YOUは何しにスタートアップへ?〜SaaSスタートアップに転職したYOUたち〜
テクノロジーの発達や、人材の流動性が徐々に高まってきたことにより一口に「スタートアップ」といっても、その個性や性格は十人十色だ。本企画では、キャリアの選択肢として"スタートアップで挑戦すること"を選択することが徐々に浸透し始めてきたいま、なぜ、いまスタートアップなのか?を、個人の目線で存分に語ってもらう。
https://m.incubatefund.com/media/youhananishini
エンタープライズ営業部でチームリーダーを務める山田大輔。2019年7月に、大手企業よりClipLineにジョイン。コロナ禍で働き方が変わる経験を経て、2023年9月にチームリーダーに就任しました。会社やサービスが拡充するなか、どのように成長してきたのか、今後目指すキャリアについて聞きました。
<プロフィール>
山田大輔 Daisuke Yamada
大学卒業後、新卒で日立製作所に入社し、公共機関向けのシステムセールスに従事。2019年、従業員50名・営業部2名というフェーズのClipLineにアカウントマネージャとして入社。現在はエンタープライズ営業部リーダーとしてメンバーへのアドバイスやチームメイキングの一端を担う傍ら、コンサルティングセールスに従事。
入社の経緯は外部記事でも紹介されています
「Youは何しにスタートアップへ?」
――山田さんは入社後のオンボーディング期間中にコロナ禍に突入し、営業の基本スタンスを完成しきっていない中での独り立ちを経験されています。社会の状況もめまぐるしく変わってきたなか、どのように成長されてきたのか教えてください。
それまでは先輩に同行して対面での営業活動をしていたので、商談の行き帰りの移動中に悩み相談などコミュニケーションを取れていたんです。それが自分にとってはけっこう大事だったなと後から振り返って思いました。
うちの営業組織は少数なので、タイミング的にも独り立ちの時期ではあったのですが、これまで自然と取れていた相談時間を意図的に確保しなければいけなくなったことで、情報を得られにくくなったのが苦しかったですね。振り返りも難しく、同じ失敗を繰り返してしまったこともあり、成長実感を得づらい時期があったなと思います。
リモートワークだと隙間なく予定が詰まってしまい、1つの予定の前後に空き時間が5分しかないようなこともありました。そうすると時間の確保そのものが難しくなり、「この程度のことで時間を取ってもらうのは悪いな」という躊躇がありました。話す機会があっても、あくまでスキマ時間で話そうとするので、話し切った実感が持ちづらく、振り返りの質が薄くなったように感じていましたね。
――そこから、どのように脱却したのでしょうか。
2年目になって受注が増えたことが、成功体験として積み上がったなという感覚があります。自分がやっていたことが正解に近付けているものだったんだという感覚を持てたと思います。
――継続受注が増えた要因について、ご自身ではどう考えていますか?
商品を売ることではなく、ClipLineという会社を信用してもらい、私自身を信頼してもらうことに営業スタイルをシフトしたことが、プラスに作用したのかもしれません。実際、ある会社の決裁者の方から、キックオフのタイミングで「山田さんの営業でやる気になっちゃいました」と言われたこともあります。
商材が増え、お客様の業種もさまざまなので、営業としての型は作りづらいです。型ができてもすぐ壊れの繰り返しで、実質、型はないに等しい。変わらないのは、フィールドセールスはお客様から時間をいただき、顔を合わせて話せる会社唯一のポジションだということです。
そうなると、まず人間として信頼してもらうことが大事なはずで、相手に興味を持ち、知っていくことを常に意識するようになりました。企業調査はもちろんやりますが、それに加えて「なぜ商談の時間をいただけたのか」「どんな立場でどういうミッションを担っているのか」「この会社に来る前はどこで何をしていたのか」という担当者個人の考え方や経歴までしっかり調べるようになりました。
――どんなきっかけでそうなったのでしょうか?
外部での情報収集をきっかけにインプットして、実践することが多いですね。本を読んだりXやYouTubeを見たり、最近は大手企業の営業を学ぶ著名な方の私塾に申し込み、受講し始めました。
チーム内でのコミュニケーションがスキルアップの源泉になっている
――リーダーに就任してからの変化はいかがですか?
