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リテールテックJAPAN成功の舞台裏 マーケティング部が重ねる創意工夫

当社では、セミナーやイベントなど様々なマーケティング活動を行っており、最近では展示会への出展をコンスタントに実施するようになっています。今回は、春に東京ビックサイトで実施された「リテールテックJAPAN」への出展について、狙いや取り組みの成果をマーケティング部のメンバーに聞きました。

<プロフィール>
 東 侃輝 Naoki Higashi(画像中央)
1993年生まれ。横浜国立大学 教育人間科学部 人間文化課程を卒業後、アイティメディア株式会社入社。企業向けWebメディアを活用した大手IT企業のBtoBマーケティングの企画設計・支援に従事。その後クックパッド株式会社に入社し、食品・飲食・小売店向けのマーケティング支援プロダクトの営業企画、マーケティング/IS組織の立ち上げとともに、企業向けオウンドメディア「FoodClip」の立ち上げとそれを起点にした新規事業開発を担当。2022年にClipLine入社、現在はマーケティング部の部長を務める。

 平田 諒 Ryo Hirata(画像左)
早稲田大学教育学部卒。新卒で広告代理店子会社にて、新規事業開発・マーケティング戦略設計に従事。主に消費財の新規事業立ち上げ・マーケティング戦略設計を担当。その後広告代理店に入社し、化粧品会社の年間プロモーション伴走や新規事業オペレーション構築等、広告プロデュースに従事。2024年にClipLine入社。現在はデジタルマーケティングや展示会等を担当。

毛利 龍耀 Ryuki Mori(画像右)
立教大学理学部卒。会計コンサルティング会社にて会計・経費精算システムの導入に従事。2021年にClipLine入社。約2年半カスタマーサクセス部にてABILI Clip導入の伴走支援に従事。現在はマーケティング部にてメールマガジンやABM施策の推進を担当。

目次

  1. 懐疑的な評価のあった展示会がメインチャネルの1つに
  2. 直前の展示会の反応を受け、急遽メッセージングを変更
  3. 社内の参加者を集めるための極意
  4. 新サービスや機能の社内理解促進にも寄与
  5. オペレーション改善により商談件数増加を達成!
  6. 出展で積み重ねてきた学びと今後の展望

懐疑的な評価のあった展示会がメインチャネルの1つに

――リテールテックJAPANへ出展した背景について教えてください。

東:展示会への出展は僕がマネージャーになった2023年の初めから精力的に行うようになりました。それまでは会社としても僕の入社前に1回やったきりで、その当時の評価も芳しく無かったようで、出展を決めるにあたっては懐疑的な意見も多少ありましたが、経験を重ねていくごとに着実に成果を出せてきています。
リテールテックへの出展は今回が初めてだったんですが、我々がおつきあいの深い業界向けの展示会で、僕らと同じように多店舗・多拠点展開向けのサービスを運営している企業さんに話を聞いても、かなりおすすめだという話もあり、期待値は高かったです。

――そもそも今まで展示会に出展しなかった理由はなんだったんでしょうか?

東 :展示会に限らずですが、我々がお客様として捉えている業界・規模の企業様は、企業全体の中で非常に少ない割合であり、手法も限られているという先入観に近いものがありました。しかしだからこそ対象の方に刺さるブースのメッセージも作りやすいし、機能や活用シーンのバリエーションが豊富で深い理解をいただくことが重要な我々のサービスに展示会は相性がいいはず、という勝算は僕の中では当初からありました。
また、出展できてこなかった理由として、どうしても展示会は手間がかかり、マーケチームだけではできないことなので、その辺りのリソースや組織の協力体制の難しさはあったのかなと思います。そこの壁はさまざまな部署の方のご協力で現在越えられているのでありがたい限りです。

平田 :現在は皆さん意義を理解して参加してくれていますが、担当外の業務には違いないので、多少なりとも負担ではあると思います。なので、日頃から僕らも積極的に他部署に協力して、チームワークが自然に生まれるような関係性を築いていくことが大事だと感じています。


直前の展示会の反応を受け、急遽メッセージングを変更

――ブースの内容や見せ方はそれまでの出展から大きく変わった印象があります。この背景と経緯を教えてください。

東 :リテールテックの1ヶ月前の2月に、「DX 総合EXPO」に出展したんですが、自分達ではかなり考え尽くして情報を詰め込んだつもりの内容のブースが全然刺さっていなくて、初日の客足や反応があまりよくなかったんです。その時には既にリテールテックのブース内容も決定しかけていたのですが、これはまずいと思って急遽現場からデザイン担当と連絡をとって、より端的かつキャッチーな表現への変更を行いました。

――そのあたりは平田さんが担当されたそうですね。2月に入社して間もないタイミングで参画したそうですが、いかがでしたか?

平田 :一番大きいのはやはりブースのメッセージ設計でしたね。DX EXPOはかなり詰め込んだ内容だったので、もっとシャープにしつつ、”載せない内容”をきちんと決めたことがポイントでした。
具体的には、ブースの奥側の部分がごちゃついていたのを、リテールテックでは二行のメッセージに変えて、アイキャッチになるようにシンプルに、遠くからでも見えて、かつ足を止めてもらえるように意識したところは大きい変化だったと思っています。


          ブース奥のメッセージをシンプルにして視認性を高めた

また、ブースのメッセージである「処方箋」にちなんだ白衣の着用やノベルティの多様化、ミニセミナーの実施など、我々のブース前で足を止めてもらうためにできることは何かを考えていろいろな施策に取り組みましたね。


                   メンバーは白衣を着用


                 新たに用意したノベルティ


社内の参加者を集めるための極意

――ありがとうございます。ところで、参加メンバーを社内から募集されていましたが、スムーズに集まるものなんですか?

