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株式会社ミラティブ
実は今年2020年3月、共同創業者であり設立時からCTOであった夏が「テックリード」という肩書に変わりました!今ミラティブはCTOが不在の状態なのです。どうしてCTOをなくしたのか、またそれによって何がどう変化したのか…。
人事担当が元CTO夏とCHRO鈴木に、その決断の背景を直撃してみました!
夏「大きく3点あります。1点目は僕自身のリソース配分に対して僕含めた経営層やメンバーも”これでいいんだっけ”と疑問を持ち始めたからです。
たとえばこれは去年12月半ばのカレンダーです。
当時は経営戦略や事業計画の見直しなどで会議が多くなっており、また積極的に採用活動を行っていたので面談の数も増え、”人と会って話すこと”が主な業務になっていました。
もちろんそれはそれでCTOとしての役目だと認識はしていたのですが、今の自分が会社に一番貢献できるのはここなんだろうか、と疑問が出てきたんです」
鈴木「実際経営MTGで何度も対話を重ねて、"今、夏くんには夏くん自身がコードを書くことに集中し、それによってプロダクトの成長に最大限貢献してもらうのが大切なのではないか”という判断をしました。また、短期的目線だけではなく、夏くんは今年29歳とまだまだ若いので、コードを書く経験をよりたくさん積んでもらうほうが、会社と夏くん個人の中長期的な成長につながっていくと考えました。
このように、短期的な視点と中長期的な視点、そして会社視点と個人視点、様々検討した結果、CTOというタイトルは廃止し、”テックリード”として、もっともっと現場に近いところにいてもらおうという結果になったんです」
夏「まさに今の話が2点目の理由に繋がりますが、こういった判断が出たのも、今ミラティブが”プロダクト成長”に集中するフェーズだったからというものあります。技術的な議論や選択が経営に与えるインパクトよりも、ユーザーと会社のビジョンに向き合った改善に全力で取り組む必要がありました。各KPIは右肩であがっており、この流れを途切れさせてはいけなかった。
▲創業時の写真。CEO赤川、CCO小川とともに創業メンバーとしてミラティブをつくってきた夏。
夏「最後の理由は、エンジニアリングでなにか大変なことがあっても、フォローできるメンバーが揃っていたからです。そもそもミラティブは優秀なエンジニアが揃っていると自負していまして、CTOがいなくっても問題が起こらない状態ではあったんです。
今組織として各チームのマネージャーに立ってる横手、牧野、漢と、それぞれスタートアップやメガベンチャーなど様々な組織で部長やマネジメントを経験してきた者です。彼らに技術もエンジニア組織も任せられる状態にあったのは、本当に幸いでした。
鈴木「あとCPOの大野がエンジニア出身というのも、安心できる材料だったように思います。彼はDeNA新卒で、エンジニアからPMになった人物です。エンジニア視点でプロダクトを語れる存在が経営チームにいるのは、僕ら経営メンバーとしても安心だし、メンバーとしても心強かったんじゃないかなあ」
夏「確かに。トップである赤川は、エンジニアのことはエンジニアにすべて任せてくれていたので、技術に関しては経営ではなく現場で判断する文化がすでにありました。でもメンバーから見たときに、経営チームにエンジニアリングがわかってる人がいるのは、やっぱり安心できるんだと思います」
▲左がCPO大野。中央CEO赤川、右CHRO鈴木。就任時の3ショット。
鈴木「まず、CTOというタイトルがなくなったと同時に組織としても大きく変化しました。正直、以前までは組織図は有って無いような状態だったんです。カタチとしては、プロジェクトごとと職能ごとの、カッコヨク言えばマトリクス型組織なのですが、決して意図を持ってそうなっていたわけではないので、マトリクス型として機能していたわけではありません。
それから、誰がマネージャーかということが明確になっておらず、マネージャーの権限も明記されていなかった。
このサイズの組織では、優秀なメンバーの自律的なパフォーマンスである一定の成長を遂げることができますが、too muchではなくミニマムで組織のメカニズムを加えることで、組織力が生まれより一層の成長を遂げることができますし、今後メンバーが増えてくることにも対応していくことができます。
そこで、まずは職能ごとに部門をつくり、さらに部長やマネージャーといった役職をつくり、決裁権限を明確にし、組織力向上のメカニズムの第一歩のカタチづくりを行いました」
