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1年で3倍近くの規模になったチームが大事にし続けているテーマとは。

こんにちは。人事の大崎です。

マネーフォワードの中の人を知ってもらうため、様々な事業のキーパーソンにインタビューをするこの企画。今回は、当社のtoBプロダクトの中でも、HR領域である「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド勤怠」の開発チームにインタビューしてきました。

■語り手
増山大輔(写真右):2014年5月入社。HR Product本部 本部長。
上田祥太(写真左):2018年4月新卒で入社。「マネーフォワード クラウド勤怠」のプロダクトマネージャー。

■インタビュアー:大崎淳(人事本部)
■カメラマン:武藤篤司(社長室)

若いチームでも、次々と課題を乗り越えられたのは「自発性」をテーマにしたから


大崎:まず最初に、最近色んなチームを見渡していても人数が増えたなと思うのですが、「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド勤怠」のチームメンバーも結構増えましたよね?

増山:この1年で急速に人が増えていますね。

大崎:一年前と何が一番変わりました?

増山:若い(笑)平均年齢が20代になったんじゃないかな。

大崎:他のチームのインタビューでも若さとか、あとは0→1フェーズで、すごいスピード感があるという話が出ました。

増山:とはいえ、若いメンバーが増えつつも課題があるのも事実ですね。0→1のフェーズで求められるスピード感はあるものの、まだまだアウトプットが足りていない部分があると思います。それをこれからどれだけ上げていけるかも、このチームの課題感になってる。

大崎:そこは隊長(エンジニアの石井さん)がテックリードとして引っ張っていくんですか?

増山:そうですね。会社としてテックリードという役職があるわけじゃないのですが、チームとして、隊長はHR領域全体のテックリードという立ち位置なのは決めています。とはいえ、ちょうど「マネーフォワード クラウド勤怠」をリリースしたタイミングで、隊長が育児との両立のためにリモートでの開発スタイルに変わりました。そうなると、隊長が物理的にオフィスにいない状況になってしまいます。そこから、メンバーの意識が徐々に変わってきたんです。

大崎:そうなんですか!詳しく聞かせてください。

増山:「マネーフォワード クラウド勤怠」をリリースするまでは隊長におんぶにだっこで、走り切ってきました。これまで、隊長頼みの時代が続いてきたんですけど、隊長がリモートになっても、チームのアウトプットは今までと同じスピードとクオリティが求められる。その状況において、ひとりひとりのメンバーが「俺たちがもっと頑張らなきゃだめだ」と奮起しているのが今のフェーズですね。

大崎:なるほど。

増山:まだまだサポートしながらのメンバーも多いんですが、みんな一歩先に進もうという意識を持っていますね。

大崎:熱意がすごいですね。それぞれ自分が経験してきたことを、どうしたら今の業務に活かせるんだろうかみたいな、自発的にいろいろ取り組んでる様子はSlackでもよく見かけます。

増山:そうですね。今のHR領域は「自発性」がテーマですね。

大崎:これは増山さんが大事にしてるんですか?

増山:そうですね、「自発性」がないとスケールしなくなっちゃう。面接でもすごく見ていて、指示待ちじゃなくて、「自発的に物事を改善していきたい」という思いを持ってる人に入社していだいています。メンバーの1人の黒ちゃん(エンジニアの黒沢さん)は、前職のSIerで「もっとこうしたかった」ということがたくさんあったみたいなんです。だから「じゃあ、それうちのチームでやってよ」と声をかけたら、率先して今もチームづくりとかまでやってくれていますね。

大崎:めちゃくちゃいいですね。

増山この1年で急速に立ち上がった組織なので、正直、課題も多いです。その中で、自分がどれだけアンテナ張って課題を拾って、周りを巻き込みながら解決していくことが必要です。そんな想いの人が多いと、チームとしても個人としても成長する。だから、どんどんやりたい人にとっては一番楽しい時期だし、これからもまた来期に向けて人も増えていくので、まだまだ課題も尽きないから(笑)そういうフェーズが楽しめる人にはめちゃくちゃ面白いチーム。


上田:プロダクト開発においても、各自がどんどん課題を拾ってくれているのでプロダクトマネージャーとしても安心なんです。いろんな制約があって難しい現実を前にしても、ポジティブに捉え直して取り組んでくれる。

増山:大小問わず、いろんなことに自発的にみんなが取り組んでくれているので、ものすごくありがたいなと思ってます。

大崎:確かにHR領域の方ってみんなポジティブだし、勢いやフェーズから来てるのかもしれないですけど、自分たちでいい雰囲気を作り出してますね。

プロダクト配属で「当たり・外れ」を作らない。チームとしてそれぞれの知見が循環する仕組みを作る。

大崎:そういえば、HR領域といえば週に1回のチームランチをやっていましたよね。それって、人数も増えてやめちゃったんですか?

