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役割と最適解をつくっていく面白さがある──営業出身のPMMがみる今後の挑戦

Contents

  • セールスを経て、事業全体を一気通貫して見るPMMへキャリアチェンジ
  • 「売れるプロダクト」を考え「どのように売るか」を計画・実行するPMM
  • カオナビをより強いチームにするために、各部門をつなぐハブとなる
  • 川を下るようにさまざまな経験を重ね、自分らしいキャリアを見究めていく
  • PMMはチームカオナビの“頭脳”

    市場環境のめまぐるしい変化に対応し続けるため、ユーザーの潜在ニーズを見つけ出し、ニーズを満たすプロダクトや販売戦略を考えるプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)。日本ではようやく認知されつつある職種ですが、開発やセールス、マーケティングなどの各部門とのハブとなり、会社とプロダクトのさらなる成長を担う立役者です。

    社内でフィールドセールス(FS)、エンタープライズ(EP)セールスなどの営業経験を積んだのち、
    2023年からPMMとして活躍する企画推進本部の菅原さんは、PMMの経験がなくとも、マーケティングや営業、カスタマーサクセスなどのキャリアと知見を存分に発揮できるポジションだと話します。

    「カオナビのPMMは今が面白いフェーズだ」と語る、PMMの仕事の魅力とやりがいについて聞きました。

Interviewee

企画推進本部
プロダクトマーケティンググループ マネージャー
菅原 拓弥
専門商社で代理店営業を経験したのち、2021年1月にカオナビへ中途入社。FS、EPセールスを経て2023年4月より企画推進本部に在籍。

セールスを経て、事業全体を一気通貫して見るPMMへキャリアチェンジ

──まず、菅原さんがカオナビにご入社されたきっかけを教えてください。

菅原:
新卒で専門商社に入社して代理店営業やアライアンス事業を4年半ほど経験し、2021年にカオナビに入社しました。

前職では成果をあげて昇格も経験しました。ただ、どれだけ頑張っても年功序列が重んじられる風土にモヤモヤを感じていました。そこから人事評価やタレントマネジメントに関心を持ち、それらの領域で世の中を良くする会社はないかとリサーチしていたときにカオナビの存在を知りました。そこからご縁があって現在に至ります。

──入社してまずセールスのお仕事を経験されました。どのような業務を担当されていたのでしょうか?

菅原:
フィールドセールスとして中規模・大規模のお客様を半年ほど担当し、その後エンタープライズセールスとして大企業向けの営業を1年半ほど担当していました。EPチームは当時4人のみでしたので、業界・業種を問わず担当していました。

──2023年4月から企画推進本部に異動になりました。異動のきっかけは何だったのでしょうか。

菅原:
いくつかあるなかで大きなきっかけは、もうすぐ30歳を迎えるにあたりこれからのキャリアをどう築いていくか見つめ直したことです。このまま営業を続けるかキャリアチェンジするか、当時のマネージャーに相談したところ、企画推進本部側が体制強化のためセールス出身のメンバーを探していると聞き、「PMMにチャレンジしてみたら?」と提案してくれたんです。

「企画」と聞くと営業とは別職種というイメージがありますが、PMMはセールスやマーケティング、カスタマーサクセスなど幅広い部門と協業しながら売上拡大を目指すことがミッションです。カオナビの事業全体を一気通貫して見られる点に魅力を感じ、手を挙げました。

挑戦を応援してくれるのはカオナビの文化なのかもしれませんが、キャリアを広げるきっかけをくれた上司には感謝しています。

─キャリアチェンジにあたり、必ずしも社内異動だけではなく、転職する選択肢もあったのではないでしょうか。

菅原:
正直ゼロではなかったです。転職活動はしていませんでしたが、マネージャーとコミュニケーションをとるなかで、自分のキャリアのことをしっかり考えてくれていたので、この会社で結果を出したいと思いました。私もカオナビのことは好きだったので、転職するよりここでチャレンジしたい思いが強かったです。

入社以来セールスとしてずっと好成績を収め、部門内で表彰していただく機会もあったので、異動をOKしてもらえたのはこれまでの頑張りを認めてくれた結果でもあると思っています。

─入社時、PMMは将来のキャリアの選択肢にありましたか?

