニア向けの研修でさえ、ついていけませんでした。前述の専門学校ではHTMLを使った単純な静的サイトの構築を中心に勉強したのですが、カヤックの研修ではRubyのクラス構文の課題が出されました。自分は全くの未経験だったので、研修で隣に座っていたマシオカさんを質問攻めにしながら課題に取り組みましたが、結局何もできませんでした。他の新卒社員は余った時間でポケモンバトルのシステムをつくっていましたね。圧倒的な実力差を感じました。
― ということは配属後も大変だったんじゃないですか?
大変だったんですが、なんとか食らいついていました。研修の後はフロントエンドエンジニアとして現場に配属されたんですが、環境には恵まれたと思います。周囲には頼れる先輩や同僚がたくさんいたので、わからないことは質問しまくっていました。
質問しすぎて、先輩を苛立たせてしまったこともあります。それでも背に腹は変えられないので、プライドを捨てて質問するようにしました。学んだのは、集中してキーボードを打っているときに質問するのは良くないということです。水を飲む時とか、一息ついた瞬間に質問するのがコツです(笑)。そうすると快く答えてくれるんですよ。
救いだったのは、PhotoshopやIllustratorの扱いを熟知していたことです。素材の書き出しに時間を取られない分、苦手なプログラミングに時間を充てることができました。
また映像制作の延長として、演出面では力を発揮することができました。Webサイト上でキャラクターにアニメーションをつけることがあったのですが、社内で高い評価をもらうことができました。学生時代に学園祭で頑張ったことを活かせました。
― 映像に関する知識やスキルが武器になったんですね。
プログラミングが苦手な分、アニメーションや映像表現の分野では活躍できるように頑張りました。当時はまだ珍しかったLottieに関する勉強会を社内でいち早く開催したり、After Effectsのコミュニティ「AEオフ2018」でライトニングトークに参加したりしました。NHKの「テクネ」という番組で作品が放映されたこともあります。
転職も考えた。コロナ禍で向き合ったキャリア
― カヤックではどんなキャリアを歩みましたか?
カヤックではフロントエンドエンジニアとしてキャリアがスタートしました。簡単なWebサイトの実装から始まり、映像表現を活用するためにLottieを取り入れるようになりました。Web以外にもステッカーマシンを制御するためにArduinoを使ったり、うんこミュージアムではインタラクティブコンテンツをつくるためにUnityに挑戦したりしました。
自分は飽き性なので、新しいことがないと仕事がつまらなくなってしまうんです。だから何かに取り組むときは、必ず新しいことを一個付け加えるようにしています。プロゲーマーの梅原 大吾さんの著書『1日ひとつだけ、強くなる。』のような感じです。
最近はバックエンドエンジニアに転向して、新人研修の時に泣かされたRubyを書いてます(笑)。新卒2年目の後輩が先生になって教えてくれています。
― バックエンドエンジニアになったんですね!転向のきっかけはありましたか?
コロナが大きく影響しています。1回目の緊急事態宣言のとき、自分はイベント関係のプロジェクトを担当していたのですが、それが軒並み中止になってしまいました。プライベートで取り組んでいたVJもできなくなり、自分が活躍する場がなくなってしまったんです。
時間が空いたこともあって、自分のキャリアを見直すきっかけになりました。コロナ禍ではリアルな現場がなくなり、Webで体験できるコンテンツが増えたので、フロントだけではなくバックエンドもできるフルスタックのWebエンジニアになる必要性を感じたんです。
実はこの時、転職も考えました。でも「西ノン会議」というコンテンツの大成功でカヤックに残ることを決めました。まだ自分が活躍できる余地があると感じたんです。
― 「西ノン会議」はどんなコンテンツですか?
“オンライン会議”をテーマにした、ユーザー参加型ホラーコンテンツです。自分はフロントエンドエンジニアとして参加しました。
画面共有した時に参加者の画面が端に寄る動きや、チャットの動きなど、オンライン会議らしい動きを研究してベースをつくりました。ホラー演出はすべてプログラムで制御しています。画面の切り替えタイミングを表計算ソフトで管理して、コンマ1秒単位でコントロールしているんです。
他にもユーザーに気づかれないように実装上の要件を満たす工夫をしました。参加者を待つ待機画面の裏側で動画をプリロードしたり、オンライン会議への入室ボタンに動画再生トリガーを仕込んだりしました。
ローンチ直後から国内外のYouTuberたちが次々と実況動画を投稿し、総再生回数2000万PV以上になりました。とても手応えを感じましたね。
自由と責任。うまくいかない時に自分で解決できるかが勝負
― カヤックで仕事をする面白さはなんですか?
カヤックにはたくさんの仕事があり、興味がある仕事には自分から手を上げて関わることができます。また技術選定はつくる人に任されることもあります。自分のやりたい技術を使って実装できるので色々なスキルを身につけることができます。
ただしそのリスクは自分で背負わないといけません。うまくいかない時に自分で解決できるかが勝負どころです。でもそれを乗り越えると頼られる存在になり、どんどん仕事が舞い込むようになります。
― カヤックに入りたいと思っている方へメッセージがあればどうぞ
カヤックは自由度が高い会社だと思うので、縛られたくない人には合っていると思います。でも責任は伴います。本当の意味で自由な会社なのかもしれませんね。
カヤックサイト インタビューより引用- https://www.kayac.com/news/2023/10/interview-machida
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