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Wantedly 創業時からの歩みやバリュー、会社のあるべき姿を、創業者自身の言葉で綴ったメンバー向けハンドブック「Wantedly Culture Book」。2015年の初版から内容をアップデートし続け、カバーは毎年新しくデザインしている。
2023年版のカバーデザインを担当したのは、2022年9月に新たにコミュニケーションデザインチームに加わった浅野光明。この記事では「Wantedly Culture Book 2023」のデザインやコンセプトについて解説していきたいと思う。
これまでの歩みを表す「年輪」
2023年のデザインコンセプトは、様々なアイデアやモチーフを検討した結果
「Growth Rings(年輪)」となった。
Wantedlyのこれまでの歩み=軌跡を年輪として表現。1年に1本ずつ刻まれる年輪は、積み重ねられた歴史の象徴であり、年輪を見ることでこれまでの生長過程と生きざまを知ることがきる。
カルチャーブックを通してWantedly 創業時からの歩みと、Wantedly Values を含む、会社のあるべき姿を知ってほしいという想いが込められている。
▲不均一な自然の曲線が、13年間のWantedlyの歴史を表しつつ、今後の展開を予感させる。
デザインフィロソフィ「知的・大胆・洗練」の体現
最初の提案段階では、年輪に曲線がある分、タイポグラフィはシンプル。クラフト紙でストレートに自然な木の風合いを表現した案など複数あった。
一方、Wantedlyのデザインフィロソフィは「知的・大胆・洗練」。もっと“大胆さ”を出そうと検討を重ねた結果、タイポグラフィは可読性と凹凸のバランスを見て、読めるか読めないかギリギリのラインを攻めた。ベース色には黒を採用することで、昨年までのデザインとのつながりを持たせつつ、年輪部分のエンボスを強調し、これまでにはなかった有機的な印象を前面に打ち出した。
「紙を2枚重ねる」という新しい試み
制作において特にこだわったのは、年輪の重なりを表現するエンボス加工のクオリティ。
用紙は厚ければ厚いほどしっかりとエンボスがかかるが、今回使用している自然な質感をもつレザック66は一番厚いものでも260kg。
その厚さでは理想の凹凸が出ないため、他の分厚い用紙の採用も検討したが、理想の質感・厚み・価格のバランスで検討した結果、最終的には175kgの紙を2枚張り合わせることで350kgの厚みを実現した。
ただ、エンボス加工を強くすれば、今度は版ズレが目立ってしまうなど実際に加工してみるまでわからない部分も大きく、最後は印刷工程に立ち会って調整を進め、理想的な質感になった。
「Wantedly Culture Book」は、社内メンバーは勿論、関係者やカンファレンス等のイベントで社外にも配布される。入手された際は、素材やデザインのこだわりとともに、Wantedlyデザインチームのフィロソフィを感じとっていただきたい。
過去に手がけてきた「Wantedly Culture Book」のデザインは、下記記事でご紹介しています。
2019年「宇宙食」
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/157855
2020年「星雲」
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/221365
2021年「闇を切り裂く光」
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/407900
2022年「モノリス(SF映画『2001年宇宙の旅』に登場する謎の石板)」
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/464404