菅原:
全くありませんでした(笑)入社時にはPMMのポジションは無いに等しく、プロダクト側のメンバーがカバーしていた経緯がありました。ですが、組織や機能も増えて業務が複雑化しており、会社としてPMMの機能を強化しようと企画推進本部が立ち上がったのが一昨年の4月です。

「売れるプロダクト」を考え「どのように売るか」を計画・実行するPMM

──企画推進本部の仕事について、ミッションと具体的な業務内容を教えてください。

菅原:
チームのミッションは「どのようなプロダクトが売れるか」と「それをどう売るか」を考え、実行することです。マーケットや顧客の声をリサーチしながら、プロダクトの企画や製品の販売計画などを策定しています。現在のチームメンバーには、それぞれ開発やセールス、営業企画などそれぞれの分野で強みを持ったメンバーが揃っています。

菅原:
私はEPセールス出身なので大企業向けの新機能を担当するケースが多いです。企画をして終わりではなく、プロダクトをどうやって顧客に届けるかの「Go To Market戦略」を計画・管理することもPMMの役割です。市場調査の実施やバリュープロポジション、ポジショニング、メッセージングの具体化、営業資料の作成や、セールスなどに向けた勉強会の実施、リリース後の商談同席や勝敗分析などさまざまです。

──最近はどのようなプロジェクトを担当されたのでしょうか?

菅原:
昨年8月にリリースした新機能として「ポジションマッチング」があります。近年、日本企業でも年功序列や終身雇用が前提の「メンバーシップ型」雇用から、専門的なスキルを重視する「ジョブ型」雇用への移行が進んでいます。そこで、「カオナビ」上の勤続年数や保有資格、スキルなどの条件からポジション要件にマッチした候補者を自動抽出し、条件とのマッチ度をパーセンテージで表示する機能を実装しました。

エンタープライズ企業は何千人もの社員を抱えており、「社員の経験やスキルをもとに最適な人材配置と生産性向上を目指したい」という人事のニーズに対応しました。

もう一つは前者とジャンルが異なりますが、社員の顔写真と3つの名前がランダムに表示され、ゲーム感覚で答えていくスマートフォン専用アプリ「カオパス」です。現在、一部のカオナビユーザーの方々にご利用いただいているのですが、社員同士の「顔と名前が一致しない」といったコミュニケーションの課題解決と、オンボーディング促進やエンゲージメントを目的に開発しました。

─新機能はどのように企画していくのでしょうか?

菅原:
ポジションマッチングはお客様の声から生まれました。社内のSlackにお客様からのお声を投稿できる場所があり、そこから情報を吸い上げニーズを分析しました。ユーザー会などのリアルイベントや営業先へ同行してヒアリングすることもあります。

一方で、「カオパス」は自分たちがゼロから企画したものです。カオナビはもともとゲーミフィケーションマインドを大事にしていて、「カオナビ」自体も代表の柳橋が武将系戦略シミュレーションゲームからヒントを得て生み出したプロダクトなんです。スマホで手軽に楽しみながら、社員同士の顔と名前を一致させることで、コミュニケーションやリレーション構築に役立ててほしいと考えています。

カオナビをより強いチームにするために、各部門をつなぐハブとなる

──異動してもうすぐで1年が経ちますが、現在の率直なお気持ちはどうですか。

菅原:
難しさを感じることもありますが楽しいです!企画って「スマート」とか「面白そう」というイメージがありますが、社内外と調整をしたり先回りで考えたりと泥臭い仕事も多いんです。いろいろな情報や意見を受け止めて「何がいちばん最適か」を考え決断するのは面白さであり難しさでもあるかなと思います。

──現在の職種でやりがいを感じる瞬間はどんな時でしょうか。

菅原:
やはり自分が携わったプロダクトが世の中に出て、フィードバックをいただけることです。「ポジションマッチング」も「カオパス」も、お客様から「すごく良い機能だね」や「業務が楽になった」などの声をいただき、励みとやりがいになっています。

菅原:
「カオパス」は「面白いね」「カオナビさんらしい」などポジティブな声もある一方で、導入先の拡大が課題です。社内でも活用してフィードバックをもらいながらブラッシュアップしていきたいと考えています。これまでセールスの仕事を通して常にお客様と近い距離で接してきたので、「お客様にとってカオナビの価値と期待は何か」は解像度高く理解しています。PMMの仕事でもこの経験は非常に活かせていると自負しています。

──チーム内での菅原さんご自身のミッションは何ですか?

菅原:
現在の部署は立ち上がって間もないため、マネージャーとしての業務と、チーム内外の仕組み作りが個人的なミッションです。オンボーディングの仕組みを整備したり、セールスからPMMに移ったメンバーがこれまでいなかったので、フロント側と開発チームのハブのような役割も期待されていると捉えています。

これはTHE MODELが生む組織の課題なのかもしれませんが、組織間で“溝”が生まれてしまうことがあります。私自身、セールスを経験していろいろな部署と接点があったので、部門を繋いで事業最適を図る役割は期待されていると思います。

──部門をつなぐハブとして、具体的にどのようなことを実行されましたか?

