「採用も財務も売上も、僕が全責任を持ってます。小さい会社を経営できるレベルのスキルは身に付きますね」。そう語るのは、去年入社したばかりの26歳でした。
高橋さんは入社1年で営業成績トップに輝いた若手です。さらに社会人3年目にもかかわらず、現在は北陸&東海という広いエリアの支社立ち上げを一手に任されています。
クラフトバンクに勤める傍ら、休日には自身の立ち上げた会社運営もしているという型破りな若手が、クラフトバンク入社を選んだ理由は? 今ぶつかっている壁、苦しみとは? 詳しいお話を伺いました。
地方の活性化が自分の役割だと思った
自己紹介をお願いします!
高橋晃樹、26歳です。2023年1月にセールスとして入社して、2024年からは北陸・東海の支社立ち上げをしています。
入社前は外国人材の採用支援をしていて、インドやネパールの優秀なITエンジニアを、メルカリやYahoo!などの日本企業に紹介していました。
今もネパールに会社をひとつ持っていて、休日はその経営をしています。日本企業から案件をもらって、ネパールでオフショア開発を請け負う事業です。今後は、僕の地元・青森でパートを雇って納品チェックをするスキームを作って、2箇所で雇用を生み出せたらいいかなと思ってます。
趣味や特技は特にないんですが、強いて言えば学生時代に調理師免許を取ったので、料理がちょっとだけ得意です。
どんなキャリアを歩んできたんですか?
私が生まれた青森県は、毎年1万人ほど人口が減っていく地域でした。廃れた地元に貢献したい思いと、仕組みを作ってコスパよく儲けたいって気持ちで、とにかく経営者になりたいなと思ってました。
奨学金を借りて大学進学してからは、ひたすら働いてましたね。あんまり大学行ってなかったし、3,4時間くらい寝られればいいタイプなので、僕って1日20時間は働けるんですよ(笑)。
バイトしまくって年収500万になったり、そのお金で留学したり。経営者になりたい、地方に貢献したい、青森に産業を持ち込みたい!といろんな経営者にアタックしているうちに、コストコの社長に出会って直下で働いたり。人に恵まれながら、とにかく経験値を貯めました。
中でも、高校の先輩が経営している会社でインターンをした経験は大きかったです。そこは全国2,000社以上と常に会話できるフィールドだったので、業務を通じて「日本経済を支えているのは全国各地にある中小企業だな」という感覚を得たんです。つまり東京だけじゃなく、地方を盛り上げることが日本を盛り上げることだと思いました。
貧乏な地元への課題感、留学で得た海外市場の感覚、若くから起業するバイタリティ、それから中小企業への解像度、都内の活動拠点。このあたりを全部備えた上で地方活性化に取り組める人って、あんまりいないんじゃないかなと思って。地方活性化が自分の役割だ、と思うようになりました。
入社までの経緯は?
コロナ禍の中、ネパールで働いていたとき、「人材不足が一番激しいのは建設業だ」と気づいたんです。その課題を解決するために外国人材を紹介しようとしたんですけど、建設業界はDX化が全然進んでないから人が定着しない。まずはそれを変えたいなと思ってました。
そこで新しい会社の起業に向けて、資金集めのために業務委託先を探していたときに、Wantedly経由でクラフトバンクからスカウトが来たんです。差出人はCHROの岩本さんでした。岩本さんも青森出身だと聞いたので調べてみたら、結構な田舎出身で。「ここの出身で、記事がいっぱい出てくるほど活躍してる人っているんだな。どんな人なのかな」と気になって話してみることにしました。
ネパールからオンラインで会話したんですが、イメージ通り、めちゃくちゃビジョナリーな人だなと思いました。「絶対入ってほしい!」と言ってくれたし、元々課題感を抱いてた建設業界だし、でっかい市場だし「業務委託で一緒にやっていきますか!」と乗り気になってたら、代表の韓さんが出てきて「帰国したら飯いこうぜ」って言うんですよ。
帰国したその日に経営陣とご飯に行って、ファイナンスの話とか海外展開の話とかしているうちに「で、いつ入社?」と完全に正社員扱いで聞いてくるんです。あれ、ちょっと話が違うぞと思いましたね(笑)。
とはいえ、帰国当日にご飯に行くスピード感もいいし、社会人2年目の僕をそんだけ本気で採用しにくる姿勢もすごいなと思って。年齢関係なく評価してくれる、成長させてくれる環境なんだろうなと理解できたので、まあいいかと思って、押し切られる形で正社員入社しました。
ファイナンスを学びたいと思っていた僕にとっては、社長の能力が高いというのも魅力でしたね。韓さんは大手のVCや銀行からかなり調達していたし、ファイナンス得意なんですよ。少なくともそこは学べるという期待感がありました。
常に、ふたつ先の目標を見続けたい
入社から支社立ち上げを任されるまでの流れは?
