注目のストーリー
創業ストーリー
<連載>書籍「世界で生きる」は、こんなにも面白い!ボーダーレス ④
第2章 ベトナムでの起業前夜空回りする日々2007年2月3日、ぼくはホーチミンのタンソンニャット空港に降り立った。大洪水のごとく押し寄せるノーヘルのバイク集団が、排気ガスまみれの空気をかき混ぜ、塵と埃が舞う。ヌックマムの香りが、汚れた空気と強い日差しと相まって東南アジアにやって来た感情を掻き立てた。ここから俺の新たな人生がスタートするんだ―そんな強い思いでホーチミンの地に足を踏み下ろした。ベトナムで起業する。その思いを胸にしていたぼくは、意気揚々としながらも少しの不安を抱えていた。とはいえ取り急ぎやることといえば、当面は知人の会社のお手伝い。まずはベトナムに慣れねばと、会社のサッカークラ...
<連載>書籍「世界で生きる」は、こんなにも面白い!ボーダーレス ③
前提を疑う 気づけば2006年、新卒で入社して3年目にあたる年を迎えていた。全力でやり切る一方、会社で働くのは3年間という期限を切っていた。いよいよ自分の起業プランを考えなければならない。当時のぼくは、相変わらずフランチャイズ本部の事業を立ち上げるべく商品企画やクレーム対応に追われる日々を過ごしていた。だから自身の起業のために時間と頭を使えていない日々に悶々としていた。空いた時間に書店に行き、事業計画の立て方のような本を読んでもイメージが湧いてこない。そんな焦りからか、本気で起業家になるんだ! 事業を興して社会にインパクトを与えるんだ!と奮起し、自身に発破をかけていた。一方で社会には鬱々...
<連載>書籍「世界で生きる」は、こんなにも面白い!:ボーダーレス ①
2023年3月25日、初めての著書となる「世界で生きるはこんなにも面白い~Borderelss~」を上梓した。2019年に、ふと思い立ちブログに書き始めた創業物語の目的は、これからICONICへ興味を持ってくれる採用の為と現メンバーへの社史の為という大きく2つだった。そのブログがスタブロブックスの高橋さんの目に止まり出版までに至ったのだった。折角なので、本書のプロローグから2章までを連載という形で公開したいと思う。より多くの方に目に止めていただきたいとの思いからである。今後も我々は世界で挑戦を続ける。その仲間を一人でも増やしたいとも思っている。ぜひ興味を持ってくれた方はお気軽に弊社に問い...
第9話 ICONIC創業物語 完結編
2019年7月にICONIC創業物語を突如書き始めた。第1話 そうだベトナムへ行こう!https://www.wantedly.com/companies/iconic/post_articles/179586創業から当時あったことを振り返り、ICONICのことを興味持ってくれる求職者の方々やその他多くの人に知ってもらうことが大きな目的だった。書き始めるとどんどん分量が多くなっていきなかなか終わらない。書くことが多いし誤解を与えたくないのである程度慎重に書いてきたので時間もかかる。本ポストを上げる2022年12月30日にようやく完結編を出しているくらいだ。しかし、予めお伝えするが本ポスト...
第8話 成長と多角化と組織崩壊と
2010年代に入り、進出企業のメインだった製造業に加え、ITやベンチャー企業のベトナムへの進出が目立つようになってきた。慢性的に続くITエンジニア不足から、若く優秀なプログラマーの多いベトナムに白羽の矢がたったのだ。オフショア開発とよばれ、ソフトウェアやWEB・アプリの開発を受託する企業から自社のITサービスの開発する企業・大中小問わず様々な企業がこぞって進出してきた。30歳になりようやく右左がわかってきた頃だった。ITベチャー企業の経営者の多くも30代前後の同年代で熱量を持った優秀な経営者との知り合いが加速的に増えていった。ベトナムに進出する際に、ベトナムや人材、そしてマネジメントのこ...
第7話 ハノイへの事業展開
創業2期目を終える頃には日本人社員第一号も加わり、社員数も10名弱まで増えてきた。2期目も相変わらず必死に自ら動き案件を回す日々が続いていた。社長とは名ばかりで、営業担当兼キャリアアドバイザー兼営業マネージャー兼経理担当兼責任者であった。損益計算書で黒字にするために如何に経費をかけない体制を整えるかの典型的なパターン。1人で多くの役割をこなし続けていると問題に対しての対処が弱くなるのであった。記憶に残りかつ伝えられるような話で辛い事件がこの頃はじめて発生した。1人何役もやっていたが故の問題である。人材紹介ビジネスは典型的なBtoBtoCのビジネスである。転職希望者(C)を企業(B)に紹介...
