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アンドパッドは現在、QC(Quality Control)チーム構築の真っ只中であり、QAエンジニアの採用と育成に注力しています。社内ではあえて「QAエンジニア」を「QCエンジニア」と呼び、ソフトウェアテストだけにとどまらない能動的な品質管理を追求しています。
そんなQCチームの中心メンバーの一人が、安室博文さんです。博士号を取得し、29歳で社会人になったユニークな経歴を持つ安室さんのインタビューを通じて、攻めの姿勢で品質を向上させる「アンドパッドのQAエンジニア」の醍醐味に触れてください!
安室 博文(やすむろ ひろふみ)
有名国立大学の再生生理学研究室でイモリの網膜再生について研究。博士課程を修了。29歳で就職活動を開始し、ソフトウェアテスト専門会社に入社。ソフトウェアの品質改善に貢献し、チームリーダーを経験。ベンチャーのスピードと混沌を求めて、アンドパッドにジョイン。QCチームの構築と品質を能動的に改善する仕組みづくりに没頭している。
イモリの研究者もQAエンジニアも根っこは同じ
―安室さんは大学の再生生理学研究室に所属し、博士課程まで修了したと聞きました。そこからどうしてエンジニアに?
もともとエンジニア志望ではありませんでした。大学ではイモリの網膜再生について研究を続けていました。その先のステップを求めて就職活動をしたのですが、新卒採用は22歳、院卒で24歳が中心ですから、29歳という私の年齢のせいか、エントリーシートが全く通らない状況でした。哺乳類の研究をしていた人が、医療や製薬などの業界に進むケースはあるのですが、私の場合は両生類だったので、研究内容が評価されづらいことも影響していたかもしれません。
自分が新卒採用の枠に当てはまらないことを痛感し、就職活動の方向性を考えていたとき「尖った人を採用」という方針の会社をみつけました。その会社が独自でつくったテストで高得点を出せば、面接なしで一発内定できるというのです。私の場合は一発内定ではなかったのですが、テストでそこそこの得点を出せたからか、面接を経て内定をもらいました。
そこが前職のソフトウェアテスト専門の会社です。ちなみに、私は29歳で新卒入社だったのですが、新卒の中で私が一番年上というわけではありませんでした。常識や前例に捉われないベンチャー気質の会社でした。
―畑違いの仕事につくことに不安はありませんでしたか?
それまでハサミやメス、注射を使って研究をしていたわけですから、本当に畑違いですよね。PCを触るにしても、エクセルとパワーポイントくらいしか使ったことがなく、IT用語も知らない状態でしたから、戸惑いはありました。
ただその一方で、「生物の研究も、ビジネスも基本的にロジックは一緒だろう」と思っていました。例えば、人間が生物について知っていることってほとんどないんですよ。誰も答えを持っていないことに対して、仮説と検証を繰り返し、「答えらしきもの」に近づいていきます。
数学や物理のロジックや、過去の論文、統計、投与した薬に対する実際の反応をもとに、「こういうことだろう」と解釈するしかない部分もあります。生物はカオスなので、同じ薬を投与したからといって、同じ値が出てくることは基本的にないですから。
ソフトウェアの不具合に関しても、不具合全体の傾向から、「ユーザー利用のこういうシチュエーションで発生しうる不具合が多い」だとか、「開発の流れの中でこういうチェックが漏れやすい」だとか、データ収集・分析の中で筋道を探すことで、問題の本質に近づいていきます。やっていることの根っこは、研究者の頃と同じです。
品質管理にとどまらず、能動的に品質を改善したい
―前職での活躍が目に浮かびます。そこからアンドパッドに入社した経緯を教えてください。
作業レベルの仕事から、チームリーダーなどのマネジメントも経験し、さらにお客さまとのやりとりもする立場になり、充実していました。一方で、客先常駐だったので、自分から能動的に提案して改善できる問題ばかりではないんですよね。だから、「次は自社でプロダクトを持っている会社の中に入ってやるのも面白そうだな」と思っていました。
アンドパッドに決めたのは、開発部門のカルチャーに合いそうだと感じたからです。オンラインでカジュアル面談をさせてもらい、面接担当者と笑って話している様子が隣の部屋にいた妻にも伝わったようで「さっきの本当に面接だったの?」と聞かれたことが印象的でした。QCチームの役割を自分たちで定義していく段階からジョインできることも刺激的に感じました。
ソフトウェアテストはもちろん大事ですが、それ以外にもQAエンジニアが能動的に品質改善に関わることができるはずだと私は考えています。品質を守るだけでなく、より良いものにするために自分から働きかけるQAエンジニアがいてもいいと思います。
ソフトウェアの品質ってなんだ? 答えがないから面白い
―自社でプロダクトを展開しているアンドパッドのQAエンジニアの面白さを教えてください。
アンドパッドは会社も、プロダクトも生き物のように進化している最中だから面白いと思います。建設業界向けのプラットフォーム戦略を展開していますし、プラットフォームの構築は、生物の進化を支えるエコシステム(生態系)と似ています。アンドパッドがつくったプラットフォーム上で建設業界のDXが展開され、「つくる人」をはじめ関係する人たちみんなが幸せになる仕組みを「エコシステム」とも表現できるからです。
