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プロダクトの執行役員!?テックリードが考える「全員CTO」の環境

ネクストビートのテックリードの森川さんに、2023年4月に制定されたTech Vision「全員CTO」について、インタビューを実施しました。

「全員CTO」の詳細に関してはこちらをご覧ください。

森川 慎也
新潟大学理学部を卒業後、SES企業に入社し金融系の伝送システムの開発に従事。設計から保守運用にかけての一気通貫でのシステム開発を担当。
2020年11月からネクストビートに入社し、保育士バンク!コネクトの開発を担当し、2022年3月からテックリードを務める。

「全員CTO」というTech Visionについてどう感じた? 

第一印象として、ビジョンの大きさと責任の重さに圧倒されました。

私は、保育施設向けの業務支援システム(保育士バンク!コネクト)のテックリードとしてプロダクトをリードする立場ですがCTOを具体的にイメージできていませんでした。

今回のTech Visionとして「全員CTO」を目指すという話を聞いたときに、自分事として捉えることでCTOについて考える良い機会となり、少し高い視座で仕事ができるようになりました。例えば、保育士バンク!コネクトの開発で機能改善の施策があったのですが、要件定義の段階で機能がかなり膨らんでいました。

そこで、本当にユーザーが求めている機能であるか突き詰めて考えてみたところ、そこまでリッチな機能は必要ないのではと考えるようになり、ビジネスサイドと意見交換して機能を絞ってリリースし、空いた時間で別の施策を進めるようにしました。

機能開発をしていると、あれもこれもと機能を詰め込みたくなり、実際にユーザが求めてる機能と乖離することが起こりがちです。ユーザの目線に立って本当に必要なものを考えることで、あえて機能を減らしてリリースし、他の価値提供に時間を使うという行動ができたのかなと思います。

また、個人的な見解になりますが、AI時代のエンジニアの生存戦略として、開発をするだけではなく、様々な方法で不確実性を下げる力や、意思決定をする力が重要になってきていると考えています。

「全員CTO」のTech Vision は時代にマッチしており、これを目指すことにより成長できると感じています。


「全員CTO」を目指す組織って、どんな環境?

プロダクトの執行役員

CTOとして責任感を持ってやり切ることが重要だと感じています。

裁量をもって仕事ができるということはそれだけ責任が伴うものです。CTOとなると会社を背負うレベルですね。その責任を全うするためには自分ひとりの力では現状では無理なので、スキルアップを前提に周りを巻き込みながら行動していきたいです。

現在担当している保育士バンク!コネクトでは、セールスチームやカスタマーサクセスチームの全メンバーが、より多くの人にプロダクトを知ってもらいたい、使ってもらいたい、という思いで全力で業務に取り組んでいます。

その姿を見て刺激を受け、開発チームとしてよりプロダクトを良くするためにはどうすれば良いかということに真摯に向き合う必要があると強く感じます。

例えば、保護者向けアプリに連絡帳機能を実装したときに、ユーザの課題を把握するために、プロダクトをよりユーザに近い位置で理解する必要がありました。

運用フローや課題についてセールスやカスタマーサクセスチームに相談すると、迅速にユーザインタビューを設定してくれました。このユーザインタビューを通じて、現在の紙での運用フローと課題を見つけることができました。

また、より早い段階で成果物のフィードバックを得るために、社内に保育業界の経験を持つ人々を集め、エキスパートレビューも開催しました。

この取り組みにより、早いタイミングでのフィードバックを受け取ることができました。現在でも、定期的にエキスパートレビューを行っています。

これらの経験から、プロダクトを改善するためには受身の姿勢ではなく、自ら積極的に働きかける姿勢が必要であるということを感じました。顧客のニーズを理解するだけでは十分ではありません。それを実現するために必要な取り組みや調整を行うことも重要だと感じるようになりました。

品質だけでなく、コストやスコープについても常に考慮する必要があります。プロダクト改善と競争力を維持するために、これらの要素をバランス良く考慮しながら取り組むことが求められます。

保育士バンク!コネクトを会社だと捉えたときに、その執行役員のつもりで仕事に取り組むイメージです。その責任感の中で、仕事をすることが自分自身の成長にもつながっていると考えています。

プロダクトファーストのためにできることは何でも取り入れる

弊社のミッションは、「人口減少社会において必要とされるインターネット事業を創造し、ニッポンを元気にする」ことです。このミッションを達成するためには、プロダクトの力によって事業を前進させることが不可欠です。

例えば、スクラム開発や仮説検証など、プロダクトの価値向上につながる取り組みがうまくいっているプロダクトがあれば、すぐにミーティングを設けて勉強会を開催します。ホストとなるプロダクト担当者も、ノウハウを広めるために全力を尽くします。これにより、全社的な生産性向上につながります。

また、開発ツールの導入など、生産性向上に向けたスピード感も同様です。E2EテストツールのmablやGitHub Copilot for Businessの導入など、周囲を巻き込みながら最短距離で進める環境は非常に良いと感じています。全員が事業を見据えつつ、プロダクトの価値向上を重視しているため、実現可能なことだと考えています。

「全員CTO」を目指す上でのプロダクトや組織の課題とは?

データに基づく意思決定

開発組織として、定量的に計測可能なデータに基づいた意思決定が必要だと思います。

定量的なデータにも様々な種類があり、大きく分けて3種類の指標があると思います。プロダクトのKPIに基づくもの、スクラムにおけるチームパフォーマンスに関連するもの、DevOps文脈の指標などです。その中で組織として活用できていないと感じるものは、スクラムの指標とDevOps文脈の指標です。

スクラムの指標については一部のプロダクトでは積極的に活用できていますが、全てのプロダクトで活用が進んでいないため、できているところから横展開していきたいです。

DevOps文脈の指標については、そもそもまだ計測基盤すら整っていないのでモニタリング基盤の整備から進めていきたいですね。プロダクトの価値提供を加速させるためにも、定量的に計測可能なデータを活用して、チームのパフォーマンスを見える化し、改善するサイクルを回せるようにしなければならないと感じています。


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