ゲームの上手さで合否が決まる『いちゲー採用』でカヤックに入社した伊原さん。入社直後からゲームのバトルの企画・設計を行うバトルプランナーとして活躍し、数年後にはプロデューサーに抜擢されました。カヤックに入ってからずっとゲームに向き合ってきた彼にカヤックでゲームをつくる面白さや苦労を聞きました。
伊原明空
1995年生まれ、2019年カヤック入社 ゲーム事業部/ディレクター
ハマったものにはとことんハマる。常にハマれるゲームを追い求めているが、最近は業務がきっかけでプロレスにどハマり中。
ゲームの上手さで内定をもらった『いちゲー採用』
― 学生時代はどんなことをしていましたか?
大学では経営学部で、ゲームアプリのレビューと売上やランキングの関係を研究していました。アプリストアのレビューでは星の数でゲームが評価されることがあります。しかし、星の数よりもレビューの文章の方が売上やランキングに影響があるんじゃないかという仮説に基づいて統計を用いた研究をしていました。文章量の多いユーザーは熱量が高く、課金にもつながりやすいと考えていました。
― 学生時代からゲームに関する研究をしていたんですね!就活でもゲーム会社を探していたんですか?
就活では出版社や玩具メーカーも受けていたんですが、普段からゲームをやっていたのでゲーム会社に一番興味を持っていました。それに加えて家から通いやすいところを探していたんです。家が逗子なので、鎌倉でゲーム事業部があるカヤックはピッタリでした。
― カヤックを知ったきっかけはなんですか?
カヤックの外部アドバイザーである神谷 俊さんが大学の授業で紹介してくださったのが、カヤックを知ったきっかけです。株式会社って内情がどうあれ「まじめ」を装うと思っていたので、「面白法人」を全面に打ち出す会社の存在は衝撃的でした。漫画風の社員ページや面白法人に込めた思いを見て、ユーモアがある会社だなと思いました。
― なぜカヤックに入ろうと思ったんですか?
カヤックについて調べていた時に『いちゲー採用』を見つけたんです。その中に「プラチナトロフィー選考」があり、自分は条件を満たしていたので応募しました。でも最初は受かるとは思っていませんでした。自分はそこまで面白い人間ではないと思っていたので、面白法人への応募は少し敷居が高く感じました。
もしかしたらいけるかも?と思ったのは二次面接のときです。熊岡さんが面接官だったんですが、全く採用面接らしい質問はされずに、ずっとゲームの話だけをして終わりました。その後、合格の連絡をもらったんです。学生の時は会社というものがどういう組織なのか分かっていませんでしたが、二次面接でゲームについて対等に話ができたことで、この領域だったら自分も同じ土俵に立てるかもしれないと感じました。熊岡さんの人柄も飄々としていて良かったですね。
― 入社して実現したかったことはなんですか?
まずはゲームをつくるプロセスを体験したいと思っていました。あとはせっかく面白法人に入社するので、社会人だけど遊ぶように働くことを期待していました。
実際にやってみるとゲームづくりは結構大変で残業することも多いのですが、その間も同僚とゲームの話でひたすら盛り上がれるのは遊ぶように働いている感覚があります。プライベートでも会社の仲間と一緒にオンラインゲームをすることが多いです。
― 入社してから感じたギャップがあれば教えてください。
そもそも自由な部分がある会社だと思っていたので、ギャップは少なかったです。普通の会社だったらヤバいかもしれないことも、面白法人だったらこんなものかなと思ってしまいます(笑)。
入社早々に洗礼を受けたのは、新卒向けのオリエンテーションでした。案内されたのが屋外とつながっているスペースで、4月のまだ寒い時期なのに暖房がありませんでした。「寒い」ということを伝えたら、モニターに焚き火の映像が映されて「これで暖をとってください」と言われたんです。一体何を言っているんだと思いました(笑)。最近は暖房を用意してくれているみたいです。
ユーザーの悔しさを演出する。バトルプランナーとしてのこだわり
― 入社直後の配属チーム、役割、取り組んだことを教えてください。
最初に配属されたのは『進撃の巨人TACTICS』というゲームの運営チームです。プランナーとして参加しました。自分はプロデューサーやディレクターが決めたアップデートの内容を仕様として資料化し、デザイナーやエンジニアなどの制作メンバーに依頼する役割を担っていました。入社して半年経つ頃には、バトルの設計も担当するようになりました。登場する敵キャラクターの出現タイミングやパラメーターを調整していました。
― 仕事をするのにどんな能力が必要でしたか?
仕様をとりまとめたり、制作がスムーズに進むための段取りをする力は必要ですね。あとは一般的なゲームの挙動を把握していることも求められます。あるユーザーの操作に対してゲームがどのようにリアクションするかは、ある程度の慣習があります。ゲームをつくるときはイチから仕様を考えることもありますが、他ゲームの仕様を参考にすることも多いです。一般的なゲームの動きを知らないとユーザーが期待する挙動を提供できず、遊びづらいゲームになってしまいます。
― 仕事をする上でのこだわりはなんですか?