「ANDPAD」も生物のように進化しています。機能やサービス、開発スタイルはもちろん、品質についても同じです。プロダクトの成長ステージによって、求められる品質は異なります。「ANDPADにおける品質とはなんなのか?」というところから考えなくてはいけないと思いますし、そもそも品質というすごく曖昧な言葉で一括りにしたくない気持ちもあります。「ソフトウェアの品質」と言われて、それが何なのか明確に答えられる人はなかなかいないと思います。私にもわからないです。
例えば、1件のバグと100件のバグがあるソフトウェアの品質を考えてみます。数だけでみたら、1件のバグしかないソフトウェアのほうが品質が高いと感じますが、その1件が致命的なものである可能性もありますよね。一方で、100件のバグがあっても、それがユーザーに大きな不利益を与えないものだったらどうでしょうか。判断が難しいところだと思います。でも「答えがないからこそ面白い」と感じるのが私の性格なのです。
ノーコードでテストを自動化するAutifyを効果的に使う
―「品質とは何か」と常に問い続けながら、日々取り組んでいるのですね。
現在は、プロジェクトごとにQAエンジニアがついていますが、各自のナレッジを結集して、全社的に品質をコントロールする仕組みをつくりたいと考えています。その取り組みの一つが、ノーコードでテストを自動化できるAutifyの活用です。
例えば、新しい機能を実装しても影響が出ないことはわかっているけれど、念のために確認しなくてはいけない部分や、何度もテストをしていて人の目で確認をする必要がない部分は、できる限り自動化を進めています。それにより生まれたリソースを別のところにつぎ込むべきだと思うのです。全ての機能に対して変更があるたびにテストを書くのは大変だし、人間がやると見落としなどのミスもあります。
アンドパッドのQAエンジニアはこのように、品質をコントロールする仕組みをつくる役目もあるので、「仕組みづくり」に興味がある人にとってはエキサイティングな環境だと思います。QAとして「もっとこうしたら品質が上がるのに!」と感じていても、提案できる機会や受け入れる土壌がなく、フラストレーションを日々抱えながら今の現場で働いている人に、ぜひジョインしてほしいですね。
要件定義に参画し「品質改善しやすいプロダクトづくり」に貢献
―今まさに仕組みづくりをしているところだと思いますが、その先に描いているビジョンも教えてください。
体の不調を自覚したときにはすでに病状が悪化しているのと同じで、ソフトウェアも不具合が表に出た時点ですでに重症というケースもあると思います。つまり、不具合が出てから対処するのでは遅いケースがあるのです。
ユーザーの操作環境やクライアントの要望を踏まえて、不具合が出にくいプロダクトをつくるためには、要件定義の段階から深く関わることも重要だと考えています。QAエンジニアが要件定義から関わっていくことで、品質をコントロールしやすいプロダクトづくりが実現できるはずです。
もちろん、ソフトウェアテストなどのプロダクト開発に不可欠な仕事を起点にしつつも、要件定義のフェーズをはじめとして、さまざまな開発レイヤーに対して向き合っていきたいと考えています。例えば、要件定義に関わりながら並行してテストを作ることで実装からテストのサイクルを早めたり、プロジェクト内の問題が起きた理由をQC目線で振り返って再発防止を進めるなどしています。
―アンドパッドにジョインするときに、やりたかったことを次々と実現していくイメージですね。
まさに転職時にやりたいと思っていたことが今できています。これから何をしたいというよりは、すでに面白いことに取り組んでいる感覚ですね。
ただ一方で、この先のQAエンジニアのキャリアステップについては模索しているところです。ソフトウェアエンジニアであれば、一般的にエンジニアからPM、統括のようなキャリアパスがあると思いますが、QAエンジニアの場合はそうではありません。
例えば、テスターの中にはテスト関連の技術に特化してパフォーマンスをあげている人もいるし、リスペクトされています。一般的なキャリアパスが、存在しない職種なのではと思っています。
これも、まだ答えのない話だと思うので、QAエンジニアならではのキャリアパスはこうではないかという「仮説」をもとに「答えらしきもの」に近づき、それを構築していきたいです。アンドパッドでなら、きっと生物の進化のように、カオスで面白いQAエンジニアのキャリアを描けると思います。
アンドパッドでは、 1つのアプリで課題を解決するのではなく複数のアプリを展開することで、建築・建設業界全体の生産性を改善するプラットフォーム化の実現を目指して開発を進めています。
プロダクトマネージャーと密に連携し、プロダクトが提供する価値、解決すべき課題を共有し保証すべき品質を定めていくことがQAエンジニアの重要なミッションです。具体的にはE2Eテスト、UATの効率化、自動化や要件定義、設計から関わることで品質を損なうリスクを早期にキャッチアップし、対策することが求められます。
QAエンジニアとして、建築・建設業界のDX推進を実現するプロダクトにおいて、クライアントに価値を届けるため、適切なテスト設計・実施・修正を通じ要件に沿った品質保証、品質向上に貢献してくださる人材を募集しています。
ぜひご応募ください!