自分の数字だけを達成するのではなく、みんなの役に立つ仕組み、再現性の高まる仕組み作りをしなければならない立場になったと感じています。さらに、サービスのリブランディングが重なっているので、そちらの営業の型作りも並行して行わないといけないという、正直かなり難易度の高いことに取り組んでいるなという感覚がありますね。
新しい商材は、型を作る以前に、まず受注数を集めなければなりません。チームリーダーとしての役割を果たしたいものの、まずは自分自身が新しい商材で売上を立てなければならないし、型作りの正解もまだ見えてこない。与えてもらった役割に見合った働きができていないなという反省ばかりですね。
――チームリーダー就任のお話自体は、前向きに受けたのでしょうか。
そうですね。先輩が退職されるタイミングでもあり、やらなきゃなという気持ちでした。
これまでは悩んだら先輩に相談してきたので不安もあったのですが、チームリーダーになったことで、「こういう進め方をしようと思っています」「こうしましょう」と自分で決定して周りを動かすようになったことで、より責任感が芽生えたと感じています。周りとのコミュニケーションも増えたのではないかと思いますね。何とかしなければと思って責任を負って仕事をすることで、成長できている部分もあると感じます。
――先ほど、「難易度が高い」というお話がありました。その環境は山田さんにとっていかがですか。
永遠にアップアップしている感じです(笑)。でも、逆に考えると、これができるようになればどこでも自信を持って働けるんじゃないかと思うんですよね。そう信じて1つずつできることを何とか増やしていけたらいいなと思って取り組んでいます。
――大変ながらも、楽しさ、やりがいもあると思いますがいかがですか。
やっぱり難易度の高い案件を受注できたときは単純に嬉しいですし、「山田さんには本音で話しやすかった」というようなコメントをいただくのもとても嬉しいです。「まずはスモールで入れて、全国展開するために頑張りましょう」と先方が言ってくれることもあり、お客様が自分ごととして考えてくれていることを実感する瞬間です。
多忙な業務の合間に雑談をすることも
――山田さんが思う、「ClipLineに合う人」「一緒に働きたい人」は、どのような人ですか?
前向きな人がいいですね。ダメだったことを周囲や誰かのせいにしてしまうと、その先の話ができなくなってしまうので、前向きに振り返りができる人がいいなと思います。
あとは社内の雰囲気を明るくしてくれるキャラクターの方だと嬉しいですね。別に社内が暗いわけではないのですが、弊社はベンチャーにしては落ち着いた雰囲気の会社なので、明るい方が加わると、また雰囲気が変わっていいんじゃないかなと思います。
――今後入ってくる方は、山田さんとはどういう関係性になるのでしょうか。
私の立場はチームリーダーという名前ではあるんですが、やっていることは誰かのマネジメントではなく、自分の数字を持っている+営業企画みたいな仕事なんですよ。なので、チームメンバーを見るマネージャーが別にいて、斜め上に私がいるというイメージになります。ユニークなポジションなので、立場を活かすべく今は足元固めをしているという感じですね。
――山田さんは大手企業から新しい世界に飛び込んできた転職者ですが、どのような方が上手くいくと思いますか?
SaaS企業はシンプルなサービスをやっているように見えますが、当社は提案する業界が広いので、お客様によって使い方の提案、カスタマイズの提案をする機会が多いんです。そのコンサル営業っぽさを楽しめる人でなければつらいんじゃないかなと思います。社内の関係者も増えるので、社内を巻き込みながら推進するスキルがある人もいいですね。
あとは、お客様を引っ張れる力のある人。私たちのお客様であるサービス業は必ずしもITリテラシーが高い方ばかりではない業界です。現場では非正規で働いている方が多く、業態によっては高齢の方もいらっしゃいます。そういった状況を踏まえて変化を起こす働きかけをする、プロジェクトマネジメントみたいなことができる人が楽しめる仕事だと思います。
――山田さんの今後の展望をお聞かせください。
大手企業の営業に特化してさらにスキルを伸ばし、「自分の得意領域はここです」と胸を張って言えるようになりたいです。もともと大手にいたからこそ知り得る雰囲気や中身を活かしたいなと思っているんですね。
また、営業組織全体としては、購買体験をよりよくできるようなプロセス改善を行っていきたいです。お客様の目線に立つと、余計な商談など挟まず、自分たちで効率的、合理的な購買ができるような姿を望んでいると思います。
それにはプロダクト力も必要ですが、少なくとも営業活動としてストレスの無い体験を与えられるような組織作りに貢献したいです。特に大手企業様では、企業内の複雑性も非常に高いので、一緒に壁を乗り越え、意思決定を後押しできるような存在であることが求められると感じています。
自分自身、またチーム全体でもそうした存在になれるように、引き続き経験を積んでいきたいと思っています。
社員インタビューはこちらでもお読みいただけます。
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