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業界・産業の未来をユーザーとともに創っていくコミュニティマネジメントとは? (前編)

建設建築業界の現在や一歩先を伝えるコミュニティサイト『ANDPAD ONE』、建設DXをリードするプレーヤーが業界のリアルな最前線の視点や未来の課題について伝える『ANDPAD ONE CONFERENCE』、ANDPADユーザーを表彰し称賛するユーザーコミュティの祭典『ANDPAD AWARD』。これらは、ANDPAD ONEグループがミッション実現のため運営しているサイトやイベントです。ANDPADユーザーとの取り組みを通してコミュニティの構築を行い、ユーザーへの価値創出と業界発展につなげていく、とコミュニティマネジャーを務める平賀さんは語ります。前編では、グループの歩みや取り組んでいるプロジェクトの背景や意義について語ってもらいました。

平賀 豊麻 ANDPAD ONE責任者 

2018年5月に株式会社アンドパッドに入社。インサイドセールスの一人目として、IS組織立ち上げを行う。その後コミュニティマネージャーに就任。ユーザーコミュニティの創設・醸成に日夜奔走。


DXの最前線を届けるための辞書

─まずはグループ名でもある『ANDPAD ONE』のミッションを教えてください。
最前線のノウハウや、チャレンジャーが集まるコミュニティを形成し、ユーザーの利用体験を高め、アンドパッドのミッションである「幸せを築く人を、幸せに。」の実現を加速させる、これがANDPAD ONEグループのミッションです。

─コミュニティを形成とありますが、『ANDPAD ONE』『ANDPAD ONE CONFERENCE』『ANDPAD AWARD』は、それぞれANDPADのユーザーであるお客さまが登場されるインタビューコンテンツやイベントかと思います。どういった背景からスタートしたのか、それぞれにどのような役割があるのか教えてください。
それではまずANDPAD ONEを立ち上げた背景から説明します。私が入社して2019年頃から、業界ニュースや参加したイベントのレポートなどを社内ドキュメントやSlackで適宜共有していました。

─最初は平賀さんが自主的に情報共有することから始めたと。何か課題があったのでしょうか。
当時、私はインサイドセールス職。お客さまとの商談機会の創出がメインミッションのため、ANDPADのプロダクト群が本当にお客さまに業務の生産性向上や効率化といった便益をもたらせているのか、個人的に実感しなかったのが理由にあります。

─インサイドセールスは口頭やテキストコミュニケーションが中心ですからね。
それに加えて、インサイドセールスの組織立ち上げ期、セールスもカスタマーサクセスも今と比較すれば少ない人数で多数のお客さま対応をしている、エンジニアには自分たちの作ったプロダクトがどれくらいお客さまに便益をもたらせているか見えにくい、そんな状況でした。ある時メディアと連動した形でANDPADの利用についてお客さまへの取材をする取り組みがありましたので、実感できる良い機会だと思い同行させてもらっていました。すると「現場に移動しなくてよくなった」などお客さまの声や情報が見えてきたのですが、少し表層部分のみでそれは本質ではないのではと思っていました。

─どういうことでしょうか。
これは、お客さまに直接会いにいったことでわかったのですが、建物作りの大事な部分や経営哲学・建築ポリシーなどを事業者ごとに持っていて、個人的にそれが大事なんだと思いました。これがお客さまの根幹であり、私たちが理解すべきお客さまの声ではないかと思い、ドキュメントにまとめ社内に発信し、共有していきました。

─そういった背景があったのですね。
そのアクションを継続していたところ、代表の稲田からも「本質的なお客さまの声をもっと届けていってもよいのでは」と後押しもあり、本格的に立ち上げたのが『ANDPAD ONE』です。