増山:やっています。さすがに全員揃ってとまでは行かなくなりましたけど、なるべく行こうっていう文化は残っています。

上田:月曜日に行ける人でランチに行くんですが、結局集まって8人くらいで行く日もありますね。

大崎:すごい!0→1フェーズのプロダクト開発の大変さに加えて、メンバーが増えたり、チームの体制も変わり続けているとなると、お互い助け合って乗り越えていかなければという思いが強くなりますよね。

増山:そうですね、古いかもれないけど「同じ釜の飯を食う」、そんなスタンスです(笑)。僕がすごく気をつけているのが、このチームの中でプロダクトによる区切りを作らないこと。例えば「マネーフォワード クラウド給与」はもうリリースから4年が経ち、1→10のフェーズ。今後は改善や、大規模な事業者に向けた対応が進むので、どちらかといえば保守的な動きが増えてくる。でも、自分が配属されたプロダクトが保守ばっかりやってるプロダクトだとしたとき、隣では「マネーフォワード クラウド勤怠」のように0→1のフェーズで、新しいプロジェクト、新しいアーキテクチャで新しい機能開発をしている。

大崎:僕だったら、「隣は新しいことをやってキラキラしてる…ああ、配属がハズレだ。」と、隣の芝生が青く見えてきそう…

増山:その気持ちは分からなくはないんです。僕も昔そう思ってたから。でもフェーズが違うだけだから、当たり外れなんかなくて、両方ともに知見は得られるんですよ。保守は保守で、やらなきゃいけないことあるし、それは逆に0→1のフェーズのプロダクトが次に経験すること。だからこのチーム内で、両方のフェーズを経験できるよう、うまく循環させたいと思ってます。

上田:区切りを作らないという流れで、「マネーフォワード クラウド勤怠」の開発チームでも、できるだけ「属人化」はやめようとなっています。「あの機能はあの人」になっちゃうと、何かあったときにその人以外は誰も対応出来ないなんて許されないですよね。それは、ユーザーのみなさんに迷惑をかけるし、まっすーさん(増山さん)のいう、人の循環を進める上でも必要です。

増山:これも、過去の反省からきています。「マネーフォワード クラウド給与」は属人化している部分が多くて、部署異動やらなんやらで全容を知っているメンバーが僕だけになってしまった。「これってかなりまずい。」という危機感です。ValueであるUser Focusを考える上でも、組織として属人化を防ぐことをちゃんと担保しないといけないなと思っています。「異動などで担当がいなくなったから、開発が止まります。」はあり得ないので。

大崎:過去の反省を「同じことは繰り返しちゃいけない」と、チームとして仕組みで解決していますよね。これは、皆さんの自発性に支えられていることも大きいと思いますが。

増山:日々、どうやったら運用を効率化できるのかって隊長とか黒ちゃんとか含めて、今話し合いながら、前に進んでいますね。

マネーフォワードがHR領域に取り組んでいる理由


大崎:先ほど、User Focusという言葉が出てきましたが、具体的にどのようなスタンスでプロダクト作りをしていますか?

増山:プロダクト作りのスタンスにも変化がありました。僕らはやっぱり事業推進本部(マネーフォワード クラウドのセールス部門)の方とコミュニケーションするのが好きなんですね。彼らと話してると、「うちってすごく人に寄り添ってシステムをつくっていくスタンスの会社だなぁ。」って改めて思いました。「そもそもクラウドとかわからん」というユーザーに、どれだけ寄り添って、抱えている課題にフォーカスして解決するかを、どれだけ愚直にやれるかっていうところが大事じゃないかと思っています。

大崎:ユーザーに寄り添うというのは「マネーフォワード クラウド会計・確定申告」のチームでもキーワードとして出ていました。

増山:あと、もう1つは、ユーザーの目の前の課題解決をするだけだったら、別に僕らがやる価値はないと思っています。「クラウドを活用していくと、こういうこともできるんだよ」っていう未来や世界観を描いて、ユーザーのみなさんにはもっと見せていきたいです。

