FoundingBaseでは半期に一度全社で合宿を行っており、「高めあい、分かちあう場」として半期・通期の表彰式を行っております。
本記事では、2023年度上半期Best VALUE賞を受賞した宮本さんにインタビューを実施!
2019年12月にFoundingBase にデザイナー第1号として入社。
現在は、”地域のLocal/Life/Like 三つの体験(Experience)をデザイン”する、
LXデザインチームにて、Leaderとして活動されています。
各拠点から制作物の依頼が上がってくる中で、現地に訪れたり、関係値を築く上で、
その地方の文脈を読み取り、FoundingBaseらしいデザインを作り上げています。
過去何回もチーム・個人共に賞にノミネートはされる一方で、受賞を逃されていました。
そんな中、今回、念願のBest VALUE賞を獲得した宮本さんに、仕事に向けた想いや、
これからのFoundingBaseでのデザインの考え方などに焦点をあてて、インタビューいたします。
■宮本さん
■インタビュアー
【百瀬】
早速ですが、Best VALUE賞の受賞おめでとうございます。
2023年度上期の中で最もMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を体現した人が選ばれるこの賞ですが、受賞の感想を教えてください!
【宮本】
表彰された時は本当に驚いたのですが、ただただ感謝の気持ちでいっぱいでした。
確かに、これまでチーム・個人合わせて何度かノミネートいただくことはあったのですが、
なかなか受賞まで一歩至らない状況が続いてました。実際にノミネートされた際も、受賞できるとは考えていなかったです。
葛藤を抱えながらもがむしゃらに皆さんの事業に伴走し、その先の地域のために走っていたら、
このように評価していただくことができて本当に嬉しく思います。
登壇時の様子
【百瀬】
登壇された際に、涙を流されていた姿をみて、結構僕自身グッときました。
今回、ノミネート者も多く、皆が皆、実績を出している人たちばかりでしたが、
改めて、Best VALUE賞を獲得するにあたって、評価されたポイントはどこだと感じますか。
【宮本】
アウトプットにどれだけ執着できたか、そして、仕組み化にこだわってチームを推進できたことがポイントだと思います。
これまで、LXデザインチームとしての強みやFoundingBaseらしいデザインについて、なかなか言語化されずにここまで来てしまったんです。
そこに対して、「LXデザインチームとしての価値はなんだろうか」という部分を何度も壁打ちをして固め、FoundingBaseらしいデザインの制作プロセスの確立や、仕組み化にこだわってチームを推進して、上司・チーム共に何度も擦り合わせや発信していきました。
そんな中で、「このチームはどこを目指していきたいのか」、という部分においては、
アウトプットを出し続けたと自負もしており、そういったことでは評価されたんじゃないかなと思います。
また、初挑戦となる新卒デザイナーの教育も積極的に行い、個々人で力を発揮してきたところから、デザイン組織としての強さを持てるようになってきたこともあるかと思います。
【百瀬】
なるほど! 組織の方向性を定めて、価値や仕組みを形にしていったことが、評価されたポイントなんですね。
言語化やプロセスの確立という部分は、かなり苦しい難しい業務だと思っていますが、何か特に難しかったことはありますか?
【宮本】
ありますね。ちょうど1年くらい前のタイミングで、一番葛藤していたと思います。
それまで私の中では、デザインはわかりやすく良いものをアウトプットすれば評価されていた世界でした。ただ、当時、上司との1on1のタイミングで、
「デザインチームは何がすごいのか?」
「まちづくりとどう接続しているのか?」
「どんな未来をチームとして描きたいのか」
というような、問いを投げられ続けたことが、一番苦しかったところだと思います。
なんとか応えなきゃいけないと思っていましたが、うまく言語化ができなかったんです。
でも、地域の方達やFoundingBase社員から過去に制作したデザインを通して町が変わったことを伝えていただいたりすることで、どんどん自分達のデザインの形が見えてきたんです。
それがやっと言語や形となって出てきたのが、この上半期でした。
作業風景
【百瀬】
非常に大変でしたね。「こんなデザインを作ってほしい」と言われれば、
最大限要望に答えることのできるデザインを作るというのが、
一般企業のデザイナーのイメージだったのですが、まったく向き合い方が違うことに驚きました。
そんな1年近く悩み続けてたどり着いた、「チームとしてどのような強みがあって、今後どんな未来を描くのか」というのを教えてもらっても良いですか?
【宮本】
もちろんです!
そもそも、LXデザインチームとしてありたい姿としては、その地域のいろんな文脈や風土、歴史、文化感など、ずっとその地域が積み上げてきたものをデザイナー自身が感じ取りながら、課題解決に向き合っていくことを大切にしています。
その中で、2つのカテコライズができると考えたのが、この表になります。
LXデザインチームが提供するデザインの2つのカテゴライズ
左側のカテゴリが、「変化の差分を見え易くするエッジの効いたデザイン」です。
感情の振れ幅が大きくなるような、「知らない」から「気になる」というような状態変容をさせることを目的としたデザインです。
右側のカテゴリについては、「ステーブルデザイン」とも表現しています。
その地に住んでいる人たちに対して、自分のまちの魅力を知ってもらうようなデザインです。
シビックプライドの醸成にもつながって、まちの魅力を再確認できるものとして作成しています。
こんな風に体系化できると、一つ一つ自分達の強みが見えてきました。
【百瀬】
こんな風に整理されてるんですか!
