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Founding.Issue-地方で挑戦したい大学生向けインターンシップ-の開催!

2021年10月30日、「地方」に関心のある大学生向けに、インターンシッププログラムを開催しました。基礎編と銘打ち、オンラインで実施しました。
・地方出身で、地方創生やまちづくりが気になるけれど、何から手をつけたらいいかわからない
・就職を考えたときに、地域で活動することもいいなと思うけれど、フィールドはどんなところがいいんだろう?
・大学生の自分が地域に関われることってどんなことだろう?
・地方創生っていうけど、実際なにがどう問題なの?誰が困っているの?
このような問いをもつ大学生を中心にご参加いただきました。

プログラムで提供したコンテンツとしては、以下の3つでした。
・まちづくりや地方創生について理解が深まるインプットコンテンツ
・今までの人生で直面した困難や壁、課題について振り返り自己分析するコンテンツ
・「問題解決」に幅広く役立つ思考方法を身につけるアウトプットコンテンツ(島根県津和野町の実際の問題を題材に)

「まちをつくるってどういうこと?」

一つ目のコンテンツでは、日本の歴史を紐解きながら、過去現在未来の「まちづくり」について学べる講座を提供しました。

参加した大学生からは、
「まちづくり系のゼミで学び、地方における若者の役割を研究したりしているが、知らないことだらけで勉強になった。」
「かつての道は地域の人々が協力して主体的につくっていたが、近代化によってその主体性が奪われていったことを知った。」
「地方の余力がないのに、地方の人たちだけで地方創生に取り組むのは難しく、よそ者が入って主体的に創っていくことが重要だとわかった。」
「国が地方創生関連で多額の予算を使ってきたが、東京一極集中は解消されていないことを知った。」

といった感想をいただき、学生にとって学びの深い内容を提供できたと感じています。

「今まで直面した困難をもとにした自己分析」

二つ目は、大学生が今までの人生の中で直面した困難や壁、課題に関して振り返り、自分の考え方や価値観を深掘りするコンテンツでした。

学生の各々の経験を整理し、振り返った後に参加者全員でそれを共有しました。それぞれの経験から、それぞれの考え方や行動特性が垣間見え、それをこちらからフィードバックし、学生の自己分析につなげました。その内容の一部をご紹介します。

ある学生の振り返りを聞いた後に、いくつか質問をして、こちらのフィードバックとしてお伝えしたのは以下のようなものでした。
・逆境に燃えるタイプ
・0→1の立ち上げなど、解決した先にインパクトがあるような状況で力を発揮しそう
・逆に定型作業などのオペレーションは苦手そう
・周囲を巻き込みながら、人のために何かをすることにやりがいを感じそう

このフィードバックを聞いて、学生からは「自己分析だけでなく、他者からの視点でフィードバックしてもらうことで、自分の具体的な経験が抽象化され、自分では気づくことのできなかった点に気づけました。ここまで親切にワーク、フィードバックしてくれる企業に出会ったことがなかったので、とてもありがたいと思いました。」という感想をいただきました。

「課題設定思考ワーク」

三つ目では、島根県津和野町の実際の地域問題を題材に、課題設定思考を学ぶワークを行いました。

「現状」と「あるべき姿」を整理し、その差分=問題を特定し、課題やアクションに細分化して落とし込む思考トレーニングです。このフレームは簡単なようで実は奥が深く、正しい使い方をしなければ、的外れな問題や課題を抽出し、延いては成果に結びつかないアクションを導き出してしまいます。

そのため、注意点や正しい考え方を丁寧に説明しながら、学生のアウトプット機会を提供し、それぞれのアウトプットへのフィードバックを実施しました。はじめて聞く地域の問題と思考方法のため、難しかったと振り返る学生が多かった一方で、鋭い視点で状況を整理する学生もおり、こちらも新しい視点を得ることができました。

実施後アンケートの結果からも、非常に満足度の高いプログラムを提供することができました。いただいた感想を一部紹介します。
「6時間という長さを忘れるほど、充実した・洗練された内容で感動しました。自分についてフィードバックしてもらえる機会があまりなかったので、とても良い経験になりました。また、他の参加者の方々の話を聞いて、とても刺激を受けました。」
「6時間と長丁場でしたが、長いと思わないくらい充実していた時間でした。講義形式のお話から、自分の価値観を発見するワークを個々に行なって頂いたり、発言する機会も多かったので、自分の考えなどを言語化できた大変貴重な時間でした。地方共創を事業として行なっているFoundingBaseのお二人に直でお話を聞くことができることも満足度が高い点です。」

