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「リファラル採用の数だけ物語がある」ということで、「誘った人」と「誘われた人」の想いを詳らかにするインタビュー企画『マイリファラルストーリー』の第3回目は、「元同僚」です。これだけ聞くと普通な気もしますが、やはり想定を超える関係性と物語がそこにはありました。
登場人物紹介
インタビュイー
高橋陽一(写真左から2番目)/マネーフォワードビジネスカンパニー CS本部 本部長/2015年4月入社
⇒3人を誘った人
野崎 敬吾(写真一番左)/マネーフォワードビジネスカンパニー クラウド横断本部 横断グループ リーダー/2015年9月入社
深澤 雅春(写真右から2番目)/マネーフォワードビジネスカンパニー CS本部 クラウドサポート部 副部長/2015年10月入社
堀部 厚妃(写真一番右)/マネーフォワードビジネスカンパニー 事業管理本部/2018年12月入社
⇒高橋に誘われた人
インタビュアー
大崎淳/人事本部
前職が一緒だった4人。その濃くて不思議な繋がり
ーー本日はよろしくお願いします!みなさん前職が一緒とのことですが、あらためて関係性を教えてください
高橋:かなり最初から話した方がいいですよね。僕は結構本気でバンドとか楽曲制作の仕事をやっていたんですが、思ったように売れない日々の中で紆余曲折ありまして。ある日、別のバンド仲間が来て、「お前も結婚して子供いるんだからこんなことしてたらダメだ。俺のところに来い!」って連れて行かれたのがインターネットサービスプロバイダーのコールセンターで、それがCSとの出会いでした。で、初日の研修を担当してくれたのが深澤さんだったんです。ちなみに、後に一緒にバンドもやることになります。
深澤さんが僕の上司で僕はメンバーだったのですが、当時のその現場はマネジメントがうまく機能していなくて、結局、半年くらい経った頃から僕と深澤さんの二人でマネジメントをしていくことになりました。
深澤:懐かしいね。野崎さんはどんな経緯でしたっけ?
野崎:僕は同じ会社の別の現場で働いていたんです。ある日、当時の上司から「ヤバイ現場があるから頼む」って言われて行った先に、深澤さんがいたんですよね。そのとき高橋さんは何していたんだっけ?
高橋:深澤さんと出会った現場が終わり、フリーでいろんな仕事をしながら生きていたんですけど、東日本大震災でほぼ全案件が止まっちゃったんですよね。「これはまずい」ってなって、同じバンドをやっていた深澤さんに大至急電話して、「何でもやるからとりあえず今の現場に入れてくれ」ってお願いしたんです。そうして入れてもらった現場に野崎さんがいた、というのが出会いです。
野崎:出会った当時の高橋さんはすごい髪形をしていて、正直不安でしたね(笑)「大丈夫かな、この人?」って感じだったんだけど、話すとすごく分かってくれるし、僕が思っていることを代わりに全部言ってくれるから、「全部任せちゃった方がいいや」と思ったんですよ。
高橋:その後、その現場が収束して、また別の現場に異動して管理職的なことをやっていたときに堀部さんと出会いました。ここでやっと4人が繋がります。
堀部:高橋さんが上司で深澤さんがリーダーみたいな感じで一緒に働いていました。すごく真面目な管理者の人が辞めて、後任で来たのが高橋さんだったんですけど、タイプが真逆すぎて。「え!?すごい人来たな」ってザワザワしていました(笑)
正直1週間ぐらい様子をうかがってたら、マニュアルを1週間ぐらいで考えて作ってくれて。業務の効率化とかを推進できるめっちゃすごい人だなと、印象が変わりましたね。
バンドも仕事も「このメンバーだから一緒にやりたい」という気持ちは同じ
ーーここから本題のリファラルの話に移ります。一緒の現場で仕事していたから、お互いの仕事ぶりについては知っていたんですか?
