『革新的なアイデア』でなくても、チャレンジすれば見えてくるものがある

弊社では個人の取り組みや成果をアナウンスできる「社員スピーチ」という活動を行っています。今回はオンラインで全社員向けにスピーチをしてくれましたパセラリゾーツ池袋本店の総店長・齋(さい)さんに、発表後すぐに取材を敢行。”彼のチャレンジ”について興味深い話がたくさん聞けました。では早速ですが、前向きバイブスがあふれ出るインタビューをどうぞ。

パセラリゾーツ池袋本店/総店長の齋さん

社員の自主性を大切にするワケとは

荻野：社員スピーチ、お疲れ様でした。いきなりの質問で恐縮なのすが、「人員配置の適正化」により、キッチン、ホールの縦割りを壊し、ニュースタンダードをつくるという齋さんのアクション。これは営業のピーク時に余剰生産能力を割り当てるためにキッチンの人もホールの人もお互いの業務ができるようにする、という取り組みだったと思うのですが、ここだけの話、反発はありませんでしたか？

齋　：お疲れ様でした。いきなりそこ聞きますか？　でも、もしかしたらいたかもしれませんね(笑)。この会社って、有難いことにいろんなアイデアを試せる環境が整備されているじゃないですか。なのでセルフスターターが多い。心の中では「それよりもこっちがやりたい」と思っていた人がいてもおかしくないですよね。

荻野：ウチの魅力のひとつは、未上場でステークホルダーが多すぎない。だからこそ急成長や効率至上主義に陥らず、社員の自主性を最大限尊重できる！　ですからね。

齋　：そうなんです。

荻野：意地悪な質問に答えていただきありがとうございました。でも取り組みは大成功。チームパワーは高まったし、コストも削減してしっかり結果は出ていますからね。昇格もあるって耳に入ってますよ。

ベタだろうがやりたことをすればいい

荻野：あともうひとつ質問よろしいでしょうか。店舗近隣の企業様に自社のパティシエのつくったオリジナルのお菓子を持って挨拶に出向き、利用者数を大幅に増やしたという地域密着型のアクション。パティシエのスイーツは「なるほど」と膝を打つアイデアでした。しかし挨拶自体はわりと昔から……

齋　：「ベタ」と言いたいんでしょ。意地悪な質問終わってないですよね(笑)。何が何でも新しいことをする必要はないと思うんです。そう思っている人がいれば、昔の営業手法は現代では通用しない、あるいは新しいことをしないと評価されないという思考の罠にハマっているのではないでしょうか。私たちが相手にしているのはぼくたちと同じ人です。魚心あれば水心という言葉があるように、相手が好意を示してくれれば嬉しいもの。「親切にしてもらっているから試しに今度の忘年会に使ってみようかな」という気持ちになるわけです。革新的なアイデアはワクワクしますし、格好のいいものですが、効果が期待できれば新しいものも古いものも全部やってみればいいんですよ。上司に「今週末までにカラオケのシナジーにもなる収益性の高いサービスを考えてきて。ただし新しいもの縛りね」なんて言われたら、私その会社で続けていく自信ありません。

情報番組を見て『ニュートン』への期待を膨らます

荻野：齋さんの成果で話を推進させていくつもりが、自らハシゴを外してしまいました。すみません。でも「全部やってみればいいんですよ」は、素晴らしい考えですね。

齋　：実はこれ、『ニュートン』に入社する前から心に決めていたことなんです。

荻野：どういうことですか？

齋　：ある日テレビを見ていたら、『ニュートン』がエンタメ系の情報番組に取り上げられていたんですよ。その時はそこまで印象に残らなかったんですが、それから数週間して今度は異なる情報番組で、前に見たのとは違うサービスが紹介されていたんです。そこで抱いたのが、「これだけテレビに取り上げられるのはパブリシティ戦略が上手なんだろうな」という企業イメージでした。ここから興味を持ちはじめ、調べてみたらいろんな番組やビジネス雑誌で取り上げられていることがわっかたんです。しかも、トピックスはバラバラ。インタビューに答えているのも広報だけでなく、店長や一般社員とさまざま。これだけたくさんのトピックスがあるということは、それだけ社員に裁量があって、多くチャレンジできる企業なんだと思ったんです。

荻野：すごい話ですね。でも人に話す用に少しストーリーテリングしてませんか？(笑)

齋　：まあ、最後のほうの説明は誇張した言い方になったかもしれませんが、事実です。

荻野：では、入社してみて実際はどうでしたか？

齋　：ベタな内容のチャレンジでも取り組ませてもらえるんですから、もちろん事実です。

荻野：根に持ってますねー(笑)。それはよしとして、チャレンジ推奨の文化のあるわが社ですから、齋さんのように積極的にチャレンジする人がもっと増えればいいですよね。

齋　：はい。チャレンジしようとしている人が考えを引っ込めたり、躊躇したりしないように、私たちがお手本となれればいいですね。