- テックリード(新規事業開発)
- PdM
- バックオフィス(メンバー)
- 他28件の職種
- 開発
- ビジネス
- その他
こんにちは!コドモンHRチームの青柳です。
入社初日って、特別な日ですよね。初日ならではのドキドキ感があって、はじめて会う人もたくさんいて、うまくやっていけるかなと不安になったり、これから任される新しい仕事にワクワクしたり……。新しいキャリアの第一歩に、胸を躍らせることと思います。
そんな大事な日だからこそ「コドモンへようこそ!」としっかりお出迎えし、最高の体験でスタートダッシュを決めていただきたい。そんな気持ちで、私たちHRチームでは入社オリエンテーションをリニューアルしました。今回はそのお話をさせていただこうと思います。
立ち話で10分間。「あとは各自で!」な旧オリエン
まずは、私がいちメンバーとして入社した日の体験談を通じて、リニューアル前の状況をイメージいただきたいと思います。私が入社したときのオリエンテーションは、とてもシンプルでした。
入社当日、私たちはコーポレートチームマネージャーに呼ばれ、入社オリエンテーションを受けました。
・ミッション/ビジョン
・今期の計画
・Slackを使う際のルールとコツ
・セキュリティ上の注意事項
上記事項について口頭で簡潔な説明があり、所要時間はほんの10分ほど。大手企業出身で、入社から半年以上研修漬けだった私としては、その極めて簡素なオリエンテーションに「な、なんてベンチャーっぽいんだ!」と衝撃をうけたものでした。
ほかに分からないことがあればまわりのメンバーに聞くか、自分でKibela(社内wiki)を見るというキャッチアップ方法だったのですが、このKibela(社内wiki)、すでに古い内容だったり、整理されていない部分が多く、欲しい情報を手に入れるのに苦労することもしばしば。情報セキュリティ担当の竹谷さんには各新メンバーから個別に「これ、やっても大丈夫ですか?」「こういうときどうしたらいいですか?」との相談がひっきりなしにくるほど、知らないこと・わからないことが多数存在していました。
私が入社する前はメンバー数も少なく、それぞれが複数の業務を兼務していたことから、簡素なオリエンテーションでも成り立っていたと耳にしたのですが、私としては「これだとみんなに同じことを聞かれてしまうから、もう少し情報を集約して伝えたほうがいいフェーズにきているのでは」と感じました。
あのひとは……誰だっけ? 見えない会社の全体像
そんな簡素な入社オリエンテーションであったため、必然的にすべてのキャッチアップは各チームのOJTで行われます。まずは目の前の仕事とスピード感についていくことに必死になるがゆえに、他チームのメンバーと関わる機会はなかなかありませんでした。
しかも、私が入社した時点でメンバーは60人超え。顔と名前を一致させ、かつ誰がどんな仕事をしているのかは、正直すぐには覚えられませんでした。
同期入社のメンバーですらオリエンテーションの10分間しか時間をともにしていないため、顔も名前もうろ覚え……。他チームのマネージャーともなればなおさら距離を感じていて、ランチに誘うのにも「どこの席に座っている、どの人だっけ?」という下調べと、はじめて声を掛けるための勇気が要りました。
コドモンでは継続して仲間集めを行っており、これからもっとメンバーが増えていきます。会社が成長し変化が求められる中で、これまで以上に会社や組織の全体像が見えづらくなり、だんだんとコミュニケーションが希薄になっていきそうでした。そうなったら、みんなで一つの目標に向かっているという感覚も同時に薄まってしまいそうだし、誰かに協力をお願いすることも、誰かを助けることも難しくなって、心理的安全性が損なわれていくのでは……と不安になりました。
そこで私が「新メンバー」として感じたことを、今度は「HRチーム」の立場で、コドモンの新たな課題として話し合い、入社後のパフォーマンスやコミュニケーションを円滑にするためには、もっと入社時の情報共有を強化して、はじめから周囲や全体像が見える状態にしたほうがいい!と決まり、入社オリエンテーションのリニューアルプロジェクトが走り出しました。
想いを詰め込み、1ヶ月で作ったNEW入社オリエンテーション
3月初旬、HRチームは全体像のわかるオリエンテーションを設計するために走り出しました。新メンバーに会社や組織全体のことを簡潔に伝えるためにはどうすればいいか、どうすれば最高のスタートを切れるのかと考えた末、各チームのマネージャーから業務内容や工夫、想い、大切にしている考えかたなどを話していただくことにしました。
自分の所属チームのマネージャーとは日々会話することができますが、他チームのマネージャーからじっくりとお話を聴ける機会はなかなかありません。入社直後のタイミングでその機会があれば、会社全体への理解を深めることができるし、その後のアンテナも高くなるのではと考えました。
また、オリエンテーションで一般的な「施設設備の紹介」「就業規則」「情報セキュリティルール」などもはじめにしっかり周知すべき、ということで、ここはコーポレートメンバーがそれぞれ受け持ち、よくある質問をまとめたり、系統立てて説明できるように資料化しました。
さらに、オリエンテーションに盛り込みたかったのが「目標設定」についてでした。コドモンでは「OKR」という全員でひとつの重要な目標に向かって高くジャンプするためのツールを使って目標設定をしています。馴染みのないメンバーには少し難しく感じられるため、どういう意図で、どんなふうに活用するのかをしっかり伝えるべきだと考えたのです。
オリエンテーションの内容も決まり、発表スライドのフォーマットを作成しマネージャーに展開するまでおよそ10日間。この新しいオリエンテーションを4月から実施するため、全速力で用意しました。
コドモン一番の繁忙期でもある3月に、マネージャーをはじめ各担当者にスライド作成依頼をして、たった1週間で内容を作っていただくという鬼スケジュール……!