高橋:そうですね。最初に僕がマネーフォワードに入社して、半年ぐらいかな。「CSの電話チームには絶対深澤さんが必要だ!」て思いまして。それで、いきなり面談だと緊張するだろうと思い、当時CSを管掌していた取締役の瀧さんに居酒屋でカジュアルに会ってもらったんです。なのに、深澤さんなぜか終始無言だったんですよ(笑)
会食が終わった後、瀧さんが案の定「ちょっと心配ですね。。高橋さんはどう思っていますか?」と。僕は深澤さんのCSでの働きぶりをよく知っていたから、「CSをやらせたら本当にいい仕事をするので信じてください!」という話をした記憶があります。
深澤:なつかしい!...ちょっと脱線しますが、僕も高橋さんも音楽が好きでバンドをやっていましたけど、バンドって誰とでも楽しいというわけではなくて、やっぱり「このメンバーだったら一緒にやりたい」みたいなのがあるんですよね。その感覚は仕事でも同じで、それこそ高橋さんがいて、野崎さんも入社するかもしれないことを知って、それまで転職は全然考えていなかったけど、「ぜひ話をさせてください」って僕から言って、瀧さんに会わせてもらったんです。なのに、全く喋らないっていう(笑)ホント、よく採用してもらえたなって思います。
野崎:僕は当時誘われたときのことを思い出すと、いきなり高橋さんから「話があるんだ」と連絡をもらって。「近くの居酒屋にいるから来なよ」って言われて行ったら、取締役の瀧さんと高橋さんと僕の2on1みたいなのが急に始まったんです。
高橋:突然、採用面談が始まったよね。
野崎:瀧さんから「社名を聞いたらめっちゃ怪しい会社だと思うかも知れませんが」って言われて、会社名聞いたら「マネーフォワード」。「めっちゃ怪しい会社やん!」って正直最初は思った(笑)
でも「残業も現職ほどはないし、きっちり仕事をすればちゃんと帰れる。ひとまずはCSで電話対応をやってもらいたい」って言われて。当時転職は考えていたんですけどキッカケがない状況だったから、声をかけてもらったことで「じゃあチャレンジしてみようかな」と考え始められたんです。
高橋:当社に入社する前の野崎くんの仕事が相当大変そうだったというのもあるけど、CSも営業もマネジメントも野崎くんは何でもできると知っていたから、きっと当時の当社のフェーズで活躍すると思って声をかけました。
野崎:でもCSとして入社したら、1週間くらいで新規プロダクトを立ち上げる部署に異動になってビックリしました(笑)
高橋:CSの研修もほぼできていないうちに他部署からの一本釣りで。。でも前述の通り、野崎くんには何でもやってた経験とできる能力があったから、CS以外の部署から白羽の矢が立つのも納得でした。
信頼できる相手だからこそ、自分のチーム以外にも推薦できた
高橋:それからしばらく時が経って、社内に新たにBPR(Business Process Re-engineering)の部署ができることになったんです。新しい部署で、社内外から人を集める必要があった時に、真っ先に名前が浮かんだのが堀部さんでした。
ーー高橋さんが自分の部署に二人を誘うのは分かるんですけど、なぜ他部署に堀部さんを誘ったんですか?
高橋:理由は2つありますね。1つは仕事ぶりを知っていて、適任だと思ったこと。そして、何よりメンバーとの相性が良さそうだと思ったんですよね。推薦した部署は、ベンチャーにありがちなカオスな状況を「このままではいけない」とコツコツと1つ1つ整えていくことがミッションだったから。
ーー前職で一緒に働いた経験と、現職の課題やメンバーの特徴の両方がないとできない想像ですね
高橋:そうですね。一緒に働いていた前職は結構ハードな環境の会社でしたが、堀部さんはそんな中でも目の前の課題と誠実に向き合ってコツコツと業務を進めていて、感心していたんです。だから当社のBPRもやることいっぱいで大変だけど、逆にちょうどいいというか、活躍するイメージが湧いたんですよね。あとその部署の上長やメンバーとの相性も良さそうだなという部分も強く意識しました。
どんな優秀な人が入ってきても、結局メンバーとの相性が良くないとその人も組織もパフォーマンスが発揮されないので、そういう意味でもちょうどフィットすると思ったのが大きいです。そういう意味では、先ほど深澤さんが出していた「バンドは誰とやるかが大事」という話と近いですね。
ーー堀部さんは、声をかけられた時、前職が同じ人達がいるというのは知っていたんですか?