▲現組織図。部門、役職とミニマムで整えていった。
夏「”テックリード”としての僕は独立して存在していて、唯一の部付きですね。まさに、組織をつくるあたって、型にはまりすぎないカタチづくりをしていますね」
鈴木「各職能ごとにマネージャーが存在することになったので、各メンバーとのコミュニケーションは以前より密度が増したと思います。正直、CTOとしてエンジニア20名近くを見るのは限界があったんですよ(笑)。同時に評価制度も刷新されたタイミングだったので、目標設計から毎月の進捗1on1、そして評価という運用全てをマネージャーに権限移譲できています」
夏「ちなみに、きれいな組織図として生まれ変わったからといって、横のつながりがなくなったわけではないです。今もプロジェクトごとに個人がアサインされて動いています。エンジニア同士のコミュニケーションが増えたとしても、プロジェクトで関わるデザイナーやPMとのコミュニケーションのほうが多いはず」
鈴木「ですね。組織的には様々なところでプラスの影響が出ているんじゃないかなと思っています」
▲過去インタビュー時エンジニアと談笑する夏。エンジニア採用広報にもリソースを割いていた。
夏「まだ半年も経過していないのですが、良くも悪くも変化はないんじゃないでしょうか。前述の通り、変化をしないであろうという前提があったからこそ、CTO廃止という決断ができたわけなので。
でも、プロダクトや会社にとって最重要なミッションに対して、直接手を動かして貢献できているなという実感はあります。障害の再発防止、通信費の最適化など、中期で取り組むべき課題を一つずつクリアしていっています」
鈴木「最近、中長期戦略上で重要な事業が立ち上がったんですが、そこにも夏くんに入ってもらっています。まだ立ち上がったばかりなのでこれからが勝負ですが、そういった重要ミッションにキーパーソンを張れる状態になった事自体が良いことだと思っています」
夏「もしかしたらCTOという肩書のままできたことかもしれませんが、CTOとして自分が居続けたらプロジェクトにプレイヤーとして集中ができず、マネジメントを誰かに権限移譲することもできず、結果としてプロジェクトへの影響も組織への影響も中途半端な状態になっていたかもしれないです」
▲旧オフィスでの夏。
鈴木「うーん、僕の目線で細かい話からいうと、エンジニアカルチャーは今後誰を中心に築いていくのか、空白になっていますね。例えば採用活動も誰が中心に見るのか、など。
今は各マネージャーが表に立ってくれていますが、エンジニア全体としての採用基準にズレはないか?とか、エンジニア組織全体でのベースとなる価値観は浸透しているか?体現されているか?など、横串で考えたり土台を考えたりということを、どのように実行していくかは決めていく必要があります」
夏「あとは、リスクを伴う技術投資が誰も出来ない状況にある、というところも近い将来解決しなければいけないと思っています。
例えば、Mirrativにおいて、画質の向上はずっとユーザーから要望を頂いています。では、そこにどれくらい対応することがその莫大な工数に見合ったKPIのインパクトが出るかというと、難しい。でもユーザーの体験は良くなる…さて、ここに投資するか?どうやるか?の議論は、なかなかエンジニア視点からの強烈な意思決定でないと進みません。
今の技術の延長線上なら、マネージャーが一時的に経営MTGに参加し議論をすることもできると思います。でも、それ以外の全く新しい分野に挑戦する時が来たらどうなるのか。新しいことに対するエンジニアの適切な配置も含めて、誰がその旗を持って振るのかは大切なポイントとなりそうです」
鈴木「まさに。経営にとって技術議論が優先度の低いフェーズだからCTOがいなくなる判断ができた。でも昨今の時流やミラティブの根底にあるプロダクト志向の文化を思うと、今のフェーズが変わるときはすぐにやってくるようにも思います。
組織というものは一生β版であり、正解の状態がないものなので、常に柔軟に組織のあり方が見直せるようにしていきたいです。CTOというタイトルを復活させるかどうかもまさに柔軟に見直していきます」
夏「色々語りはしましたが、今はユーザーとプロダクトとエンジニアリングに向き合えていて、純粋に楽しく過ごしています(笑)」
鈴木「よかった。その言葉を聞けたことが、個人的には一番嬉しかったかもしれません(笑)」
また一つ新しい組織の形となったミラティブ。今後どんな組織になっていくのか、皆様温かく見守っていただけると幸いです。
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