それにもかかわらずマネージャーのみなさんを中心として多大なるご協力をいただいて、当日までにはなんとか準備ができました。
こんなに急いだのには理由があります。4月は始まりの季節でもあり、コドモンでも他の月に比べて特に多くのメンバーがジョインしてくれることが決まっていました。課題がわかっていて、改善方針も決まったのですから、それをぜひとも4月の新メンバーたちに届けたかったのです。
しかしコロナウイルスの影響が大きくなってしまったことで、オリエンテーションを会社としてどのように実施すべきか、ギリギリまで悩みました。業務自体はリモートで行っていただくとしても、初日には社用PCをお渡ししたり業務の説明を行ったりする必要があったため、苦肉の策として「ラッシュを避け遅めに出社&早めに帰宅」という案内に。しかもその決定をご連絡できたのは、直前の3月30日でした……。
紆余曲折を経て、はじめてのNEWオリエンテーションは、前半はオフィスにて対面で、後半は帰宅後に各自がリモート参加で実施されました。
会社の全体像と、知っておいてほしいことをしっかり載せたことにより、資料スライドは95ページにおよぶ超大作に!はじめての運営で不慣れなことも多かったのですが、丸一日をかけてなんとか最後までやりきることができました。
実施後のアンケートでは「全体像を掴むことができて業務が円滑になりそう」「すべてのチームが同じミッションのために取り組んでいると改めて感じられ、意欲が湧いた」などの意見が多く、当初の目的をかなえることができました。
一方で、すべてがハイスピードだったこともあって情報共有や議論が十分でない部分もあり、説明不足・準備不足などの反省点も浮き彫りになりました。
お試しトライが、だんだん仕組みになっていく
たった1ヶ月で誕生した新オリエンテーション。理想的なのは発表者がリレー形式でバトンタッチし、次々と新メンバーをお迎えする仕組みでしたが、なにせ慣れない取り組みで、しかも急遽のコロナ対応ですから、実施する側は不安だらけ。
「タイムスケジュールこれでいいのかな、早く終わりすぎるかも?」「ちゃんと目的が伝わるかな?」という企画部分も心配でしたし、発表者からは「相槌がないと不安」「プレゼンテーションスライドと新メンバーの顔を同時で画面に映せない……」なんて声も出てきました。
急ごしらえのお試しオリエンテーションがちゃんと「よい体験」として機能しているか、実際に確認してブラッシュアップしていかなければ!という使命感もあり……。結局、私は自分のPCを画面共有用にし、1日中張り付いてスライドめくりを担当しました。
これを2回、3回と繰り返す中で、なにが課題かということが確認でき、改善を繰り返すことで運用も固まっていったのです。発表者も回を重ねるごとに内容をブラッシュアップさせ、クオリティがどんどん上がりました。
そうして、当初の目標だったリレー形式でのオリエンテーションが、ついに7月から実現したのです!
またアンケートでも多くの改善アイデアをいただいてきました。4月より5月、5月より6月と、着実に充実した内容になっています。下記は、パワーアップの一例です。
・「自己紹介をしたい」
→ 翌月からすぐに自己紹介の時間を設定しました。最近では15分間の自己紹介&交流タイムを設けて、既存メンバーからも質問などができるようにしました。
・「やるべき内容のToDoリストが欲しい」
→ 午前中の説明が一通り終わったところで、振り返りまとめの時間とスライドを設けて、今日やるべきタスクを棚卸しできるようにしました。
・「用語の詳しい説明が欲しい」
→ オリエンテーションで出てくる用語や、日常社内で使われている言葉を集めて「コドモン用語集」を作成。入社前にお送りして、事前に確認できるようにしました。(なんと、インターン生が作ってくれました!)
オリエンテーションも5回目となり、最初はバタバタだった事前準備も前もって行えるようになりました。アナウンスも半月ほど前に出せるので、新メンバーが「入社当日はどうしたらいいんだろう?」なんて不安になることもなくなって、アンケート結果でも満足度の向上が感じられました。
完全リモート期、意思疎通の土台になったのは……オリエン!?
