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日本の就活は最先端⁉︎代表が語る世界の就活事情

 日本では、さらなる就活の早期化や、労働力不足に伴う人材確保のための採用方法の多様化な
ど、就活を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。
 日本のように、総合職採用を含む新卒一括採用を行う国は少数と言われていますが、実際の海外における就活事情はどのようなスタイルなのでしょうか?
 今回の記事では、日頃から国内外の人材業界の情報を収集していている中井代表に話を聞きました。


 今回は世界の中でも、日本を含むアジア圏、アメリカ、ヨーロッパ圏の就活事情について紹介します。韓国、中国、ベトナムなどのアジア圏は、日本と同様の新卒一括採用を行う場合が多いと言われています。

 アメリカではジョブ型の通年採用が主流であり、日本以上に学歴や職歴が重視されます。企業に就職する前から何かの「プロ」であることが求められ、大学の専攻やインターン経験、社会奉仕活動など、「今まで何をしてきたか」が重視される実力社会です。

 フランスでは、長期インターンシップが必須であったり、非正規雇用からのキャリアアップが主流、ドイツでは、高等学校時に職業訓練があるなど、ヨーロッパ圏もアメリカと類似したジョブ型雇用が一般的です。

Q.世界的にみると少数派の「新卒一括採用」が、なぜ日本では現在に至るまで主流となっているのでしょうか?

A.総合職採用を含む新卒一括採用は、通年採用と比較して採用活動を短期間で終わらせられるので、社内の人事・採用担当のリソースを最小限にすることができ、現在も日本の就職活動では主流となっています。

 一方、海外では「どの大学に入ったのか」はもちろん大切なのですが、プラスアルファで、「大学でどのようなことを学んだのか、どのようなスキルを身に着けたのか」が重要とされています。採用要件が、専門性のあるスキルをより重要視する傾向にあるため、「どの大学を出て、どのタイミングで就職するのか」よりも「スキルの習熟度」が優先され、ジョブ型の通年採用が主流となっています。


Q.最新の世界の就活事情について教えてください。

A.人口の減少や、コロナ以前と人々の働き方に対する考え方が変わったことによって、人材を雇用する・雇用し続けることがとても難しい時代になっていることが世界的なトレンドとなっています。そのような状況の中、スキルで採用を科学するスキルテックという採用方法が増えています。

 2020年のコロナ禍以降、「働き方の変化」がとても進み、仕事への考え方や自身のキャリアを見直すなど、就業者が改めて働き方を考えるきっかけとなりました。
 そのような中、欧米諸国ではコロナ禍が明けた際、職場から多くの人が退職してしまうという時代が訪れました。具体例を挙げると、アメリカでは、コロナ禍に国から多くの補助金が支給され、「今は働かなくても良い」という人が増えました。その結果、就業者サイドが職場に求める条件が高くなり、さらにレベルの高い職場を求めたため、大量退職という状況が生まれました。企業は、今までの採用条件・福利厚生では雇用が難しくなってしまったんです。

 採用・HR市場では、「War for Talent」といった採用戦争とも呼ばれるような時代に突入したと言われています。さらに、拍車をかけるように、DEIという考え方への注目も高くなってきました。DEIは、Diversity(ダイバーシティ)=多様性、Equity(エクイティ)=公正性、Inclusion(インクルージョン)=包括性の頭文字をとった言葉で、平たく言うと、「偏った人材だけではなく、色々な人を採用しよう」という考え方です。人口減少や時代の移り変わりにより、従来の採用方法では人材の確保が難しい時代に突入したと言えます。

 このような状況の中、解決策として注目されているのが「人的資本」という考え方です。具体的な解決策は2つあり、それは、「今までと異なる方法での人材雇用」と「社内人材の活用」です。

 今までのジョブ型採用のように、業務内容やスキル・経験・資格を限定して求人を出していたのでは、人材が中々集まらないため、新しい「ジョブ(業務内容)」の在り方が生まれました。
 企業はまず、業務内容をさらに細分化し、その業務を遂行するために必要なスキルを全て定義付けしました。「ジョブを遂行できる人」を採用するのではなく、「ジョブを遂行できるスキルを持っている人を採用する」という考え方に変わったことで、必ずしも一人の採用ではなくなるなどの変化が起きました。
 現状では遂行ができなくとも、後々付与可能なスキルを持っている人材を採用するという選択肢を持つことができるようになったことで、採用できる人の枠を広げ、採用枠を埋めるという新しい採用形態が始まったんです。このようなスキルテックで採用を科学する手法は、世界において瞬く間に浸透しました。

 そして、このスキルテックは、リスキリングを広めることにもなりました。社内人材のスキルも定義することで、「この新しいスキルを身に着ければ、今までやったことのない業務やプロジェクトができるようになる」といったことが可視化できるようになり、社内人材のスキル付与を図る動きが進みました。

 これまでのジョブ型採用では、採用時に決められた業務を遂行すればよかったので、このような考え方は新しかったんです。でも、この考え方は日本の新卒一括採用とすごく似ていますよね。
 日本では、部署移動などは一般的なことですが、今までジョブ型採用を行っていた国々でも、部署移動という概念が広まっています。世界のトレンドから見ると、従来から新卒一括採用を行っていた日本は、最先端の採用形態を行っているとも言えますね。
 日本は「スキルテック」を考えて、新卒一括採用を行っている訳ではない場合がほとんどですが、海外で「スキルテック」を突き詰めていった際に、日本の新卒一括採用のような採用形態になってくるというのは、面白いですよね。

 日本の採用・社内制度の在り方は海外から遅れていると揶揄されていたのですが、一周回って世界の最先端のトレンドにいたりするから驚きです。


Q.最近は日本でも通年採用やジョブ型雇用を行う企業が増えてきたと聞きます。その背景には何があるのでしょうか?

A.企業としては、即戦力を採用したいというのが大きな理由だと思います。また、日本という国として考えると、「大学生のうちにスキルをきちんと身に着けましょう」というのが背景ではないでしょうか。大卒人材が即戦力の人材になっていることは、企業としても国としても労働生産性が高まるので、推進していきたいことですよね。

Q.今後、日本を含む世界の就活はどのように変化していくと予想していますか?

A.まずは、採用業界でもテクノロジーというものが間違いなく進化していき、人材がどのような能力を持っているのかといった、「能力の定量化」が進むと思います。これは、企業が求める人材と求職者のマッチングの精度を向上させるので、このような未来は確実にやってきますね。人が持っている能力や価値観が、さらに定量化する、細分化するというテクノロジーがどんどん出てくると思います。

 実は、海外でも転職時に求められるスキルとして、専門性のあるテクニカルスキルも重要ですが、LinkedInが発表した「転職に重要視されるスキルのTop10」のほとんどがヒューマンスキル(コミュニケーション能力、前に踏み出す力、折衝力など)でした。どのような業務・部門でも必要とされるスキルが、海外でも重要視される傾向があります。
 日本でも、特に新卒市場では同じようなスキルが求められていますよね。そのようなスキルを定量化していき、マッチングを科学するテクノロジーも進んでいくのではないでしょうか

いかがだったでしょうか。
日本でもジョブ型移行の動きが年々活発化しているところではありますが、逆に海外では日本式の人事戦略に眼が向きつつあるのは面白いですね。

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