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アンコンシャス・バイアスに気づき、対処法を学ぶ勉強会を開催

2月に開催しました「アンコンシャス・バイアス(無意識バイアス)」に関する社内勉強会の様子をご紹介します。

アンコンシャス・バイアスとは、無意識の思い込みや偏見のこと。組織で学ぶことで、無意識がもたらす悪影響を最小限にとどめることが期待できます。本記事では、自社での勉強会開催の意図、概要とポイント、参加者の意識変化・感想などをご紹介しています。

※勉強会は定員とグループワークの関係で、役職等により2回にわけて実施しています。本記事では、概要ご紹介のため、2回分の様子を一つの記事にまとめています。

アンコンシャス・バイアスとは、ほぼ誰も持つ思い込みや偏見

Jストリームでは、全社研修とは別に本部独自の教育PRJがあり、各現場に即した自己研鑽と学びの場が設けられています。自社開発を担うエンジニアの所属する技術組織であるプラットフォーム本部では、各自の専門領域以外にもビジネススキルも積極的に学びのテーマに取り入れています。

今回のテーマである「アンコンシャス・バイアス(unconscious bias/無意識バイアス)」とは、無意識の思い込みや偏見のことです。社会において多様性がますます重要視されるなか、「アンコンシャス・バイアス」は国内外のIT企業をはじめ、多くの企業で学びのトレンドとなっているテーマのひとつです。

「偏見なんて持っていない」と思っていても、実は「偏見を持っていない」ということじたいが偏見だったりする可能性もありそうです。2020年に行われた調査(日本労働組合総連合会調べ)では、5万人超の回答者の95.5%が「アンコンシャス・バイアスを一つ以上認知している」という結果が出されています(※1)。「アンコンシャス・バイアス」は、特定の人だけではなく、ほぼ誰もが持っているものと言われています。

アンコンシャス・バイアスが原因で、コミュニケーションが空回りする可能性も

チームで仕事をしていく以上、不可欠なコミュニケーション。それだけに、コミュニケーションにまつわる課題や悩みは、日々の業務のなかで大小さまざま存在します。Jストリームでも同様です。アンコンシャス・バイアスを学ぶことで、個人も組織もコミュニケーション力をアップさせることにならないか、というのが今回の企画での着眼点でした。

テーマ設定のきっかけは、企画担当チーム内で「ブレストとか、発散型の会議って盛り上がってる??」というふとした会話でした。バックエンドエンジニアS.O.さんからは、「こんなこと、初歩的すぎてみんな知っているだろうから」と発言を控えてしまうことがあるな、、、というコメントが。一方で、インフラエンジニアのH.I.さんからは「でも話す人って、逆にみんなの発言機会を奪っていないか心配になる」というような意見も出ました。

それぞれが相手を思いやり、コミュニケーションしようとしているのに、思い込みが原因で情報のやりとりを躊躇したり、空回りしたり、コミュニケーションにブレーキをかけることって多いんじゃないか。

アンコンシャス・バイアスは無意識なものだけに、無自覚のままでいるとディスコミュニケーションを生じたり、新しい発見やイノベーションの障壁にもなりえます。組織全体で「アンコンシャス・バイアス」を意識するきっかけを持つことで、意思疎通だけでなく、チームと自分自身のアイデア創出を促す効果も期待できそうだと考えました。

当日のプログラム:アンコンシャス・バイアスを学ぶ際の3つのポイント

講師には、人材育成・開発サービスを手掛けるエナジースイッチ社トレーナーの折口 みゆき氏をお招きしました。今回は、下記3つをポイントに講師から学び、交流しました。

1.アンコンシャス・バイアスを理解する

2.自身や周囲の思いこみ・決めつけ・押しつけに気づけるようになる

3.思いこみ・決めつけ・押しつけを対処できるようになる

1.のアンコンシャス・バイアス理解については、共通認識として、アンコンシャス・バイアスは人が進化する過程で獲得した「脳の省エネ機能」であることを学びました。例えば、思い込みは、過去の知識と経験をもとに目の前の現象を素早く判断する、時間と労力の節約方法です。この省エネ機能の存在を認識し、よいアンコンシャス・バイアスは残し、判断ミスを招くアンコンシャス・バイアスを避ける対処が必要になります。