まず、フィールドセールスとして入社したら優秀な営業マンが3人いて、この3人に勝てるかどうかが最初の試練だと思いました。特に中心になって仕切ってくれる神山さんの存在は大きくて、神山さんをどう超えるか、と考えながら努力していた感じですね。
大きな背中をがむしゃらに追いかけた結果、1年以内に一番になるという目標を達成して、営業成績1位になりました。そうしたら韓さんが「次のステップ考えたよ」と、支社立ち上げ責任者の話を持ってきてくれたんです。成果を出したら次の道が拓けるってことを明らかに感じられるコミュニケーションでよかったですね。能力さえあれば、どこまでも任せてくれるな、と。
ただ、僕としては入社前からグローバルな仕事をしたいって伝えているんで「いいですよ」と応えつつ「支社立ち上げ達成したら、グローバル展開を任せてくれるなら」と条件を伝えました。そうしたらちゃんと約束してくれて、その後すぐ海外との会議にアサインしてもらえるようになったので、英語を喋る機会ができて嬉しかったですね。
僕は1年先じゃなく、5年先を見続けていたいんですよ。1つ先の目標なら自分だけでも達成できるから、組織では2つ先の目標を見せてほしいと思ってるんです。
現在はどんなお仕事をしていますか?
東海/北陸支社の立ち上げ責任者として、オフィス契約を含む財務経理、採用、人材育成、売上管理……などなど。売るところまでの全部を持ってます。MRRも見るし、支社ごとにPL(損益計算書)も作るし、ほぼ小さい会社を経営できるレベルです。
ただ、雇用されてる身でノーリスクだし、困ったら韓さんに相談もできるので、環境としてはめちゃくちゃいいですね。韓さんは「自分で決めてね」というスタンスがはっきりしてるので、まめにケアしてくれるけど、しれっと厳しい。助けてくれるわけではないのも、いい勉強になります。
あとは営業の数値を作りながら、新規の地域リードを開拓しています。地域の大手企業さんと関係性を築いて、知り合いの経営者さんを紹介してもらえるようにしたり、地域ごとの特性をマニュアル化したり。
今までは全国のお客様を見てましたが、今後は地方拠点として根付いていく以上、地域性を無視できなくなります。しっかり地場の特徴を把握して仕組みにしていかないといけないフェーズですね。たとえば同じ北陸でも、石川と富山では適切なコミュニケーションや攻め方が全然違うんです。
任されている範囲は広いので移動だけ若干大変ですが、体力は昔からあるので大丈夫です! まだまだ全体の1%もシェア取れてないんで、一定の売上を作れるポテンシャルがあると思ってますし、やるなら大きいことの方が楽しいです。
なんにせよ、ここ半年が勝負だなと思ってますね。Vertical SaaSモデルのDXビジネスで地方拠点を成功させるっていう、他のIT企業ができていない、前例のないことをやるわけじゃないですか。それだけ難しいですけど、僕は絶対達成しますんで!
「年上の部下を育てる」という壁
現在の課題は?
もっぱら、採用と人材育成に課題を感じてます。人が一番大事だなぁと思ってますし、早い段階で統括責任者を任せられる人材を育てないと次にいけないので、早くキャッチアップしてもらいたいんですよね。
でもなかなか難しい。建設業の文化に抵抗なく挑める人で、ITに造詣があって、地方に根付いてくれる人材を探しているんですが……。そんな人材、本当にいないです。Uターンしたい人含めて、切実に探してます。
あとは育成でも苦労してます。自分よりも年上の部下をどうマネジメントするか、部下が売れるようにするためにはどうしたらいいのか、まだわからなくて……。自分が売るのは簡単だけど、自分と同じくらい売れるよう育てる大変さを痛感してます。
北陸と東海を行ったり来たりしながらできる限り営業同行して、毎日1on1して、言語化したり因数分解したりフィードバックしたり。もう24時間じゃ全然足りない。
でも、そうやって苦しんでる僕を見て、韓さんはすごく嬉しそうなんですよ!「その経験、絶対次に繋がるよな〜!」なんて言って。当事者としてはむかついてしゃーないんで、一刻も早くこの状態を抜け出してやる!って感じです(笑)。
まぁ韓さんの言う通り、年上メンバーを育てる経験ってこれまでになかったし、外国人のマネジメントはしたことあるけど、日本人のマネジメントってやったことないんですよね。
この経験は今後に生きると思うし、こんな若いヤツ相手に嫌がらずついてきてくれる環境も貴重だなと思っています。今は自分で売り上げた時が嬉しいですけど、今後は自分のメンバーが売れていくことを喜べるといいなあ。
どんな人と一緒に働きたいですか?
逆算して自走できる人、ですね。ベンチャー企業では前例がないからこそ、自分で答えを見つけていくしかない。だから、考える力・行動力・ガッツがあるといいなと思います。
ガッツって言うと抽象的ですけど、コツコツ何かを積み上げる力があればよくて、受験勉強とかもひとつのガッツだと思うんですよね。最終的な目標をしっかり見据えて、やりきることを大事にできる人がいいです。
30代になると家庭を持ったりしてチャレンジしにくくなる人って多いと思うんですよね。だから20代のうちから大きな裁量をくれて、ハードな経験をさせてくれる会社でチャレンジするのって、めちゃくちゃ価値があると思います。
建設DX、地方創生、支社立ち上げに関心があるチャレンジングな若手と、ぜひお会いしたいです。