就職活動中のプロセスを評価する企業からのスカウトメールが届く、ダイレクトリクルーティングサービス「ABABA」を運営している株式会社ABABA。新卒採用市場をめぐる変化に対応し、右肩上がりの成長を続けています。
今回ご紹介したいのは、株式会社ABABAが取り組んでいる「お祈りエール」。自身も就職活動中にABABAを活用し、入社をした営業担当の小川さんに話を聞きました。
ABABAが提案している「お祈りエール」とは
|「お祈りエール」とは
新卒採用の最終選考において不採用の結果になった学生に「残念ながら不採用です」と企業が伝える「お祈りメール」に代わって、「お祈りエール」として今後の就職活動を応援するメッセージを送ってもらう取り組みです。「これからも応援している」など、前向きな内容のメッセージが中心です。企業によっては、文面と合わせて応援のための自社商品を送ってくださることもあります。
また、そのメッセージの中には、”最終面接までの頑張りを評価して他社からスカウトが届く”採用プラットフォーム『ABABA』に登録できるご案内も添えることができます。
これまでも、企業側が「応援している」という旨のメッセージを送ることは出来たかもしれません。「お祈りエール」ではメッセージに加えて、その応援したい気持ちを実際に形にして、最終面接まで進んだ学生のみが登録でき、他社の選考カットスカウトが届く『ABABA』をご案内できるのです。
最終選考まで進む学生は既に「企業のファン」になってくれていることが多いです。1通のメッセージがきっかけとなり、その後の学生の人生を変えるかもしれない。人生のターニングポイントとなる機会だからこそ、想いを込めた取り組みを、企業とともに形にしたいと考えています。
「お祈りエール」が誕生した背景には、創業者の久保さん、中井さんの共通の友人による「就活体験」があります。
大手広告代理店を志望し「一生、この会社に人生を捧げる」との意気込みで最終選考に臨みました。しかし、結果は不採用。友人は、それまでの7回の面接が無意味だったように感じ「あの会社のプロデュース商品は2度と買わない!」と怒り、久保さんと中井さんも一緒になって歯痒い思いをしたことが、ABABA開発のきっかけとなったのです。
「お祈りエール」に共感した個人的な体験
|就職活動中に味わった「不採用通知」を受け取る経験
昨年新卒入社した小川さんは、友人からの紹介でABABAを知りました。
小川さんには第一志望だった企業があったものの、新卒採用をしていないことが発覚。それでも「選考を受けさせて欲しい」と直筆の手紙を出し、最終選考まで進みました。あと一歩のところまで来たものの、残念ながら不採用に。
不採用通知を受け取った1週間後、第一志望だった企業の社長から直接、メッセージが届きました。そこには小川さんの熱意への返信が書かれており、思いを伝え合うことができたのです。上辺だけのやり取りだけではない点に、深く感動しました。
そんな小川さんを応援してくれていた友人が「ABABAはあなたのためにあるサービスかもしれない」と勧めてくれたそうです。
|不採用を次のステップアップへの糧にする
「お祈りエール」という仕組みを知り、小川さんは改めて今までの就職活動を振り返りました。テンプレートの不採用通知は、どうしても他人事のような冷たいメッセージに映ってしまいます。
「あんなに何度も話をしたのに、結局は他人事なのか」と考えてしまい、「悔しさ、怒り、焦り、不安をどこにぶつけて良いのかも分からなかった」と語ります。負の感情が渦巻くとともに、思いが伝わらなかった虚しさと、周囲の応援に応えられなかった申し訳なさが募りました。
思い切り落ち込んで1週間が経った頃に、届いたのが「社長からの手紙」でした。
「動き続けていたら、また縁があって交わる時が来る。お互いに頑張りましょう」というメッセージを読み、自分の就職活動がムダではなかったと感じた小川さん。
いつか再び会える日を目指し、違う場所で頑張っていくために背中を押してもらえた気がしました。
就職活動は不採用になると、再び0からのスタートラインに戻された気持ちになります。しかし、これまでやってきた活動のプロセス自体に意味があり、本来は高く評価されるべきです。ABABAの導入は、そうした課題解決の実現につながっています。
具体的な事例:大手通信キャリアA社の場合