大崎:うちがやる価値、という意味では、「マネーフォワード クラウド勤怠」についてお聞きしたいです。「マネーフォワード クラウド給与」はまだお金を扱う、会計業務にひもづく領域だから理解できるんです。でも、「どうして勤怠管理システムをやるの?」と思っている方は私含めているんじゃないかと。

増山:「マネーフォワード クラウド勤怠」の誕生は、ユーザーのニーズが高かったことが一番の理由です。ユーザーからの声を受けて、僕らのスピード感や、今まで「マネーフォワード クラウド」を各種手がけてきたからこそ提供出来るUI・UXがあるんじゃないかと開発に踏み切りました。

大崎:勤怠管理システムを提供しているのは、当社のように複数クラウドサービスを開発しているところもあれば、勤怠管理システムだけ提供している会社さんもいますよね。

増山:そうですね。でも声を大にして言いたいのが、「既存の勤怠管理システムと戦おう!」と思っているわけじゃないんです。例えば、飲食業に特化した勤怠管理システムもありますが、それはそれで絶対に必要ですよね。僕らは僕らで、ユーザーのペインを解決できる勤怠管理システムを考えて作っていくべきだと考えています。結果的に各社が自社の強みを活かした、高いUXのプロダクトをユーザーに提供できている状態が実現できているべきだと思います。

大崎:もう少し詳しく聞いてもいいですか?

増山:僕らって、「Connected HR」という構想を打ち出しています。これはプロダクト同士がAPIでつながることによって、裏側でシームレスにデータが共有されていく世界観のことです。この世界観が実現すると、ユーザーに多くの選択肢から自社のオペレーションにとって、最適なプロダクトを取捨選択することが可能になる。さらに、オペレーションを改善したいとなった際も、裏側でデータが共有されているから、簡単に新しいプロダクトを導入して試すことができる。そうして、自社のオペレーションを改善しながら、組み上げていけるような世界観を実現したいと考えています。

上田:企業も、業種、業態、規模、文化、使う人達…本当に10社あればどこも違うので、自分たちにあったものが選べる、これがUser Focusですよね。

大崎:各社がAPIでつながるからこそできる世界ですね。

増山:瀧さん含めてOpenbank APIを推進してきた実績があるので、「マネーフォワードって我田引水しない会社だよね」と言われるんですね。これはものすごいアドバンテージだと思っています。この期待値をもっと活用して、HR領域でも法改正や、様々なシステムを繋ぐための仕組みを提供していくことを、社会からの要請として我々がもっと推進していくべきじゃないかなと考えています。

上田:営業の方に同行させていただくと、ユーザーの方や社会からの期待値めちゃくちゃ高いなと感じます。

大崎:これは、「マネーフォワード ME」や、「マネーフォワード クラウド会計・確定申告」で培ってきた歴史がいい影響をもたらしていますよね。一方で、他のマネーフォワードクラウドと横並びにすると、HR領域だけ少し浮いてるように見えると言われないですか?

増山:そうなんですよね。でも、「僕らのMissionやVisionに繋がるからこそ、僕らはHR領域をやっています」と面接の時にも必ず言ってますね。

今後も大事にしていきたい2つのこと

大崎:最後に、今後の展望を教えてください。

増山:HR領域はこれからも新しいプロダクトを始め、多くのプロダクトを開発していきます。今はまだまだ経験の浅い若手が多いですが、プロダクト開発を通じていろんなことにチャレンジしてもらって、成長していくと、また別の新しいことを任せていける。そんなサイクル作っていこうとしています。これからもHR領域は積極的に新卒や若手を受け入れていきますし。人を育てる文化はずっと維持していきたいと思っています。この一年でだいぶ受け入れ環境も整ってきました。

上田:スピード感が出ますよね。

増山:もう1つ今後も忘れずに大事にしていきたいのは、作る側で完結しないプロダクトであること。SaaSであるからこそ、僕らのプロダクトの成長はユーザーにどれだけファンになってもらって長く使ってもらえるかにかかっている。そのために、プロダクトを作るのは、「開発はここまで、セールスはここまで」と縦割りにせず、そこにユーザーも含めたチームであると認識し、行動すること。これはこれからも常に意識していきたいです。

大崎:ありがとうございました!

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