第6話 ホーチミンでの創業 ココロの葛藤編
〜第6話 ホーチミンでの創業 ココロの葛藤編〜来る日も来る日も求人案件獲得に走る日々。文字通りバイクで営業をかけるために駆けずり回っていた。事業は、戦略を描き、日々の事業数値を洗い出し、課題点を発見し、PDCAを回す。しかしこんな定石通りになんて出来ていなかった。オーナー経営者によくある話だが、数字を細かく出すよりも1件でも案件獲得、成約につながる営業活動を優先するため時間もお金も避けない。事業を進める上で、レビューや問題点を指摘してくれる上司も投資家もいない。自分のやっていることが正しいのか間違っているかもわからない。とにかく走った。当時はメンバーのマネジメントも全くしていなかったと思...
【まとめ全編】ICONIC創業物語
2007年にベトナム ホーチミンから始まった旅はまだ途中。創業物語のまとめ集となります。第1話の序文初めにベトナムに住み始めて13年目、2019年7月12日に39歳になり30代も残り1年を切りました。20代後半、30代のほとんどをベトナムを始めとするASEANと共に歩んでまいりました。 ここ数年は、日本での事業を本格させているため、東京と行き来する生活の中で、日本とASEANを常に意識するという多重国人格?のような状態になってます。 本サイトでは改めて、これまでのASEANと日本で事業を立ち上げてきた中で感じたこと経験したことを綴っていきたいと思います。稚拙な文章になるかと思いますがよろ...
第5話 人材紹介事業のスタート 創業一年目
~第5話 人材紹介事業のスタート 創業一年目~そもそもベトナム企業に日本人材をマッチングするといったハードルの高いところから行うのではなく、日系企業に日本人を紹介しようと方向性を少し変えた。当時、既に5-6社はホーチミンに、日系人材紹介会社が存在していた。自分自身に、人材紹介業の業務経験がなかったため、何かのポイントを尖らせないと生き残ることができないのではと想定し、「日本人材に強みを持つ人材サービス会社@ベトナム」でコンセプトを持つことにした。コンセプトが固まったので、早く実践に移すために、日系企業向けにアポを試しに取ってみた。最初に取れたアポが日系の製造業だった。製造業は郊外の工業団...
第4話:創業と結婚
~第4話:創業と結婚~2008年2月 テト(旧正月)に、横浜で結婚式をあげた。刺すような日差しの中で生活していたホーチミンから、真冬の日本へ。当日は小雪が舞うほど寒い日で、室外の庭園のバージンロードは薄着のウェディング衣装には堪えた。新卒で同期入社した彼女は、自分がベトナムに行く前に先立って、アフリカのウガンダに行っていた。彼女は子供の頃からアフリカが好きで将来はアフリカに関わる仕事がしたいと考えていた。実際に初めての単身海外旅行は、2000年頃にカメルーンに1ヶ月間宛もなくいったらしい。なんと激しい女子だ。その後、ケニアに半年間のNPOのインターンで働いた経験もある。そんな彼女は、大学...
第3話 ベトナムでの起業前夜
~第3話 ベトナムでの起業前夜~ベトナム書籍の企画で300社以上の企業訪問し、結果的に100社弱の参加を獲得することができた。その中の1社が、元日系ゼネコンで働いた技術者が立ち上げた内装・家具の会社だった。彼は日本向けに自身が製作する家具を輸出を企て、そのために日本人で品質管理や営業ができる人がいてくれたらいいのだが、誰か紹介してくれないかと尋ねられていたのだった。日本人技術者やビジネスマンを求めているベトナム企業が存在するというニーズを知った瞬間だった。そもそも、社会にインパクトを与えるんだと言う思いを持ち始め起業家を志した。社会に影響を与えるためにはどうしたら良いのだろうか?ずっとこ...
第2話 ベトナムに単身やってきた
2007年2月にホーチミンのタンソンニャット空港に降り立った。大洪水の様に降り注ぐノーヘルのバイク集団が、排気ガスまみれの空気をかき混ぜ、塵と誇りが舞う。ヌックマムの香りが、汚れた空気と強い日差しと相まって東南アジアにやってきた感情を掻き立てた。「ここから自分の人生がスタートするんだ!」強い思いでホーチミンの地に足をおろした。ベトナムで起業するという思いを胸にやってきた自分は、意気揚々と少しの不安を持ちながらやってきた。とはいえ、取り急ぎすることといえば、当面は知人の会社のお手伝い。まずはベトナムに慣れなければと、会社のサッカークラブやホーチミン人文社会大学等の大学で行われている日本語ク...
第1話 そうだベトナムへ行こう!
初めにベトナムに住み始めて13年目、2019年7月12日に39歳になり30代も残り1年を切りました。20代後半、30代のほとんどをベトナムを始めとするASEANと共に歩んでまいりました。 ここ数年は、日本での事業を本格させているため、東京と行き来する生活の中で、日本とASEANを常に意識するという多重国人格?のような状態になってます。 本サイトでは改めて、これまでのASEANと日本で事業を立ち上げてきた中で感じたこと経験したことを綴っていきたいと思います。稚拙な文章になるかと思いますがよろしくお願いします。~そうだベトナムへ行こう~2007年2月3日、僕は単身でベトナムのホーチミンにやっ...