それでは「お祈りエール」を導入した企業の事例について見てみましょう。
|「お祈りエール」を活用し、他社での内定を獲得
A社は、最終面接を経た学生に「不採用通知」を送る際、オリジナル文面を作成しメッセージとして送信しました。
大手企業A社のメイン事業は、携帯電話の通信キャリア。それ以外にもさまざまな事業を展開しています。
そうした多様な事業展開について正しく理解してくれたことへの感謝を述べ、今後の応援メッセージとして「これからの飛躍を採用チーム一同、心から応援している」といった内容へと変更しました。
特に大切にしたのが「踏み切る・飛び出す」という表現。採用メッセージにも同様の表現を使ったコンセプトを打ち出しており、これからも高く、遠く、大きく飛び出していってほしいとの願いを込めています。
「読んでみてもう一度頑張れるようなメッセージかどうか」を重視し、心をこめたメッセージを送信。加えて、スカウトサービス『ABABA』を通じて他社の選考への推薦も行った結果、2名が他社に内定されました。
励ましのメッセージに加え、最終選考に残った企業からの推薦があることで他社の選考へ前向きに取り組めたようです。
|「お祈りエール」を導入するメリット
まず1つは「企業のブランディング」です。国連が定めたSDGsの原則として「誰一人取り残さない」という考え方がありますが、「採用活動」を通じてサスティナブルな組織づくりへの意識を反映していると捉えられます。人生の意思決定に大きな影響を与えた企業として、サポートしていくメッセージが伝わります。
もう1つは「中途採用への影響」です。求職者の情報は、「お祈りエール」を通じてABABAのシステム上にプールされる仕組みとなっています。そのため数年後に改めて中途採用に応募し、選考に進みやすくなるサイクルができあがります。求職者、企業側ともにメリットを感じられる点があるでしょう。
現場からの声と今の思い、そしてこれから
事例を踏まえ、小川さんから見えている現状について、お聞きしました。
|ABABAを導入した企業からの声
「ここまで長い間、選考を受けてきてくれた学生との最後のやり取りが”お祈りエール”になります。だからこそ良いメッセージを届けたい」との声をよく耳にします。
新卒採用は毎年繰り返し行う企業も多いため、学生へのメッセージが自然に積み重なっていきますし、与える影響も大きくなります。
こうしたメッセージを送る企業が増え、豊かな関係性が築けるようになるとより良い社会になるのではないでしょうか。メンタルケアもでき、さらには他社への選考についてアドバンテージを持って送り出せる点は、企業・求職者ともにメリットを実感できる点だと思います。
「アフターフォローが丁寧にできる点を評価している」「学生からの返信が来て、嬉しかった」などの感想もいただき、満足しています。
|学生からの声
学生の立場で考えると「不採用=ネガティブな印象」を当然持ってしまいます。冷静になって考えれば、企業側にも不採用にせざるを得ない事情があるはずですが、落ち着いて考えることができないほど、衝撃は大きいものです。
就職活動中のプロセスは、数字で測れる指標がなく「合格・不合格」のみによって結果が出てしまいます。
お祈りエールを受け取ることで、「就活は決してムダではなかった」と捉え直せる可能性がある点は、非常に励まされるのではないでしょうか。
|改めて小川さんが入社後に感じたこと
入社前は「就活生の目線」でしか、就職活動について考えていなかった小川さん。しかし、仕事を通じて、企業の人事・採用担当が抱えている事情を深く知ることができました。
「こんなにさまざまな課題と向き合い、思いを持って採用活動をしているとは考えられなかった」と語ります。
ABABAでは学生と企業を繋ぐ新たな試みとして、内定辞退率の低下に貢献するメール送信システム「繋ぎとメール」や、企業が中途採用のタイミングで候補者に再度アプローチできる「ABABAアルムナイ」も始まっています。
人生において就職活動は必要な経験だったと思える人を増やし、「お祈りエール」が当たり前の世の中になるように伝えていくことが、小川さんのこれからの目標でもあります。
新卒採用のあり方を問い、社会全体の仕組みを変えていこうとしているABABA。これからもますますの成長拡大が期待できます。
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