「実践編の開催」

基礎編実施後の11月27日〜28日で、島根県津和野町を舞台に、実際に現地に入り込んで地域の問題解決に関わる実践編プログラムを開催しました。

基礎編で学んだことを実践をもとにアウトプットし、プログラムの最後には、ひとつの地域課題の解決に向けたアクションを提案するというもの。まずは、島根県津和野町の基本情報をインプット。人口などの統計情報や、歴史、文化などを学びます。

その後、さっそくワークショップに突入。「まちのオフィスQ+ × 課題ラボ」プロジェクトで2020年度に作成した30枚の課題カードを、紙面上に空間的に配置し、相関関係および因果関係を推測して関係性の線を結んでいくワークショップです。このワークショップの目的は地域の問題をシステムとして捉える考え方を学ぶことです。先ほど述べた課題カードだけでも30枚ありますが、地域の問題はそれ以外にも数多く存在します。地域でそのひとつひとつに対応していくには、人的リソースや時間などリソースが不足していることがほとんどです。より効果的に多くの問題を解決していくには、問題が独自に存在している単一のできごととして捉えるのではなく、お互いに影響を及ぼし合う一つのシステムとして捉え、より影響度の高い問題から優先的に解決策を考える必要があります。目の前の問題に対処的に反応するのではなく、そもそもの問題が生まれる構造を突き止め、根本レベルからの解決に取り組む考え方をインプットするため、このワークショップを実施しました。

はじめて取り組む難易度の高い内容に、はじめは悩んでいた参加者でしたが、徐々に自分の中で構造を捉え始めたのか、カードを配置しながら、関係性を描いていきます。約30分程度で自分なりの課題Mapの仮説を作成することができました。

次に、自分で作成した課題Mapシステムの中で、どの問題に着手すれば最も影響度が高いか考え、その問題について解像度を高める思考をしていきます。解像度を高めるには、「なんでそうなってるんだっけ?」を繰り返して原因を深掘りしていくことと、文化や環境、時間軸などを考慮しながら、原因の種類を広げていくことが有効です。頭をフル回転しながら、「深さ」と「広さ」を付箋に書き出し、着手する課題カードに貼り付けていきます。

脳みそを雑巾のようにふりしぼった後は、はじめて訪れた津和野のまち歩き。頭の中でだけ想像していた津和野と、実際に歩いてみて感じた津和野とを照らし合わせて、「深さ」と「広さ」を実際の津和野の形に合わせていきます。一日目はワークショップを通じた仮説構築をして、ここで終了。

二日目は一日目で立てた仮説を、地域住民にヒアリングしながら検証し修正していきます。三人の住民の方にヒアリングをして、様々な観点からフィードバックをもらい、仮説の修正や深掘りをしていきました。参加した大学生は、仮説に関するフィードバックだけでなく、今後の生き方に関して視野が広がるような話も聞くことができ、積極的にコミュニケーションをとっていました。

プログラムの最後には、問題解決のために検討したアクションを提案する共有会を実施。具体性のあるシャープな課題を抽出していくことは非常に難易度が高く、共有会のフィードバックでは「まだ解像度が低い原因の深掘りがある」というものがありました。一方で、「地域の問題解決に取り組んでいくために必要な考え方を、粘り強く頭を使いながら実践したことは素晴らしく、今後に生かしてほしい」ということも参加者にお伝えしました。

プログラム終了後、参加者からは「課題の構造の把握や設定に取り組める機会は、自分にとってとても貴重な体験だったので、とても満足できたし友人にもおすすめしたい。」という感想をいただきました。

「今後の展開」

コンテンツのブラッシュアップをしながら、今後も定期的に開催し、多くの方に価値を提供していきます。学生だけでなく、若手社会人向けの地方共創プログラムも開発していきます。地域課題に関するゼミ活動のようなコンテンツも開発中です。今後も情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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