FACTORY|株式会社FoundingBase
先日リリースした、大学生のための2週間の地域実践プログラム『FactoryProgram』。 その後、多くの方に関心をお寄せいただき、とても嬉しく思っております! ...
https://foundingbase.jp/m/m770370b93c36
FactoryProgramとは、FoundingBaseの契約自治体に実際に滞在し、11日間の中で出されるMissionに取り組むことで自分と地域に向き合う、実践型のプログラムです。今回の舞台は山口県平生町。人口約1,1500人の瀬戸内海に面した、海がきれいな小さな町です。
今回は、山口県平生町の関係人口創出事業の一環として実施しました。
関東、中部、四国、九州など全国各地から集まった5名の大学生が、11日間平生町に滞在し、自分自身の課題にも向き合いながら、与えられた地域課題解決ミッションを遂行しました!
今回のミッションは、「平生町の関係人口を増やすためのツアーを企画し販売せよ」。ミッションクリアに向けて11日間を走り抜けました!
今回のプログラム11日間で大きく3つのことを実施しました。⑴平生町を散策する・体験する⑵地域で活躍する方々にインタビューする⑶ツアープログラムを企画する
平生町散策では、大星山の展望台、丸山海浜パーク、阿多田オリーブパーク、特産品センター、佐合島を訪れました。天気にも恵まれ、大星山の展望台では瀬戸内海の島々や遠くは九州・四国が望める圧巻の風景を堪能することができ、佐合島では予定はしていなかったのですが海水浴を楽しみました(笑)。
体験では、株式会社亜細亜物産のパパイヤ農園で青パパイヤの収穫体験、有限会社カーアシスト吉田の吉田社長には船を出していただき、たこ壺漁の体験をさせていただきました。参加者にとっては初めての、地域ならではの貴重な体験でした!
また、「どんな人がターゲットになりそうか」「何がツアーのコンテンツになりそうか」をチームで話し合い、自分達で仮説を立てた上で地域で活躍する方々にインタビューをさせていただきました。
インタビューでは以下8名の方にご協力いただきました。
①亜細亜物産株式会社 重冨貴保さん、大久保慎二さん
青パパイヤ栽培の農業事業や、健康食品の開発等に取り組まれています。
②ダイドックオーシャンカヤックス 原康司さん
シーカヤックやサップのツアー運営、子ども達を対象とした自然を通じて生きる力を身につける冒険学校の運営をされています。
③海辺の朱夏 岡村八重子さん
自宅の一部を雑貨屋さん・ギャラリーとしたお店を運営されています。
ひらお移住・定住ガイドブックp7参照
④カーアシスト吉田 吉田和人さん
自動車販売等を行っている会社の経営と個人で素潜り漁をされていて、採れた魚等はふるさと納税に出品されています。
⑤元平生町地域おこし協力隊 宮崎孝志さん
平生町地域おこし協力隊として平生町に移住し、卒業した現在も引き続きオリーブの栽培をされています。
⑥小田水産 小田佳希さん
平生町の水産加工会社で、いりこや害魚の加工・卸販売をされています。また、ハモを活用した食育活動にも取り組まれています。
⑦MizuiroInc.合同会社 城尾和博さん、城尾浩美さん
平生町で起業され、山口県広島県の素敵なお店を紹介する『大人のteatime』という雑誌や広告の制作をされています。
⑧イマジンウエストオーシャン 荒木昇治さん
平生町に移住し、レストランとゲストハウスを併設したライブハウスを経営されています。今回の参加者もこちらに宿泊させていただきました。
平生町の魅力や地域のリアルな話、ツアーのヒントとなる話や時に大学生の人生相談になったりと(笑)、とても充実した時間を過ごすことができました。インタビューの中ではたくさんのツアーのヒントをいただきました。
・「自然に関わると自分が見えてくる。過酷で不便な環境にいることでその人の本性が出てくる。人間がすごく見える。」・「何より人との出会いが人生を変えると思います。私もいろんなお客様から影響を受けました。」・「大変だけど、やりたいからやってる。とりあえずやってみたらいいじゃん。何でも協力するから。」・「田舎は豊かな自然があるし余白がある。のんびりした環境に依存すると田舎に飽きてしまうけど、作り手の人には最適な環境だと思ってます。」
⑶ツアープログラムを企画する
散策・体験、インタビューを通じて平生町を知った後は、本格的にツアー企画に取り組みました。最初に行い、そして一番時間がかかったのがペルソナの設定です。
ペルソナが詳細になればなるほど、感情移入して主観的な意見が出てくるようになります。なので、何度も何度も(笑)、何度も何度も(笑)対話を重ねることで決め切ることができました。
『松崎あき』という架空の人物を作り上げ、「あきちゃんは何に困っているのか?」「あきちゃんはこのコンテンツを体験してどう感じるか?」
など、ユーザー視点を持ちながら議論を深めていきました。ペルソナの設定、顧客のbefore/after・課題の設定、ツアーの設計という順で考えていき、何度もペルソナに立ち返り、またペルソナを更新しながらツアーを設計しました。なかなか時間内に仕上げることができず、1回目の事業マネージャープレゼンの際には、厳しい指摘を受けました。暗い雰囲気になり思わず泣いてしまう参加者もいましたが、諦めずに取り組み続け、最終の事業マネージャープレゼンでは企画したツアーに関して90点!の評価を得ることができました!
