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キャリアを“積み上げる”のではなく“広げる”。個性が光るフィールドを模索し続ける働き方

エンジニアのキャリアは、特定の言語など技術を磨いたり、テックリードやEMなどマネジメントを目指したりするのが一般的。ですが、そうした狭い意味でのエンジニアリングに限らない多様なキャリアをデザインするメンバーもカオナビにはいます。

今回取材したのは、Strategyグループでバックエンドエンジニアをしている矢野桐子さん。自分の特性を活かす道を見つけられたと言います。

カオナビのバリューである「コラボレーション」を体現する新しいエンジニアとしての働き方とはどのようなものか。矢野さんに語っていただきました。

バックエンドエンジニア プロダクト本部 サービス開発部 Strategyグループ
矢野 桐子さん

新卒でソーシャルゲーム運営会社に入社し、育成ゲームの開発に携わる。その後、人材会社でエンジニアコミュニティの運営などを担当。さらにゲームプラットフォームの開発に従事した後、2020年にカオナビ入社。現在は管理者向け機能の新規開発を担当。

「BtoB」ならではのやりがいを感じられる仕事

——カオナビに転職されたきっかけを教えていただけますか。

新卒でソーシャルゲームの会社に入社して、エンジニアをしていました。その後、何度か転職をしていますが、主にBtoCの事業に携わってきました。
その他の分野にも興味があったので、転職活動の際はエージェントの方にBtoBの事業をしているところで探してもらいました。
それで提案を受けたうちの一つがカオナビです。HRという分野にも興味がありましたし、何よりも社員の方たちが非常におおらかで、一緒に働いてみたいと思える人が多かったのが入社の決め手でした。コミュニケーション能力の高いエンジニアが多いなという印象でした。

——実際に働いてみて、そのイメージは合っていましたか?

そうですね。穏やかでおとなしい方が多いのかなと思っていましたが、結構明るく活発な方もいらっしゃって、良い意味でのギャップもありました。
また、仕事の面でも、システムを利用しているユーザーの方たちの生の声がダイレクトに聞けるので、開発に対するモチベーションが高まりました。
ゲームのようなBtoC事業では、ユーザーの声はダイレクトに届きますが、利用者が多い分、クレームのような形も多いですね。BtoB事業だと、良い評価も悪い評価もちゃんとした形で届くので、それを改善して次につなげるというところにやりがいを感じています。

——現在の担当職務を教えてください。

今は、サービス開発部のStrategyグループで新規機能開発を担当しています。グループは現在14人が在籍し、主に経営層や人事戦略担当者など管理者が使用する機能を開発しています。
例えば、「カオナビ」の組織表の一覧機能である「シナプスツリー」という社員情報の書き換え予約機能などの新規およびリプレース開発を行なっています。
開発言語は主にPHPで、私としてもいちばん得意な言語です。チームは、ディレクターとエンジニア、デザイナー、そしてQAエンジニアで大体4、5人くらいが一般的です。

自身の特性を生かした、エンジニアとしてのあり方

——矢野さんは、開発だけでなく社内で多彩な活動をされていると聞きました。

はい。毎月開催している外部向けの勉強会の「kaonavi Tech Talkの運営のお手伝いをしており、技術広報的な役割をしています。最近はエンジニア採用のためのカジュアル面談なども担当しています。
どれも会社からの指示ではなく、「私にできることがあるなら、やりますよ」といった感じで気軽に参加しているものです。
ちなみに、私は前職で人材会社にいた時に女性エンジニアのコミュニティ運営をしていたこともあるので、そうした経験が活かせるならと手を挙げました。

——積極的に会社に貢献していらっしゃるんですね!

貢献というよりは、狭い意味でのエンジニアという枠にとらわれないような働き方をしてみたい、と言ったほうが正しいかもしれません。
エンジニアというと、職人的に技術を磨いていったり、人を引っ張っていくようなリーダーになるというキャリアパスが一般的ですよね。でも、私は自分の特性がそのどちらでもないと思っているんです。むしろ、いろいろなことを満遍なくやっていくような働き方が合っていると感じています。
会社やチームの中に足りないものがあって、それを自分が補えると思ったらやってみる。それがいわゆるエンジニアがすべき技術的な問題であるかどうかには、あまりこだわりがありません。

——そうした動きに対して周囲はどんな反応ですか?

上司の方も私の特性を理解してくださって、むしろ「こんなことをしてみたら」という提案をしてくれます。ですから、すごく仕事がしやすくて、私の特性と今の会社のあり方が非常にうまくマッチしていると感じています。
また、組織はだいぶ大きくなってきましたが、まだまだ発展途上の部分もたくさんあります。だからこそやれることはたくさんあって、開発だけをしていたらもったいない、とも思うんです。
もちろん、エンジニアにとって技術は不可欠ですが、私は他にも面白そうなことがあれば飛びついてしまう性格なんです。それに、そうして得たさまざまな経験は、チームビルディングなどエンジニアとしての今後のキャリアにも活きてくると思っています。

マイナスだと思っていた自分の性格を好きになれた

——今の仕事を通して、自身の成長は感じられていますか?

以前は、自分自身の性格をマイナスにしか捉えられなかったんです。「どうして私は何かを突き詰めることができないんだろう?」と。
でも、ここに来てからは、エンジニアとして日々の開発に貢献しつつ、他の分野で力を発揮することで自分の特性を活かしたバリューをちゃんと出すことができる。そのことに気づけたのは、成長と呼べるかは分からないのですが、大きな変化です。

——それは、カオナビという会社ならではですか?

そうですね。必ずしも明示的に言われたわけではないのですが、以前は実務以外のことに手を伸ばしてみようと思っても、「まずは自分の仕事に専念しなさい」と言われそうで、何となく引け目を感じていたところがあります。
カオナビではそういうことがなくて、むしろ周囲が応援してくれます。だから、自然とさまざまなことに挑戦してみようと思えるようになりました。
実は、いろいろ手を出すわりに、引っ込み思案でもあるんです。「私がやる」と手を挙げるのは勇気もいりますが、今は失敗しても咎めるような人がいないので、声を上げやすいと感じます。
エンジニアである前に、私は私である。個人の特性を認めてくれる広い懐が、この会社にはあるような気がします。

キャリアを“突き詰める”よりも“広げていく”

——今後、どのようなことに挑戦していきたいとお考えですか?

まずはエンジニアとして、ユーザーに本当の価値を届けられるようなプロダクトを開発していきたいです。それはエンジニアだけでできることではなくて、営業やCSなど社内の色々な人とコラボレーションすることが必要になってくると思います。
チームとして働くことが好きなので、私の場合はキャリアを“突き詰める”というよりは“広げる”方向で積んでいきたいな、と考えています。
会社の制度としても、マネージャーコースとスペシャリストコースに別れているので、チーム開発のスペシャリストのような感じを目指していきたいですね。
別にこういう役職があるわけではないのですが、「役割やキャリアは自分で作っていけばいいんじゃない?」くらいの気持ちでいます。もちろん、会社やマネージャーと相談をしながらではありますが、自分らしさを発揮しながら仕事をしていければと思っています。

編集後記

自分は引っ込み思案だといいながらも、困っている人がいれば助けずにはいられない矢野さん。その性格を自分も周囲の人たちも分かって、良さを活かした働き方ができる。個人と組織の理想的な形だな、とお話を伺いながら感じました。

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