緊急事態宣言が出されたあとは、全社的にフルリモート勤務となりました。PCの受け渡しも難しそうだということで、新メンバーのご自宅へ社用PCが送付される運用になり、完全オンラインのオリエンテーションがスタートしました。
こうなって初めて、思いもよらぬ効果が出てきます。リモート勤務がスムーズになったのです。
当初、コドモンにおいてフルリモートでの勤務は難しいのではと考えられていました。背景を知らずに切り分けてできる業務は一部だし、前提知識が不足している以上、対面でしっかりコミュニケーションやサポートをしながらでないと無理では……というイメージです。
しかし、4月にオリエンテーションを開始していたことで、5月にはより充実した情報を、整理した上で新メンバーに届けることができました。会社全体の動きや、目的意識や、提供できるサポートといった前提知識の存在により、以前よりずっとコミュニケーションが円滑になりました。
そんなわけで、新メンバーが一度もオフィスに足を踏み入れることのないまま、多少の不便は感じつつも問題なく業務をスタートできてしまったのです。
思わぬ効果はそれだけではありません。コロナ以前は東京で実施する対面オリエンテーションを、宮崎のメンバーが中継で見るという方法でしたが、この完全オンライン入社オリエンテーションの実施によって、結果的に宮崎オフィスと東京オフィスが垣根なく参加できる仕組みができあがりました。これも今となってはよい「基本文化」になっています。
現在、フルリモート勤務は解除されましたが「発表者も新メンバーも、初日は全員出社」という前提には戻りません。「すべてリモートでできる」という前提で取り組んでいます。
出社しづらい人も、遠くで働く人も、初日の出会いの時点で「この会社は自然にリモートワークができる会社だ」と安心でき、どんなチームがいて、どんな人が、どんなことをしているのかわかる。そうしてスムーズにオンボーディングできることに、大きな意味があると思っています。
完全リモートという一見不便にも思えた状況でしたが、これからの時代に合った意外な成果を生み出してくれました。
みんなの意見でよりよいものに
次にオリエンテーションに取り入れたいと思っているのは、保育士さんの業務に関する情報です。
コドモンには自分のお子さんを保育園に預けているメンバーはもちろん、保育士をしていた、保育士免許を持っているメンバーもいます。一方で、保育とは接点がなかったというメンバーも多数在籍しています。そんなメンバーたちに、エンドユーザーである保育士さんについてもっと理解を深めていただいて、よりよいサービスをご提供していきたいと考えています。
実はこれは元保育士のメンバーから「保育士についてオリエンで説明させてほしい」と提案があって検討がはじまったものなんです。
これに限らず、オリエンテーション実施後のアンケートではまだまだたくさんの意見が出てくるのですが、最近ではその内容がより高度なものになっているように感じます。ひとつ前に進めばその先が見えてくるのだということを実感する内容です。
新しい仲間を迎えるための体験作りにみんなでアイデアを出し合い、みんなでそれを実現するために取り組み、質が向上していっています。
ただ、たった1日で説明するには今だけでも情報が多すぎる! ということで、オリエンテーションを2日間に分けることを視野に入れています。そうすれば、自分のチームのメンバーとの交流や状況確認ができる時間を初日に確保でき、より安心感のある入社初日になるかもしれません。
コドモンのオリエンテーションはまだまだ変化していきそうです。
ようこそ! で実現したいのは、最高のEX
みんなの意見で次々とアップデートされているオリエンテーションですが、根底にあるのは「コドモンを選んでくれて、飛び込んでくれて、ありがとう!」の想いをしっかりお伝えするというポリシーです。
実は当初、オリエンテーションは動画でいいのでは、という案もありました。大きく変化していない部分に関しては、先月の録画をみてもらう形で十分なのではないか、という考えです。実際「マネージャー陣が総出でプレゼンなんて、ちょっと手厚すぎるのでは……」なんて声もありました。
しかし結局「当月の入社人数が1名であっても、しっかり時間をとって、リアルタイムにオリエンテーションを実施する」ことにしました。それは「コドモンを選んでくれてありがとう」というウェルカム感をお伝えするには、動画じゃ全然伝わらない! と考えたから。入社初日に「この動画、見といてね」なんて、ちょっと寂しすぎると思ったのです。
そんなわけでオリエンテーション自体が新メンバーへのウェルカムの体現なのですが、想いを込めているだけでは伝わらないのが世の常。オリエンテーションの最初には代表の小池さんから、そして最後にはコーポレートマネージャーから、言葉で「ありがとう、ようこそ!」をお伝えいただいています。
最近では4月以前に入社したメンバーから「私たちのときもオリエン欲しかった!」との声がちらほらと上がってきているんです。それだけ、入社時の体験の質が上がってきたということかな?
私自身、入社4日目でCX(候補者体験)について考える合宿があり、入社1ヶ月でEX(従業員体験)について考える機会をもらいました。そしてそこから1ヶ月で入社オリエンテーションをリニューアルさせ、半年かけてようやく仕組みになってきた……というところです。前職が人事ではない私にとって、難しいことも多いチャレンジでしたが「体験を作る体験」ができたことはすごく価値があったなと感じています。
コドモンは今後もメンバーの意見をもとに改善を繰り返しながら、最高のEXを実現していきたいと思います!