東 :そこは一つ大きな課題で、どれだけ「お客様と直接話せる機会です」とか綺麗なことを言っても、参加者にとってネガティブな部分はやっぱりあります。立ちっぱなしだし、来場者に声かけなきゃいけないし、「前職でノルマを課せられた経験がトラウマで…」のような声もあったりしました。
そうした障壁になる要素をできる限り減らすために、休憩時間も含めたシフト組みや当日のブース内での人員配置にかなり気を遣ったり、マニュアルを作りこんだり、説明しやすいデモ環境構築や、応対のための手元資料の整備など、あらゆることに取り組んでいます。ただ作るだけでなく、事前の説明会の実施や、応対トークやデモ環境の解説を「ABILI Clip」上で展開したりしています。

――この辺りは毛利さんが主に取り組んでいるところですね。

毛利 :デモ環境の構築にはかなり注力しました。僕はもともとCS(カスタマーサクセス)出身なので、ABILI Clipのデモ環境をよく使っており、どうカスタマイズしたらみんなが使いやすいか、説明しやすいかというのはイメージがあったので、それを具現化する作業を行なっていました。
また、新しいサービスであるABILI Boardに関しては、いろいろなデータ分析の切り口がありますので、用意できる要素の中から、普段の業務でデモの機会がない方も理解しやすいようにシナリオを設計し、実装を行いました。そのおかげか、参加したスタッフからはスムーズに利用できて助かったというコメントをたくさんいただきました。


 お客様の理解しやすさに加えて対応するメンバーの使いやすさにも配慮して資料やデモ環境を構築


新サービスや機能の社内理解促進にも寄与

――新サービス「ABILI Career」や「ABILI Clip」の新機能である業務連絡機能はリテールテックでご紹介を始めていましたね。

東 :ABILI Clipの説明をしていく中で、ABILI Careerにつながるニーズをいただくことが何回かあって、そこがきちんと説明として形にできたのは良かったですね。そうした場でお客様への説明を行う機会を作って組織内に展開していくことで、それがみんなの共通言語に作れていければベストですね。

平田:業務連絡機能のデモが実装できたことによって、 ABILI Clipのコア価値のひとつとして訴求しているコミュニケーションの領域をよりリアルに感じてもらえることが多くなったなという印象です。動画によるコミュニケーションに加え、テキストでの即効性のあるコミュニケーションができることが一目でわかりますし、よりABILIの価値を感じてもらいやすくなったと感じます。
実際に業務連絡機能をきっかけに前向きに考えてくれたり、感度が良くなったりというお客様もは結構いらっしゃったのでとても有益な機能だと思います。


オペレーション改善により商談件数増加を達成!

――現地でのオペレーションもかなり細かい改善があるように思えます。

東 :お客様とのお話に合わせて、後日の商談の日程まで調整する会話のオペレーションを追加し始めました。商談数が増えれば、というのももちろんですが、顧客体験のイメージが今まで以上に深まることにつながったと思っています。
例えその場でアポを取れなくても、どのタイミングでどういうアプローチだと商談になるか、といった感度が営業以外の方も深まってきているのが大きな成果と言えると思います。

毛利 :名刺獲得後の情報管理も変わっていっています。新たにツールを導入し、その場で名刺の写真を撮りデータ化、併せて会話の内容や次のアクションなどをデジタル上にメモを行い、管理システムに残すというスキームを作りました。これによって集計効率や情報の精度も向上し、フォローのスピードも格段に上がり、ブース対応の品質はもちろん、お客様の体験全般が向上したと感じます。


出展で積み重ねてきた学びと今後の展望

――ありがとうございます。最後になりますが、今回の展示会でマーケティング部として得られた最大の学びと今後に向けた展望について一言ずつお願いします。

毛利 :タグラインやメッセージを変えたり、見せ方・訴え方を変えることで、お客様の受け止め方が変わることを直に感じとれたと思います。今後も、お客様にどう感じてほしいかを踏まえて、引き続き頑張っていければと思います。

平田 :コンセプトをきっちり立たせるところとメッセージをよりシャープにすることに加えて、裏側の仕組みを整えたことが大きく結果に影響してくると感じています。
良かったところは次回も踏襲しつつ、改善するべきところは適宜改善していきたいですね。

東 :ABILIにリブランディングして半年余り、過渡期にあるタイミングで、その中で行なっている試行錯誤の答えやヒントだったりを直接お客様からいただける貴重な機会に展示会はなっていると思います。
かつ、商談数などで一定の成果も出せており、全社的にみて良い機能になっていると思うので、今後もPDCAをぐるぐる回し続けて組織に還元できる場になっていければいいなと思っています。
展示会は本当に“ビジネス現場力”が試され、育つ場だと感じていて、部門間の連携も非常に強くなっていくので、そういう場としてもより価値があるものにしていけたらいいなと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました!ますます進化するマーケティング部の取り組みにご期待ください。



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