菅原:
主に二つあり、一つはフロントダッシュボードの整備です。以前は新機能がリリースされた際、情報伝達がうまくいかず、営業メンバーに細かな情報まで行き渡っていないケースもありました。事前に綿密に連携できれいれば、デモ環境を整備して商談に役立てることができたし、お客様の課題を解決できるようなご提案ができたかもしれない。

そこで開発中の新機能とリリース日、デモ環境の有無などが一覧でわかるフロントダッシュボードをメンバーと協力して作成し、社内で共有しました。今はフロントメンバーとコミュニケーションを取りながらブラッシュアップしています。

もう一つはGo To Market(GTM)戦略の整備です。カオナビでの業務経験が浅いメンバーやフロントオフィスの解像度が高くないメンバーでも理解できるように手順をまとめ直しました。合わせて他部門との定例会の実施など、GTM戦略が円滑に進む仕組みづくりも行いました。

いずれも業務の違和感を感じ、部門間を繋いで最適解を導くことができた。これが私の半年間の成果です。

川を下るようにさまざまな経験を重ね、自分らしいキャリアを見究めていく

──ご自身のキャリアをどんどん重ねていくうえで、どのようなポリシーやこだわりがありますか。

菅原:
20代後半の今は“川下り”の時期だと思っています。いろんなポジションを経験して、30代になってもう一度セールスの仕事がしたいのであればそれでいいし、新しい選択肢が見えてくるかもしれない。目の前の仕事に取り組みながら、自分がたどり着きたいキャリアを見究めていきたいと思っています。

仕事を選ぶうえでの絶対条件は、会社と提供しているサービスが好きであることです。そうじゃないと仕事にも本気になれない気がするんですよね。これは今後もブレないと思います。

菅原:
カオナビは結果を出せば異動をとがめる人はいませんし、全社的に部門間のキャリアチェンジも推奨しています。営業から企画に異動したメンバーのひとりとして、結果を出して良き先駆者になれたらと思います。

──今後、菅原さんがチャレンジしたいことは?

菅原:
一つは自分が企画した機能やプロダクトを世に出して売上に貢献し、カオナビを大きくしていくことです。もう一つは、PMMという職種が国内や社内でもまだまだ一般的ではないので、ポジションの認知度を上げていけたらと考えています。「PMMにチャレンジするならカオナビ」という状態になれたらいいなと。

PMMはチームカオナビの“頭脳”

──今、カオナビのPMMになることの面白さとは何でしょうか。

菅原:
ポジションができてまだ日が浅いので、役割を自分たちで作り上げる面白さがあります。新しい環境で新しい物事にチャレンジしてみたい人とってはフィットする仕事ではないでしょうか。

新卒からPMMにチャレンジするのは難しいかもしれませんが、私のようにセールスの経験がある方や、マーケティングやカスタマーサクセスの経験がある方は歓迎です。開発でキャリアを積んだ方もビジネスサイドのスキルを強めたい方にはおすすめです。特に現状カスタマーサクセス出身のメンバーがチームにいないので、加わっていただけたらより強いチームになれると思います。

──マインド面ではこういう方が向いているといった条件はありますか。

菅原:
さまざまな部門のメンバーや部門長クラスと折衝する機会も多いので、コミュニケーション能力や物事を的確に伝える力はベースとして必要だと思います。一方で、与えられた仕事をこなす職種ではないので、主体性や好奇心、他部門のさまざまな状況を勘案した上で決断が求められる仕事なので、物事を前に進める力なども大切です。サッカーでいうと司令塔のような存在かもしれませんね。そういうポジションにワクワクする方にぜひ加わってほしいです。

──菅原さんのなかで、将来“こんな機能を搭載してみたい”といった展望はありますか?

菅原:
「他社が作ったからうちでも作ろう」っていうのは面白くないなと思っていて。カオナビのものづくりの根底にゲーミフィケーションマインドがあるように、ワクワクするものや「カオナビ」をもっと好きになってもらえる機能が作れたらと思います。既存のお客様はもちろん、新規顧客の獲得に向けてもセールスの知見も発揮して企画をしていきたいです。

──最後に、PMMとして目指すものとは?ご自身のお考えをお聞かせいただけますか。

菅原:
PMMは「会社の頭脳」でありたいと考えています。具体的にはマーケットや顧客の声を感知し、企画~デリバリーまで責任を持って実践できるPMMでありたいです。競争が激化する今の時代だからこそ、プロダクトマーケティングの役割は大きく、同時にそれが面白さだと思います。


▼その他インタビューをご覧になりたい方はこちら
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