2.の気づきは対処の基本になります。自分自身のバイアスに気が付くには、バイアスのパターンを知り、自分が強く持っているバイアスを自覚することが大切です。100-120種類以上あると言われるバイアスの中から、代表的なものを確認し、グループワークで各自のバイアスについて語り合いました。

共有された各自のバイアス例をいくつかご紹介しますと、以下のようなものが挙げられました。

・「会社やチームに長くいると『このくらい知っているでしょ』と思ってしまう」

・「緊急トラブル対応時でのこと。案を思いついても、正しくなかったらと不安が先に立ち発言できない」

・「他の人の意見に同調してしまう。理由は、すぐに回答しないといけないという焦りから」

・「マネージャーとして現場からの報告をもとに判断するが、最前線の様子が見えているか不安がある」

・「チームマネジメントの際のバランスや距離感の縮め方に迷う」

・「開発において過去の経験にしばられて、ハッとしたことがある」

担当業務が違っても、自分自身にも当てはまることがあるなと感じました。各自のバイアスを言語化して共有することで、共通の悩みを感じたり、自分自身も周囲も新しい気づきを得ました。

グループワークの様子。担当業務が異なるため、「今回初めて話しました」というグループも

3.の対処では、個人として、組織リーダーとしての各側面からポイントを学びました。

【個人として】

「バイアスの上書きをする」

「自分の状況や考えを積極的に伝える」

「身近な人からフィードバックをもらう」

【リーダーとして】

「事実の確認」

「意見の背景にある考えや想いを聞き・伝える」

「方向性や基準を明確にしてコミュニケーションを始める」

個人・リーダーの両視点において共通しているのでは、過去にとらわれないこと、状況は常に変化していると考えること、自分から発信したり関与していくことの大切さでした。

参加者が語る「アンコンシャス・バイアス勉強会」への評価・オススメ理由

今回の勉強会は、2時間半で座学と交流を盛り込んだこともあり、内容はごく限られたものでした。それでも、「これって、アンコンシャス・バイアスかも?」と意識するきっかけを掴んだ参加者が多くいました。参加者アンケートでは、「当たり前を見つめ直し、自身のバイアスに気が付くきっかけになった」という趣旨のコメントが目立ちました。

また、グループワークにおいて、各自のアンコンシャス・バイアスについて会話することで、「新たな気づきがあり面白かった」「自分以外にも質問を躊躇するバイアスを持っていることを知り、もっと気軽に質問しようと意識するきっかけになった」いったコメントも見られました。

参加者アンケートでは、組織でアンコンシャス・バイアスを学ぶことに対するオススメ度は5点満点中4点でした。

以下、オススメコメントの一部をご紹介します。

【事後アンケート一部ご紹介】

・「業務のパフォーマンス低下や、成長の妨げになっているバイアスに気づくこと、知ることができる。」

・「反対意見を嫌がるのではなく、好意的にとらえる考え方を学べる」

・「聞いたことがある話であっても、意識し直すためにおすすめします」

・「自分自身の「思い込み」かもしれないと気づくことがスタート。 解放されることで、本来のありたい姿へ近づく」

・「誰にでも当てはまるテーマで、なおかつ横のつながりを増やすことができる良い機会」

・「共通意識としてアンコンシャス バイアスがあるというバイアスを持つことが重要だと思う」

・「自分自身の行動を振り返ることで、自分自身の変化につなげられ、また、チームや組織の変化への働きかけの手助けになる。」

その他にも運営上のヒントとして、「時間が短い」「アンコンシャス・バイアスに気づいたときにどう解消すべきか、もっと議論や講義が受けられたら」「疑問や社内独自の用語について、 いつでも確認できる場所を充実させるといいかも」というようなコメントも寄せられました。

Jストリームでのテレワーク利用率は、職種により異なりますが、全社的に浸透しています。東京、大阪、福岡の各拠点のほか、フルリモートで働く社員もいますし、オンラインでの開発業務も珍しくありません。働き方の柔軟性が高まる一方で、コミュニケーションが減りやすい状況だからこそ、学びを通じた交流を大切にしています。その結果、知識と本部内の共通言語が増え、日々の業務成果に貢献できればと考えています。

ワークショップをはじめとした教育・自己研鑽の様子については、またVoiceでご紹介したいと思います。ぜひその際はご覧ください!

注:

※1:「5万人を超える回答 アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)診断」、日本労働組合総連合会(連合)、2020年12月4日、https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20201204.pdf?6748

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