「ユーザーの感情を動かしたい」というこだわりがありました。ゲームは何度も失敗をしながら少しずつ上達して、最後にクリアを勝ち取るというのが面白さの一つだと思います。だから、クリアするときの達成感をどうやって最大化するか、そのために負けたときの悔しさをどうやって演出するかというのが重要なポイントだと考えています。
ゲームがうまくいかない時、ユーザーが単にストレスを溜めるだけのゲームバランスではプレイをやめてしまいます。「まだまだやってやる!」という悔しさをバネにすることにつなげるために色々と工夫していました。このレベルのユーザーならこういうキャラをもっていて、こういうスキルだから、こういうタイミングで敵を出したらきついだろうなというシミュレーションをしながらゲームをつくっていました。
誰よりもゲームをやり込む!熱意を買われてプロデューサーに!
― つづいて『キン肉マン マッスルショット』に異動してからプロデューサーを担当するまでの経緯を教えてください
『進撃の巨人TACTICS』のサービス終了が決まり、今度は『キン肉マン マッスルショット』の運用チームに異動することになりました。前のチームでのバトルプランナーの経験を買われて、新しいチームでもバトルの設計を任されました。
バトルをつくるには、ゲームをやり込んでバトルについて知り尽くす必要があります。また売上につなげるためには課金してくれるユーザーのゲームサイクルを理解する必要があります。そこでとにかくバトルをやりまくりました。3ヶ月でゲーム内の全てのバトルをクリアして『マッスルショット』のバトルについては一通り語れるようになりました。
おかげでバトルを設計して提案する時に経験に基づいて設計することができたので、ディレクターからも信頼がおけると言ってもらえました。
その後も数々のバトルを設計していたのですが、新卒4年目の時に当時のプロデューサーから次のプロデューサーを任されることになりました。おそらくゲームに対する熱意が認められたんだと思います。
― ソーシャルゲームのプロデューサーはどんな仕事をしていますか?
自分の場合は主に予算管理、チームマネジメント、ゲームの方針を決めるという3つの役割を担っていました。どうやったら売上を維持しつつユーザーに楽しく遊んでもらえるかを考えながら、イベントの実施や人気キャラクターの登場タイミングを設計して年間スケジュールを決めました。また運営チームのメンバーが楽しく仕事をできるように、それぞれの状況を把握したり、問題があれば対処するようにしました。
― 「プロデューサーやって」って言われた時、どう思いましたか?
「え、マジ?自分でできるのかな。」っていうのが率直な感想です(笑)。しかも前任のプロデューサーが異動することが決まったので、教えてもらいながら徐々にバトンタッチができない状況でした。
そこでチームのメンバーや事業部の先輩方を頼りました。同じチームには村上さんや千葉さんなど、すぐに相談できる相手がいました。また同じ事業部のコットンさんやレモンさんも相談相手になってくれました。決まった師匠がいない代わりに、色々な人に支えてもらってプロデューサーをやりきることができました。
― プロデューサーをしていて、どんな瞬間が面白かったですか?
達成できないかもしれない予算を達成することができた時ですね。プロデューサーをやっていると、厳しい状況に直面することが何度もあります。そんな中でなんとか対策を練って実施すると、予想以上に成功することがあるんです。狙ったとおりに施策が効いたなと思えたときに一番やりがいを感じますね。
― 逆にプロデューサーがしんどいと感じるのはどんな時ですか?
プロデューサーは全部しんどいのですが、個人的にはチーム内で問題が起きてしまった時が一番キツいですね。予算未達も辛いのですが、やれることはやったのでしょうがないと思える部分があります。
でもチーム内の問題はいつも、何かできたことがあったのではないかという後悔を残してしまいます。プロデューサーとして何かすべきだったのに、何もできなかった無力感を感じますね。やっぱり一緒に働くメンバーにとって嫌なことが起きてしまうのは、心が痛みます。
若手でも挑戦できるカヤックの環境
― カヤックでゲームをつくる面白さは何ですか?
ソーシャルゲームやハイパーカジュアルゲームの開発において、カヤックの技術力は非常に高い水準だと思います。それに加えて人柄の面でも、面白さやノリの良さを兼ね備えているメンバーがたくさんいます。そういったメンバーと一緒にゲームをつくれるのはとても面白いと感じます。
― 逆にカヤックでゲームをつくる大変さは何ですか?
思いついたアイデアに対して多くのメンバーが乗っかってくれますが、その場のノリだけでは制作は進みません。それを絶対に作るぞという熱意を持ち続けないと、他の人が考えたより情熱のこもったアイデアに関心が移ってしまいます。
― カヤックに入りたいと思っている方へメッセージをお願いします
カヤックは若手でもチャンスをもらえる会社です。自分は新卒2ヶ月目でバトルに登場するボスキャラクターの企画を担当したのですが、こういったことは他社ではなかなかないチャンスだと思います。熱意さえあれば任せてくれる環境なので、挑戦したい気持ちがある人はカヤックを受けてみてください。
(取材・文 高田一史)
カヤックサイト インタビューより引用- https://www.kayac.com/news/2023/09/interview-ihara
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