今回のプログラムで最も難しかったのは、インタビューでも企画でもなく、チームとして活動することでした。
本プログラムの前に1回のオンライン事前学習会で顔合わせしていたとはいえ、生まれも育ちも異なる初対面の5人が企画を作るのは大変な作業。なかなか分かりあえず、何度も何度も衝突し、宿泊場所に帰る途中で「もうダメかもしれない。」と涙する参加者もいました。そこで、チームについて話し合い、良いチームとは何なのか?悪いチームとは何なのか?みんなで意見を交わし合った上で、”議論を進める時のルール”を設定しました。
議論を進める時のルール
①同じ方向を向くために最後まで伝える・聞く・確認する
②目的・時間・議論の内容を可視化する
③チームの目的を優先する
④伝えきったら「以上です!」と言う、わからない時は「例えば?」と聞く
⑤前向きに楽しむ!
ここから雰囲気も大きく変わり、また一つ壁を乗り越えてチームとして徐々に活動できるようになりました。
その後も「理解できない、わからない」と衝突することはありましたが、
「より良い自分になりたい」「ツアーをなんとか完成させたい」「このメンバーで成し遂げたい」など様々な想いがおそらくあったと思います。
何度も何度も夜遅くまでチームで、または個人で対話を重ね、互いの考えや想いを理解することで、ツアーを完成させることができました。
①地域の人がよそ者へ与える影響
今回初めて平生町でこのプログラムを実施しましたが、関係人口の可能性をとても感じることができました。
関係人口創出にとって重要な要素はやはり”人”だと改めて思いました。
参加者たちは平生町で出会った町の人たちに対し、「考え方がとても素敵で、悩んだ時に相談させてほしい」「生き方がかっこいい!師匠になってほしい!」と口を揃えて話し、大きく心を揺さぶられた様子が見られました。
また、ある参加者は毎朝海沿いを散歩していたそうですが、そこで出会った地域の人と仲良くなり、野菜やアイスなどをいただける関係となり、最終日はお互い涙ながらにお別れしたそうです。彼女が最終日に涙ながら言っていた言葉がとても印象的でした。
「関係人口に別に特別なものは必要ないんです。また会いたいと思わせてくれる地域にいる方一人一人が魅力なんです。」
”人”だけでは関係人口となるまでは、難しいかもしれません。
ですが、その人がいるからこそ、その地域を思い出し、また行きたくなる。
関係人口のキッカケとしては、とても可能性があると改めて感じました。
②よそ者が地域の人へ与える影響
逆に参加者が地域の人に与えた影響もありました。
プログラムの終了後、プログラムに協力していただいた方にお礼のご挨拶をさせていただいた時にいただいた言葉です。
・「私こそ元気をもらいました。改めて頑張らなきゃと思いました。こうやって人が来てくださるのはいいですね。外の人から平生町の魅力を教えてもらうことだってあるだろうし、地域の人も地域を語れるようにならないといけないし、良いことづくしですね。
またぜひお願いします。」
・「私もツアーに参加したことはありますが、これだけ地域密着で教育要素があるツアーをやられてるのは珍しいですね。FoundingBaseさんが平生町にいるからこそのツアーでしたね。交流会でツアー参加者の11日間の想いを聞いて、改めて平生町で頑張ろうと思いました。こちらこそ感謝です。また、何かあれば言ってください。」
たった5人かもしれませんが、意欲ある5人の大学生が来たことによって地域の方へ良い影響を与えることができたと実感しました。
「海辺の朱夏」の岡村さんと参加者との写真。インタビューの数日後に岡村さんから「すごく元気をもらったのでお礼がしたい」とご連絡をいただき、最終日にまた会いに行きました。
③FactoryProgramの可能性
ツアー参加者は様々な想いを持って、11日間のこのプログラムに参加し、平生町で多くの壁にぶち当たりながらも、楽しみ合い、苦しみ合い、泣き合い、笑い合いました。その分一人一人が大きく変化し、彼らにとって平生町は「ただの田舎の町」から「自分が変化した町」、「自分に影響を与えた町」になったと思います。
彼らがこの先どのような人生を歩むかは分かりませんが、きっと「平生町」というたくさんの想い出が詰まった場所を忘れることはなく、「また行きたい」という想いから今後も関わり続けてくれる。そう思えるようなプログラムになったと感じています。
今回参加者が企画したツアーは、これからFoundingBaseメンバーと一緒に細かく設計していき、11月中に実施する予定です!大学生を対象とし、平生町の佐合島をメインの舞台とした1泊2日のツアーを考えています!
ツアーのキャッチコピーは、『自分の価値を見つけ、本当の自分を生きる!!(仮)』なんと、参加者5人全員が次回ツアーに運営として参加したいと言ってくれました!(早速関係人口!?)今も定期的にオンラインミーティングしながら企画の詳細を詰めているところです。
企画したツアーについては10月中旬頃note等で発信いたします!
ぜひ大学生の方はぜひご参加ください!
お楽しみに!!!