立ち上げ当初は、建築設計や経営者向けのヒントを届けていくというコンセプトのメディアでしたが、徐々にコミュニティサイトとして位置づけました。

─変容した経緯は。
伝えるべき中心となるのはお客さまの変化です。つまり、ANDPADを活用することで、業務効率化、生産性向上を実現し、働き方や風土の変化、新規ビジネスの創出など、本来のDXが実現していくプロセスとそのような変化をしっかり表現し伝えることが大事だと考えました。その過程にはお客さまの活用度合い、プロダクトの成長、アンドパッド社員による適切なお客さまへのサポートなどが要素に含まれます。それらを表現していくとなると、コミュニティサイトがあるべき姿ではという考えからです。

▲コミュニティサイト『ANDPAD ONE』

─となるとプロダクトのオウンドメディアともいえないですね。
そうですね。社内には『ANDPAD ONE』はDXの辞書とも伝えています。記事コンテンツのテーマには、ピンポイントな課題に訴求できるストーリーやノウハウが多くを占めます。理由は各事業社で大小さまざまな課題を抱えていらっしゃるからです。そのため約480万人近くが働くこの建設業界に共通したテーマよりも、1人にでもピンポイントで訴求できるコンテンツであれば、読んだユーザーの行動変化を促しやすいのではないかと考えています。例えば、「塗装業界の○○の課題について」「100名規模の工務店のDX」など。そのため1コンテンツを取材~構成までしっかり作り込み、それぞれがピンポイントで訴求できるコンテンツの集合体だからこそ、ストック型の辞書とも考えています。

▲『ANDPAD ONE』『ANDPAD ONE CONFERENCE』『ANDPAD AWARD』の立ち位置

─なるほど、ありがとうございます。続いて『ANDPAD ONE CONFERENCE』はどのようなものでしょうか。
『ANDPAD ONE CONFERENCE』は、ANDPADのユーザーに向けて新しい価値を届け、業界の変革に資する技術や視座を届けていく、というテーマで実施しているイベントです。ANDPADの利用企業や技術パートナーとともに作りあげるセッションを中心としたラインナップで、DXを実現し産業が成長・好転していくためにはどのような変化が必要なのか、毎年新たにテーマを設定し有識者や業界のトップランナーとともに考えていくものです。

例えば、2022年のカンファレンスでは「生産性向上とコンプライアンス対応」「安全管理の効率化と施工品質の向上」など、建設DXにおいて注目すべきテーマを掲げて実施しました。


▲『ANDPAD AWARD』での集合写真

─そこにアンドパッドの手法やプロダクトのソリューションを含めつつ、業界の未来に向けてアンドパッドも一緒に歩んでいくという姿勢を見せているわけですね。『ANDPAD AWARD』はいかがでしょうか。
『ANDPAD AWARD』は、ANDPADを利用してくれているお客さまを弊社及びコミュニティのメンバーであるお客様と一緒になって称賛するイベントです。

─ANDPADの利用率や継続期間などで表彰していくイメージでしょうか。
もちろん高い利用率は称賛の要素になりますが、それだけではなくANDPADを使うことで働きかたの変化や事業運営における新しい価値を生み出せているかまでを含めて称賛しています。


ANDPADのコミュニティの意義と価値

─カンファレンスで未来にあるべき姿を定義しつつ、それに向かって変化している企業さまのプロセスをアワードで称賛していると。そのような活動を通してユーザーコミュニティを形成してくかと思われますが、コミュニティのあるべき姿や価値についてはどのように考えていますか。
私たちの活動を通して目指すところは、「ANDPADを正しくたくさん使うと、良い仕事につながる」という一般市場における認知獲得と価値創出への貢献です。有名な飲食店評価ガイドのように、選ばれたら栄誉なことってありますよね。同様に「ANDPADを使っている」「ANDPADに称賛された」という体験が、ユーザーの皆さんの市場価値としてプラスとなるそんな栄誉あるものにしたい。そのためにコミュニティも一役を担っていると考えていまして、プロセスだと『ANDPAD ONE』に取材記事が掲載される、称賛の頂点として『ANDPAD AWARD』に参加することだと思います。

