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礼文島で、新たな一歩。最果ての島で挑むリブランディング | 礼文観光ホテル 咲涼 西村大樹が語る未来

私たちはこの春、礼文島(れぶんとう)の観光を支えたホテルを「礼文観光ホテル 咲涼(さりょう)」としてリブランドし、新たな島の魅力づくりに取り組みます。

礼文観光ホテル 咲涼(旧:三井観光ホテル 以下、咲涼)は日本最北の有人島・礼文島に建つ、客室数全100室のホテルです。
今期の三井観光ホテルの運営に尽力し、現在は来期の開業に向けた準備を進める総支配人の西村大樹さんに、リブランドにかける想いをお伺いしました。

礼文島は、稚内市の西方60キロメートルの日本海に位置する最北の離島です。利尻礼文サロベツ国立公園の中でも約300種類の高山植物が咲く「花の島」と呼ばれています。ウニやホッケなどのグルメや登山・トレッキングなど、楽しい時間をお過ごしください (引用:礼文観光協会HP)

-今回礼文島でのお仕事になりますが、西村さんはこれまでも北海道に長くお住まいなんですか?

出身は北海道の札幌市です。
子供の頃から鉄道が好きで、新卒ではJR北海道に入社しました。当時はいわゆる「乗り鉄(※乗るのが好きな鉄道ファン)」でした(笑)

鉄道の車両検査等を担当する部門に配属になり、通常だとその後に運転士になるのですが、機械と向き合うことが楽しくて。
自分で希望して、そのまま十数年、機械の整備や検査業務を担当させてもらいました。その後、総務部を経験し、20年間ほどJR北海道で勤めました。そのあとトラックの運転手をしていた時期もあります。
また総務や人事関係の仕事に携わりたいと思い、ご縁があったのがホテル業界で、今年で8年目になります。北海道内、ニセコにあるホテルにも携わりました。

温故知新に入社したのは今年の4月で、従来のブランドとしてのオープン準備から携わってきました。現在は今期の営業を終え、来期のリブランドに向けた準備を行っています。

オンラインでインタビューに応じていただいた総支配人の西村大樹さん。
背景はホテルの正面から望む利尻富士だ。

リブランドプロジェクトの詳細

営業中だった2024年5月頃からリブランドに向けた案を出し始め、本格的な動き出しは8月頃からです。レストランなど館内設備の改装を進めるほか、ホテルの名称やロゴの変更、館内に使用するデザインの統一などに取り組んでいます。

咲涼のリブランドを進めるにあたっては、まず複数のデザイン事務所からホテルの名称と新しいロゴの提案を受けました。今回、礼文のリブランドをお願いすることになったデザイナーの方は北海道を中心に活動されていて、礼文島にも来たことがあり、島の雰囲気や、地域性を知っている、というのも決め手の一つでした。

-「咲涼」という名前はどうやって決まったんですか?

最初は、デザイナーさんから別の名前の提案を受けていました。
その案も検討しつつ、より礼文島の魅力を伝えられるよう、リブランドに関わるメンバーで話し合いました。
最終的には、「涼彩(すずいろ)」と「咲涼(さりょう)」の2択になり、代表松山の一声で「咲涼(さりょう)」に決まりました。

礼文島は「花の浮島(うきしま)」という別名を持つほど種類豊富な高山植物が咲く、珍しい植生を持った島です。また、夏でも平均気温が低い礼文島の涼しい風をお客様に感じていただきたい、という思いがこもっています。※8月でも平均気温は19.7℃。20℃を超えない涼しさです(気象庁発表)

咲涼の新しいロゴがこちら。
礼文の花と風をモチーフにし、新名称に込めた想いを反映している。

-来期に向けた改装で、特に力を入れる部分を教えてください

まずは今年の4月に一部の客室をリノベーションしています。
壁紙の変更や、窓際のテーブル設置、礼文の植物をモチーフにしたタペストリーの設置など、一つ一つは小さい変化ですが統一感のある部屋に仕上がったと思います。

壁には礼文の高山植物が描かれたタペストリーが掛かる。
客室の窓からは、利尻島にそびえる利尻富士を眺めることができる。

またレストランには、今回の改装で一番大きな工事が入る予定です。今シーズンまでは会席料理を提供していましたが、来シーズンからはブッフェスタイルの夕食を提供します。
これは島の課題でもありますが、常に安定して同じ食材が手に入るわけではありません。ただ、その時々で手に入る礼文島の最高の食材を召し上がっていただきたいと思っています。

-来期に向けての目標はありますか。

今年は温故知新として、初めて運営に関わった年でしたが、本当にたくさんのお客様をお迎えすることができました。
9月には「利尻礼文サロベツ国立公園」が国立公園指定50周年を迎え、柴咲コウさんがYouTubeチャンネルで礼文島を紹介してくれたり、旅行会社から取材を受けたりと、礼文島が注目を浴びた年だったと思っています。

今期はツアーのお客様に多く利用していただきましたが、来期以降はより広い層の方に礼文島を知っていただき、足を運んでいただくことが一つの目標です。

また、地域に根差した開けたホテルにしたいという目標を持っています。
まずはレストランや日帰り温泉の開放など、地域の方に足を運んでいただけるきっかけを作れるように計画しています。

そして、近くのホテルや事業者さんとの連携にも積極的に取り組みたいと考えています。一つのホテルではできないことも、複数のホテルが協力することで費用や負担を抑えて実施できると考えています。
近隣の方々と良い関係を築き、広い視野を持ってこれからもホテルを運営していきたいと思っています。

ホテルのスタッフも参加した、地域のお祭りの様子

-訪れるお客様にはどんな体験を提供したいですか?

礼文島は色とりどりの花が至る所に咲き、思わず立ち止まってしまうような美しい景色が広がる島です。礼文島に来て草木を眺めて雄大な自然の中で過ごす。

そしてホテルでは普段味わうことのないような料理や、礼文島での体験を楽しんでもらい、礼文島の景色を眺める。この環境で過ごすことで、私自身心を休めることができたと感じています。全身で礼文島を満喫し、気持ちを緩めるような時間を過ごしていただければと思っています。

また、そのお客様をお迎えするスタッフにも、雄大な自然を感じて、穏やかな心と広い視野を持ってお客さまをお迎えしてもらいたいと思います。今年はとにかく忙しかったので、2025年は、スタッフが全力で働き、全力で遊ぶ。この切り替えができるよう大事にしたいと思っています。

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