今は2つのカテゴリで整理されていますが、今後取り組みやできることが増えれば、
さらにカテゴリが増えていくかもしれませんね。
そうやって、FoundingBaseの武器が一つずつ増えていくと考えれば、今後もとても楽しみです。
ちなみに,先ほど、地方の方達からの意見や声とかもかなり影響を受けたということですが、
特に直近で、記憶に残っている取り組みやお声とかはありますか?
【宮本】
教育拠点なのですが、美祢市の観光マップを作成する取り組みですね。
minetoの子供達と積極的にオンラインで関わったのですが、
あくまで私は伴走で、子供達が町を知って、作りたいものを形にしてもらう取り組みでした。
基本的に、子供達がこの町のスポットを全部書いてくれたんですよ!
美祢市の観光マップ
【百瀬】
え!これ全部子供達が書いたんですか!?
スキルもバラバラなのに、こんな世界観がまとまるんですね!
【宮本】
そうなんですよね、すごいですよね!
ただ成果物もそうなんですけど、こういう機会を通して、「自分達のまちって何もないって思ってた。」「自分達のまち、面白いものめっちゃあるじゃん!」という子供達の声を聞けたことが、良い機会だったなと思いました。この制作を通して、子供たちのまちを見る目線が変わったことや、子供たち自身が魅力を再発見してくれたことが、本当に嬉しかったです。
こういった機会を通して、直接町の人と関わりながら、形にすることを、LXデザイナーチームとしてさらに増やしたいと思いました。
【百瀬】
まさしく、「地域のLocal/Life/Like 三つの体験(Experience)をデザイン」した制作物ですね!
色んなデザインを解説してもらいながら、僕としても聞いてて非常にとても楽しいです。
【宮本】
私も他のデザイナーも、まちづくりの活動に携わりながら、
デザインにも関わるというのは、LXデザイナーチームの強みだと思っています。
それに、どれだけまちの人と関係性を築き上げることや合意を取ることが大変かということは、
デザイナーもわかっていないといけないと思うんです。
町としての主張もあれば、現場の想いもあるので、
そのどちらも汲み取ることが大事なんだと思います。
東洋町観光パンフレット
安平教育フォーラム
【百瀬】
私も地方の現場で活動している身としては、本当に心強い言葉です!
ところで、少し視点が変わりますが、宮本さんはこの1年間マネジメントの経験を通して、取り組み姿勢や視座というところも変わってきていると思います。
楽しかった部分や悩んだ部分はありましたか?
【宮本】
基本的に未経験のデザイナーを1から育てるということが初めてでした。
スキルを教えるだけではなく、デザインの歴史やスタンス、向き合い方も教えながら、育成体制も作っていくことは大変でしたね。ただ、その分こうやって成長してくれるんだなと実感できて、
私自身のやりがいや成長にもとても繋がりました。
私が成長することよりも、メンバーが育って頼もしくなっている姿を見ることの方が、
とても楽しいと感じることができました。
新卒デザイナーが作成した大子町公営塾『ことのば』のロゴ
【百瀬】
デザイナーとしても人としても挑戦し成長し続けているんですね。
個人としても、組織としても宮本さんが今後やってみたいことはあるんですか?
【宮本】
今後は、中期経営計画にもあったようにシティプロモーション事業という大きな枠組みの視野を持ち、「広める」情報発信のフロー設計に貢献していきたいと思っています!
クリエイティブによって、FoundingBaseの取り組みを対外的に伝えていくための挑戦を繰り返していきたいです。 一人ひとりのデザイナーの個性や特性を生かしつつ、地域と密接に関わりながらアウトプットを生み出す挑戦機会を作っていきたいですね。
個人としては、色んなまちの発見されていない魅力や負の遺産になっているものを、
発掘して光を当て、町内の人に魅力に気づいてもらったり、そのまち自体が輝くような取り組みをしたいですね!
【百瀬】
今後、FoundingBaseの”まちづくり”をどれだけ知ってもらえるかのチャレンジですね。
同じ会社のメンバーとして、本当に心強いです。
これで最後の質問になりますが、今回の受賞を通して、
会社の他メンバーに対して伝えたいことはありますか?
【宮本】
皆さんがそれぞれの現場で創造する事業・サービス、またその先にある地域の存在は、本当に価値や魅力に溢れていると思っています!
FoundingBaseに入った当初から一貫しているのですが、LXデザインチームは、それぞれの地域の事業に伴走する形で各拠点のメンバーの"想い"をカタチにしていくこと、LXデザイナー側から主体的にアイデアや「問い」を投げかけて対話を繰り返していくことで、一緒にまちの未来を思考して共創していく横断チームで在りたいです。
人がどんな判断や選択をするかには、「感情」が大切な要素だと思います。
デザインには「感情」「感動」の部分に訴えることで、ロジカルに積み重ねることだけでは実現できない価値を可視化することができると信じています!
これからもこのチームが誰よりも遊び心をもって各拠点のコトを目に見えるカタチにし、感情を揺さぶることによって、知らない→関わりたいという変化を加速していける存在になりたいです。
共創可能性がありそうな時はフラットにどんどん相談いただきたいですし、こちらからも積極的に声かけさせてください!
【百瀬】
宮本さんありがとうございました!
まだまだ成長し続ける、宮本さんやLXデザインチーム。
今後も宮本さんのアップデートを心から応援しています!
改めてBestValue賞おめでとうございます!!