「キャリアチェンジは難しい」。そんなセリフをよく耳にする昨今。特に専門的な技術が必要なキャリアへのチャレンジは「経験不足」に阻まれ、幅広くやりたくても「まずは足場固めから」「簡単なところから」と制限されることも……。
でも、諦める必要はありません。クラフトバンクは、努力する人の可能性を信じて任せてくれる会社です。
小松さんは、茨城県で暮らす28歳。爽やかな笑顔と穏やかな雰囲気を持つ癒し系でありながら、中身はハングリーでチャレンジ精神溢れる勉強家です。業種未経験で設計士からエンジニアへキャリアチェンジをし、現在はソフトウェア開発に設計から携わり、フロントエンドもバックエンドもこなしています。
どのようにしてキャリアチェンジを成功させたのか? 建築設計とソフトウェア開発に共通する考え方とは? 詳しいお話を伺いました。
エンジニア養成機関に入学! 若き建築士の奮闘
自己紹介をお願いします!
小松辰啓です。開発を担当しています。
学生のころは生活に欠かせない家や建築物について学ぼうかなと思い、大学では建築学科に進みました。最初はなんとなくの軽い気持ちだったのですが、講義を受けたり、友人と旅行しながら世界中の建築物を見るうちに本格的に興味を持ち、建築関係の仕事をしたいと思うようになりました。
「建築に関わるなら建築設計がしたい」と思って、設計事務所かゼネコンに絞って就活しました。アトリエ事務所のようなところで有名な建築家と師弟関係になる選択肢もありましたが、それよりは、大きな会社で幅広い知識を得たい気持ちが大きかったですね。
最終的には、幅広い建築ができてかつ意匠・デザインにこだわった建築物を作る久米設計に入りました。似たような家やビルを量産するよりも、ひとつひとつ特徴のある建築物を作る方が面白いなと思ったんです。
ただ建築って、完成するまでのタイムスパンが長くて……。超高層ビルや大規模病院とかだと出来上がるまで5年10年かかる。自分が考えたものが実際にものとして出来上がるまでに長い時間がかかるのは、自分の性分に合わないかもしれないと感じるようになりました。
より早いスパンでものづくりをしたいなぁと考えていた時、ちょうど「42 Tokyo」のことを知ったんです。
(写真:42 Tokyo HPより)
42 Tokyo?
はい。42(フォーティーツー)は、エンジニアの養成機関です。
一般的なプログラミングスクールとは違い、講師も授業もないのが特徴で。課題だけが与えられて、学生同士で教え合いながら進めるっていうプログラムなんです。
元々フランスで始まったものですが、それが日本で始まるという時にタイミングよく知ることができ「こういう新しいものにファーストペンギンで飛び込んでいく人たちって、きっと面白い人ばかりだろうな」と思って。
それまでは正直「なんとなく」で進路を選んできたところもありましたが、ここで初めて「すごく参加したい!」という感情になったんです。今までにないくらい興味が湧いたことがきっかけで、エンジニアになる! というのが自分の目標になりました。
プレスリリースされたのが2019年11月で、1月に入試があると知り、間に合うように勢いよく退職手続きや勉強を始めました。不安もありましたが、とにかくワクワクが勝っていましたね。
怒涛の準備の甲斐あって無事に試験に合格し、1年間、42 Tokyoでエンジニアとしての勉強をしました。わからないことばかりで苦労もしましたが、仲間と切磋琢磨し、できることが増えていく時間は僕にとって最高に楽しい日々でした。
勉強しながら働くために、BIM(ビム)※の環境整備を推し進める仕事に転職しました。まだまだアナログ工程が多くデータを活用しきれていない業界だからこそ、勝手に正確なデータが集まって分析・活用できるようなデジタル化が必要だと思っているんです。
※BIM……Building Information Modelingの略。設計・施工から運用までを通じてあらゆる工程で蓄積される情報を活用しながら、業務を効率化する考え方。
「未経験だけど、全部やりたい」を叶えてくれる組織
クラフトバンクとの出会いから、入社までの経緯は?
