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エンジニアリングマネージャーに求めるスキルの可視化手法の提案

Photo by Lukas Blazek on Unsplash

こんにちは、ウォンテッドリー VPoE室の髙橋です。

はじめに

「エンジニアリングマネージャー(EM)とは何か」「EMに求められるスキルとは何か」を定義することは非常に難しいと感じています。企業ごとにEMの定義は異なり、大雑把に考えてもベンチャー・成長企業・大企業とで、EMに求められる役割やスキルが異なることが想像されます。検索エンジンでざっと検索しても様々な企業や著名な方が、EM定義についてそれぞれの見解を記事を書き・スライドに起こし・あるいは講演で語っている、という状況です。

この記事では「企業がEMに求めているスキルは何か」を、複数の企業の採用募集記事と比較することで類推し、定量的に可視化した試みについてまとめています。

評価基準

しかし、EMの定義も曖昧な状態で「EMに求められるスキル」を網羅的に比較することは不可能です。そのため、今回の可視化の取り組みで扱う評価軸として、下記の8分類のスキルについての評価を行うこととしました。

  • 技術的知識と経験:エンジニアリングの基本原理、技術スタック、ツール、プロセスへの深い理解。
  • プロジェクト管理:スケジューリング、予算管理、リソース割り当て、プロジェクトの進行管理能力。
  • リーダーシップと人材管理:チームを導き、メンバーの成長を支援し、効果的なコミュニケーションを行う能力。
  • 意思決定と問題解決:複雑な問題に対して戦略的かつ創造的な解決策を提案し、決断する能力。
  • コミュニケーションスキル:明確で効果的なコミュニケーションを行い、異なるステークホルダーとの橋渡しをする能力。
  • チームビルディングとカルチャーの形成:チームの一体感を高め、ポジティブな職場文化を構築する能力。
  • プロダクトマネジメント:製品のビジョン、戦略、ロードマップの策定能力、市場動向の分析、顧客ニーズの理解。
  • 英語力:国際的なコミュニケーション環境において、効果的にコミュニケーションを取るための英語の読み書きおよび会話能力。

これらのスキルは基本的で比較しやすく、かつイメージしやすい項目として抽出しています。項目の抽出にはChatGPTの応答結果と、弊社プロダクト「スキル診断」の質問項目を参考にしました。(本記事末尾参照)

可視化対象

可視化する対象は、インターネットにエンジニアリングマネージャーの募集記事を掲載している企業のうち、上場している企業をランダムに10社選定し、ウォンテッドリー株式会社を追加した11社としました。

評価手順

評価は、選定した11社のエンジニアリングマネージャー募集記事に対して、上記の8項目の評価項目にモド月0から10までのスケールでポイントを設定して評価しました。評価にあたっては、以下のChatGPTプロンプトを使用しました。

次の文章の内容は「エンジニアリングマネージャー」の募集記事です。
この内容を読み解き、下記の「エンジニアリングマネージャー」になるために必要な8つのスキルのうち、
この募集記事でどのスキルがより求められているかを数値化してください。
数値は0-10の11段階で「必須」を10、「不要」を0として数値化してください。

8つのスキル:

1. **技術的知識と経験**:エンジニアリングの基本原理、技術スタック、ツール、プロセスへの深い理解。
2. **プロジェクト管理**:スケジューリング、予算管理、リソース割り当て、プロジェクトの進行管理能力。
3. **リーダーシップと人材管理**:チームを導き、メンバーの成長を支援し、効果的なコミュニケーションを行う能力。
4. **意思決定と問題解決**:複雑な問題に対して戦略的かつ創造的な解決策を提案し、決断する能力。
5. **コミュニケーションスキル**:明確で効果的なコミュニケーションを行い、異なるステークホルダーとの橋渡しをする能力。
6. **チームビルディングとカルチャーの形成**:チームの一体感を高め、ポジティブな職場文化を構築する能力。
7. **プロダクトマネジメント**:製品のビジョン、戦略、ロードマップの策定能力、市場動向の分析、顧客ニーズの理解。
8. **英語力**:国際的なコミュニケーション環境において、効果的にコミュニケーションを取るための英語の読み書きおよび会話能力。

(記事本文を挿入)​

企業ページはインターネット上に公開されている、個人情報・秘匿情報が無いものを利用しています。また、ウォンテッドリー社以外の企業については匿名とした上で、結果のみを評価しました。

結果・評価

評価の結果を以下に示します。

さらに、サンプルとしてウォンテッドリー社がEM採用について重視している点を定性評価しました。この定性評価もChatGPTによって生成されました。

1. 組織文化とチームビルディングへの強い重点:ウォンテッドリーは組織文化の形成とチームビルディングに特に力を入れています。これは他の多くの企業でも重視されていますが、ウォンテッドリーでは特に強調されているようです。

2. 技術的な知識よりもリーダーシップの重視:技術的な知識も重要ですが、ウォンテッドリーはリーダーシップと人材管理に特に高い評価をしています。これは他の企業よりもチーム運営と成長に重点を置いていることを示しています。

3. 革新的な取り組みへの開放性:ウォンテッドリーは組織の効果性を高めるための構造改革や技術革新に積極的であり、これは他社との比較で目立つ特徴です。

この定性的な評価は、弊社が特徴として捉えている点と一致しています。

おわりに

「企業がEMに求めているスキルは何か」を複数社の採用募集記事と比較することで類推し、可視化した手法について提案しました。

またサンプルとしてウォンテッドリー社のEMについてどのような点を評価しているかについてをグラフ化し、合わせて定性的にも評価しました。この定性評価は、弊社が特徴として捉えている点と一致し、定性的な評価の根拠となる可能性を示唆しています。

個人的には、弊社のEMに求められる特性を再確認できた有意義な取り組みだったと思います。

この記事が皆様の活動に何らかの参考となれば幸いです。

ウォンテッドリーでは先日「スキル診断」という機能を2023年12月6日(水)リリースしました。
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/874359

​これは、Wantedly登録ユーザがキャリアをデザインするための武器として、自己理解を深め、強みを伸ばすための診断ツール「Wantedly Assessment(ウォンテッドリー アセスメント)」の第一弾として、個人が保有するスキルの種類や希少性を可視化できるサービスです。

是非Wantedlyのスキル診断を是非受けていただき、その結果を踏まえ皆様のスキルが自社の特性とマッチしているのかを確認してみてはいかがでしょうか。

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