2023年3月25日、初めての著書となる「世界で生きるはこんなにも面白い~Borderelss~」を上梓した。
2019年に、ふと思い立ちブログに書き始めた創業物語の目的は、これからICONICへ興味を持ってくれる採用の為と現メンバーへの社史の為という大きく2つだった。そのブログがスタブロブックスの高橋さんの目に止まり出版までに至ったのだった。折角なので、本書のプロローグから2章までを連載という形で公開したいと思う。より多くの方に目に止めていただきたいとの思いからである。今後も我々は世界で挑戦を続ける。その仲間を一人でも増やしたいとも思っている。ぜひ興味を持ってくれた方はお気軽に弊社に問い合わせをしてもらいたい。あなたの世界への挑戦をICONICと共にしてもらえたら最大の喜びです。
前置きはこのぐらいにして、以下本編です。
どうぞ
目次
プロローグ 社会にインパクトを与えられる人間になりたい
第1章 そうだ、ベトナムへ行こう!
豆腐屋/前提を疑う/未来への扉
第2章 ベトナムでの起業前夜
空回りする日々/洗礼/ビジネスの種/目指せ鉄道王/孤独
第3章 人材ビジネスの立ち上げ
バージンロード/人生最強のアウェイ/観光初日の猛ダッシュ/ウガンダで感じたドイツ/創業と結婚/暗礁/創業1年目の地図なし旅/盲点/ベトナムにおける人材ビジネス/インベーダーゲーム/価値を生み出した瞬間/心の葛藤/人生の目的/土下座
第4章 多拠点戦略
事業成長への渇望/ヘッドハンティング/同じ釜の飯を食べた仲間/人材紹介事業が軌道に/JOBメディアへの挑戦
第5章 アセアン随一の人材マネジメント会社に
チャンスの前髪/アセアンで唯一無二を目指して/不安/若き才能が集まるベトナム/日本への逆輸入/苦渋の決断/新規事業の難しさ/奉仕の精神/組織人事コンサルというオンリーワン
第6章 組織崩壊
膿の大爆発/ミカン箱理論/屈辱/密告の手紙/組織崩壊での学び/インターン生の死
第7章 リボーンズ
~生まれ変わるたび、ぼくたちは強くなる~
次男の難病発症/阿吽の呼吸/お手伝いさんの重要性/静岡での学び/新型コロナウイルス/先を見通せない苦しさ/待てど暮らせど/先陣を切れ/潰れる会社とは/ピンチはピンチであり、チャンス/あきらめない限り、リビングデッドは存在しない
第8章 「世界で生きる」は、こんなにも面白い!
~エキスパッツ(Expats)の醍醐味~
めまぐるしく変わるベトナムの風景/バイクでの通勤風景/日本とアジアを行き来する生活の醍醐味/アフターコロナの世界/日本人として世界で生きる/異文化のスパイス/イミグランツとエキスパッツ/エキスパッツとして世界で活躍する力とは
エピローグ 希望に満ちたボーダーレス社会を創る
停滞から抜け出すために/こえるをうみだす
プロローグ「社会にインパクトを与えられる人間になりたい」
何かを目指していた。
それが何かわからないけど、何かになりたかった。
大学に入学して1か月、ぼくは早くも焦っていた。
なんか違う。
思っていた大学生活ではない。
もっと華やかで毎日が刺激に満ちて成長して、何者かになれる場所だと思っていた。
焦ったぼくは、高校から続けていたサッカーをやり直すのはどうかと体育会サッカー部に入部。
インカレにも出場するレベルのサッカー部で、ただのサッカー小僧には刺激的だった。
が、1年が経とうとする頃には、この場では活躍できない自分を理解し、退部。
ひとつの、挫折だった。
今でもサッカーをやっていた当時を夢に見る。
夢の中でサッカーをするぼくはいつもうまくいかず、悶絶しているのだ。
うまく蹴れない、うまく守れない。
サッカーをやめたぼくが始めたのが音楽。
ギターで曲をつくり、バンドを結成した。
一人で弾き語りをするためにバーに通っていた時期もある。
2年ほど活動したが、気づいた。
才能がない。
プロとしてやっていきたい情熱もない。
音楽をやめよう。
ぼくは何者なのだ?
そう思い始めていたとき、ふと思い立ったのが、海外だった。
そうだ、ぼくは海外に行きたいんだ。
英語を話せるようになりたかったんだ。
気づいたら、知らない世界に身を投じることに興味をもっていた。
中学生のとき、有志で行くオーストラリアホームステイ2週間の旅があるのを知った瞬間、「絶対行きたい」と思った。家族での海外旅行なども一度も経験したことはなかった。
知らない世界があるのならそこに身を投じたい。
初めて乗る飛行機が離陸する瞬間、興奮のあまり息が止まりそうだったのを昨日のように覚えている。
オーストラリアのメルボルンに着いたとき、「外国人ってやっぱり本当にいるんだ」と思った。
反抗期だった高校時代、学校を辞めて海外の高校に留学するべく親と交渉したこともあった。
自分の意志が弱く挫折したが、今でも後悔していることのひとつだ。
日本で、なんとなく大学生活を過ごしていたときに蘇ってきた過去の記憶。
ぼくは海外に行きたかったんだ。
知らない世界を見たかったんだ。
知らない土地で知らない人たちと触れ合い、刺激に満ちた生活を送るんだった
ではどこへ行く?
それはやっぱり、ニューヨークでしょ。
そんな謎の自己認識によりニューヨークへ。
飛行機のチケットを取り、一人ニューヨークに1か月ほど滞在した。
マンハッタン、タイムズスクエア、ハーレム、自由の女神……。
何者でもない自分には刺激的な魅惑の街ニューヨーク。
ワールドトレードセンターにも上ったのだった。
そう、あのワールドトレードセンター。
その半年後、まさか崩壊するとも知らずに街を満喫していた。
テレビの画面越しに映る、崩れゆくワールドトレードセンターを見て、人生の儚さ、社会の危うさを痛感した。
ぼくは何者なのだろう。
わからない。
でも、心の声を聞くと、知らない場所で知らない人たちと関わってみたい――そんな海外に対する好奇心が消えないのだ。
音楽をやめたとき、もっと長期で海外を経験してみたいと思った。
イギリスへ行ってみよう。
イギリスの大学で学んでみよう。
ぼくはリーズ大学に留学する切符を手に入れた。
また一人、イングランド北部ウエスト・ヨークシャー州の中心都市リーズに向かった。
マンチェスターと並び産業革命を牽引したリーズは古くから繊維業で栄えた街だった。
隣には古都ヨークもある。
イギリスの大学に留学したら何かを得られるかもしれない。
そんな淡い期待と好奇心に導かれ、やって来たリーズでの生活で感じたこと。
それは……「ぼくは何者なのだろう」
やはり見えないのだ。
何に挑戦したいのか?
何を成し遂げたいのか?
わからない。
しかし、ひとつだけ言えること。
それは、海外の知らない場所で見ず知らずの人と日本語以外の言葉で語り文化を感じるのは楽しいし、ワクワクするということ。
自分が何者かはわからないけど、純粋に楽しい。
アウェイでがんばる自分が好きなのか、単に異文化が好きなのかはわからない。
続く…
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