堀部:知ってました。何なら深澤さんが採用会食の場で無言で鳩胸アピールしていたことも知っていました(笑)
深澤:鳩胸アピールって(笑)
堀部:高橋さんがいる会社に深澤さんが転職するのもリアルタイムで知っていましたし、転職しても応援していました。
ーー先に3人が入社していることを知って安心する気持ちもありましたか?
堀部:それはやっぱりありますね。あの3人が働きたいと思える会社なら、間違いないかなっていう気持ちはあったと思います。私はもともと『マネーフォワード ME』のユーザーだったので、高橋さんが転職するときに「どこ行くんですか?」「マネーフォワードって知ってる?」「私、使ってます!」みたいな会話をした記憶があります。
実は声をかけてもらえた当時、年齢的に自分の人生を見つめ直していて「転職しようかな」とぼんやり考えていて。「高橋さんのところいけないかな」と選択肢のひとつとして思っていたりもしました。
ーーとてもいいタイミングで声がかかったんですね。
堀部:そうなんですよ。イチから新しい会社を探すよりも、サービスも会社も知っているし、上司だった深澤さんも入社しているので、会社に対しては不安な気持ちはなかったです。3人が転職した当時から2年近く経って順調に成長していて、上場してCMをやっていたのも大きかったのかなと思います。
ただ、前職での居心地は良く上司や同僚の方々にはとてもお世話になっていたので、決断と引継ぎに半年ほど時間をいただきました。
リファラルはタイミングと、お互いWin-Winになれることが重要
深澤:そういえば誘われた野崎さん自身はリファラルの活動をしているんですか?
野崎:正直できていないですね。自分の部署に必要な人はエンジニアとかデザイナーが多いんですが、過去の人脈を辿っても全然いなくて。どちらかというと、CSみたいなビジネス職で人欲しい!ってなったら、知り合いにいっぱいいるのにな~とかは思うことはあります。
――その話、人事として解決したいんですが、「こうしてほしい」といったアイデアがあれば教えてください!
野崎:やっぱりプッシュされるのがいいかな。「周りにこういう人いないですか?」って言われたら考えますよね。自分の部署のことは普段から考えているけど、プッシュされないと探そう!という温度感にはなりにくいですよね。なので、高橋さんが堀部さんを誘ったエピソードには感心しました。
高橋:リファラルはタイミングってすごい難しいと思うから、結局、長い目で見ることを前提に声かけしないと実現できないケースが多いです。誘いたい人って優秀だから、得てして現職でも評価されていてなかなか抜けられない状況になっていることが多くて、ピンポイントで今!って意外と難しい傾向はあると思います。
野崎:それはそうだね。1年ぐらい前にエンジニアの知り合いに声かけたんですよ。「うちどう?」って。その時は話をして終わったんだけど、最近「まだ募集してる?」みたいな連絡がきました。
高橋:ちなみに、先日リファラルで入社してくれたメンバーは、3年前から誘い続けてました!
一同:すごい。
高橋:1年に1回は情報交換目的で食事に行ったりしながら、そのたびに口説き続けて。うちの事業にとって、彼が来てくれたことはすごく大きいと思います。
野崎:本当にタイミングってあるよね。僕もそうだったし、堀部さんの話もそうだし。
――タイミングも含めて縁ですし、その方が転職を考えた時に、当社のこと、あるいは声をかけてくれている当社の社員のことが想起されるかどうかですよね。それは、関係性によるところも大きいように思います。
高橋:あと、リファラルで意識しているのは、当社と誘われる方がwin-winであることかな。その方が入社することで当社の課題が解決される期待があるのはもちろんだけど、キャリアにプラスに作用したり、やりがいを持てたり、働き方が改善されたり、その方にとってもメリットがあると思うから誘うようにしています。
――皆さん、ありがとうございました!やっぱりリファラルの裏側には人間模様や物語がありますね。
いかがでしたでしょうか?今回は、「元同僚」の関係性を取り上げました。
「一緒に働いたことがある」ということは、関係性が強固なものであればあるほど「誘う側」にとっても「誘われる側」にとっても、心理的ハードルを下げることに繋がっていることがあらためてわかりました。また、苦楽を共にした信頼できる仲間を、「この会社でまた一緒に働きたい」と思って誘えるような会社でい続けなければならないと強く思います。