─企業としてANDPADを使っていることが価値、ANDPADに称賛されることが価値、そんな世界観を作っていきたいイメージですね。そのためにコミュニティを形成していくと。その他の視点で、コミュニティ形成によってユーザーにとってのメリットには何があるのでしょうか。
例えば、先日実施した『ANDPAD AWARD』では、業界内におけるセクターやセグメントなどの垣根を超えたコミュニケーションが発生していました。というのも、一言に建設業界といっても、住宅なのか、非住宅なのか、さらに地域工務店、パワービルダー、ゼネコン、サブコン、専門工事等、業種・業態、さらにビジネスサイズがあり、それぞれに異なる文化や風土があり交わらないものだと私たちは捉えがちでした。しかし、ANDPAD AWARDでユーザーの皆様の取り組みや課題を各々に共有する場を設けたところ、ゼネコン業界の方は「この住宅業界の課題は再来年おきるかもしれない」、逆に住宅業界の方は「ゼネコン業界の〇〇の課題は、我々の●●と似ているので、応用できるかもしれない」と相互の学びに繋がっていたようです。ユーザー数44.7万人以上、利用企業17.3万社以上というANDPADコミュニティのネットワーク外部性の価値が見えてきたわけです。ここにはアンドパッドでしか提供できないコミュニティの価値を感じています。

━ANDPADを使っているからこそ、セクターを越えた交流が生まれると。
交流によって、知見のキャッチアップだけではく、触発される、奮起されるという感情も生まれるでしょう。

ANDPADがユーザーの皆様に提供できるのは、デジタルを利用して働き方や風土などがこれまでと変わって良くなっていくという価値です。この変化を起こすのは、建設業界共通のビジョンでもあるはず。セクター・セグメントなど業界は異なれど、そこに向かってお互いに学び合いながら歩んでいける機会や場を提供できるのは、コミュニティの役目ですし、熱量高いコミュニティだからこそ実現できるのではないかとも思います。

━なるほど。ANDPAD AWARDが発揮するコミュニティの価値が見えてきました。『ANDPAD ONE』にはどんなコミュニティ価値があると考えていますか。
ANDPADの利用促進と変化をもたらすための大きな武器だと考えています。そもそも業務の変化やDXの実現は、一筋縄ではいきません。ANDPADを導入していただいた企業が、日常業務を行いつつ社内や現場で働く職人さんに向けてANDPADを普及させていくのは簡単ではありませんから。

━職人さんにとって操作の学習が必要だったり、使う理由が見出せなかったりなどは想像できます。
おっしゃる通り、現場でANDPADを使う職人さんにはデジタルに慣れてない方もいらっしゃいますし、新しいツールを覚えなければならないというマインドの発生も想定されます。よってカスタマーサクセスやお客さまのANDPAD推進担当にはそうしたハードルを超えていくエネルギーが必要になります。そこでコンテンツ、ストーリーが大きな役割を果たしています。『ANDPAD ONE』に同業他社の課題や悩みがあり、どのように乗り越えていっているのか、どんな工夫を用いて変わろうとしているのか、取り組み方や方法論などを共感しやすい各社のストーリーで紹介しています。『ANDPAD ONE』のコンテンツを駆使して、変化の前に横たわるハードルを乗り越え、推進及び浸透を促進してほしいと考えています。

━取り組み方や方法論をマニュアル説明ではなく、共感性を持ったストーリーだから自分事化してもらうねらいもありますよね。
そうですね。実際に自社のカスタマーサクセスがユーザーさんに対して行うオンボーディングにおいても、記事コンテンツを活用して一段高い提案ができるようになっているとも聞いています。ANDPADを利用しながら変化している様子や現在地などお客様のエピソードが最も訴求できると思いますから、ナラティブにそのストーリーを紡いでいくコンテンツ作りはこだわっています。

後編に続く



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