久米設計時代にお世話になった方が韓さんのことをよくご存知で、お話をよく聞いていて。面白い人だなと思っていたので、エンジニアとして就職を考えるようになった際に直接お話ししてみたいと思って、カジュアル面談を組んでもらいました。フィーリングが合って、機会があれば一緒に仕事したいなと。
そこで韓さんが簡単そうに「これからの目標は、スーパーゼネコンくらい大きい組織と対等に取引していくことだね。そうすれば業界も変わるでしょ!」と言っていて、本当に面白いなと思って。
難しいことをフランクに話してくれるのもそうだし、自分が自分の力では変えられないと思っていたことを本気で変えようとしているし、変わることを想定しながら動いているんだなと感じられたのがよかったです。
入社の決め手は、業種の実務経験がないのに「全部やりたい」という僕の希望を受け入れてくれたこと。
エンジニアで就職しようとすると「どんなエンジニアになりたいの?」と聞かれて、フロント、バック、インフラ、みたいなジャンルを決めないといけないことが多いなと思っていて。でも、クラフトバンクでは「むしろ全部やってほしいよ」と言ってもらえたのがすごくよかったですね。
規模が小さくて裁量の大きい会社だからこその反応だなと思ったし、面白そうだからここで働こうと意思決定できました。
現在のお仕事内容は?
今やっていることも入社時の希望と同じで、とにかく全部です! 設計、実装、テスト、それぞれ能動的に「こうすべきかな?」と考えたり確認したりしながら進めています。
悪く言うと放置され気味なところがあるけど、僕にとってはむしろ42 Tokyoでやってたのに近い感じなので性に合っています。裁量があって、自分で考えて進められるのって楽しいですよね。
もちろん不具合が出たら自分の責任なので、程よいプレッシャーもあり、他責にならないでいられるのも面白さ。難しい課題に次々直面するとしんどいけれど、だからこそよく考えないといけないなと気持ちが引き締まりますし、フィードバックに真剣に向き合うことができています。
働き始めてから今までで、いちばん衝撃的だったことは?
そうですね。それこそ、ジョインして2日目に書いたコードが、入社1週間後にリリースされてたこと……ですかね(笑)!
もちろんレビューはしていただいてたんですが、未経験の人間が書いたコードがこんなに早く本番に上がってるなんて大丈夫かなとドキドキしたし、スピード感すっごいなと。
でも結局はそれって新人だからって遠慮せず任せてもらえているってことで、こんな風にチャレンジさせてくれるチームはなかなか無いんじゃないかなって嬉しく思いました。そういう空気だからこそ、すごくやりがいを感じながら働けています。
鍛えてきた自走力と開発力で、業界の課題解決に挑む
今後の目標は?
設計をしっかりできる、フルスタックエンジニアになりたいです。
建築設計をしていた頃から「課題に対して解決策を作る設計」がすごく面白いなと思っていて。ソフトウェアでも同じことができるようになりたいので、自分で考えて実装もできる人間を目指したい。でもひとりで全部やれるようになるというよりは、チームでやりたい感覚もあります。より上手にできる人と力を合わせたいけど、一方で全体像を掴みたい。
建築設計は意匠デザイン以外にも、設備や配線、構造などをどうまとめるかがポイントになる仕事です。そういう意味でも、設計をするというのはチームをどうまとめるかという意味に近いので、全体像を把握して考えを巡らせることのできるゼネラリストとして働きたいですね。
その先で、社会の複雑な課題に対して、ソフトウェアの力を使ってひとつひとつ解決策を提示していければいいなと思っています。
最後に、読んでくださっている方へメッセージをお願いします!
課題を与えられた時に自分なりの解決策を考え、実行するために自分で調べて勉強できる人は、クラフトバンクにすごく向いていると思います。
42 Tokyoの説明を読んで「面白そう」と感じてくれる方にはきっと自走力があると思うし、待っているだけじゃなく自責の感覚でどんどん成長したい人には合っているんじゃないかな。
社会の大きな課題を解決できる新しい仕組みを設計したい方。僕らと一緒にチャレンジしてみませんか?
(執筆・撮影:青柳ゆみか)